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解き明かされた理事長のメッセージ
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エレインは学園の授業だけでは無く、クラブ活動に意図しない妃教育、化石の謎解きと多忙な日々を送っていた。
アルフレッドも何時になく楽しそうで、毎日熱心に何かの解読をしている姿を、王宮の宮仕えだけではなく国王夫妻までが盗み見ていた。
幼い頃から何ひとつ文句も言わずに、王族としての義務を淡々とこなす子供であった為、心配な部分も多くあったのだ。
アルフレッドが、こんなに何かに夢中になっている姿を見るのは初めての事であり、親として嬉しくも感じていた。
毎朝憂鬱そうに通っていた学園も、今は早い時間に笑顔で登園している。
何時もの様に図書室へ行くと、既にルーカスとエレインが居た。
「ごきげんよう、ルーカス。フルール嬢、今日も美しいな」
ルーカスだけではなく近くにいた生徒たちも、他に挨拶は無いのかと、女性を口説けない王子に残念な眼差しを向けていた。
「ごきげんよう、殿下。何時もお褒めの言葉を、ありがとうございます」
定型文の様な誉め言葉に、律儀に礼を言うエレインであった。
授業では教師が理事長から託された沢山のヒントが既に散りばめられており、クラブ所属生徒たちは漏らす事無く拾い集めている。
しかし何度も開かれたクラブ活動では、誰もが正解に近い回答すら披露出来ずにいた。
理事長から出されるヒントは随分と大雑把で、聞けば聞くほど頭が混乱していくのである。
しかし、謎が難題であればある程、生徒たちは解いてみたいと思う気持ちが大きくなっていく。
何度も授業内容を確認してはノートに書き出し、納得がいくまでに沢山のメッセージを見つけたのだった。
そうして迎えたクラブ活動最終日には、十人の生徒がそれぞれに自信を持って解読したメッセージを披露した。
ある者は国語の教科書に載っていた詩集の中から引用して、ある者は歴史上の人物が残した言葉をそのままメッセージとして披露する。
それぞれにどうしてその言葉を導き出したかの見解も含めて議論したが、どれも皆素晴らしく正解に思えた。
エレインも教師が指摘した大切な個所を全て見比べて、その中から最も多く出て来た単語の意味を調べた結果、一人の画家に行きついたのだ。
その人物は画家としてはあまり有名では無いが、愛する人の肖像画だけを書き続けた一途な男として、度々舞台などでも脚色された物が講演される知る人ぞ知る人物なのである。
この画家が生涯たった一人の女性の為に残した言葉が『我が人生は、貴方と共にある』で、あった。
エレインは、自信を持って回答したのだった。
ルーカスも同じ回答だった為、他の生徒もこれが正解だと思っていたが、二人の解説は非常に惜しかった。
「残念だが、二人の回答も正解ではないのだよ。私はそんな簡単に答えが出る様なメッセージは残していないのでね。正解者は残念ながら、いないと言う事になるのかな」
生徒たちが大きなため息を付き、残念そうにしていた中で、一人だけ生き生きとしていた生徒がいた。
もう少し捻りを加えて、理事長のメッセージを正確に解き明かしたのが、アルフレッドだったのだ。
彼は今までマルゲリーターの為に費やしていた時間を、そっくりそのまま解読の時間に使う事が出来たのだった。
最も多く出て来た単語を、全て並べて一人の画家が出て来るところまでは、エレインとルーカスと同じだった。
だがアルフレッドは、そこで止まる事をしなかったのだ。
まだ奥深くに隠された何かがある筈だと、寝る間も惜しんで謎を解き明かしたのである。
その画家が描く肖像画の題名を単語として並べ、その題名から文字を抜き出し並べ直した言葉が、理事長が残したメッセージではないかと考えた。
アルフレッドは、自信あり気に答えたのである。
「私は、理事長のメッセージは『運命の赤い糸』だと、解読致しました」
したり顔で、堂々と答えたアルフレッドに、その場にいた誰もが称賛の眼差しでみつめたのだった。
これには、叔父である理事長も鼻が高かった様で、アルフレッドを絶賛した。
「素晴らしいぞ!アルフレッド、まさか解読する者が出て来るとは思わなかった。想定外なんだがね」
「叔父上を負かす事が出来る日が来るとは、私も感無量です。今回の言葉遊びを考えてくれたフルール嬢に、感謝の気持ちでいっぱいです」
理事長は毎回行われていたクラブ活動での発言を聞いていて、正直正解者はいないと思っていた為、アルフレッドの探求心に脱帽する結果となったのである。
今回の正解者はアルフレッドだったが、彼は殿堂入りをしているので、次回はくじ引きで当たった者がお題を考える事となったのだ。
エレインだけではなく、今回のクラブ活動に参加した生徒たちが皆、アルフレッドに尊敬のまなざしを向けた。
「素晴らしいです、殿下。俺にはとても思い付きませんでした」
「本当に、アルフレッド殿下の発想力には、驚きしかありませんわ」
「そうね、パトリシア。私も驚き過ぎて、言葉が出て来ないわ。殿下、尊敬致しますわ」
「悔しいが、今回は僕の敗北だよ。おめでとう、アルフレッド」
「フルール嬢とルーカスは、もうひと捻りが足りなかったね、実に惜しいと思うよ。しかし、私は他の生徒たちの意見も非常に興味深く感じていたので、メッセージを解き明かす事が出来たのは皆のお蔭だと思っている」
この場に居た生徒たちは、クラブが楽しくて仕方がなかった。
皆が次も上位三名に入りたいと勉学に一層励む事を誓う中で、エレインも兄とアルフレッドと楽しい時間をもっと沢山過ごしたいと思い、更に勉学に入れ込む様になっていった。
今まで以上に、授業内容だけでは飽き足らず、専門外にまで手を伸ばしている始末である。
少しでも空いた時間があれば、ルーカスの元に足を運び、益々アルフレッドと共に過ごす事も多くなって行った。
アルフレッドも何時になく楽しそうで、毎日熱心に何かの解読をしている姿を、王宮の宮仕えだけではなく国王夫妻までが盗み見ていた。
幼い頃から何ひとつ文句も言わずに、王族としての義務を淡々とこなす子供であった為、心配な部分も多くあったのだ。
アルフレッドが、こんなに何かに夢中になっている姿を見るのは初めての事であり、親として嬉しくも感じていた。
毎朝憂鬱そうに通っていた学園も、今は早い時間に笑顔で登園している。
何時もの様に図書室へ行くと、既にルーカスとエレインが居た。
「ごきげんよう、ルーカス。フルール嬢、今日も美しいな」
ルーカスだけではなく近くにいた生徒たちも、他に挨拶は無いのかと、女性を口説けない王子に残念な眼差しを向けていた。
「ごきげんよう、殿下。何時もお褒めの言葉を、ありがとうございます」
定型文の様な誉め言葉に、律儀に礼を言うエレインであった。
授業では教師が理事長から託された沢山のヒントが既に散りばめられており、クラブ所属生徒たちは漏らす事無く拾い集めている。
しかし何度も開かれたクラブ活動では、誰もが正解に近い回答すら披露出来ずにいた。
理事長から出されるヒントは随分と大雑把で、聞けば聞くほど頭が混乱していくのである。
しかし、謎が難題であればある程、生徒たちは解いてみたいと思う気持ちが大きくなっていく。
何度も授業内容を確認してはノートに書き出し、納得がいくまでに沢山のメッセージを見つけたのだった。
そうして迎えたクラブ活動最終日には、十人の生徒がそれぞれに自信を持って解読したメッセージを披露した。
ある者は国語の教科書に載っていた詩集の中から引用して、ある者は歴史上の人物が残した言葉をそのままメッセージとして披露する。
それぞれにどうしてその言葉を導き出したかの見解も含めて議論したが、どれも皆素晴らしく正解に思えた。
エレインも教師が指摘した大切な個所を全て見比べて、その中から最も多く出て来た単語の意味を調べた結果、一人の画家に行きついたのだ。
その人物は画家としてはあまり有名では無いが、愛する人の肖像画だけを書き続けた一途な男として、度々舞台などでも脚色された物が講演される知る人ぞ知る人物なのである。
この画家が生涯たった一人の女性の為に残した言葉が『我が人生は、貴方と共にある』で、あった。
エレインは、自信を持って回答したのだった。
ルーカスも同じ回答だった為、他の生徒もこれが正解だと思っていたが、二人の解説は非常に惜しかった。
「残念だが、二人の回答も正解ではないのだよ。私はそんな簡単に答えが出る様なメッセージは残していないのでね。正解者は残念ながら、いないと言う事になるのかな」
生徒たちが大きなため息を付き、残念そうにしていた中で、一人だけ生き生きとしていた生徒がいた。
もう少し捻りを加えて、理事長のメッセージを正確に解き明かしたのが、アルフレッドだったのだ。
彼は今までマルゲリーターの為に費やしていた時間を、そっくりそのまま解読の時間に使う事が出来たのだった。
最も多く出て来た単語を、全て並べて一人の画家が出て来るところまでは、エレインとルーカスと同じだった。
だがアルフレッドは、そこで止まる事をしなかったのだ。
まだ奥深くに隠された何かがある筈だと、寝る間も惜しんで謎を解き明かしたのである。
その画家が描く肖像画の題名を単語として並べ、その題名から文字を抜き出し並べ直した言葉が、理事長が残したメッセージではないかと考えた。
アルフレッドは、自信あり気に答えたのである。
「私は、理事長のメッセージは『運命の赤い糸』だと、解読致しました」
したり顔で、堂々と答えたアルフレッドに、その場にいた誰もが称賛の眼差しでみつめたのだった。
これには、叔父である理事長も鼻が高かった様で、アルフレッドを絶賛した。
「素晴らしいぞ!アルフレッド、まさか解読する者が出て来るとは思わなかった。想定外なんだがね」
「叔父上を負かす事が出来る日が来るとは、私も感無量です。今回の言葉遊びを考えてくれたフルール嬢に、感謝の気持ちでいっぱいです」
理事長は毎回行われていたクラブ活動での発言を聞いていて、正直正解者はいないと思っていた為、アルフレッドの探求心に脱帽する結果となったのである。
今回の正解者はアルフレッドだったが、彼は殿堂入りをしているので、次回はくじ引きで当たった者がお題を考える事となったのだ。
エレインだけではなく、今回のクラブ活動に参加した生徒たちが皆、アルフレッドに尊敬のまなざしを向けた。
「素晴らしいです、殿下。俺にはとても思い付きませんでした」
「本当に、アルフレッド殿下の発想力には、驚きしかありませんわ」
「そうね、パトリシア。私も驚き過ぎて、言葉が出て来ないわ。殿下、尊敬致しますわ」
「悔しいが、今回は僕の敗北だよ。おめでとう、アルフレッド」
「フルール嬢とルーカスは、もうひと捻りが足りなかったね、実に惜しいと思うよ。しかし、私は他の生徒たちの意見も非常に興味深く感じていたので、メッセージを解き明かす事が出来たのは皆のお蔭だと思っている」
この場に居た生徒たちは、クラブが楽しくて仕方がなかった。
皆が次も上位三名に入りたいと勉学に一層励む事を誓う中で、エレインも兄とアルフレッドと楽しい時間をもっと沢山過ごしたいと思い、更に勉学に入れ込む様になっていった。
今まで以上に、授業内容だけでは飽き足らず、専門外にまで手を伸ばしている始末である。
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