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本当に大切なこと
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こんなヤツに凌辱されるくらいなら!
覚悟を決めて、舌を歯の間に挟んだ。
一気に噛み切ろうとした瞬間ー
ドゴォォォォォン!!!
激しい音と共に、扉が破壊された。
さすがに、私の上にのしかかっていたビッグと呼ばれた男子生徒も顔を上げた。
その一瞬あとー
男子生徒が吹き飛ばされる。
「何をしている?」
聞こえた辺りを氷点下に落とす声に、冷たいのに、空気まで凍りそうに思えるのに、心が温かくなった。
「な、な、な、なんだ!おまえはっ!ここはアクツート伯爵家だぞっ!」
「それがどうした?ビッグ・アクツート。なら、聞こう。おまえが今組み敷いていたお方がどこのどなたか理解しているか?」
「か、彼女は僕の婚約者さっ!彼女はこういうプレイが好きなん・・・ぐわっ!」
ビッグが言い終える前に、ソルの拳がビッグの顔をとらえた。
私の上から転げ落ちたビッグのみぞおちに、ソルのつま先が食い込む。
「がっ・・・」
「リアナ様は、俺の大切な方だ。その方を汚す言葉など、よっぽど死にたいらしいな?」
「ソル!ソイツは俺に任せて、姫君を救出しろよ」
カイが私を見て、ニッと笑ってくる。ソルは・・・俯きがちで、長い前髪で隠れて表情が見えない。
顔が見たいのに。
声が聞きたいのに。
ソルは黙ったまま、私を拘束していた鎖を外していく。
「ソル」
「・・・」
「!!」
ソルがキツく私を抱きしめた。
折れそうなほど強い力なのに、ソルの体は震えていて、私はソルの背中に縋り付くように手を回した。
「リアナ様、リアナ様」
「ソル、ごめんなさい。約束守れなくて。ごめんなさい」
ソルがどれだけ私を心配してくれていたのか、その震える体が教えてくれる。
「おーい、ソル。シオン様が来る前にベッドから降りろよ。殺されるぞ」
抱き合ったまま聞こえたカイの言葉に、ソルは慌てて私を抱き上げてベッドから降りた。
間一髪、部屋の壊れた扉を踏みつけて、シオンが現れた。
「リアナっ!」
「お義兄様」
ソルに下ろしてもらい、シオンの元へ駆け寄る。
「僕の可愛いリアナ。僕やソルがどれだけ心配したか、わかっているかい?」
「ご、ごめんなさい、お義兄様」
「ソルの言うことが聞けないのなら、部屋に閉じ込めて2度と出さないよ?」
シオンの言葉に硬直した。
私を溺愛しているシオンが、本気で怒っている。
「ごめんなさい。ごめんなさい、お義兄様、ソル」
「とにかく、ソルと先に帰りなさい。父上たちも心配している」
「はい、お義兄様」
「ソル、僕は後片付けを終わらせてから帰るから、リアナを頼んだよ」
「かしこまりました」
ソルと共に王宮へと戻ると、お父様とお母様に抱きしめられた。
私は、本当に迂闊な行動でみんなを心配させてしまったんだ。
もしも、あの時ソルたちが間に合わなかったら、私は舌を噛んでお父様たちやシオン、ソルを悲しませていたんだ。
アクツート伯爵家は取り潰しになった。それはそうだろう。王女を攫い、強姦しようとしたのだから。
それは、私にちょっかいを出そうと考えていた他の貴族たちへの警告となった。
もちろん、ソルと婚姻するまでは警戒は怠らないようにと、シオンにキツく言われたので、私は素直にうなづいたのだった。
覚悟を決めて、舌を歯の間に挟んだ。
一気に噛み切ろうとした瞬間ー
ドゴォォォォォン!!!
激しい音と共に、扉が破壊された。
さすがに、私の上にのしかかっていたビッグと呼ばれた男子生徒も顔を上げた。
その一瞬あとー
男子生徒が吹き飛ばされる。
「何をしている?」
聞こえた辺りを氷点下に落とす声に、冷たいのに、空気まで凍りそうに思えるのに、心が温かくなった。
「な、な、な、なんだ!おまえはっ!ここはアクツート伯爵家だぞっ!」
「それがどうした?ビッグ・アクツート。なら、聞こう。おまえが今組み敷いていたお方がどこのどなたか理解しているか?」
「か、彼女は僕の婚約者さっ!彼女はこういうプレイが好きなん・・・ぐわっ!」
ビッグが言い終える前に、ソルの拳がビッグの顔をとらえた。
私の上から転げ落ちたビッグのみぞおちに、ソルのつま先が食い込む。
「がっ・・・」
「リアナ様は、俺の大切な方だ。その方を汚す言葉など、よっぽど死にたいらしいな?」
「ソル!ソイツは俺に任せて、姫君を救出しろよ」
カイが私を見て、ニッと笑ってくる。ソルは・・・俯きがちで、長い前髪で隠れて表情が見えない。
顔が見たいのに。
声が聞きたいのに。
ソルは黙ったまま、私を拘束していた鎖を外していく。
「ソル」
「・・・」
「!!」
ソルがキツく私を抱きしめた。
折れそうなほど強い力なのに、ソルの体は震えていて、私はソルの背中に縋り付くように手を回した。
「リアナ様、リアナ様」
「ソル、ごめんなさい。約束守れなくて。ごめんなさい」
ソルがどれだけ私を心配してくれていたのか、その震える体が教えてくれる。
「おーい、ソル。シオン様が来る前にベッドから降りろよ。殺されるぞ」
抱き合ったまま聞こえたカイの言葉に、ソルは慌てて私を抱き上げてベッドから降りた。
間一髪、部屋の壊れた扉を踏みつけて、シオンが現れた。
「リアナっ!」
「お義兄様」
ソルに下ろしてもらい、シオンの元へ駆け寄る。
「僕の可愛いリアナ。僕やソルがどれだけ心配したか、わかっているかい?」
「ご、ごめんなさい、お義兄様」
「ソルの言うことが聞けないのなら、部屋に閉じ込めて2度と出さないよ?」
シオンの言葉に硬直した。
私を溺愛しているシオンが、本気で怒っている。
「ごめんなさい。ごめんなさい、お義兄様、ソル」
「とにかく、ソルと先に帰りなさい。父上たちも心配している」
「はい、お義兄様」
「ソル、僕は後片付けを終わらせてから帰るから、リアナを頼んだよ」
「かしこまりました」
ソルと共に王宮へと戻ると、お父様とお母様に抱きしめられた。
私は、本当に迂闊な行動でみんなを心配させてしまったんだ。
もしも、あの時ソルたちが間に合わなかったら、私は舌を噛んでお父様たちやシオン、ソルを悲しませていたんだ。
アクツート伯爵家は取り潰しになった。それはそうだろう。王女を攫い、強姦しようとしたのだから。
それは、私にちょっかいを出そうと考えていた他の貴族たちへの警告となった。
もちろん、ソルと婚姻するまでは警戒は怠らないようにと、シオンにキツく言われたので、私は素直にうなづいたのだった。
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