性悪のお義母様をどうしても許せないので、ざまぁします。

Hibah

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私は悩みました。

もうすぐ義実家を出ていくし、そうなればお義母様とのかかわりは少なくなります。このまま何事もなくやりすごせば、もめることなくサヨナラできる……。

今は毎日顔を突き合わせるものの、別居すれば思い出すことさえなくなるでしょう。”家族”とはいえそんなものです。年がら年中さすがに考えない。考えすぎるときがあったとしても、日常でほんの一瞬でも考えていなかった事実に気づけば、あとはその瞬間を増やしていくだけです。そうして忘れていくのだと思います。頭では理解しています。

しかし、やはりお義母様を許せないという沸々とした怒りは収まりません。私を使用人同然のように扱い、気遣いある言葉なんて発したことはありません。少し私が言い返そうものなら、ヒステリーにわめき散らかす。一つ言うと百返してくるのがわかっているので、私は聞いたふりをしているだけの藁人形になっています。めんどくさいお義母様の毒舌が釘となって私を打ちつけきたため、とにかく仕返しをしたい気持ちで溢れていました。

憎しみからは何も生まれない? そんなことはありません。憎しみしか原動力にならない時があります。誰しも喜びのために生きれるわけじゃない。いや、むしろ喜びや幸せのためにしか生きれないなら、人間の人生はなんて幅の狭いハリボテなのでしょう。憎しみを押し殺し、自分で自分を殻に閉じ込めるほうがよっぽど不健康です。

はっきり言います。性格がクソな人は好き放題するくせに、反省する能力がない。反省する必要がない人ほど反省する一方で、反省すべき人が反省しない。そんな世界、そもそも不純でしょう? 私が耐えたところで、お義母様が私に感謝する日なんて来ないのです。世の中わからないことだらけだったとしても、絶対にわかることはあります。私にとってそれは……ただただ私が傷ついて終わる未来……。もし世界がクソな人さえ受け入れる包容力を持つとしたら、私にもやりたいことをする権利があるはずです!



   ***



コンテストを来週に控えたお義母様に付き添い、私はお花の教室を訪れました。そしてお義母様が席を外した隙に、お花の先生に思い切って話しかけました。はっきりわかるほど私の心臓はドキドキしていて、くちびるは乾いていました。この瞬間を逃すまいという焦りと、取り返しがつかなくなるかもしれないという恐怖とが合わさります。


「あの、エルヴィール先生、突然失礼します。ジョアンナの義娘のアンナと申します。今日は先生にお話がありまして……」


私はエルヴィール先生にお義母様の件を話しました。エルヴィール先生は想像以上に真剣に聞いてくださいました。そして意外なことに、お義母様の除草剤の話に関して、あまり驚いていませんでした。


「アンナ様。勇気のあるご申告ありがとうございます。事情はお伺いしました。そこで質問なのですが……アンナ様はどうなさりたいのですか?」


エルヴィール先生はあくまで私の意思を尊重し、質問してくれました。きっと人間ができていて、性急に何かを判断する人ではないのでしょう。


「私はお義母様がもし誤ったことをするなら、それを止めたいです」


少し間をおいて、エルヴィール先生は反応しました。


「しかしアンナ様は……ジョアンナ様の義娘様ですよね。これからも長い付き合いになるはずです。角が立つようなことは避けたいのが本音でしょう?」エルヴィール先生は私を気遣うようにして、優しく聞きました。


「おっしゃるとおりです。でも……お義母様がもし不正をしているなら、許されるべきではありません。たとえ私たち母娘の関係が……終わってしまったとしても! 覚悟を持って今日この場に来ました」


そう伝えて息が上がったとき、私はおそらく食い入るようにエルヴィール先生を見つめていたと思います。エルヴィール先生も私の目を見返しつつ、しばらく困り顔をしていましたが、やがて何かを決心したように表情を明るくしました。私は先生の柔らかな笑顔にほっとしました。


「アンナ様のお気持ち受け取りました。そこまでおっしゃるなら、わたしに考えがあります」
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