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番外編:安心する腕の中な件
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悪阻はキツかったけど、他の人と同じ程度の長さで終わった。
初産は時間がかかると言われていたのだけど・・・まさか一日半もかかるとは思わなかったわ。
想像以上に・・・痛くて辛くて、そして長かった。
それでも、元気な泣き声が聞こえると「無事に産まれてくれた」と実感した。
「王太子妃様。可愛らしい若君ですよ」
産湯を終えた赤ん坊を産婆が抱いて、私の元へ連れて来た。
キッド様と同じ黒髪だわ。
目は・・・まだ分からないわね。
胸元に抱くと、すぐに胸の先を口に含んだ。
赤ん坊ってすごいわ。
誰も教えていないのに、お乳の飲み方を本能で知っているのね。
想像していたよりも力強くお乳を飲んでいた我が子は、いつの間にか口を開けたまま眠ってしまっていた。
お腹がいっぱいになったから、眠くなったのね。
「若様はお部屋へお連れしますね。しばらくは私がおそばに付いております」
「ええ、お願いね」
侍女長にお願いして、ベッドの背もたれに寄りかかる。
自分の部屋に戻らなきゃだけど、まだ力が入らないわ。
「ルチル」
「あ、キッド様。お子は今、侍女長が・・・」
「ああ、そこで会った。ルチル、よく頑張ったな」
「キッド様・・・痛かったです。長くて・・・終わらないんじゃないかって不安で」
キッド様が大きな手で頭を撫でてくれると、思わず弱音を吐いてしまった。
涙まで出ちゃったわ。
キッド様は、大きな手で頬を撫でて溢れた涙を拭き取ってくれた。
「もう大丈夫だ。部屋に連れて行くから、少し休むといい」
「はい」
産婆に言われて、部屋に連れて行ってくれるために来てくれたみたい。
抱き上げられると、嗅ぎ慣れた匂いに瞼が重くなる。
ああ。
この人の腕の中が、一番安心できる場所なんだわ。
自室のベッドにそっと下ろされると、離れる温度に寂しさを感じた。
「キッド様・・・」
「少し眠れ。何か飲むか?」
「喉カラカラです」
「果実水が準備してあるな。水の方がいいか?」
キッド様がグラスに果実水を入れて、私の背中に手を当てて起こしてくれる。
グラスの果実水を飲み干した。
思ってたより喉が渇いていたみたい。
キッド様はグラスを受け取ると、それをテーブルに乗せ、私を再びベッドに横たえた。
「キッド様。一緒に眠ってください」
出産のために一晩離れていただけなのに、離れたくない。
お仕事で一緒に寝れない日だって、今までだってあったのに。
キッド様は私の隣に体を横たえると、私をそっと抱き寄せてくれた。
その大きな体の背中に、ギュッとしがみつく。
背中を撫でる手を感じながら、私は静かに眠りに落ちていった・・・
初産は時間がかかると言われていたのだけど・・・まさか一日半もかかるとは思わなかったわ。
想像以上に・・・痛くて辛くて、そして長かった。
それでも、元気な泣き声が聞こえると「無事に産まれてくれた」と実感した。
「王太子妃様。可愛らしい若君ですよ」
産湯を終えた赤ん坊を産婆が抱いて、私の元へ連れて来た。
キッド様と同じ黒髪だわ。
目は・・・まだ分からないわね。
胸元に抱くと、すぐに胸の先を口に含んだ。
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誰も教えていないのに、お乳の飲み方を本能で知っているのね。
想像していたよりも力強くお乳を飲んでいた我が子は、いつの間にか口を開けたまま眠ってしまっていた。
お腹がいっぱいになったから、眠くなったのね。
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「ええ、お願いね」
侍女長にお願いして、ベッドの背もたれに寄りかかる。
自分の部屋に戻らなきゃだけど、まだ力が入らないわ。
「ルチル」
「あ、キッド様。お子は今、侍女長が・・・」
「ああ、そこで会った。ルチル、よく頑張ったな」
「キッド様・・・痛かったです。長くて・・・終わらないんじゃないかって不安で」
キッド様が大きな手で頭を撫でてくれると、思わず弱音を吐いてしまった。
涙まで出ちゃったわ。
キッド様は、大きな手で頬を撫でて溢れた涙を拭き取ってくれた。
「もう大丈夫だ。部屋に連れて行くから、少し休むといい」
「はい」
産婆に言われて、部屋に連れて行ってくれるために来てくれたみたい。
抱き上げられると、嗅ぎ慣れた匂いに瞼が重くなる。
ああ。
この人の腕の中が、一番安心できる場所なんだわ。
自室のベッドにそっと下ろされると、離れる温度に寂しさを感じた。
「キッド様・・・」
「少し眠れ。何か飲むか?」
「喉カラカラです」
「果実水が準備してあるな。水の方がいいか?」
キッド様がグラスに果実水を入れて、私の背中に手を当てて起こしてくれる。
グラスの果実水を飲み干した。
思ってたより喉が渇いていたみたい。
キッド様はグラスを受け取ると、それをテーブルに乗せ、私を再びベッドに横たえた。
「キッド様。一緒に眠ってください」
出産のために一晩離れていただけなのに、離れたくない。
お仕事で一緒に寝れない日だって、今までだってあったのに。
キッド様は私の隣に体を横たえると、私をそっと抱き寄せてくれた。
その大きな体の背中に、ギュッとしがみつく。
背中を撫でる手を感じながら、私は静かに眠りに落ちていった・・・
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