【完結】初恋は檸檬の味 ―後輩と臆病な僕の、恋の記録―

夢鴉

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閑話休題

Happy Halloween! 2025

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※本編軸とは無関係の番外編です。
※好き勝手書きました。すみません。でも後悔してません。
※なんでもOKな方、どうぞ。


――――――――――――――――――――――――――




「いらっしゃい、蒼井君、木葉君、雲井君」
「「「お邪魔しまーす」」」

 スポーツ寮のドアが開かれる。
 中から出てきたのは、生徒会長――小春樹季だ。

 十月三十一日。見事な秋晴れが広がる空の下。
 本日、俺たちはスポーツ寮で行われるハロウィンパーティーにお呼ばれしていた。
 呼んでくれたのは、生徒会長。昨日、帰り際に唐突に誘われたのだ。

「まさかスポーツ寮でハロウィンパーティーをしてるなんてな」
「それな。びっくりしたー」
「本当に俺たちまでよかったのか、小春」
「もちろん。むしろ三人が来てくれて嬉しいよ」

「どうせむさい男しかいないパーティーだけど、人数は多い方が楽しいからね」と生徒会長がウインクをする。
 生徒会長は元陸上部の主将で、陸上での推薦入学者だ。無論、この寮の一員でもある。

 寮の中はこの前入った時とそう変わってはいなかった。
 違うことといえば、玄関先にくりぬかれたカボチャがあり、少し空気が浮かれていることくらいだろうか。
 カボチャに驚く秋人を全員で笑って、俺たちは中へと入って行った。

「さ、会場に向かおうか」




「春先輩!?」
「よ、甘利」

 共有ルームに案内された俺たちは、そこで飾りつけをしている生徒たちと顔を合わせた。
 寮生である甘利も例に漏れず、飾りつけを手伝っているらしい。
(それにしても……)

「気合入ってるなぁ……」
「同感だ」
「パーティーはハロウィンとクリスマスくらいしか出来ないからね」

 生徒会長の言葉に、俺たちは『なるほど』と納得する。
 確かに、それだったら気合が入るのも納得がいく。

「は、春先輩が、ど、どどど、どうしっ、えっ!?」
「は!? ちょ、落ち着けっ」
「お、おちつっ、いてます!」
「どこがだよ」

 噛み噛みの甘利に、俺は苦笑いを浮かべる。
(コイツ、なんでこんなに緊張してるんだ?)
 俺が首を傾げていれば、甘利はガシっと俺の肩を掴む。その力の強さに、俺は肩を跳ね上げた。

「ど、どうして先輩がここにいるんですか。受験勉強は」
「え? あ、ああいや。会長に誘われてな。秋人たちの行ってる塾も電気関係の点検で休みだっつーし、気晴らしも兼ねて?」

 甘利の血走った目に、俺は頬を引き攣らせながら答える。
(なるほど、勉強の心配をされていたのか。俺)
 別に甘利ほど勉強が嫌いなわけじゃねーし。そりゃあ志望校も決まったばっかりで、全然対策とか立てれてねーけども。
「そ、そうなんですか……」と呟く甘利。「お前に心配されるほどやばくねーよ」と額を指で弾いた。

「それより、はいこれ」
「何ですか、コレ?」
「んー。一応ジュースとかいろいろ適当に見繕ってきた。少しは足しになんだろ」
「えっ!」

 甘利の目が驚愕に見開かれる。俺は差し出した袋を持っている手を、甘利に突き出した。
 言外に『早く受け取れ』と伝えれば、甘利はおずおずと袋を受け取る。

「そんな……気にしないで大丈夫だったのに」
「いーんだよ。つーかこのパーティーって全員で折半なんだろ? 後輩たちにタカるとか、ダサい真似したくねーし。俺たちもこれ折半だから」
「先輩……」

 甘利の目がキラキラと輝く。
 その反応に、俺は(げっ!)と身構える。

「かっこいいです、先輩……ッ!! 惚れ直します!」
「ギャッ! 引っ付くな馬鹿っ!」
「嫌です!」

 両手を広げ、勢いよく抱き着いてくる甘利。
(どこでスイッチ入ったんだよッ!)
 長い腕で抱き込まれ、俺は必死に甘利の顔を押し退ける。「抜け出そうとしないでください!」という甘利に「いや、無理があるだろ!」と叫ぶ。

「またやってるわー」
「この光景も見るの久しぶりだな」
「ッ、お前らなあ! 見てないで助けろよッ!」

 ニヤニヤと楽しそうに見てくる秋人と夏生に、半ば自棄になって叫ぶ。しかし、「やだよー、めんどくさい」「断る」と二人は無情にも俺の叫びを切り捨てた。
(こいつらっ、他人事だと思いやがって……!)

「春先輩。本当にありがとうございます。大切に食べますね」
「あーあー! わかった! わかったから離せって!」
「ちなみに春先輩が選んだのってどれですか? 一つ残らず俺が食べたいので教えてください」
「みんなで分けろ!」

 とんでもない言葉に、俺は甘利の頭を両手で掴む。
 ぐりぐりと頭をかき混ぜていれば、「先輩のマッサージ、気持ちいいです……」と目を細められた。
 その姿がまるでブラッシングされて喜ぶ犬のようで――俺は何とも言えない気持ちになった。


「ふふふ。相変わらず仲がいいようで何よりだね」
「この状況をどう見たらそう思うんだよ……」
「? 誰がどう見ても仲良しの光景だと思うが?」

 首を傾げる生徒会長に、俺はため息を零す。
 どうやら生徒会長は目が悪くなったらしい。「眼鏡の度、合ってるか?」と問えば「失敬な」と言われた。

「それより、待たせて悪かったね。はい、これ。君たちの衣装だよ」
「「「えっ?」」」

 ぽすん、と渡された衣装に、俺たち三人の声が重なる。
 生徒会長に目を向ければ、にっこりと微笑まれる。甘利の目が無駄にキラキラと輝いていた。

「ハロウィンパーティーに参加するんだから、衣装は着てもらわないと」
「え、で、でも、そんなこと一言も言ってな――」
「大丈夫大丈夫。ちゃんと洗ってあるから」

 輝かしい笑みで言う生徒会長。その笑顔はとても清々しく、俺たちは頬が引き攣るのを感じる。
(そういう問題じゃないんだが!?)

「部長。流石です。久しぶりに部長を尊敬しました」
「甘利君。もう少し僕を敬ってくれていいんだよ?」
「春先輩を連れてきてくれたことは一生涯かけて感謝します」
「君は本当に蒼井君の事になると盲目的になるね」

「もうも……?」と首を傾げる甘利。生徒会長はその姿に「ふふふ」と笑うだけで、意味を教える気はないらしい。

「さ。着替えはあっちの部屋を使ってくれ。甘利君、案内を頼むよ」
「わかりました」
「ちょっ、待っ――!」
「ああそうだ」

「始まるまで十分もないから、早めにね」と生徒会長が手を振る。
 その笑顔に文句を言う間もなく、甘利に手を引っ張られた。「先輩、こっちです」と手を引っ張られ、俺は足を縺れさせながら甘利の後をついて行く。



「……で。なんで俺だけ甘利の部屋?」
「先輩の裸を他の男に見せるとか、無理なんで」

 甘利の言葉に、俺はじっとりとした目を甘利に向ける。
(何言ってんだコイツ……)

 甘利に手を引かれた俺は、秋人と夏生と共に更衣室になっている部屋に案内されるものだと思っていた。
 だが、部屋に案内され、中に入る直前になって甘利が「先輩は別室です!」と声を上げたのだ。驚く間もなく(何なら秋人と夏生は察していたようで、「また後でなー」と手を振られた)、俺は甘利の部屋に連行されたのだ。

「先輩の裸は俺が守ります」
「お前、今日キャラ見失ってねぇ?」
「先輩の前ではキャラも何もないです」

 甘利はベッドの上に腰かけると、じっと俺を見つめている。
(……視線が痛すぎて着替えらんねぇんだけど)
 ちらりと甘利を見れば、目は血走ったまま、瞬きを忘れたかのように見開かれている。

「目、乾くぞ」
「先輩の生着替え……一瞬たりとも見落とすわけにはいきません」
「出てけヘンタイ」
「写真、撮ってもいいですか」
「絶対にやめろ」

 スマートフォンを構える甘利に、俺は脱いだ上着を投げつける。
 驚いて目を丸くする甘利に「いいからあっち向いてろ! それかマジで出てけ、ヘンタイ!」と叫ぶ。
 甘利は投げつけられた俺の上着をガッと掴むと「部屋、出てます」と言って、部屋を出て行った。足取りがフラフラしていたし、顔は真っ赤だったけど、それを心配している余裕は俺にはなかった。

 バクバクと煩い心臓。
 甘利の突き刺すような視線が、頭にこびりついて離れない。

「くそっ、あいつが変なこと言うから……ッ」

 どうせ写真を撮っても手ブレでホラー写真しか撮れねーくせに。
 男の着替えとか見慣れてるくせに。

 俺はうるさい胸元をぎゅっと握りしめ、大きく深呼吸を繰り返す。
 心臓が落ち着いて来たのを感じて、俺はようやく着替えることにした。


 着替えから数分。
 俺は扉の前で立ち尽くしていた。
(な、なんだよコレ……!)
 なんだよこの衣装!

「メイド服とか、聞いてねぇ……ッ!」

 着替え中は甘利の事ばっかり考えていたから、全然意識してなかった。
 勉強机の隣に置かれた鏡をふと見てしまい、俺は全力で後悔した。

「どうせなら気づかないまま外に出たかった……ッ!!」

 一回意識したら中々忘れることはできない。

 幸い、スカートはくるぶしまであるし、形もオーソドックスなものだ。
 ――背中ががっつり開いていなければ。

「くそっ、止めらんねぇし……ッ!」

 背後にあるファスナー。それを閉める必要があるのに、俺の腕は悲しいかな、腰の上からほとんど届いていなかった。
(どうする? 甘利に上げてもらうか? いや、絶対に何か言われんだろ)
 着替えだけであんだけ取り乱してたんだ。素肌なんか晒して大丈夫か?

「……いやいや。男の肌だぞ? 別に大丈夫だろ。うん」

 むしろ『え、上げられなかったんですか? 先輩って意外と身体硬いんですね』くらいで終わるかもしれない。
(それならそれでいいし、馬鹿にしてくるようだったら先輩権限でぶっ飛ばそう)
 俺は頷く。

 とりあえず、このまま部屋にいるわけにもいかない。俺は意を決して扉を開けた。


 廊下には、俺の上着を頭から被った甘利がいた。ヤンキー座りで。

「……何してんだ?」
「! せんぱ――」

 ぱっと上げられる顔。甘利の黒い目がどんどん見開かれ、白い肌が一気に紅葉する。
 その反応に、俺もつられて顔が熱くなるのを感じる。

「せ、先輩っ、そのかっこ……!」
「う、うるさいっ! お前も文化祭のときやってただろ!」
「お、俺とお揃い……!」
「そっちかよ!」

 目を輝かせる甘利に、俺は声を荒げる。
(くそっ、こんなはずじゃなかったのにっ)
 熱くなる頬に手を当てる。部屋の中よりも廊下の方が涼しいのに、顔だけが熱い。

 俺は小さく息をすると、甘利がもぞもぞとしているのに気が付く。なにしてんだ、と目を向ければ、何かを頭に付けれた。

「あは。黒猫メイドさん。可愛いですね」
「っ――!!」

 甘利の言葉に、俺は息を飲む。
(な、なんつー目で見て来るんだよ……ッ!)
 嬉しそうな、蕩けるような笑み。女子が見たら卒倒するだろう微笑みに、俺の心臓は不覚にもノックアウトされたらしい。
 ドコドコ煩く音を立てる心臓に、俺は腹あたりの布を掴む。

(な、なんか、どんどん恥ずかしくなってくんだけどッ)
 女装ってだけでも恥ずかしいのに、それ以上に何か、言葉にできない恥ずかしさが込み上げて来ている。その正体がわからなくて、落ち着かない。

 俺がそわそわと視線を彷徨わせていれば、立ち上がった甘利がじっと俺を見つめて来る。
「な、なんだよ」と言えば、甘利の手が俺に向かって伸ばされた。

 甘利の指が、胸元部分に引っ掛けられ、くんっと下げられる。

「お、おいっ、なにして……!」
「……もしかして先輩、ちょっとサイズ大きかったですか?」
「え?」
「ここ、こんなに無防備で……」

 じっと甘利の視線が、露わになった俺の胸元を見つめる。
 甘利の舌が、唇を舐める。向けられる目は、まるで獲物を前にしたようで――――

「は、見えそ」
「っ、やめろ馬鹿ッ!」

 甘利の手を叩く。「あっ」と残念そうな声が聞こえたが、知ったことじゃない。

 俺は胸元を握りしめ、二歩ほど下がる。警戒を隠さず、甘利を強く睨みつけた。
(じょ、冗談じゃねぇっ!)
 まさかあんな顔をされるとは思わなかった。
 何が見えそうだったのかとか、なんで俺相手にあんな目をしたんだとか。いろいろ疑問はあるけど、何よりも知らない甘利を見たようで、少しだけ……怖かった。
 腹の奥がくぅっと押し上げられ、俺は唇を噛みしめる。

「す、すみません、春先輩。もう触りませんからっ」

 甘利が声を上げる。
 申し訳なさそうな顔をする甘利は、いつもと同じ情けない顔をしている。
(……イケメンなのに、情けない)
 でも、いつも通りの甘利に安堵してしまう。

「その……怒らないで、先輩」
「……別に、怒ってねーよ」
「ほ、本当ですか?」

 甘利が泣きそうな声で言う。
 俺は詰めていた息を小さく吐き出す。……大丈夫、相手は甘利だ。

「せ、背中」
「背中?」
「ファスナーが、あ、上がらねー、んだよ」
「え? ……あ」

 甘利はハッとしたような顔をした。
「そういえば……」と呟く甘利。自分が文化祭でメイド服を着た時を思い出したのだろう。

「なるほど、だから」
「そ。だから、別に、サイズは大丈夫っていうか……」
「なら、俺が上げましょうか?」

 甘利の言葉に、俺は「へ……?」と顔を上げる。
 甘利は「よいしょ」と立ち上がると、被っていた俺の上着を取り、俺に差し出してくる。「持っててください」と言われ、俺は上着を受け取った。
(いや、これ俺のなんだけど)

「背中見せてください」
「え? あ、お、おう」

 言われるがまま、俺は背を向ける。
 さっきから思っていたが、動くたびに風が背中を撫でてちょっと寒い。
 背を向けて少し。中々動かない甘利に不思議に思い、俺は振り返る。

「おい、甘利?」
「ふふふ」
「っ、なに笑ってんだよ」
「いえ。頑張ったんだなって思いまして」

 俺の奮闘した跡を見たのだろう。
 甘利はくすくすと笑う。「笑うなよ」と苦言を零せば「すみません。可愛くて」と言われた。

「背中、触りますね」
「お、おう」

 俺は甘利の言葉に頷き……はたと首を傾げる。
(ん? 触る?)
 なんで服のファスナーを上げるだけで触る必要があるんだ?

 そんな俺の疑問も余所に、甘利のデカい手が腰に触れる。突然のことに「ひっ!?」と声が飛び出した。

「っ……先輩、そんな声出さないでください」
「わ、悪い」

 流石に今のは恥ずかしい。
 俺は自分の上着を口元に押し当てる。大きく息を吐いて、俺は覚悟を決めた。

「それじゃあ、上げますね」
「っ、良いから早くしろ」

 甘利の熱い手のひらが、布越しに熱を伝える。
 俺はそれにむず痒さを感じながら、ファスナーが上げられるのを待つ。
 ジィー……とファスナーが音を立てる。ゆっくりと、まるで焦らすように。

「っ、そんなの一気に上げろよっ」
「動かないでください。このタイプのやつ、ファスナーが小さくて、布を引っ張りながらゆっくり上げないと噛みやすいんです」
「そ、そうなのか?」
「俺は三回噛ませて部長に怒られました」

 その言葉に、俺は瞬きをする。
(あの甘利が、会長に?)
 黒い笑顔を浮かべる生徒会長に怒られる甘利を想像して、俺は吹き出す。
(あの図体のデカいメイドが、背中がら空きで怒られてるとか)
 笑うしかないだろ、そんなの。

「お前でもっ、苦手なものはあるんだな……ッ、ふ、くくくっ、!」
「ちょっ、動かないでくださいってば」
「はは、悪い悪いっ」

 俺は腹に力を込め、笑いを堪える。
 きっと今頃俺の後ろでは真面目な顔をした甘利が、小さいファスナーと戦っているのだろう。想像するだけで面白い。

 ぎゅっと上まで上げられるのを感じる。俺は「止まったか?」と問いかけた。

「はい。ばっちりです」
「そっか。ありがとな」

「助かったわ」と告げれば、甘利が頷く。
 ぶかぶかだった胸元はきゅっと締まっており、丁度いいサイズに収まっていた。そのことに複雑な心境を覚えながら、俺は「んじゃ行くか」と足を踏み出す。

 瞬間、廊下の先でこちらを見る人影に気が付く。
 既に着替えた秋人と夏生だった。
(み、見られてた!?)

「な、な……っ!?」
「あ、どうぞどうぞ。お気になさらず~」
「先に行ってた方がいいか?」

 ニマニマと笑みを浮かべる秋人。
 夏生はいつもの真顔で首を傾げていた。
(っ~~~~!!!)
 ぶわわわわっと熱が込み上げる。
 飲み込んだ息がごきゅっと嫌な音を立てる。

(さ、最悪だ!!)
 身体が一気に熱くなる。
 わなわなと震える拳を握りしめ、俺は勢いよく振り返った。

「? せんぱ――」

「お前のせいだからな!! 馬鹿甘利ッ!!」

 俺は持っていた上着を再び甘利へとぶん投げると、駆けだした。
「もういいのか?」と聞いてくる秋人と夏生の背中を強く叩く。「いいんだよッ!」と半ば叫んで、俺は二人の背中を押して共有ルームへと向かう。
 ちらりと視線だけで振り返った後ろでは、甘利が俺の上着を持ちながら、茫然と立っていた。

 俺は『べっ』と舌を出し、顔を背ける。

 もうアイツなんか知ったこっちゃない!




 その後、パーティーでは不機嫌な黒猫メイドの後ろを、デカい狼男が料理を持って追いかける姿が見られたとか。


「は、春先輩っ、パンを使ったかぼちゃグラタンありますよ! と、取りましょうか?」
「自分で取るからいい」
「あっ……」

「何あれ? 何で猫が狼従えてんの?」
「さあ? でも、あんな甘利見るの初めてじゃね?」
「確かに。偽物の耳と尻尾がマジに見える」
「しょげてるけどな」


「は、春先輩っ、これ俺が作ったクッキーなんですけど、食べてくれませんか?」
「あー、悪い。もう腹いっぱい」
「そう、ですか……」
「……喉、乾いた」
「! 飲み物取ってきますね! 何がいいですか?」
「んー、お茶。緑茶がいい」
「わかりました!」

「お。今度は尻尾振ってる」
「元気だな、あいつ」
「あ。猫の方、クッキー食ってるぞ。ちょっと苦しそうだけど」
「本当だ。持ってかえりゃいいのに、素直じゃねーのな」
「つーか、なんだろうな……あいつら、見てて飽きないな」

「「「それな」」」
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