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聖女からの提案《ソル視点》
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リアナ様が学院に復帰されて1週間後ー
俺とシオン様は聖女であるフローラ様に殿下の執務室に集められた。
王宮内であるので大丈夫だとは思うが、カイにリアナ様の警護についてもらっている。現在、リアナ様は王宮内の調理場でお菓子作りなるものに挑戦している。
貴族が自分で調理をすることなどほとんどない。王族なら尚更だ。それを、何を思ったのか、リアナ様はお菓子を作りたいと言い出した。
リアナ様には甘い陛下や王妃様、シオン様も止めるに止められず、侍女を伴ってリアナ様は調理場へと向かわれた。
どうやら、先日フローラ様に手作りクッキーをいただいたらしい。それで、自分も作りたいと思ったようだ。
火を使ったりするのは心配だが、まぁ料理長もいるし、リアナ様が元気になるなら、いいだろうという結論になった。
「それで、フローラ。どうしたというんだ?」
俺がいるのでということで、護衛の騎士も遠ざけて、完全に人払いを終えた後、シオン様が口を開いた。
「リアナ様のことで大切なお話があります」
いつもと違う、その固い声に俺もシオン様も表情を引き締めた。
「シオン王太子殿下、ソル様、このことは国王陛下にも、王妃様にも、そしてリアナ様にも内密にお願いします。お約束いただけますか」
「リアナにまでか?」
「リアナ様ご自身のことですが、リアナ様に負担をかけたくないのです。お約束いただけないのなら、お話出来ません」
フローラ・ダイアンサス伯爵令嬢は、聖女となった時点で王家よりも上の存在となった。つまり、シオン様が話せと強要することは不可能なのだ。
彼女は、リアナ様のことを大切に思っている。リアナ様に良くない発言や行動はしないだろう。
「わかりました。お約束いたします」
「わかった、僕も約束しよう」
「ご了承いただきありがとうございます。では、お話いたします。本当は、話すべきか迷ったのですが、万全を期したいので協力者を増やすべきだと判断しました。シオン様、シオン様には光の魔力がありますね?」
フローラの周知の事実の問いかけに、シオン様は訝しげにうなづいた。
王家の人間は、外部からの婚姻者以外は全員に光の魔力が宿る。つまりは王妃様以外、国王陛下もシオン様もリアナ様も光の魔力持ちだ。
「当然、リアナ様にも光の魔力がありますよね?」
「ああ。一体、何を言っているんだ?フローラ」
「魔力は1人に1種類。それも周知の事実ですね?」
フローラ様は何を言いたいのだろう?
繰り返される当たり前のことの確認に、俺もシオン様も不信感が拭えない。
何か言いたげなシオン様と俺の顔をしっかりと見つめた後、フローラ様は大きく息をついてから衝撃的な言葉を発した。
「リアナ様には、もう1つ闇の聖女としての魔力が宿っています」
俺とシオン様は聖女であるフローラ様に殿下の執務室に集められた。
王宮内であるので大丈夫だとは思うが、カイにリアナ様の警護についてもらっている。現在、リアナ様は王宮内の調理場でお菓子作りなるものに挑戦している。
貴族が自分で調理をすることなどほとんどない。王族なら尚更だ。それを、何を思ったのか、リアナ様はお菓子を作りたいと言い出した。
リアナ様には甘い陛下や王妃様、シオン様も止めるに止められず、侍女を伴ってリアナ様は調理場へと向かわれた。
どうやら、先日フローラ様に手作りクッキーをいただいたらしい。それで、自分も作りたいと思ったようだ。
火を使ったりするのは心配だが、まぁ料理長もいるし、リアナ様が元気になるなら、いいだろうという結論になった。
「それで、フローラ。どうしたというんだ?」
俺がいるのでということで、護衛の騎士も遠ざけて、完全に人払いを終えた後、シオン様が口を開いた。
「リアナ様のことで大切なお話があります」
いつもと違う、その固い声に俺もシオン様も表情を引き締めた。
「シオン王太子殿下、ソル様、このことは国王陛下にも、王妃様にも、そしてリアナ様にも内密にお願いします。お約束いただけますか」
「リアナにまでか?」
「リアナ様ご自身のことですが、リアナ様に負担をかけたくないのです。お約束いただけないのなら、お話出来ません」
フローラ・ダイアンサス伯爵令嬢は、聖女となった時点で王家よりも上の存在となった。つまり、シオン様が話せと強要することは不可能なのだ。
彼女は、リアナ様のことを大切に思っている。リアナ様に良くない発言や行動はしないだろう。
「わかりました。お約束いたします」
「わかった、僕も約束しよう」
「ご了承いただきありがとうございます。では、お話いたします。本当は、話すべきか迷ったのですが、万全を期したいので協力者を増やすべきだと判断しました。シオン様、シオン様には光の魔力がありますね?」
フローラの周知の事実の問いかけに、シオン様は訝しげにうなづいた。
王家の人間は、外部からの婚姻者以外は全員に光の魔力が宿る。つまりは王妃様以外、国王陛下もシオン様もリアナ様も光の魔力持ちだ。
「当然、リアナ様にも光の魔力がありますよね?」
「ああ。一体、何を言っているんだ?フローラ」
「魔力は1人に1種類。それも周知の事実ですね?」
フローラ様は何を言いたいのだろう?
繰り返される当たり前のことの確認に、俺もシオン様も不信感が拭えない。
何か言いたげなシオン様と俺の顔をしっかりと見つめた後、フローラ様は大きく息をついてから衝撃的な言葉を発した。
「リアナ様には、もう1つ闇の聖女としての魔力が宿っています」
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