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王立学園の卒業式
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王立学園の卒業式。
在校生は休日となるが、エレインはルーカスの親族として参加している。
皇弟夫妻は日程の調整が付かず、残念ながら出席出来なかったのだ。
在校生代表の挨拶はダニエルが行い、卒業生代表の挨拶はアルフレッドが行っていた。
厳かな雰囲気の中で、式は静かに執り行われ、無事に卒業した事を祝うのであった。
この後卒業記念パーティが行われたのだが、お互いにパートナーがいないアルフレッドとルーカスは、令嬢たちが群がって来て辟易するのであった。
一応ルーカスはエレインをパートナーとして連れて来ていたのだが、血の繋がった妹はカウントされない様である。
「エリー。絶対に外へ出てはいけない、分かったね」
「はい、お兄様。私の事は、お気になさらず楽しんでくださいませ」
このパーティでは、女子生徒からでもダンスに誘う事が出来るだけではなく、ファーストダンスの縛りもなかった。
その為パーティ開催と同時に、踊って貰いたい令嬢が列を作ってしまったのだ。
ルーカスとアルフレッドは、同級生との別れを惜しむつもりで参加したのだが、こんな事になるとは思っていなかったのである。
結局女子生徒全員と踊る羽目になった二人が解放されたのは、パーティも終わりに近付いていた時だった為、男子生徒たちとの別れを惜しむ間も無かった。
エレインは一人になった事もあり、誘われるがままにダンスを踊っていた。
女子生徒と違って卒業の思い出に誘って来る男子生徒ばかりだったので、口説かれる事もなくエレインは思いの他楽しい時間を過ごしていたのだが、アルフレッドにとっては面白くない時間になっていた。
『なんと美しいステップなのだ、エレイン嬢。私も一緒に踊りたいのに、どうして列に並んではくれないのだ。いや…束縛する男は嫌われてしまうな。私がエレイン嬢をダンスに誘うか…いや、それも駄目だ。今並んで待っている令嬢に失礼だ。踊りたい、踊っているのに、踊れないとはどう言う事なのだ~~~~~』
そんな感情などおくびにも出さず、王子スマイルで女子生徒の相手をしながら、さり気なくエレインを見ていたのを知るのはルーカスだけである。
パーティが終わり、卒業生は惜しみながら学舎を後にして行く。
帰宅の馬車に揺られながら、ルーカスはここぞとばかりに泣き縋る令嬢の醜い姿を、思い出していた。
『お願いです、どうか私を婚約者にしてくださいませ。卒業してしまえば、親の決めた相手の元へ嫁がなくてはならないのです。歳の離れた子持ちの後妻などには、なりたくはないのです』
『嘘を仰い!貴方は、自ら婚約破棄をしていたではありませんか。子爵家の嫡男との縁談を、お断りしたのですもの、自業自得でしてよ。それよりも、私に求婚してくださいませ。私こそ、何の落ち度も無いと言うのに、良い縁談に恵まれなかったのです』
『貴方たちは、下がりなさい。オルターナ公子様、私に求婚してくださいますよね。卒業すると言うのに、婚約者もいないとなれば、行く末が見えておりますわ。私を不幸な婚姻から、どうかお助けくださいませ』
ハラハラと涙を流す姿は、誰が見ても公爵夫人の座を狙っての演技だと、分かる程酷かった。
「どうして選ばれると思っているのだ」
「何がですか」
「いいや、独り言だ。エリーは、楽しそうに踊っていたな」
「はい。皆様ご卒業されたら、領地に戻られたり、文官として働くと仰っておりましたわ。騎士として、入団されると仰っている方もおりましてよ、お兄様。その方は、お兄様よりも背が高くて、山を見上げている感じがいたしました」
クスクスと笑うエレインを見ていると、ルーカスの苛立ちは、霧が晴れる様に消えていった。
今日までは学生だが、明日からは社会人となる。
シルベス亡き後、オルターナ公爵位は一時的に王家預かりとなっていたが、ルーカスが正式に爵位を賜る事になっているのだ。
そしてアルフレッドも、正式に立太子される為、王宮で式典が行われるのである。
「明日は、お兄様と殿下の晴れ舞台ですわね。アルフレッド殿下が王太子になられてしまったら、今までの様に気軽にお声を掛けられなくなってしまいますね。おめでたい事ですのに、寂しく感じてしまうのです」
『殿下をダンスにお誘いしたかったのに、沢山のご令嬢が集まってしまって、声を掛けられなかったわ。もう二度と踊って頂けないかもしれませんのに、もっと勇気を出すべきでしたわ』
エレインは、唐突に悲しくなってしまったのだ。
「それはそうだが、肩書が変ったからと言って、アルフレッドの人格が変る訳ではない。二人きりの時は、今まで通りに接してあげないと、彼奴は泣くぞ」
「え?」
エレインは、何時も穏やかに笑っているアルフレッドが、泣いている姿を想像出来なかった。
「そんな…まさか」
「アルフレッドは、意外に繊細な心を持っている。距離を置こうとしているのならば、止めなさい。僕は、大切な友人が悲しむ姿を、見たくはない」
「お兄様がそう仰るのでしたら、今まで通りに致しますわ」
エレインは、気持ちが晴れやかになるのを感じていた。
「私に対してもだぞ。公爵となっても、兄に変わりはない。変な気遣いはするな」
「お兄様は、人の心が分かるのですね。驚きましたわ」
「エリーの考えそうな事くらい、何でも分かっているつもりだ」
穏やかな兄妹の笑い声が、馬車の外にいる護衛騎士たちの耳にも届いていた。
喪に服す若い主に、笑顔が戻って来た事を、喜ばしく思うのであった。
翌日早めに来るように言われたルーカスは、エレインを伴い王宮にある彼の為に用意された私室にいた。
「エリー。僕はアルフレッドの執務室に呼ばれているから、ここで待っていなさい。迎えに来るまで、外に出てはいけない。分かったね」
「はい。お待ちしております、お兄様」
側近には泊まり込みが許されており、それぞれに私室が与えられるのだ。
エレインは式典が始まるまで何もする事は無いのだが、別々に公爵邸を出る事を心配したルーカスが、我儘で連れて来たのである。
マルゲリーターの事もあり、過保護に磨きが掛かってしまったのは、致し方の無い事だとエレインは思っていた。
そんな退屈な場所に、何故か王妃が顔を出すとは、誰も想像していなかったのである。
エレインは驚きを隠せなかったが、話し相手が出来た事で楽しくお茶を飲んでいた。
実は王宮図書館にいる時も、時々王妃が顔を出しエレインと他愛のない会話を楽しんでいたのは、二人だけの秘密であった。
存外この二人は馬が合う様で、傍で静かに見守っている宮仕えたちは、本当の親子の様だと思っている。
王妃は難産でアルフレッドを産んだ事で、他に子をもうける事が出来なかったのだ。
暫く王家に姫が誕生していない事もあり、王妃はエレインの事を我が子の様に可愛がっているのである。
自室でエレインと王妃が談笑している事等露知らず、ルーカスを始めとする側近たちが、アルフレッドの執務室に顔を揃えていた。
アルフレッドは、何時になく強張った顔で口を開いた。
「呼び出したのは、お前たちに報告したい事があったのだ。昨夜、隣国のバーバラ王女が国境を通過したと報告があった。各地域を旅行しながら、王宮に向かうと言っている。到着予定は二週間後になり、入国名目は王立学園への留学だ」
「は?バーバラ王女って、あの尻軽女ですか?」
「口を慎めダニエル」
「すみません、ルーカスさん。ですが、何度もお断りしていましたよね?何故急に留学の許可が出たのですか」
ダニエルが驚くのも無理はなかった。
隣国のルタオー国王は、アルフレッドの婚約が破棄された事を知ると、何度もバーバラ王女との婚約の打診をして来たのだ。
エレインを王家に迎え入れたい国王は、当然断っていたのだが、後が無い隣国が強引に押し付けて来たらしい。
この王女には幼い頃に決められた婚約者がいたのだが、見目の良い近衛騎士を侍らせただけではなく、不貞まで犯していた事が知られてしまい婚約が破談となったのだ。
その後は、王家と縁を結びたいと考えていた貴族家との縁談を結んだのだが、やはり貞操観念が無い事で婚約は長続きしなかったのである。
国内で嫁ぎ先が見つからなくなった王家は、他国へ嫁がせることを考えたのだが、王族はだいたい幼い頃に婚約者を決めてしまう。
上手く行っている婚約者を退けてまで、貞操観念が無い王女を欲しがる国等ある筈が無かった。
そこで目を付けられたのが、アルフレッドだったのである。
ロイズ王国よりも大きく裕福なルタオー王国が相手では、来てしまった王女を無碍に帰す訳にも行かず、仕方なく引き受ける事になったのだ。
希望は王宮から学園に通う事なのだが、この王女アルフレッドよりも歳が一つ上なのである。
王立学園は十五歳で入学し、十八歳で卒業する事になっているので、本来であれば留学生として扱う事は出来ないのだ。
しかし相手は二年間の留学を目的としているので、必然的に二学年へと編入させる事になったのだった。
「マシュー、ダニエル。バーバラ王女には、良い噂が無い。学園に真面目に通うとは思えないが、登園する事があったなら、お前たちも監視として登園して欲しい」
「畏まりました、殿下。二学年に入るのでしたら、クラスは何処になるのでしょうか」
「マシュー。他国の王族を、警備の薄いクラスには入れられない。学力があるかは分からないのだが、お前と同じクラスに入れる事になったよ」
「エレイン皇女殿下を、お護りすると言う事ですね。了解致しました」
「あ…うん。そうだね、宜しく頼むよ」
アルフレッドは、何も言わずとも理解してくれる側近を、頼もしく思うのであった。
因みにマシューとは、側近の中で最年少であり、三歳上の兄カシューと共にアルフレッドの側近として選ばれた優秀な令息である。
アルフレッドは、立太子の前に憂いを無くしておきたかったのだ。
在校生は休日となるが、エレインはルーカスの親族として参加している。
皇弟夫妻は日程の調整が付かず、残念ながら出席出来なかったのだ。
在校生代表の挨拶はダニエルが行い、卒業生代表の挨拶はアルフレッドが行っていた。
厳かな雰囲気の中で、式は静かに執り行われ、無事に卒業した事を祝うのであった。
この後卒業記念パーティが行われたのだが、お互いにパートナーがいないアルフレッドとルーカスは、令嬢たちが群がって来て辟易するのであった。
一応ルーカスはエレインをパートナーとして連れて来ていたのだが、血の繋がった妹はカウントされない様である。
「エリー。絶対に外へ出てはいけない、分かったね」
「はい、お兄様。私の事は、お気になさらず楽しんでくださいませ」
このパーティでは、女子生徒からでもダンスに誘う事が出来るだけではなく、ファーストダンスの縛りもなかった。
その為パーティ開催と同時に、踊って貰いたい令嬢が列を作ってしまったのだ。
ルーカスとアルフレッドは、同級生との別れを惜しむつもりで参加したのだが、こんな事になるとは思っていなかったのである。
結局女子生徒全員と踊る羽目になった二人が解放されたのは、パーティも終わりに近付いていた時だった為、男子生徒たちとの別れを惜しむ間も無かった。
エレインは一人になった事もあり、誘われるがままにダンスを踊っていた。
女子生徒と違って卒業の思い出に誘って来る男子生徒ばかりだったので、口説かれる事もなくエレインは思いの他楽しい時間を過ごしていたのだが、アルフレッドにとっては面白くない時間になっていた。
『なんと美しいステップなのだ、エレイン嬢。私も一緒に踊りたいのに、どうして列に並んではくれないのだ。いや…束縛する男は嫌われてしまうな。私がエレイン嬢をダンスに誘うか…いや、それも駄目だ。今並んで待っている令嬢に失礼だ。踊りたい、踊っているのに、踊れないとはどう言う事なのだ~~~~~』
そんな感情などおくびにも出さず、王子スマイルで女子生徒の相手をしながら、さり気なくエレインを見ていたのを知るのはルーカスだけである。
パーティが終わり、卒業生は惜しみながら学舎を後にして行く。
帰宅の馬車に揺られながら、ルーカスはここぞとばかりに泣き縋る令嬢の醜い姿を、思い出していた。
『お願いです、どうか私を婚約者にしてくださいませ。卒業してしまえば、親の決めた相手の元へ嫁がなくてはならないのです。歳の離れた子持ちの後妻などには、なりたくはないのです』
『嘘を仰い!貴方は、自ら婚約破棄をしていたではありませんか。子爵家の嫡男との縁談を、お断りしたのですもの、自業自得でしてよ。それよりも、私に求婚してくださいませ。私こそ、何の落ち度も無いと言うのに、良い縁談に恵まれなかったのです』
『貴方たちは、下がりなさい。オルターナ公子様、私に求婚してくださいますよね。卒業すると言うのに、婚約者もいないとなれば、行く末が見えておりますわ。私を不幸な婚姻から、どうかお助けくださいませ』
ハラハラと涙を流す姿は、誰が見ても公爵夫人の座を狙っての演技だと、分かる程酷かった。
「どうして選ばれると思っているのだ」
「何がですか」
「いいや、独り言だ。エリーは、楽しそうに踊っていたな」
「はい。皆様ご卒業されたら、領地に戻られたり、文官として働くと仰っておりましたわ。騎士として、入団されると仰っている方もおりましてよ、お兄様。その方は、お兄様よりも背が高くて、山を見上げている感じがいたしました」
クスクスと笑うエレインを見ていると、ルーカスの苛立ちは、霧が晴れる様に消えていった。
今日までは学生だが、明日からは社会人となる。
シルベス亡き後、オルターナ公爵位は一時的に王家預かりとなっていたが、ルーカスが正式に爵位を賜る事になっているのだ。
そしてアルフレッドも、正式に立太子される為、王宮で式典が行われるのである。
「明日は、お兄様と殿下の晴れ舞台ですわね。アルフレッド殿下が王太子になられてしまったら、今までの様に気軽にお声を掛けられなくなってしまいますね。おめでたい事ですのに、寂しく感じてしまうのです」
『殿下をダンスにお誘いしたかったのに、沢山のご令嬢が集まってしまって、声を掛けられなかったわ。もう二度と踊って頂けないかもしれませんのに、もっと勇気を出すべきでしたわ』
エレインは、唐突に悲しくなってしまったのだ。
「それはそうだが、肩書が変ったからと言って、アルフレッドの人格が変る訳ではない。二人きりの時は、今まで通りに接してあげないと、彼奴は泣くぞ」
「え?」
エレインは、何時も穏やかに笑っているアルフレッドが、泣いている姿を想像出来なかった。
「そんな…まさか」
「アルフレッドは、意外に繊細な心を持っている。距離を置こうとしているのならば、止めなさい。僕は、大切な友人が悲しむ姿を、見たくはない」
「お兄様がそう仰るのでしたら、今まで通りに致しますわ」
エレインは、気持ちが晴れやかになるのを感じていた。
「私に対してもだぞ。公爵となっても、兄に変わりはない。変な気遣いはするな」
「お兄様は、人の心が分かるのですね。驚きましたわ」
「エリーの考えそうな事くらい、何でも分かっているつもりだ」
穏やかな兄妹の笑い声が、馬車の外にいる護衛騎士たちの耳にも届いていた。
喪に服す若い主に、笑顔が戻って来た事を、喜ばしく思うのであった。
翌日早めに来るように言われたルーカスは、エレインを伴い王宮にある彼の為に用意された私室にいた。
「エリー。僕はアルフレッドの執務室に呼ばれているから、ここで待っていなさい。迎えに来るまで、外に出てはいけない。分かったね」
「はい。お待ちしております、お兄様」
側近には泊まり込みが許されており、それぞれに私室が与えられるのだ。
エレインは式典が始まるまで何もする事は無いのだが、別々に公爵邸を出る事を心配したルーカスが、我儘で連れて来たのである。
マルゲリーターの事もあり、過保護に磨きが掛かってしまったのは、致し方の無い事だとエレインは思っていた。
そんな退屈な場所に、何故か王妃が顔を出すとは、誰も想像していなかったのである。
エレインは驚きを隠せなかったが、話し相手が出来た事で楽しくお茶を飲んでいた。
実は王宮図書館にいる時も、時々王妃が顔を出しエレインと他愛のない会話を楽しんでいたのは、二人だけの秘密であった。
存外この二人は馬が合う様で、傍で静かに見守っている宮仕えたちは、本当の親子の様だと思っている。
王妃は難産でアルフレッドを産んだ事で、他に子をもうける事が出来なかったのだ。
暫く王家に姫が誕生していない事もあり、王妃はエレインの事を我が子の様に可愛がっているのである。
自室でエレインと王妃が談笑している事等露知らず、ルーカスを始めとする側近たちが、アルフレッドの執務室に顔を揃えていた。
アルフレッドは、何時になく強張った顔で口を開いた。
「呼び出したのは、お前たちに報告したい事があったのだ。昨夜、隣国のバーバラ王女が国境を通過したと報告があった。各地域を旅行しながら、王宮に向かうと言っている。到着予定は二週間後になり、入国名目は王立学園への留学だ」
「は?バーバラ王女って、あの尻軽女ですか?」
「口を慎めダニエル」
「すみません、ルーカスさん。ですが、何度もお断りしていましたよね?何故急に留学の許可が出たのですか」
ダニエルが驚くのも無理はなかった。
隣国のルタオー国王は、アルフレッドの婚約が破棄された事を知ると、何度もバーバラ王女との婚約の打診をして来たのだ。
エレインを王家に迎え入れたい国王は、当然断っていたのだが、後が無い隣国が強引に押し付けて来たらしい。
この王女には幼い頃に決められた婚約者がいたのだが、見目の良い近衛騎士を侍らせただけではなく、不貞まで犯していた事が知られてしまい婚約が破談となったのだ。
その後は、王家と縁を結びたいと考えていた貴族家との縁談を結んだのだが、やはり貞操観念が無い事で婚約は長続きしなかったのである。
国内で嫁ぎ先が見つからなくなった王家は、他国へ嫁がせることを考えたのだが、王族はだいたい幼い頃に婚約者を決めてしまう。
上手く行っている婚約者を退けてまで、貞操観念が無い王女を欲しがる国等ある筈が無かった。
そこで目を付けられたのが、アルフレッドだったのである。
ロイズ王国よりも大きく裕福なルタオー王国が相手では、来てしまった王女を無碍に帰す訳にも行かず、仕方なく引き受ける事になったのだ。
希望は王宮から学園に通う事なのだが、この王女アルフレッドよりも歳が一つ上なのである。
王立学園は十五歳で入学し、十八歳で卒業する事になっているので、本来であれば留学生として扱う事は出来ないのだ。
しかし相手は二年間の留学を目的としているので、必然的に二学年へと編入させる事になったのだった。
「マシュー、ダニエル。バーバラ王女には、良い噂が無い。学園に真面目に通うとは思えないが、登園する事があったなら、お前たちも監視として登園して欲しい」
「畏まりました、殿下。二学年に入るのでしたら、クラスは何処になるのでしょうか」
「マシュー。他国の王族を、警備の薄いクラスには入れられない。学力があるかは分からないのだが、お前と同じクラスに入れる事になったよ」
「エレイン皇女殿下を、お護りすると言う事ですね。了解致しました」
「あ…うん。そうだね、宜しく頼むよ」
アルフレッドは、何も言わずとも理解してくれる側近を、頼もしく思うのであった。
因みにマシューとは、側近の中で最年少であり、三歳上の兄カシューと共にアルフレッドの側近として選ばれた優秀な令息である。
アルフレッドは、立太子の前に憂いを無くしておきたかったのだ。
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