婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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王弟殿下がやって来た件

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 お父様はさすがに、修道院に行けとは言わなかった。

 お母様の、にっこりと笑った笑顔が怖かったんだと思う。

 ちなみにランスロット王太子殿下は、馬鹿正直に我が家にやって来て、お父様に婚約破棄をお願いしていた。

 五年も婚約者してたけど、この人ってこんなにお馬鹿だったのねぇとある意味感心した。

 お母様に前もって言われていたお父様は、王太子殿下から必要な情報を聞き出し、その上で婚約の白紙撤回の手続きをするとおっしゃった。

 陛下には、自分が話して白紙撤回してもらうから、何があろうと二度と私には関わるなと念を押していた。

 白紙撤回の方がもちろん嬉しいけど、でも本当に国王陛下に許可をもらえるの?

「大丈夫なのですか?私は修道院とかさえ回避できるなら、大人しく領地に籠ろうと思っていたのですが」

「心配しなくていいわ、ルチル。国王陛下の弱みは握っているから」

「・・・」

 お母様が何やら怖いことを言ってるけど、うん。聞かなかったことにしましょう。

 白紙撤回してくれるというのだから、お任せしましょう。

 そして、本当にお父様は私とランスロット王太子殿下の婚約の白紙撤回をもぎ取って来た。

「リシア!ちゃんと白紙撤回をもぎ取って来たよ!」

「まぁ!旦那様。お疲れ様でした」

 お父様。
そこは一応、私に報告というか、言って欲しいところなんだけど。

 まぁ、無理よね。お母様と私じゃ、比較にすらならないわよね。

 でも、白紙撤回されても私と王太子殿下の婚約のことはほとんどの人が知ってるし、新たな婚約は難しいと思う。

 やっぱり、それを理由に領地に引きこもろう。

「お父様、お母様。白紙撤回と言っても私と殿下の婚約は知れ渡っています。しばらく領地で過ごそうと思いますわ」

「うーん、そうねぇ。なら、わたくしも行こうかしら」

「リシアっ!」

「ローズが寂しがりますから、お母様は王都でいてくださいませ」

 でもって、お母様が来るともれなくお父様も付いてくるから。

 そんなの、領地に行ってもちっとものんびりできないじゃない!

 私はやっと、王太子妃という重責から解放されたのよ。

 王太子殿下の元婚約者を、婚約者に望む貴族はほとんどいない。

 なら、領地で領地経営の手伝いをしながらのんびりしたっていいわよね?

 もちろん、可愛いローズの邪魔になってはいけないから、適度に個人資産を増やしたら旅にでも出るわ。

 と、思っていたのに!

「旦那様、奥様、ルチルお嬢様。王弟殿下が、王弟殿下がいらっしゃいましたっ!」

 我が家の筆頭執事が、爆弾を投下した。
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