2 / 88
婚約破棄を快く受け入れた件
しおりを挟む
婚約破棄。
王太子殿下であるランスロット様が、国王陛下やクォーツ公爵である父の許可なく、私との婚約関係をなくせる唯一の方法。
好きな人ができたから、婚約をなくしたい気持ちは理解できる。
でも五年も婚約していた相手が、修道院や誰かの後妻になることすら考えられないほどのものなの?真実の愛って。
私とランスロット様の婚約は政略。
だから、愛する人ができたと言われると強く拒めるほどの情はないけれど、それでも五年も一緒にいた相手のことすら考えられないの?と言いたくはなる。
「婚約破棄をお受けしてもかまいませんけど、条件がありますわ」
「条件?」
「当然でしょう?私は殿下に、一方的に婚約破棄を突きつけられるようなことは何もしておりませんわ。王太子殿下に好きな方が出来た、そういうことですわよね?」
別に婚約破棄をしてあげるのはかまわないけど、私は修道院に行くつもりも誰かの後妻にもなるつもりもない。
「そ、それはそうだが・・・」
「私の父、クォーツ公爵を説き伏せてください。自分の責での婚約破棄なので、私を修道院に行かせたり、誰かの後妻にさせないように、と。説き伏せてくだされば、私はクォーツ家の領地に引きこもりますわ」
「え、あ、修道・・・」
あら、まぁ。
ランスロット様は本当に、真実の愛にのぼせ上がって、婚約破棄した私がどうなるかなんて考えもしていなかったのね。
王太子殿下の婚約者を五年もしていて、適齢期になった時に婚約破棄された公爵令嬢なんて、誰が娶るの?
王太子妃教育が王家の秘匿事項まで行ってないから、幽閉からの毒杯はないと思うけど、ただの貴族の婚約と違うのよ?
「それに、王太子殿下の真実の愛のお相手がどのような身分の方かは存じませんけど、父に味方になってもらえれば陛下を説き伏せることが可能かもしれませんわよ」
「ッ!それもそうか」
味方になってもらえたら、ね。
ランスロット様のお相手にもよるけど、クォーツ公爵家にプラスになると思わせることができれば、味方になってくれると思うわ。
「し、しかし、僕から言い出したことだが、ルチルはいいのか?」
「王太子殿下は、他にとても大切な方が出来たのでしょう?王太子殿下が愛する方と結ばれることで幸せになるのでしたら、私は快く婚約破棄を受け入れますわ。ですから、父を納得させてくださいませね?クォーツ公爵家にとってプラスになると思わせれば、父は味方になるでしょう」
「分かった!クォーツ公爵を納得させ、君が修道院とかではなく領地に行けるようにしてみせる!」
悪い方ではないのよね・・・
王太子殿下であるランスロット様が、国王陛下やクォーツ公爵である父の許可なく、私との婚約関係をなくせる唯一の方法。
好きな人ができたから、婚約をなくしたい気持ちは理解できる。
でも五年も婚約していた相手が、修道院や誰かの後妻になることすら考えられないほどのものなの?真実の愛って。
私とランスロット様の婚約は政略。
だから、愛する人ができたと言われると強く拒めるほどの情はないけれど、それでも五年も一緒にいた相手のことすら考えられないの?と言いたくはなる。
「婚約破棄をお受けしてもかまいませんけど、条件がありますわ」
「条件?」
「当然でしょう?私は殿下に、一方的に婚約破棄を突きつけられるようなことは何もしておりませんわ。王太子殿下に好きな方が出来た、そういうことですわよね?」
別に婚約破棄をしてあげるのはかまわないけど、私は修道院に行くつもりも誰かの後妻にもなるつもりもない。
「そ、それはそうだが・・・」
「私の父、クォーツ公爵を説き伏せてください。自分の責での婚約破棄なので、私を修道院に行かせたり、誰かの後妻にさせないように、と。説き伏せてくだされば、私はクォーツ家の領地に引きこもりますわ」
「え、あ、修道・・・」
あら、まぁ。
ランスロット様は本当に、真実の愛にのぼせ上がって、婚約破棄した私がどうなるかなんて考えもしていなかったのね。
王太子殿下の婚約者を五年もしていて、適齢期になった時に婚約破棄された公爵令嬢なんて、誰が娶るの?
王太子妃教育が王家の秘匿事項まで行ってないから、幽閉からの毒杯はないと思うけど、ただの貴族の婚約と違うのよ?
「それに、王太子殿下の真実の愛のお相手がどのような身分の方かは存じませんけど、父に味方になってもらえれば陛下を説き伏せることが可能かもしれませんわよ」
「ッ!それもそうか」
味方になってもらえたら、ね。
ランスロット様のお相手にもよるけど、クォーツ公爵家にプラスになると思わせることができれば、味方になってくれると思うわ。
「し、しかし、僕から言い出したことだが、ルチルはいいのか?」
「王太子殿下は、他にとても大切な方が出来たのでしょう?王太子殿下が愛する方と結ばれることで幸せになるのでしたら、私は快く婚約破棄を受け入れますわ。ですから、父を納得させてくださいませね?クォーツ公爵家にとってプラスになると思わせれば、父は味方になるでしょう」
「分かった!クォーツ公爵を納得させ、君が修道院とかではなく領地に行けるようにしてみせる!」
悪い方ではないのよね・・・
552
あなたにおすすめの小説
ループ7回目の公爵令嬢は、もう恋愛も復讐も面倒なので、前世の知識で「魔導カフェ」を開き、異世界初のバリスタになります
希羽
恋愛
公爵令嬢アリスは、婚約破棄されて処刑される人生を6回繰り返してきた。7回目の人生が始まった瞬間、彼女は悟る。「もう何もかも面倒くさい」。 復讐も、破滅回避のための奔走も、王子への媚びもすべて放棄。彼女は早々に家を出奔し、市井の片隅で、前世(現代日本)の知識を活かした「魔導カフェ」を開店する。彼女が淹れる「魔力を込めたコーヒー」と、現代風の軽食(ふわふわパンケーキ、サンドイッチ)は、疲れた王都の人々の心を掴み、店は繁盛する。 すると、本来なら敵対するはずの王子や、ゲームの隠しキャラである暗殺者、堅物の騎士団長などが、「癒やし」を求めてカフェに入り浸るように。「君の淹れるコーヒーだけが私の安らぎだ」と勝手に好感度を上げてくる彼らを、アリスは「ただの客」としてドライにあしらうが、その媚びない態度と居心地の良さが、逆に彼らの執着を煽ってしまう。恋愛を捨てたはずが、過去最高のモテ期が到来していた。
※本作は「小説家になろう」でも投稿しています。
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで
みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める
婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様
私を愛してくれる人の為にももう自由になります
断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る
黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。
(ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)
平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。
――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。
学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。
「殿下、どういうことでしょう?」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
婚約破棄? 結構ですわ。私は領地を立て直します
鍛高譚
恋愛
――婚約破棄? むしろ好都合ですわ!
王太子エドワード殿下の婚約者として完璧な淑女教育を受けてきた伯爵令嬢ルシア。
だがある日、殿下は彼女を公衆の面前で一方的に婚約破棄し、新たな婚約者として平民出身の令嬢レイラを選んだ。
「あなたのような冷たい女より、愛に生きるレイラのほうがふさわしい!」
突然の屈辱に、一時は落ち込むルシアだったが――すぐに吹っ切れる。
「王太子妃になるための苦労をしなくて済むなんて、むしろ幸せでは?」
伯爵家の一員として新たな人生を歩むことを決意したルシアは、父の領地の改革に取り組みはじめる。
不作にあえぐ村を助け、農業改革や商業振興に奔走するうちに、村人たちから慕われるように。
そして、彼女の努力はやがて王宮にまで届き――
「君のような女性こそ、王国に必要だ。」
そんな彼女のもとを訪れたのは、まさかの第二王子・アルベルト殿下!?
婚約破棄で人生が終わるどころか、むしろ最高の人生が始まった!?
元婚約者が没落する一方、ルシアは国を動かす存在へと成長していく――!
これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?
桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。
生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。
(……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる