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フェルディナントのどっちつかずの態度のに切れた私は彼からの手紙をゴミ箱に捨てました
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「どういう事ですの? カーラ様!
フェルディナント様が人が良いことを利用して、フェルディナント様をお誘いして一緒に王都を散策されるなんて許されることではありませんわ」
アレイダは誰かから私がフェルディナントを連れて王都案内をしたのを聞いたらしい。
でも、元々私が誘ったのでは無くてフェルディナントから誘ったのだ。
私がちらっとフェルディナントを見ると、不機嫌そうにフェルディナントもアレイダを見た。
「フェルディナント様と私の婚約はお父様とサウス帝国の陛下の間で水面下で進められていると聞いておりますわ。それにもかかわらず、そのフェルディナント様を誘うなんてどういう事ですの?」
アレイダが私に詰め寄ってきたのだ。
「アレイダ嬢。私からフェルディナント様を誘った事実はございませんわ」
そうだ。お父様とかは頑張れとか言っていたけれど、白い騎士様命の私にとってはフェルディナントとのことは迷惑この上ないことなのだ。
「わんわん!」
ころちゃんも横から吠えて私を援護してくれた。
「何をおっしゃっていらっしゃるの? フェルディナント様はサウス帝国の皇子殿下ですのよ。当然、お会いしたら社交辞令でカーラ様を誘われることもおありだと思いますわ。でも、あくまでも社交辞令でしてよ。その社交辞令を真に受けられるなんて、カーラ様ももう少し社交に精を出されたらどうですの」
さすがにその言葉に私はカチンときた。
社交辞令で言われたのに、それを真に受けて実行した場の読めない王女なんて言われたらたまったものではない。今後の社交にも影響があるではないか。
「あああら、私はアレイダ嬢とフェルディナント様の件もあなたのお父様から言われておりますから、フェルディナント様に私を誘うのは良くないのではないのですかと念を押させて頂いたのですよ。でも、そこでフェルディナント様は、まだ、アレイダ嬢との間はそこまではっきりと形になっていないとおっしゃいましたわ」
私が言い切ると
「まあ、カーラ様は、それこそ、社交辞令というものですわ。わざわざ聞かれたカーラ様に恥をかかせるわけにはいきませんから、フェルディナント様としてはそうお答えするしか無かったのだと思いますわ」
アレイダが言ってくれた。
その間、フェルディナントは黙ったままだ。
私がむっとして見るとフェルディナントは私の方をニコニコ笑ってみていた。
なんなのこの男? さすがの私もむっとしたのだ。
「アレイダ嬢。今回の王都散策は私からカーラ様に頼んだのです」
フェルディナントがやっと言ってくれた。
「まあ、フェルディナント様が社交辞令でおっしゃられたことをカーラ様が真に受けられたのでしょう」
「いや、そういうわけでは……」
「大丈夫です。私にはっきりおっしゃらなくても判っておりますわ。私はフェルディナント様を信じておりますから」
アレイダ嬢ははっきりと言ってくれるんだけど、そもそもフェルディナントも何故はっきり言わないんだ。
と私は思わないでも無かった。男だったら普通はどちらかはっきりとするものじゃないのか! さすがの温厚な私も怒りだした。
結局、フェルディナントはどっちつかずの態度を取ってくれて、私は怒ってしまったのだ。
「ころちゃん、どう思う。あの二股男の態度。普通は私に気があるのならばアレイダをはっきりと拒否すべきよね」
私はころちゃんに文句を言っていた。
「わんわん」
ころちゃんは一緒に憤ってくれた。
「本当にむかつくわ」
私はフェルディナントのどっちつかずの態度にむっとしていた。中央公園での丘の上の事ではフェルディナントが私に気があるのでは無いかと思ったのだが、今日の態度から見て、誰でもああいう態度を取っているに違いないのだ。
「本当に危うくだまされるところだったわ」
私はとても怒っていた。
今までは白い騎士様だけで、フェルディナントの事なんてなんとも思っていないと思っていたのなんて完全に忘れていた。女性としては白い騎士様命だけれど、他の男の人からもよく思われたいというのはあるのだ。それがフェルディナントほどの貴公子であれば、なおさらだ。
それをあの、我が儘いっぱいのアレイダと同じレベルで好きだと言われると本当に許せなかった。
「絶対に私の方がアレイダよりもいい女よね」
私がころちゃんの瞳を見て言うと、
「わんわん」
ころちゃんは大きく頷いて吠えてくれたのだ。
それをどっちつかずの態度を取ってくれるなんて本当に許せなかった。
そんなむかむかしている私の元にその夜フェルディナントから手紙が届いた。
その手紙には本当に好きなのは私の方だが、国元の大臣等がアレイダを押していてむげにも出来ないこと。
私との間がもっと親密になったら父の皇帝陛下にはっきりと話して、許可を得るつもりだから、是非とも、今度甘み所に一緒に行ってほしいと書かれていた。
私はその手紙を最後まで読むと、丸めてゴミ箱に捨てたのだ。
「ひ、姫様、なんと言うことを、使者の方にお返事はどうするのです」
サーヤが驚いて聞いてきたが、
「別に、気分が優れないからご一緒出来ませんとお伝え頂いて結構よ」
私は平然と言い切ったのだった。
フェルディナント様が人が良いことを利用して、フェルディナント様をお誘いして一緒に王都を散策されるなんて許されることではありませんわ」
アレイダは誰かから私がフェルディナントを連れて王都案内をしたのを聞いたらしい。
でも、元々私が誘ったのでは無くてフェルディナントから誘ったのだ。
私がちらっとフェルディナントを見ると、不機嫌そうにフェルディナントもアレイダを見た。
「フェルディナント様と私の婚約はお父様とサウス帝国の陛下の間で水面下で進められていると聞いておりますわ。それにもかかわらず、そのフェルディナント様を誘うなんてどういう事ですの?」
アレイダが私に詰め寄ってきたのだ。
「アレイダ嬢。私からフェルディナント様を誘った事実はございませんわ」
そうだ。お父様とかは頑張れとか言っていたけれど、白い騎士様命の私にとってはフェルディナントとのことは迷惑この上ないことなのだ。
「わんわん!」
ころちゃんも横から吠えて私を援護してくれた。
「何をおっしゃっていらっしゃるの? フェルディナント様はサウス帝国の皇子殿下ですのよ。当然、お会いしたら社交辞令でカーラ様を誘われることもおありだと思いますわ。でも、あくまでも社交辞令でしてよ。その社交辞令を真に受けられるなんて、カーラ様ももう少し社交に精を出されたらどうですの」
さすがにその言葉に私はカチンときた。
社交辞令で言われたのに、それを真に受けて実行した場の読めない王女なんて言われたらたまったものではない。今後の社交にも影響があるではないか。
「あああら、私はアレイダ嬢とフェルディナント様の件もあなたのお父様から言われておりますから、フェルディナント様に私を誘うのは良くないのではないのですかと念を押させて頂いたのですよ。でも、そこでフェルディナント様は、まだ、アレイダ嬢との間はそこまではっきりと形になっていないとおっしゃいましたわ」
私が言い切ると
「まあ、カーラ様は、それこそ、社交辞令というものですわ。わざわざ聞かれたカーラ様に恥をかかせるわけにはいきませんから、フェルディナント様としてはそうお答えするしか無かったのだと思いますわ」
アレイダが言ってくれた。
その間、フェルディナントは黙ったままだ。
私がむっとして見るとフェルディナントは私の方をニコニコ笑ってみていた。
なんなのこの男? さすがの私もむっとしたのだ。
「アレイダ嬢。今回の王都散策は私からカーラ様に頼んだのです」
フェルディナントがやっと言ってくれた。
「まあ、フェルディナント様が社交辞令でおっしゃられたことをカーラ様が真に受けられたのでしょう」
「いや、そういうわけでは……」
「大丈夫です。私にはっきりおっしゃらなくても判っておりますわ。私はフェルディナント様を信じておりますから」
アレイダ嬢ははっきりと言ってくれるんだけど、そもそもフェルディナントも何故はっきり言わないんだ。
と私は思わないでも無かった。男だったら普通はどちらかはっきりとするものじゃないのか! さすがの温厚な私も怒りだした。
結局、フェルディナントはどっちつかずの態度を取ってくれて、私は怒ってしまったのだ。
「ころちゃん、どう思う。あの二股男の態度。普通は私に気があるのならばアレイダをはっきりと拒否すべきよね」
私はころちゃんに文句を言っていた。
「わんわん」
ころちゃんは一緒に憤ってくれた。
「本当にむかつくわ」
私はフェルディナントのどっちつかずの態度にむっとしていた。中央公園での丘の上の事ではフェルディナントが私に気があるのでは無いかと思ったのだが、今日の態度から見て、誰でもああいう態度を取っているに違いないのだ。
「本当に危うくだまされるところだったわ」
私はとても怒っていた。
今までは白い騎士様だけで、フェルディナントの事なんてなんとも思っていないと思っていたのなんて完全に忘れていた。女性としては白い騎士様命だけれど、他の男の人からもよく思われたいというのはあるのだ。それがフェルディナントほどの貴公子であれば、なおさらだ。
それをあの、我が儘いっぱいのアレイダと同じレベルで好きだと言われると本当に許せなかった。
「絶対に私の方がアレイダよりもいい女よね」
私がころちゃんの瞳を見て言うと、
「わんわん」
ころちゃんは大きく頷いて吠えてくれたのだ。
それをどっちつかずの態度を取ってくれるなんて本当に許せなかった。
そんなむかむかしている私の元にその夜フェルディナントから手紙が届いた。
その手紙には本当に好きなのは私の方だが、国元の大臣等がアレイダを押していてむげにも出来ないこと。
私との間がもっと親密になったら父の皇帝陛下にはっきりと話して、許可を得るつもりだから、是非とも、今度甘み所に一緒に行ってほしいと書かれていた。
私はその手紙を最後まで読むと、丸めてゴミ箱に捨てたのだ。
「ひ、姫様、なんと言うことを、使者の方にお返事はどうするのです」
サーヤが驚いて聞いてきたが、
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私は平然と言い切ったのだった。
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