婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

文字の大きさ
79 / 88

手に負えない件

しおりを挟む
「私はあの子、嫌いです!すっごく意地悪なので」

 ローズはその可愛い顔を歪めて、頬をぷくっと膨らませた。

 あら、可愛い。

 チョンと、膨らんだ頬を指で突く。

「可愛いお顔ね、ローズ」

「もう!お姉様」

「ローズのことが大好きよ」

「私もっ!私もお姉様のことが大好きです!」

 のやり取りに、侍女たちも微笑ましそうに見ている。

 あー。もうすぐローズとも離れ離れになるのね。

 一緒にお城に連れて行きたいわ。

「で、アンデシン侯爵令嬢って、意地悪なの?もしかしてローズ、何かされたの?」

 馬鹿なのは、両親と双子だけかと思ったけど、妹も馬鹿なの?

 先代の侯爵様は立派だったと、陛下はおっしゃっていたけど。

「いえ。私は何もされてないです。あの子、自分より身分の下の相手には、意地悪したり乱暴な真似をしたりするんです。お茶会に呼んでおいて席を準備しなかったり、ドレスにお水をわざとこぼしたり」

「陰険なことをするのね」

「それで、私が注意したら『さすが王太子殿下の婚約者の妹様となると偉そうですこと。でも、他家のことに口を挟むなんて品がないですわぁ』なんて言うんですよ」

 私の可愛い可愛いローズに、何言ってくれてるのかしら。

 うん。かわいそうでも何でもないわね。

 ミモザ様とクロード様にお伝えして、男爵家あたりの養女にした方が良さそうね。

 自分がかつていじめていた令嬢と同等になったら、少しは人の気持ちが分かるようになるかしらね。

「ローズ、ありがとう。カーネリアン公爵様たちにお伝えしておくわ。どうせ、アンデシン侯爵家はだと思うから」

「終わり、ですか?」

「ええ。お母様のお怒りを買ったもの。お母様のご気分を害したということは・・・ローズも分かるわよね?お父様が大暴れするということよ」

 多分、陛下が止めても止まらないと思うわ。

 お父様にとってはお母様が、世界の中で一番だもの。

 止められるとしたらお母様だけだし、今回はお母様もお怒りだから・・・

 死人が出ないといいけど。

「王太子殿下はなさらないのですか?」

「キッド様まで出て来たら、カーネリアン公爵家にまで飛び火してしまうわ。ヘリオドール公爵家とのこともあるし、あんまりクォーツ公爵家うち対他の公爵家の構図になるのは、ね」

 幸いにも、どの公爵家ともいい関係は築けているけど、あまり波風立てたくないのよね。

 ローズがクォーツ公爵家を継ぐにあたり、四公爵家がいい関係を築けていけるようにしておきたいのよ。

 お母様がいるから大丈夫だとは思うけど、お父様が率先してローズに手助けするとは思えないし。

 我が親ながら、手に負えないわ。
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

ループ7回目の公爵令嬢は、もう恋愛も復讐も面倒なので、前世の知識で「魔導カフェ」を開き、異世界初のバリスタになります

希羽
恋愛
公爵令嬢アリスは、婚約破棄されて処刑される人生を6回繰り返してきた。7回目の人生が始まった瞬間、彼女は悟る。「もう何もかも面倒くさい」。 復讐も、破滅回避のための奔走も、王子への媚びもすべて放棄。彼女は早々に家を出奔し、市井の片隅で、前世(現代日本)の知識を活かした「魔導カフェ」を開店する。彼女が淹れる「魔力を込めたコーヒー」と、現代風の軽食(ふわふわパンケーキ、サンドイッチ)は、疲れた王都の人々の心を掴み、店は繁盛する。 すると、本来なら敵対するはずの王子や、ゲームの隠しキャラである暗殺者、堅物の騎士団長などが、「癒やし」を求めてカフェに入り浸るように。「君の淹れるコーヒーだけが私の安らぎだ」と勝手に好感度を上げてくる彼らを、アリスは「ただの客」としてドライにあしらうが、その媚びない態度と居心地の良さが、逆に彼らの執着を煽ってしまう。恋愛を捨てたはずが、過去最高のモテ期が到来していた。 ※本作は「小説家になろう」でも投稿しています。

『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ

夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」 華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!

平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」  その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。  王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。  ――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。  学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。 「殿下、どういうことでしょう?」  私の声は驚くほど落ち着いていた。 「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」

婚約破棄? 結構ですわ。私は領地を立て直します

鍛高譚
恋愛
――婚約破棄? むしろ好都合ですわ! 王太子エドワード殿下の婚約者として完璧な淑女教育を受けてきた伯爵令嬢ルシア。 だがある日、殿下は彼女を公衆の面前で一方的に婚約破棄し、新たな婚約者として平民出身の令嬢レイラを選んだ。 「あなたのような冷たい女より、愛に生きるレイラのほうがふさわしい!」 突然の屈辱に、一時は落ち込むルシアだったが――すぐに吹っ切れる。 「王太子妃になるための苦労をしなくて済むなんて、むしろ幸せでは?」 伯爵家の一員として新たな人生を歩むことを決意したルシアは、父の領地の改革に取り組みはじめる。 不作にあえぐ村を助け、農業改革や商業振興に奔走するうちに、村人たちから慕われるように。 そして、彼女の努力はやがて王宮にまで届き―― 「君のような女性こそ、王国に必要だ。」 そんな彼女のもとを訪れたのは、まさかの第二王子・アルベルト殿下!? 婚約破棄で人生が終わるどころか、むしろ最高の人生が始まった!? 元婚約者が没落する一方、ルシアは国を動かす存在へと成長していく――!

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?

桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。 生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。 (……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)

婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。

処理中です...