婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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やり直せるだろうか〜第一王子ランスロット視点〜

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「はぁ」

 今日の勉強を終えて、僕は椅子に背中を押し付けて伸び上がった。

 王宮にいた頃なら・・・
こんな真似をすれば、母上に行儀が悪いと叱られていただろうな。

 その叱られることがどれだけありがたいことだったのかと、今は思う。

 僕は今、王都から馬車で二日ほどの、王家管轄の領地で過ごしている。

 ここは、降下した王子が爵位をいただいて治める領地で、僕に弟がいたなら僕か弟が公爵位をいただいて公爵領となる場所だ。

 そんな場所は王都から近かったり遠かったりと、いろいろな場所にある。

 ちなみに、叔父上・・・王太子殿下になられる叔父上の持つ王弟管轄領は、王太子として立太子された後もそのまま叔父上が領主のままだそうだ。

 叔父上曰く、僕とチェリーの子供が王太子となった場合、叔父上の子供がその領地を治めることになるらしい。

 もちろん、僕の子供が王太子になるとは限らない。

 その場合は、叔父上の子供が王太子になり、僕の子供は僕の後を継いで公爵となる。

 ずっと、自分の居場所は変わることがないと思っていた。

 父上と母上の子供は僕だけだったから・・・

 僕は傲慢になっていたんだ。

 何をしても許されると、誰もが僕に従ってくれると、勘違いしていたんだ。

 でも、そんなことが許されるわけがなくて。

 むしろ王族なら、それに相応しい心構えが必要だったのに、僕はそれが出来なかった。

 出来ていないと、元平民の、大好きな女性に気付かされた。

 彼女は、それこそ一から頑張ってくれていたのに。

 僕の隣に立つために、本当に頑張ってくれていたのに。

 王太子としての立場を、今は惜しいとは思わない。

 きっと、叔父上の方が相応しい。

 それに、チェリーには王太子妃は重すぎる。

 ルチル・・・クォーツ嬢の言う通りだ。

 僕はチェリーに降りかかる全ての悪意から、彼女を守れるわけじゃない。

 ならば、その降りかかる悪意が少しでも少なくなる地位にするべきなんだ。

 チェリーも今は、王子妃になるべく教育を受けてくれている。

 叔父上とクォーツ嬢が成婚して、子を授かるまでは、僕は第一王子のままだからだ。

 元が平民のチェリーからすれば、とてつもなく大変なことだろう。

 それを、泣き言も言わずに頑張ってくれている。

 チェリーから届く手紙には、僕を気遣う言葉ばかりだ。

 慣れない領地経営の勉強で、挫けそうになるけれど・・・

 大好きなチェリーに会えない寂しさで、挫けそうになるけれど・・・

 間違いに気付いた今、これ以上愚かな真似は出来ない。

 頑張って、頑張って、頑張って・・・
そして両親と叔父上、クォーツ嬢に謝罪して、そしたらチェリーを迎えに行こう。




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