ひみつのモデルくん

おにぎり

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10.ファンクラブ?

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目が覚めた俺は、目覚まし時計を手に取る。6時23分。アラームは6時半に設定していたのだが、早くに目が覚めてしまったらしい。ここで寝たらもう起きれない自信があるので、気合いで飛び起きる。リビングに向かうと、夕は既に起きて、朝食を作ってくれていた。夕はいつも朝ごはんを作ってくれる。その代わりに、バイトが休みの日の夕ご飯と毎日のお弁当は俺の担当だ。

「おはよー」

ねぼすけで目を擦りながらリビングに入ってきた俺を、夕は優しく見つめた。エプロンをつけたイケメン、朝から眼福です。視力上がりそう。最近は少し慣れてきたけどね。

「おはよう、朝ごはん出来てるよ」

こんがりと焼かれたトーストに、目玉焼きとサラダ。フルーツまでついている。
豪華すぎる。前までは自分で食べる時はヨーグルトとかだけなので、感動してしまう。

「夕絶対いい旦那さんになるよね」


目をきらきらさせながらお礼を言うと、夕はさわやかに笑った。

「大袈裟だよ。でも翠が喜んでくれると嬉しい」

か、か、か、かっこよい!!
何事?同じ人間とは思えないよ。神ですか?


もぐもぐとご飯を食べて、学校へ行く準備をする。ウイッグをピンで固定して、くしでとかして目元を隠し、黒のカラコンをつけて最後にマスクをする。

完璧だ。


いつも通り夕と一緒にクラスに向かう。席についてぽー、としていると、とらが教室に入ってきた。

「とら、おはよー」

「...うす」

「反応悪っ」

「...デフォルトがこれだ」

「つれないなーもー」

とらとはいつもこんな感じのやり取りだ。

どうやらとらはクールさんらしい。たしかに解釈一致。クラスの連中がなんかコソコソ喋っている。入学して結構たったのに、俺ととらが喋ると何故かザワザワする。廊下を歩いててもザワザワする。

「あの方が、普通に会話を...」

「あの生徒、何者?見たことない」


もちろん翠には聞こえていない。


休み時間、知らない男の子から呼び出しがあった。ついて行くと、人目につかない空き教室に案内され、そこにはさらにふたりの男の子たちが待っていた。

ゑ?なんですか?俺、何かしましたか?

なんかみんなチワワっぽいふわふわ系の可愛い子たちだ。ムサい男としか触れ合って来なかった俺としては、大変癒される。


俺を連れてきたリーダーっぽい男の子が口を開いた。なんか、顔が赤い。怒ってる?

「お願いです、あの方に近づかない方でください。」

あの方?

「ごめん、あの方って誰?」

そう聞くと、その子は目を伏せて呟いた。

「...高良虎太郎様です」


とらのことか。なんでなんだろ?虎のことが好きだからとか?あり得る。

「なんでなの?」

事情を聞いてみると、驚くべきとこが判明した。

とらの家は、ヤがつく職業らしい。いわゆるヤクザってやつだ。しかもとても強いところらしく、その界隈で知らないものはいないほど。警察でさえ迂闊に手を出せない存在なのだそうだ。何それかっこよ。


「あの方と一緒にいたら、いつか危ない目にあっちゃいます」

顔を赤らめてそう話してくる男の子に、疑問がわいた。

「なんで俺にそんな注意してくれるんですか」

俺がどうなっても、この子にデメリットはないだろうに。

赤く染った顔が、さらに赤くなった。


「...だって、雨貝様、いい人、ですから」

「いい人?俺いい人じゃないですよ」

「...いい人です!!見た目は普通だけど!!」

急にディスられた。

投げやりになったようにそう叫んでくる。後ろの男の子ふたりもコクコク、と首を縦に振っていた。

俺、なんかしたっけ。覚え出せない。まぁそれはおいといて、俺はひとつ言わなきゃいけないことがある。

「俺のこと心配してくれるのはありがたいんだけど、とらとは友だち辞めるつもりないよ」


「え、な、なんで、、、」


「家ととらは、、別々だから。ヤクザとか、関係ないよ。俺の友だちだから」

「~~~~~/////ッッ!!」

ふわ、と微笑むと、目の前の男の子は真っ赤になった顔を両手でおおった。


「...わかりました。これより他に手はありません。僕たちが雨貝様を守ります」


ん?守る?どゆこと?



「僕は、1年C組佐倉です!」

「僕は1年A組、梅田です!」

「私は1年D組の菊池です!」


「「「僕たち、雨貝様の親衛隊になります!!!」」」


「え?し、親衛隊??何それ」

「親衛隊とは、対象の方をお守りする組織のことです!まぁ、たったの3人じゃ結成は認められませんので、あくまでファンクラブという扱いになりますが」


「俺、君たちになにかしたっけ...」

ここまでしてくれる意味がわからない俺は、頭が混乱している。

佐倉は少し頬を膨らませると、ボソッと呟いた。


「...雨貝様が覚えてらっしゃらないのが悪いんです。たった3日前のことなのに..。確かに、あの時と見た目はちょっと違うけど…!.」

「ん、よく聞こえなかった。なんて?」

「~~~~~もーいいです!とりあえず、ファンクラブとして、これからよろしくお願いします!」


「あ、うん、よろしくー?」

よく分からんけど、俺はファンクラブをゲットした。佐倉がクラブ長で、梅田と菊池が副クラブ長になるらしい。俺がやることはあるか、と聞いてみると、月に1回のお茶会に参加するだけだそうだ。なんだそれ。楽しそう。友達とお茶であははうふふできるってことか。最高じゃん。


「じゃぁさ、苗字呼びもなんだし、俺のことは名前で呼んでよ」

「す、すっ、す、翠、様、、////」

すごいどもってる。面白い。





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