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2章
4話 贖罪の作法
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漣の言葉に、高階は切れ長の目を軽く見開くと、やがて、ふう、と小さく息をついた。呆れとも、困惑ともつかない鈍色の溜息。
「なるほど。どうあっても自分の罪は譲らない、というわけね。……ええ、あなたのその信念は敬意をもって尊重します。ただ……だとしたらあなたは、どうやってその罪を償うの」
「……えっ」
どう償うか。その、言われてみればごく当たり前の問いに、今更のように漣は途方に暮れる。ああ、そうだ。罪を負うなら、当然その償いも必要になる。さもなければ、そんなものは口先だけの空論になってしまう。
「それは……ここで、大人しく暮らして……」
「それは、厳密には贖罪にはならないわ。ここは刑務所ではないの。事実、ここには何の問題も起こさず、ただギフテッドである、というだけで収容された人間も多い。そうした人達を前に、今と同じ言葉をあなたは口にできるかしら」
「……いえ」
言えるわけがない。お前も人殺しだ、と名指しするようなものだ。
「じゃあ、その……どうすれば……」
「だから、私に引き渡しなさいと言っているの。楽になれ、と言っているのではないわ。どのみちあなたは持て余してしまう。あまりにも大きすぎる罪を、胸の中でいたずらに捏ね回すうちに虚しく腐らせてしまう。ならばいっそ、その罪を償える人間に譲ってしまいなさい。少なくとも、私にはそれを贖う力がある」
「……っ」
確かに、高階の言葉はどこまでも正論だ。無力な若造が無為に抱え込んだところで、あれだけの罪を償いきれるはずはない。高階の言う通り、漣が今の自分を正当化するための道具として使い潰されるのがオチだろう――
でも。
――これから、どの面を下げて医師を続ければいい。
あれほど強く大きかった父の、今にも消え入りそうな慟哭を思い出す。ギフトに命を奪われた被害者の顔も名前も、背景も漣は知らない。それでも、そこには確かにその人なりの喜びや悲しみ、願いがあったのだ。それらを守ろうと心血を削ぎ、挙句、真相に打ちひしがれた父の悲しみも。
譲りたくない、誰にも。
そのためには、しかし漣は示さなくてはいけない。誰に対しても――漣自身にも示すことのできる贖罪のかたちを。
そのためには、じゃあ何をどうすればいい。
何をどうすれば、あれほどの罪を償える。何を――
「キュレーター、になって頂くというのはどうでしょう」
嶋野の言葉に、漣ははっと顔を上げる。
「……キュレーターに?」
問い返したのは、漣ではなく高階だ。彼女は痩せた顎におもむろに手を添えると、片眉を上げ、じっと嶋野を見据える。その、何かを探るような目は明らかに剣呑で、気圧された漣はじっと成り行きを見守る。
やがて高階は、何かを振り切るように小さく溜息をつく。
「あなたの考えを聞こうかしら」
「ええ」
対する嶋野は、あくまでも平常運転だ。
「そもそも……彼の性格を踏まえるなら、たとえ言葉の上で罪を譲り渡したところで、その重みから逃れることはできないのでは、と」
そして嶋野は、同意を求めるように漣を振り返る。漣は、こく、と小さく顎を引いた。ほんの半日程度の付き合いなのに、この人は、漣のことをよくわかってくれている。
ただ、頷いてはみたものの、肝心のキュレーターが何を指す言葉なのかは知らない。さっき嶋野に問うた時も、後で、とはぐらかされてしまった。とりあえず……彼と同じ役職、という認識で良いのだろうか。
「そういえば先程、キュレーターについて君に問われていましたね」
あ、覚えていたのか。
「一般にキュレーターとは、美術展の企画やそのための交渉など、諸々の準備を行なうプロを指す言葉です。日本では学芸員とほぼ同義に扱われますが、海外では、学芸員とは別個の職業として成立しています。このキュレーターですが、より良い企画展示のためにアートに関する情報をつねに収集し、必要とあらば若手アーティストの発掘や支援も行ないます。また、仕事柄、美術品を扱うことも多く、運搬や保存に関する知識にも長けている。アーティストと同様、この世界には欠かすことのできないキープレイヤーです」
「はぁ……」
どうも嶋野は、ひとたび蘊蓄を語り出すと長くなる傾向がある。が、今回は漣個人に絡む話なので、どうにか最後まで頭に叩き込むことができた。
「とはいえ、この協会においては若干意味合いが異なります」
「と、言いますと?」
「ええ。未知のアーティストの発掘、という点は変わりません。むしろ、その一点に特化した存在だと捉えてください。ギフテッドの作品で展示会など、そもそも開けるわけがありませんからね」
「えっ? ああ……まあそうっすね……」
そりゃそうだ、と漣は苦笑する。命を奪う絵、心を支配する絵、魂が恐怖する歌……ろくな展示にならない。
「当協会におけるキュレーターは、例えば今回のケースが好例ですが、原因不明の事故や事件が生じた場合、未知のギフテッドの関わりを疑い、調査を行ないます。その結果、仮にギフテッドの仕業と判明した場合、各情報機関と連携しギフテッドの特定と保護を急ぎます。それと並行して、すでに販売、譲渡された作品の回収。さらに……これは一般的なキュレーターには決して課されることのない役割ですが、回収不能なアートの破壊も我々が行ないます。僕個人としては、この仕事が一番つらく、苦しいですね」
そして嶋野は、実際、ひどく辛そうな顔をする。
ただ、今の説明のおかげで、ようやく漣にも事情が呑み込める。つまり嶋野は、漣に新たなギフテッドの探索に加われ、と言っているのだ。そして……それこそは、自分がなすべき贖罪だと漣には思われた。まだ見ぬギフテッドを一刻でも早く探し出し、今回のような悲劇を未然に防ぐ。
大々的に自分たちの存在を明らかにできない彼らにとっては、それこそが唯一の、ギフテッドから社会を守る方法なのだろう。
「俺……なります、キュレーターに」
本来、交わるべきでない二つの世界。
その境界を守り、もう二度と、あんな悲劇が起こらないように。
「一刻でも早く危険なギフテッドを見つけ出し、被害を防ぐ……それが、俺がなすべき贖罪です」
すると高階は、なぜか困ったように眉根を寄せる。詳しいことはわからない、が、どうも嶋野の意見に反対しているらしい。
「随分と懐かれてるようだけど、まさか、彼にもギフトを?」
すると、問われた嶋野は「いえ」と胸を張る。
「今回は彼の父親と、それから妹の二人にのみ。そもそも、ギフトでアーティストの心を縛るのは、僕の信念に反します」
一応、他者の心を縛ることに罪悪感はあったのか――
「それで僕に媚びた作品ばかり作られても嫌じゃないですか」
違った。やはり、この嶋野という男の倫理観は、一般的なそれとはかなり掛け離れているらしい。
相変わらず高階は、じっと、探るように嶋野を見据えている。余程思うところがあるらしい。が、だとすれば何がどう不安なのか――
いや、あるじゃないか。とても重要な問題が。
「俺、もう描きませんっ、外じゃ絶対……っ!」
そう、こんな、見たら死ぬ絵を描いてしまうギフト持ちの危険人物を、おいそれと外には出せないだろう。
「もう誰にも、俺の絵は見せません! ……だから……やらせてください、俺に、キュレーターを」
すると二人は、なぜか驚いたように振り返り、それから、困惑がちに互いを見交わす。あきらかに鈍い反応。どうやら今の答えは、彼らが期待した内容ではなかったらしい。では高階は、何にそこまで気を揉んでいるのか……
やがて高階は、ふうう、と長い溜息をつく。
「まあいいわ。どのみちすぐになれるものでもないし、審美眼を上げながらじっくり考えなさい。――凪」
その顔がふたたび嶋野に向き、今度はやんわりと笑む。ただ、口元は笑っても、目は、相変わらず探るような眼差しを解かない。
「これは、あなたの意見なのかしら」
すると嶋野は小首を傾げ、やがて、ゆっくりと笑んで「そうです」と答えた。
「なるほど。どうあっても自分の罪は譲らない、というわけね。……ええ、あなたのその信念は敬意をもって尊重します。ただ……だとしたらあなたは、どうやってその罪を償うの」
「……えっ」
どう償うか。その、言われてみればごく当たり前の問いに、今更のように漣は途方に暮れる。ああ、そうだ。罪を負うなら、当然その償いも必要になる。さもなければ、そんなものは口先だけの空論になってしまう。
「それは……ここで、大人しく暮らして……」
「それは、厳密には贖罪にはならないわ。ここは刑務所ではないの。事実、ここには何の問題も起こさず、ただギフテッドである、というだけで収容された人間も多い。そうした人達を前に、今と同じ言葉をあなたは口にできるかしら」
「……いえ」
言えるわけがない。お前も人殺しだ、と名指しするようなものだ。
「じゃあ、その……どうすれば……」
「だから、私に引き渡しなさいと言っているの。楽になれ、と言っているのではないわ。どのみちあなたは持て余してしまう。あまりにも大きすぎる罪を、胸の中でいたずらに捏ね回すうちに虚しく腐らせてしまう。ならばいっそ、その罪を償える人間に譲ってしまいなさい。少なくとも、私にはそれを贖う力がある」
「……っ」
確かに、高階の言葉はどこまでも正論だ。無力な若造が無為に抱え込んだところで、あれだけの罪を償いきれるはずはない。高階の言う通り、漣が今の自分を正当化するための道具として使い潰されるのがオチだろう――
でも。
――これから、どの面を下げて医師を続ければいい。
あれほど強く大きかった父の、今にも消え入りそうな慟哭を思い出す。ギフトに命を奪われた被害者の顔も名前も、背景も漣は知らない。それでも、そこには確かにその人なりの喜びや悲しみ、願いがあったのだ。それらを守ろうと心血を削ぎ、挙句、真相に打ちひしがれた父の悲しみも。
譲りたくない、誰にも。
そのためには、しかし漣は示さなくてはいけない。誰に対しても――漣自身にも示すことのできる贖罪のかたちを。
そのためには、じゃあ何をどうすればいい。
何をどうすれば、あれほどの罪を償える。何を――
「キュレーター、になって頂くというのはどうでしょう」
嶋野の言葉に、漣ははっと顔を上げる。
「……キュレーターに?」
問い返したのは、漣ではなく高階だ。彼女は痩せた顎におもむろに手を添えると、片眉を上げ、じっと嶋野を見据える。その、何かを探るような目は明らかに剣呑で、気圧された漣はじっと成り行きを見守る。
やがて高階は、何かを振り切るように小さく溜息をつく。
「あなたの考えを聞こうかしら」
「ええ」
対する嶋野は、あくまでも平常運転だ。
「そもそも……彼の性格を踏まえるなら、たとえ言葉の上で罪を譲り渡したところで、その重みから逃れることはできないのでは、と」
そして嶋野は、同意を求めるように漣を振り返る。漣は、こく、と小さく顎を引いた。ほんの半日程度の付き合いなのに、この人は、漣のことをよくわかってくれている。
ただ、頷いてはみたものの、肝心のキュレーターが何を指す言葉なのかは知らない。さっき嶋野に問うた時も、後で、とはぐらかされてしまった。とりあえず……彼と同じ役職、という認識で良いのだろうか。
「そういえば先程、キュレーターについて君に問われていましたね」
あ、覚えていたのか。
「一般にキュレーターとは、美術展の企画やそのための交渉など、諸々の準備を行なうプロを指す言葉です。日本では学芸員とほぼ同義に扱われますが、海外では、学芸員とは別個の職業として成立しています。このキュレーターですが、より良い企画展示のためにアートに関する情報をつねに収集し、必要とあらば若手アーティストの発掘や支援も行ないます。また、仕事柄、美術品を扱うことも多く、運搬や保存に関する知識にも長けている。アーティストと同様、この世界には欠かすことのできないキープレイヤーです」
「はぁ……」
どうも嶋野は、ひとたび蘊蓄を語り出すと長くなる傾向がある。が、今回は漣個人に絡む話なので、どうにか最後まで頭に叩き込むことができた。
「とはいえ、この協会においては若干意味合いが異なります」
「と、言いますと?」
「ええ。未知のアーティストの発掘、という点は変わりません。むしろ、その一点に特化した存在だと捉えてください。ギフテッドの作品で展示会など、そもそも開けるわけがありませんからね」
「えっ? ああ……まあそうっすね……」
そりゃそうだ、と漣は苦笑する。命を奪う絵、心を支配する絵、魂が恐怖する歌……ろくな展示にならない。
「当協会におけるキュレーターは、例えば今回のケースが好例ですが、原因不明の事故や事件が生じた場合、未知のギフテッドの関わりを疑い、調査を行ないます。その結果、仮にギフテッドの仕業と判明した場合、各情報機関と連携しギフテッドの特定と保護を急ぎます。それと並行して、すでに販売、譲渡された作品の回収。さらに……これは一般的なキュレーターには決して課されることのない役割ですが、回収不能なアートの破壊も我々が行ないます。僕個人としては、この仕事が一番つらく、苦しいですね」
そして嶋野は、実際、ひどく辛そうな顔をする。
ただ、今の説明のおかげで、ようやく漣にも事情が呑み込める。つまり嶋野は、漣に新たなギフテッドの探索に加われ、と言っているのだ。そして……それこそは、自分がなすべき贖罪だと漣には思われた。まだ見ぬギフテッドを一刻でも早く探し出し、今回のような悲劇を未然に防ぐ。
大々的に自分たちの存在を明らかにできない彼らにとっては、それこそが唯一の、ギフテッドから社会を守る方法なのだろう。
「俺……なります、キュレーターに」
本来、交わるべきでない二つの世界。
その境界を守り、もう二度と、あんな悲劇が起こらないように。
「一刻でも早く危険なギフテッドを見つけ出し、被害を防ぐ……それが、俺がなすべき贖罪です」
すると高階は、なぜか困ったように眉根を寄せる。詳しいことはわからない、が、どうも嶋野の意見に反対しているらしい。
「随分と懐かれてるようだけど、まさか、彼にもギフトを?」
すると、問われた嶋野は「いえ」と胸を張る。
「今回は彼の父親と、それから妹の二人にのみ。そもそも、ギフトでアーティストの心を縛るのは、僕の信念に反します」
一応、他者の心を縛ることに罪悪感はあったのか――
「それで僕に媚びた作品ばかり作られても嫌じゃないですか」
違った。やはり、この嶋野という男の倫理観は、一般的なそれとはかなり掛け離れているらしい。
相変わらず高階は、じっと、探るように嶋野を見据えている。余程思うところがあるらしい。が、だとすれば何がどう不安なのか――
いや、あるじゃないか。とても重要な問題が。
「俺、もう描きませんっ、外じゃ絶対……っ!」
そう、こんな、見たら死ぬ絵を描いてしまうギフト持ちの危険人物を、おいそれと外には出せないだろう。
「もう誰にも、俺の絵は見せません! ……だから……やらせてください、俺に、キュレーターを」
すると二人は、なぜか驚いたように振り返り、それから、困惑がちに互いを見交わす。あきらかに鈍い反応。どうやら今の答えは、彼らが期待した内容ではなかったらしい。では高階は、何にそこまで気を揉んでいるのか……
やがて高階は、ふうう、と長い溜息をつく。
「まあいいわ。どのみちすぐになれるものでもないし、審美眼を上げながらじっくり考えなさい。――凪」
その顔がふたたび嶋野に向き、今度はやんわりと笑む。ただ、口元は笑っても、目は、相変わらず探るような眼差しを解かない。
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