婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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新たな婚約か結ばれた件

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 翌日。

 今度はちゃんと前触れがあり、両手で抱えきれないくらいの花束を持って王弟殿下はやって来た。

 王宮の担当官の人も一緒に来ていて、ああ婚約するんだなって実感した。

 貴族の婚約には、お互いの家の当主と本人の署名入りの書類を王宮に提出しなければならない。

 婚約の解消に関しても同じ。

 ただし、破棄の場合は本人同士のみでも可能。

 その場合、どちらの有責かで慰謝料が発生し、その支払い完了にて王宮で婚約関係の終了が受け付けられる。

 つまりは、ランスロット王太子殿下が私に婚約破棄を突きつけた件では、ランスロット王太子殿下の有責で我が家に慰謝料を支払うことで、うちのお父様や国王陛下の異議を受け付けずに婚約関係を終えられる、ということ。

 まぁ、お父様が陛下と話して白紙撤回にしたから、殿下も慰謝料は払わずに済んだけれど。

「ではこれで、キッド・オブシディアン王弟殿下とルチル・クォーツ公爵令嬢との婚約が結ばれました。おめでとうございます。それでは私は書類の提出がありますので失礼します」

 私と王弟殿下、うちの両親の署名が終わると、王宮担当官の方はさっさと我が家から帰って行かれた。

 ちなみに王弟殿下のご両親、つまりは前国王陛下たちの署名はすでにいただいていた。

 まさか前国王陛下たちも、孫の婚約者が息子の婚約者になるとは思わなかっただろうなぁ。

「ルチル、お庭をご案内して差し上げなさい」

「はい、お母様。王弟殿下、ご案内いたしますわ」

「ああ、お願いしよう」

 お母様ご自慢の、クォーツ公爵家の庭である。

 正確に言うならば、お母様の好きな花をお父様が次々に植えた庭、だけど。

「すごいな」

「王宮ほどではありませんけど。ここに植えられている花は全て母の好きな花なのです」

「なるほど。ルチル嬢はどんな花が好きなんだ?」

「私ですか?そうですね・・・ネモフィラやスノーフレークなど小さな花が好きです」

 ガゼボに案内しながら、植えられている花を眺める。

 お母様も薔薇のように華やかな花よりは、可愛らしい花がお好きなのよね。

「この木なんですけど、お母様がお好きだとおっしゃった遠い東国に咲く花で、春に咲くのですけど淡い桃色でとても素敵なんですよ」

「へぇ。見てみたいな」

「春になったら、是非」

 この国では、こんな大きな木に咲く花なんて珍しいから、きっと驚かれるわ。

 とても柔らかな色合いで、花びらがハート型で・・・私もローズも大好きなのよね。

 散る時も壮観だし。
まぁ、庭師の方は大変みたいだけど。
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