婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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婚約破棄を報告した件

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 クォーツ公爵家。

 オブディシアン王国にある四公爵家のひとつである。

 燃えるような赤い髪のカーネリアン公爵家。

 紅茶のような褐色の髪のサードニクス公爵家。

 向日葵のような黄色の髪のヘリオドール公爵家。

 この公爵家四家に、侯爵家が六家、伯爵家が八家あり、子爵家男爵家とある。

 そんなクォーツ公爵家の当主である私のお父様は、銀髪に銀色の瞳をしていて、お母様は紫色の髪と瞳をしている。

 お父様は、別段私を溺愛しているわけでもなく、かといって冷遇もしていない。

 ごくごく一般的な親子関係だと思う。

 お父様は、お母様のことが大好きで、子供にお母様を取られるのが嫌で、私と歳の離れた妹しか子供を作らなかった。

 普通は男児が生まれるまで、という貴族家としては珍しいケースだと思う。

 私がランスロット様の婚約者になったから、クォーツ公爵家を継ぐのは妹のローズと決まっている。

「お父様、お母様、お話があります」

「あら?どうしたの?ルチル。今日は王太子殿下とのお茶会だったのでしょう?何かあったの?」

 お父様のお膝の上で紅茶を飲んでいるお母様が、ニコニコとした笑顔のまま問い返して来た。

 ちなみに、お父様と呼びかけているけど、私はお母様の目を見て話しかけている。

 お膝の上だから方向的には同じだし、一応はお父様が当主だから呼びかけはしたけど、我が家では全ての決定権はお母様にあるのだ。

 何故なら、お父様はお母様の言うことには全て従うから。

 娘の前でも、イチャコラする人だから。

「そのランスロット王太子殿下に、婚約の破棄を願われました。真実の愛を見つけられたそうですわ」

「はい?ごめんなさい、ルチル。わたくし、耳が悪くなったのかしら?おかしな言葉が聞こえたのだけど」

「耳の調子が悪いのかい?リシア。大変だ、すぐに主治医を・・・」

「旦那様!待て、ですわ」

「うん、分かった」

 私の父親は犬だったのかしら?なんて思っていたのは遠い昔のこと。

 もう慣れましたよ、父親のお母様ラブには。

「どういうこと?ルチル」

「今日のお茶会の帰り際に、ランスロット様が爆弾発言をなさいました。相手が誰かまではお聞きしませんでしたけど、婚約破棄を受け入れる条件は出しました。お父様を説き伏せて、私を修道院や誰かの後妻にはさせないと約束を取り付けろ、と。それが出来たなら婚約破棄を受け入れると伝えましたわ」

 ランスロット様にはああ言ったけど、お父様が私を修道院に入れたり誰かの後妻にすることはないと思う。

 お父様だけならする可能性はあるけど、お母様がいる限りはないわ。




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