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本編
前編1
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妖怪が存在する世界。その妖怪たちを狩るために”竜”と心通じ合っていた始祖が”蒼ノ宮家”を興し、”竜使い”という組織を作った。
その歴史は500年におよぶ。
蒼ノ宮家は代々男系であり、男子しか生まれていなかったが、今から約15年前におよそ300年ぶりに女子が誕生した。
その名を藍といい、初の女竜使いとなるべく、日々研鑽を積んでいた。
そんなある日のこと。
「第二王子が我が家に滞在する?なぜ?」
藍は急遽、客室の掃除に駆り出され、はたきをかける手をとめて驚いて兄を振り返った。
「なんでも、城でお命を狙われ、緊急避難先として当家が選ばれたらしい。」
兄が答える。兄も雑巾をかける手をとめる。二人が掃除の手を止めるのはこれで10度目である。
「しかし、兄様。当家が選ばれるということは、妖の類に命を狙われたということですか?」
「そこまではわからない。」
首都の郊外に位置する蒼ノ宮家はたくさんの竜を囲う家の特性のため、広大な敷地を有していた。
そのため、帝に仕える中央貴族の一つだが、必然的に立地は城から遠く離れ、馬を駆けても二時間程度かかる。
まあ、竜なら30分程度で行けるのだが。
外れ貴族、なんて揶揄する中央貴族もいるぐらいだ。
中央貴族からも地方貴族からも外れ、税収もなく貴族かどうかも怪しいはずれの貴族、と。
身を隠すなら地方貴族の家を、単なる一時避難なら中央貴族の家を選ぶだろう。わざわざ蒼ノ宮家を選んだのは…竜使いに守らせたいからだろう。
がらり、ともう一人の兄が戸を開けた。
「若宮、こちらがご滞在いただく部屋になります。」
中を見て固まる兄①、にこやかに振り返る兄②。
「第二王子殿下、ようこそいらっしゃいました。私は蒼ノ宮家の次男、郁と申します。こちらは妹の藍です。」
まるで掃除の途中なんかじゃなかったように、兄は若宮を中に招き入れた。
「お世話になります。飛世と申します。」
そう名乗った第二王子は、すらっと長身で黒髪を短く切り詰めた、藍と似たような歳の少年だった。整った端正な顔立ちをしており、もう少し覇気があればかっこいいのに、といった印象である。
「若宮、少々お待ちを。…お前たち、無駄口をたたかずに手を動かせ!あと5分で終えろ!」
兄①の喝が飛んだ
ーーーー
その後、一人前の竜使い数人がチームを組み、城へと派遣された。そこには兄②も含まれた。
城で妖の絡む事件があり、第二王子が預けられたという藍の予想はほぼ当たったと見ていいだろう。
そんな藍が今何をしているのかというと、敷地内にある川のほとりで魚を取っていた。
「お邪魔してもいいですか?」
そこに一人でふらりと現れたのは噂の第二王子・飛世である。
「どうぞ。」
「藍殿は魚を取っていらっしゃるんですか?これも修行ですか?」
ーこの王子、誰に対しても妙に腰が低いんだよな。王子なのに。
「敬語は不要です。藍と呼んでください。同い年ですし。魚をとるのは修行ではないですが、この魚を瑠璃が修行に使います。」
「瑠璃?」
その時、小川から青い生き物が魚をくわえて飛び出した。藍と飛世のもとに飛んできて、川岸に魚を放り投げた後、ぶるるると犬のように体を震わせ、水滴をとばした。
「私の相棒の瑠璃です。」
竜使いたちが従える”竜”は神話の竜たちのような蛇のようなフォルムはしていない。
堅いうろこに覆われ胴体や長いしっぽ、大きな翼、爪のある手と足。異国に生息するとされるドラゴンの方がそのフォルムには近い。
竜たちの面白いところはところどころに鳥のような特徴、さらに鮮やかな体色を持つことである。それも個体ごとに異なる。
瑠璃の場合は、翼全体が羽毛に覆われ、鮮やかな青色の体をしていた。
「…小さいですね。」
「それは、まだ5歳ですから。」
瑠璃は藍の腰ぐらいまでの高さしかない。
『なんなの、こいつ失礼しちゃうわ!そこはまず私の美しさをほめるところじゃないの?』
頭の中に声が響く。瑠璃である。藍と相棒の瑠璃は念話ができる。
「きれいな青ですね。青い竜は初めて見ました。」
あら、と瑠璃が機嫌を直した声がする。
「青は蒼ノ宮の色で、始祖様の竜も青かったと言われています。別に珍しい体色ではないのですが、青い竜や緑の竜はなかなか相棒を選ばないので竜使いの竜にはあまりいませんね。」
兄②の竜は黄色で、兄①の竜は赤である。
「…竜使いの竜ではない竜もいるのですか?」
「それはもちろん野生の竜が。北西州と中央の境にある産地には竜の群生地がありまして、そこに行けばうじゃうじゃといますよ。」
「北西州ってどこですか?」
どこですかって、こいつ自国の地理も知らないのか?『私でも知ってるわ。』
「後で地図をお見せしますよ。今から瑠璃が火を吹く練習をするので。」
「竜は火も吐けるんですか!?」
見せた方が速いと藍は長い木の枝に魚を刺し、瑠璃の前にかかげる。
瑠璃が力を込めるようにのけぞってから口を大きく開く。
ぼへぇ
そんな音とともに大きな火の玉が瑠璃の口から回りながら飛んでくる。…そして、魚を炭に変えた。
ーーーー
そうこうして二週間経つ頃には、藍は飛世と敬語抜きで話す仲となったいた。
蒼ノ宮家でたった一人の女の子である藍は親戚の男の子たちと仲が悪かった。
というのも、蒼ノ宮家は男の子しか生まれてこなかったこともあり、女は家の事を担う裏方という考えが染みついている。同期で最初に竜の相棒を持った藍を女のくせにと僻んでいるのだ。
仲良くできるはずがなかった。
その点、飛世はそういった偏見はなかった。ちょっと抜けてるところはあるが、革新的でいいやつじゃないかと思っていたが、それが勘違いだったことがここで判明する。
「暗殺?私の?」
「そう。命を狙われたから、蒼ノ宮家に預けられたって聞いた。」
「暗殺者なら年中来てるけど。」
「…うちに来てからは?」
「それは来てない。」
「それは、よかった。」
飛世は考えるように口元に手をやった。
「そういえば真後ろに来るまで気配が察知できなかった凄腕の暗殺者が直前に来たな。力が抜けなくて一撃で叩きのめしてしまって。」
「どんな暗殺者だった?」
「全身黒づくめだった。…放置してきたからわからないや。」
それだけ日常茶飯事ということか。『もしかして、こいつすごいやつなんじゃない?』
「なんで今回の暗殺だけ父上は対応してくれたんだろう?」
「今までのものが大したことなくて今回のがやばそうだったとか…」
でも第二王子に差し向けられる暗殺者が大したことないはずもないだろう。『それを自分でさばいてきたってことでしょ?やばいやつじゃない。』
「陛下が粛清しようとしている相手が一枚かんでるか…」
『え、誰かしら!でも、第二王子を殺そうとするなんて第一王子の親族に決まっているじゃない。』
「父上が誰を粛清するんだい?」
※飛世に瑠璃の声は聞こえない。
「情勢をみればなんとなく見えてくるじゃないか。飛世を殺して得をするのは、第一王子の関係者だろう。」
第一王子の母方の実家は高峯家、現在当主は宰相を務めている。ゆえに第一王子が次の帝になることは決定事項とみなされていた。
しかし、東宮(皇太子)は内定していない。なぜなら陛下と宰相の仲が悪いから。
そして、その状況を可能にしているのは、第二王子・飛世の存在である。
「…わからないよ?」
飛世は説明してくれというように促してくる。
「第一王子の母方の実家の当主が今の宰相なのは知ってるだろう?」
「そうなの?」
え、知らないの?
「ご実家の高峯家、一大中央貴族の当主殿は今の宰相殿で、第一王子殿下の伯父にあたる。」
「父上は何で宰相と仲が悪いんだい?」
「陛下は革新派で女性登用や国試受験資格のある対象者の拡大、優秀な者を身分問わずに採用していきたいと考えているが、宰相は典型的な貴族派。しかも中央貴族主義。国は貴族で回すものだと。」
「どっちが勝ってるの?」
「陛下も頑張っているが、宰相の支持が圧倒的に多い。それはそうだ。官吏には貴族ばかりだからな。」
「じゃあ宰相が黒幕だっていうの?」
「かかわってはいるんじゃないか?連座で勢力をそぐのが狙いかもしれない。」
「私の母方の実家はどこなの?」
「え?」
こいつ本気で言っているのか…?自分の後ろ盾を知らないなんてことあるか?
『藍がそういうの気にしすぎるだけで、もしかして普通の人はそういうの考えないんじゃない?』
いやいや、彼は普通の人じゃないよ。王子だぞ。
「桜宮家、歴史ある中央貴族だ。当主は陛下の支持者だ。」
「もしかして、父上は私に東宮になってほしいのかな…。私、嫌なんだけど。」
「嫌ならやるべきことはいっぱいあるぞ…。」
「どうすればいい?」
ああ、こいつは自分の将来について全く考えてこなかったんだ。
革新的な考え方をしているんじゃない。そもそも価値観が形成されていない。
頭を使ってうまく立ち回るということを知らない。このままでは敵とみなされてしまう。
「まあ、とりあえず、今回の騒ぎがどう収まるのか見ようじゃないか。」
『そうね。何をしなければいけないかも今はわからないし。』
瑠璃と二人で頷きあう様子に、飛世が不思議そうな顔をした。
しかしこの後、飛世が自国の地理どころか歴史にも疎く、貴族間の情勢どころか政治の形態も知らない、王子教育、何それ状態であることを知って藍が発狂のスパルタ指導を始めることとなる。
その歴史は500年におよぶ。
蒼ノ宮家は代々男系であり、男子しか生まれていなかったが、今から約15年前におよそ300年ぶりに女子が誕生した。
その名を藍といい、初の女竜使いとなるべく、日々研鑽を積んでいた。
そんなある日のこと。
「第二王子が我が家に滞在する?なぜ?」
藍は急遽、客室の掃除に駆り出され、はたきをかける手をとめて驚いて兄を振り返った。
「なんでも、城でお命を狙われ、緊急避難先として当家が選ばれたらしい。」
兄が答える。兄も雑巾をかける手をとめる。二人が掃除の手を止めるのはこれで10度目である。
「しかし、兄様。当家が選ばれるということは、妖の類に命を狙われたということですか?」
「そこまではわからない。」
首都の郊外に位置する蒼ノ宮家はたくさんの竜を囲う家の特性のため、広大な敷地を有していた。
そのため、帝に仕える中央貴族の一つだが、必然的に立地は城から遠く離れ、馬を駆けても二時間程度かかる。
まあ、竜なら30分程度で行けるのだが。
外れ貴族、なんて揶揄する中央貴族もいるぐらいだ。
中央貴族からも地方貴族からも外れ、税収もなく貴族かどうかも怪しいはずれの貴族、と。
身を隠すなら地方貴族の家を、単なる一時避難なら中央貴族の家を選ぶだろう。わざわざ蒼ノ宮家を選んだのは…竜使いに守らせたいからだろう。
がらり、ともう一人の兄が戸を開けた。
「若宮、こちらがご滞在いただく部屋になります。」
中を見て固まる兄①、にこやかに振り返る兄②。
「第二王子殿下、ようこそいらっしゃいました。私は蒼ノ宮家の次男、郁と申します。こちらは妹の藍です。」
まるで掃除の途中なんかじゃなかったように、兄は若宮を中に招き入れた。
「お世話になります。飛世と申します。」
そう名乗った第二王子は、すらっと長身で黒髪を短く切り詰めた、藍と似たような歳の少年だった。整った端正な顔立ちをしており、もう少し覇気があればかっこいいのに、といった印象である。
「若宮、少々お待ちを。…お前たち、無駄口をたたかずに手を動かせ!あと5分で終えろ!」
兄①の喝が飛んだ
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その後、一人前の竜使い数人がチームを組み、城へと派遣された。そこには兄②も含まれた。
城で妖の絡む事件があり、第二王子が預けられたという藍の予想はほぼ当たったと見ていいだろう。
そんな藍が今何をしているのかというと、敷地内にある川のほとりで魚を取っていた。
「お邪魔してもいいですか?」
そこに一人でふらりと現れたのは噂の第二王子・飛世である。
「どうぞ。」
「藍殿は魚を取っていらっしゃるんですか?これも修行ですか?」
ーこの王子、誰に対しても妙に腰が低いんだよな。王子なのに。
「敬語は不要です。藍と呼んでください。同い年ですし。魚をとるのは修行ではないですが、この魚を瑠璃が修行に使います。」
「瑠璃?」
その時、小川から青い生き物が魚をくわえて飛び出した。藍と飛世のもとに飛んできて、川岸に魚を放り投げた後、ぶるるると犬のように体を震わせ、水滴をとばした。
「私の相棒の瑠璃です。」
竜使いたちが従える”竜”は神話の竜たちのような蛇のようなフォルムはしていない。
堅いうろこに覆われ胴体や長いしっぽ、大きな翼、爪のある手と足。異国に生息するとされるドラゴンの方がそのフォルムには近い。
竜たちの面白いところはところどころに鳥のような特徴、さらに鮮やかな体色を持つことである。それも個体ごとに異なる。
瑠璃の場合は、翼全体が羽毛に覆われ、鮮やかな青色の体をしていた。
「…小さいですね。」
「それは、まだ5歳ですから。」
瑠璃は藍の腰ぐらいまでの高さしかない。
『なんなの、こいつ失礼しちゃうわ!そこはまず私の美しさをほめるところじゃないの?』
頭の中に声が響く。瑠璃である。藍と相棒の瑠璃は念話ができる。
「きれいな青ですね。青い竜は初めて見ました。」
あら、と瑠璃が機嫌を直した声がする。
「青は蒼ノ宮の色で、始祖様の竜も青かったと言われています。別に珍しい体色ではないのですが、青い竜や緑の竜はなかなか相棒を選ばないので竜使いの竜にはあまりいませんね。」
兄②の竜は黄色で、兄①の竜は赤である。
「…竜使いの竜ではない竜もいるのですか?」
「それはもちろん野生の竜が。北西州と中央の境にある産地には竜の群生地がありまして、そこに行けばうじゃうじゃといますよ。」
「北西州ってどこですか?」
どこですかって、こいつ自国の地理も知らないのか?『私でも知ってるわ。』
「後で地図をお見せしますよ。今から瑠璃が火を吹く練習をするので。」
「竜は火も吐けるんですか!?」
見せた方が速いと藍は長い木の枝に魚を刺し、瑠璃の前にかかげる。
瑠璃が力を込めるようにのけぞってから口を大きく開く。
ぼへぇ
そんな音とともに大きな火の玉が瑠璃の口から回りながら飛んでくる。…そして、魚を炭に変えた。
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そうこうして二週間経つ頃には、藍は飛世と敬語抜きで話す仲となったいた。
蒼ノ宮家でたった一人の女の子である藍は親戚の男の子たちと仲が悪かった。
というのも、蒼ノ宮家は男の子しか生まれてこなかったこともあり、女は家の事を担う裏方という考えが染みついている。同期で最初に竜の相棒を持った藍を女のくせにと僻んでいるのだ。
仲良くできるはずがなかった。
その点、飛世はそういった偏見はなかった。ちょっと抜けてるところはあるが、革新的でいいやつじゃないかと思っていたが、それが勘違いだったことがここで判明する。
「暗殺?私の?」
「そう。命を狙われたから、蒼ノ宮家に預けられたって聞いた。」
「暗殺者なら年中来てるけど。」
「…うちに来てからは?」
「それは来てない。」
「それは、よかった。」
飛世は考えるように口元に手をやった。
「そういえば真後ろに来るまで気配が察知できなかった凄腕の暗殺者が直前に来たな。力が抜けなくて一撃で叩きのめしてしまって。」
「どんな暗殺者だった?」
「全身黒づくめだった。…放置してきたからわからないや。」
それだけ日常茶飯事ということか。『もしかして、こいつすごいやつなんじゃない?』
「なんで今回の暗殺だけ父上は対応してくれたんだろう?」
「今までのものが大したことなくて今回のがやばそうだったとか…」
でも第二王子に差し向けられる暗殺者が大したことないはずもないだろう。『それを自分でさばいてきたってことでしょ?やばいやつじゃない。』
「陛下が粛清しようとしている相手が一枚かんでるか…」
『え、誰かしら!でも、第二王子を殺そうとするなんて第一王子の親族に決まっているじゃない。』
「父上が誰を粛清するんだい?」
※飛世に瑠璃の声は聞こえない。
「情勢をみればなんとなく見えてくるじゃないか。飛世を殺して得をするのは、第一王子の関係者だろう。」
第一王子の母方の実家は高峯家、現在当主は宰相を務めている。ゆえに第一王子が次の帝になることは決定事項とみなされていた。
しかし、東宮(皇太子)は内定していない。なぜなら陛下と宰相の仲が悪いから。
そして、その状況を可能にしているのは、第二王子・飛世の存在である。
「…わからないよ?」
飛世は説明してくれというように促してくる。
「第一王子の母方の実家の当主が今の宰相なのは知ってるだろう?」
「そうなの?」
え、知らないの?
「ご実家の高峯家、一大中央貴族の当主殿は今の宰相殿で、第一王子殿下の伯父にあたる。」
「父上は何で宰相と仲が悪いんだい?」
「陛下は革新派で女性登用や国試受験資格のある対象者の拡大、優秀な者を身分問わずに採用していきたいと考えているが、宰相は典型的な貴族派。しかも中央貴族主義。国は貴族で回すものだと。」
「どっちが勝ってるの?」
「陛下も頑張っているが、宰相の支持が圧倒的に多い。それはそうだ。官吏には貴族ばかりだからな。」
「じゃあ宰相が黒幕だっていうの?」
「かかわってはいるんじゃないか?連座で勢力をそぐのが狙いかもしれない。」
「私の母方の実家はどこなの?」
「え?」
こいつ本気で言っているのか…?自分の後ろ盾を知らないなんてことあるか?
『藍がそういうの気にしすぎるだけで、もしかして普通の人はそういうの考えないんじゃない?』
いやいや、彼は普通の人じゃないよ。王子だぞ。
「桜宮家、歴史ある中央貴族だ。当主は陛下の支持者だ。」
「もしかして、父上は私に東宮になってほしいのかな…。私、嫌なんだけど。」
「嫌ならやるべきことはいっぱいあるぞ…。」
「どうすればいい?」
ああ、こいつは自分の将来について全く考えてこなかったんだ。
革新的な考え方をしているんじゃない。そもそも価値観が形成されていない。
頭を使ってうまく立ち回るということを知らない。このままでは敵とみなされてしまう。
「まあ、とりあえず、今回の騒ぎがどう収まるのか見ようじゃないか。」
『そうね。何をしなければいけないかも今はわからないし。』
瑠璃と二人で頷きあう様子に、飛世が不思議そうな顔をした。
しかしこの後、飛世が自国の地理どころか歴史にも疎く、貴族間の情勢どころか政治の形態も知らない、王子教育、何それ状態であることを知って藍が発狂のスパルタ指導を始めることとなる。
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