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千姫ルート 南京城攻略戦1
新たな策(エロ度☆☆☆☆☆)
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井頼が千姫の下に短刀を返しに近づいた時、千姫は東を向いて何かを祈っていた。
その相手はもしかすれば神仏であったのかもしれないし、秀頼だったのかもしれない。
「・・・・・・皇后様、短刀を持って参りました」
「季夏さんは!?」
自分で短刀を渡しておいてとも思うが、気になるものは気になるのだ。
「使用されませんでした。気が殺がれたのかと」
「そう、良かった」
その短刀には葵の御紋が彫られている。
徳川家の証が・・・・・・。
「張殿には結局仕返す機会が無くなってしまいました」
井頼は揶揄するように千姫に言う。
千姫は確かに井頼にその機会を与えると言うような発言をしていた。
だが、それももう敵としては叶わない。
「っ!? そ、そうでしたね」
その事を思い出し、ばつが悪そうにする千姫だったが、井頼としてもそれは大したことではない。
「そしてその張殿が早速献策してまいりました」
「張殿が?」
「ええ、成功すれば僅かな日数で南京を制圧出来ます。詳しくは中で」
「・・・・・・はい」
井頼に導かれ千姫が帷幕の中に消えていく。
攻城において最も効果的な手段。
それは巨大な攻城兵器でも、途轍もない爆発力を誇る爆弾でもない。
「私の裏切りはまだ知られてはいないはずです。まずは私の隊が南京城に入り、進安の首を取り、門を開けます」
それは先ほどまで取り乱していた男とはまるで別人、冷静沈着な男に戻った居勝の策であった。
もっとも、その目は真っ赤に腫れており、少々情けない感じでもあったが・・・・・・。
「それは危険な役なのでは?」
せっかく季夏に会えたのにとまでは言わないが、チラリと横目で季夏のいる帷幕を見たので千姫の危惧は居勝には筒抜けだった。
「心配召されるな。いや、本来であればこの状況では私の裏切りこそを心配するべきこと。季夏を人質とし、その保険とされるが良いでしょう」
「っ!? 人質など!」
「どちらにしろ二度と進安に近づけたくないので、潜入する間は預かっていただきたい。それに、城を破壊せずに制圧すれば、あの城は今後の日本軍にとっても重要な拠点となるでしょう」
そこまで言った後、チラリと井頼を見る。
「もっとも、南京城にはあのような奇天烈な仕掛けはありませんが」
奇天烈と言われれば井頼も笑うしかない。
しかも、結局のところその大々的な仕掛けも助攻でしかなかったのだから。
「井頼殿、成功すると思いますか?」
千姫が意見を求めてくる。
「十中八九。いえ、張殿であれば不測の事態も更なる戦果へと変えましょう。また、南京城を差し出す事こそが彼の身の証にもなる。しかし、兵の当てはあるのですか?」
殿を引き受けた軍が被害もなく帰っては不審がられる。
今いる明兵も2・3割を連れ帰るのがせいぜいといったところ。
そうすれば南京で居勝の兵は2・300と井頼は考えていた。
「いえ、今南京に戻った兵のほとんどが私の兵です。もともとの城に残した兵を入れれば3000強といったところでしょう。問題はどれほどの民兵が新たに集まっているかですが・・・・・・」
「それであれば問題ない。こちらの斥候の報告では南京の兵力は10000程。兵糧も支度金も無く、それ以上集められなくなっているようです」
それに、誰も30万の大軍で当たって負けると思っていなかった。
それ以上の徴兵は必要ないと真面目に動いていなかったのだ。
「・・・・・・で、あれば私の兵だけで十分に南京は落とせます。皇后様の軍が到着され、包囲されたその日に決行いたしましょう」
「分かりました。張殿、よろしくお願いします」
「はっ!」
作法が分からずに明式の礼を取り、居勝が明の陣営に戻っていく。
そして、その日の内に季夏と兵700を千姫に預け、南京に向けて出発した。
千姫はその背中を見ながら、この戦が終わりに近づいていることを感じ取っていた。
その相手はもしかすれば神仏であったのかもしれないし、秀頼だったのかもしれない。
「・・・・・・皇后様、短刀を持って参りました」
「季夏さんは!?」
自分で短刀を渡しておいてとも思うが、気になるものは気になるのだ。
「使用されませんでした。気が殺がれたのかと」
「そう、良かった」
その短刀には葵の御紋が彫られている。
徳川家の証が・・・・・・。
「張殿には結局仕返す機会が無くなってしまいました」
井頼は揶揄するように千姫に言う。
千姫は確かに井頼にその機会を与えると言うような発言をしていた。
だが、それももう敵としては叶わない。
「っ!? そ、そうでしたね」
その事を思い出し、ばつが悪そうにする千姫だったが、井頼としてもそれは大したことではない。
「そしてその張殿が早速献策してまいりました」
「張殿が?」
「ええ、成功すれば僅かな日数で南京を制圧出来ます。詳しくは中で」
「・・・・・・はい」
井頼に導かれ千姫が帷幕の中に消えていく。
攻城において最も効果的な手段。
それは巨大な攻城兵器でも、途轍もない爆発力を誇る爆弾でもない。
「私の裏切りはまだ知られてはいないはずです。まずは私の隊が南京城に入り、進安の首を取り、門を開けます」
それは先ほどまで取り乱していた男とはまるで別人、冷静沈着な男に戻った居勝の策であった。
もっとも、その目は真っ赤に腫れており、少々情けない感じでもあったが・・・・・・。
「それは危険な役なのでは?」
せっかく季夏に会えたのにとまでは言わないが、チラリと横目で季夏のいる帷幕を見たので千姫の危惧は居勝には筒抜けだった。
「心配召されるな。いや、本来であればこの状況では私の裏切りこそを心配するべきこと。季夏を人質とし、その保険とされるが良いでしょう」
「っ!? 人質など!」
「どちらにしろ二度と進安に近づけたくないので、潜入する間は預かっていただきたい。それに、城を破壊せずに制圧すれば、あの城は今後の日本軍にとっても重要な拠点となるでしょう」
そこまで言った後、チラリと井頼を見る。
「もっとも、南京城にはあのような奇天烈な仕掛けはありませんが」
奇天烈と言われれば井頼も笑うしかない。
しかも、結局のところその大々的な仕掛けも助攻でしかなかったのだから。
「井頼殿、成功すると思いますか?」
千姫が意見を求めてくる。
「十中八九。いえ、張殿であれば不測の事態も更なる戦果へと変えましょう。また、南京城を差し出す事こそが彼の身の証にもなる。しかし、兵の当てはあるのですか?」
殿を引き受けた軍が被害もなく帰っては不審がられる。
今いる明兵も2・3割を連れ帰るのがせいぜいといったところ。
そうすれば南京で居勝の兵は2・300と井頼は考えていた。
「いえ、今南京に戻った兵のほとんどが私の兵です。もともとの城に残した兵を入れれば3000強といったところでしょう。問題はどれほどの民兵が新たに集まっているかですが・・・・・・」
「それであれば問題ない。こちらの斥候の報告では南京の兵力は10000程。兵糧も支度金も無く、それ以上集められなくなっているようです」
それに、誰も30万の大軍で当たって負けると思っていなかった。
それ以上の徴兵は必要ないと真面目に動いていなかったのだ。
「・・・・・・で、あれば私の兵だけで十分に南京は落とせます。皇后様の軍が到着され、包囲されたその日に決行いたしましょう」
「分かりました。張殿、よろしくお願いします」
「はっ!」
作法が分からずに明式の礼を取り、居勝が明の陣営に戻っていく。
そして、その日の内に季夏と兵700を千姫に預け、南京に向けて出発した。
千姫はその背中を見ながら、この戦が終わりに近づいていることを感じ取っていた。
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