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2章
7章 誰かと、誰かに
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とりあえず言うだけ言ってみよう。ところが、冗談のつもりで口にした答えに嶋野は、今度はにこりともせずに頷く。
まじかよ、と、漣は小さく呻いた。
「ええ。もっとも、そうした取り組みは日本に限らず、どこの国でも当然のように行なわれています。ギフテッドの捜索と保護、そして、万一のケースに備えた能力の涵養。中には……まぁ、どこの国とはあえて名指ししませんが、工作員を派遣し、他国のギフテッドを拉致する国さえあるほどです。……今だからお話しできますが、実のところ、君の身柄も相当危うかったんですよ。幸い、各情報機関との連携が功奏し、最悪の事態を避けることだけはできましたが……」
「えっ? ……いや、そんな……はは」
本音を言えば笑えない。が、あまりにも笑えなさすぎて、一周回って乾いた笑いが漏れてしまう。
確かに……漣のギフトが犯罪に利用されたなら、その効果は想像するに余りある。いや、犯罪ならそれでもまだ可愛い方だ。例えば……そう、これが戦争に利用されたなら。
「もっとも現実的には、君のギフトが軍事転用されることはほぼありえないでしょう」
「そうなんすか? ……えっ、いや……でも、さすがに有事なら……」
「そうとも限りません。確かに、ギフトの効果は絶大です。使い方次第では、戦略兵器レベルの効力を得ることも可能でしょう。ゆえに、日本を始めとする多くの国と地域が、ギフトの軍事利用を禁じる秘密協定にサインしています」
「えっ? じゃあ……どうしてわざわざ保護なんか。使っちゃいけない兵器をコストかけて維持したところで、そんなの意味ないっすよね?」
「ええ。なので、そこはまあ、虎の子として保持しておきたいということでしょう。あとは単純に、他国からの買収を防ぐためですね。安全保障の観点で言えば、自国のギフテッドを他国に引き抜かれるなどあってはならない失態です。今回、〝死〟という大変貴重なギフトを持つ君を他国の機関に先んじて保護できたことは、我々としても、何より日本国としても僥倖だったと言えます」
リビングに戻る頃には、漣のカップはすでに空になっていた。自分用のコーヒーを淹れ直すついでに嶋野にもおかわりを促すと、「いえ結構です」とやんわり断られてしまう。あまり長居するつもりはないらしい。それが意外に寂しく、俺は今、俺が思う以上に心細いんだなと漣は思う。
自分から家族を裏切っておいて、何て身勝手な……
「でも……何だって急にそんな話を?」
すると嶋野は、端正な顔に柔らかな笑みを浮かべる。不安な漣の心ごとやんわりと包み込む温かな笑み。
「ええ。我々の存在、およびギフトに関する情報は、国の意思によっても秘匿されているのです。その意味では、今回のトラブルの被害者は、国の施策の被害者であるともいえます」
「それは、だ、だとしても――」
「わかっています。それでも君は、君の罪を誰にも譲らない。……それを承知の上で、僕はこれ以上、君に君自身を責めてほしくないんです」
つまり、国がどうのという話は、嶋野なりの回りくどい気遣いだった、ということか。
ケトルに入れたミネラルウォーターが、こぽこぽと音を立てる。不意に会話が途絶えた部屋は、ここが都心だとは思えないほどに静かだ。
マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れ、沸いたばかりの湯を注ぐ。
「好きなんです、君が」
「は? ――あぢっ!」
顔を上げた弾みで注ぐ湯の狙いが外れ、カップの縁からこぼれる。雑巾が見当たらず、とりあえずサマーセーターの袖でこぼれたお湯を拭き取りながら、いま好きって言われたよな、と、不意に漣は正気に戻る。
「好き……って、俺を?」
「ええ。最初に君のグラフティを目にした時から、僕は、君のアートの虜でした」
「えっ? あ……ああ、そういう……」
よかった、と漣は胸を撫で下ろす。危うくひどい勘違いを犯すところだった。……アートを目にした? ああ、そういえば。
「そ……そうだ! 審美眼、でしたっけ。その、説明してくれる、って」
そう、見たら死ぬはずの絵を見てもなお、死なずに済む理由。
すると嶋野は「ああ、そういえば」と虚を突かれた顔をし「お話しする約束でしたね」と苦笑いをする。
「正しくは審美眼レベルといいます。それを説明するには、まず鑑賞レベルの説明からする必要がありそうですね」
「……鑑賞レベル?」
「はい。端的に言えば、鑑賞の難易度を指す言葉です。アートに宿るギフトの力や、その危険度を数値化したものですね。審美眼レベルとは、この鑑賞レベルに対応するかたちで設けられた能力の基準です。すなわち、どこまでの鑑賞レベルなら耐えられるか、という。ちなみに君の作品群は、正式なアーカイブ登録こそまだですが、一応、鑑賞レベルは5で内定しています」
「つまり……審美眼レベル5以上なら耐えられる、ってことすか」
「ええ。なので5+の僕は問題なく鑑賞できた、というわけです。ちなみにこの鑑賞レベルは、ギフテッドでなくとも訓練や座学によっていくらでも上げることができます」
「そうなんすか!? ……そうなんだ」
さすがに今の言葉は意外だった。つまり……漣のアートに触れるのに、必ずしも命を代償にする必要はないのだ。ギフテッドでなくとも。
漣の脳裏を、ふと、あるイメージがよぎる。たくさんの人々が漣のアートの前に足を止め、あるいは見惚れ、あるいは解釈し、あるいは剥き出しの感情をぶつけるなどする。あるいは共感し、あるいは拒絶し、いずれにせよ何かしらの反応がそこにはある。
本当はずっと、誰かに触れて欲しかった。
誰でもいい。理解などされなくともいい。ただ、アートを通じて誰かと触れ合いたかった。偽りの、よそ行きの海江田漣ではなく、そこに描かれた本物の〝俺〟に触れてほしかった。あの落書きを目にした誰かが、たとえ一人でもいい、そんな漣の姿に気付いてくれたなら。本当の俺はここにいる。俺の表現はここにある。それは決して、美しいものではないかもしれない。むしろ無様で、いじましくて、情けない代物かもしれない。
それでも俺はここにいて、こんな絵を描いて、今を生きている。
だから誰か、どうか。
「海江田くん、君は――」
ふと名を呼ばれ、顔を上げる。カウンター越しに、大粒の双眸がじっと漣を見つめている。……何故だろう、この人に見つめられると、なぜか胸が苦しくなる。
胸の奥に押し込めていたものを、どうしようもなく解き放ちたくなる。
「他者とのコミュニケーションが苦手だと、さっき僕は言いました。でも、厳密には違うのですよね。正確には、求めるコミュニケーションの方法が一般的ではない。君は、自分を偽ることに強い苦痛を覚えてしまう人間です。だからこそアートが必要だった。アートを通じてなら、君は自分を偽らなくていい」
「っ……、」
ああ、駄目だ。
落書きなど、本当はすべきではなかった。自分の絵が誰かの命を奪っている。その可能性に気づいた時点でカラースプレーを手放すべきだった。……わかっているのに、でも、こんな言葉をかけられたら、良かった、と、それでも思ってしまう。
悔やむことができなくなる。
「や……めてください、マジでっ……」
ふと目頭が熱くなり、それは、本日二度目の涙となって溢れ出る。
そう、本当は誰も傷つけたくなかった。ただ、触れてほしかったのだ。誰かに届いてほしかった。それだけだった。なのに。
「こんな、っ……ギフト、おれ、っ……欲しく、なかった……っ!」
そんな漣に、嶋野はカウンターを回り込んで歩み寄る。長い腕を伸ばし、漣の肩をそっと抱き寄せた。
「でも皮肉ですね。そのギフトが、僕を君に出会わせた」
耳元で響く嶋野の声が優しく、それがまた漣の涙を誘う。目元を覆う、ひやりとしたスーツの布地に遠慮なくうずもれながら、ああ、俺はずっと分かち合いたかったんだと今更のように漣は思った。人けのない深夜の街角。誰も知らない世界の片隅で一心不乱にスプレーを振りながら、この、心から溢れ出る何かを、誰かと。
「俺も……嶋野さんに会えて、よかったです」
まじかよ、と、漣は小さく呻いた。
「ええ。もっとも、そうした取り組みは日本に限らず、どこの国でも当然のように行なわれています。ギフテッドの捜索と保護、そして、万一のケースに備えた能力の涵養。中には……まぁ、どこの国とはあえて名指ししませんが、工作員を派遣し、他国のギフテッドを拉致する国さえあるほどです。……今だからお話しできますが、実のところ、君の身柄も相当危うかったんですよ。幸い、各情報機関との連携が功奏し、最悪の事態を避けることだけはできましたが……」
「えっ? ……いや、そんな……はは」
本音を言えば笑えない。が、あまりにも笑えなさすぎて、一周回って乾いた笑いが漏れてしまう。
確かに……漣のギフトが犯罪に利用されたなら、その効果は想像するに余りある。いや、犯罪ならそれでもまだ可愛い方だ。例えば……そう、これが戦争に利用されたなら。
「もっとも現実的には、君のギフトが軍事転用されることはほぼありえないでしょう」
「そうなんすか? ……えっ、いや……でも、さすがに有事なら……」
「そうとも限りません。確かに、ギフトの効果は絶大です。使い方次第では、戦略兵器レベルの効力を得ることも可能でしょう。ゆえに、日本を始めとする多くの国と地域が、ギフトの軍事利用を禁じる秘密協定にサインしています」
「えっ? じゃあ……どうしてわざわざ保護なんか。使っちゃいけない兵器をコストかけて維持したところで、そんなの意味ないっすよね?」
「ええ。なので、そこはまあ、虎の子として保持しておきたいということでしょう。あとは単純に、他国からの買収を防ぐためですね。安全保障の観点で言えば、自国のギフテッドを他国に引き抜かれるなどあってはならない失態です。今回、〝死〟という大変貴重なギフトを持つ君を他国の機関に先んじて保護できたことは、我々としても、何より日本国としても僥倖だったと言えます」
リビングに戻る頃には、漣のカップはすでに空になっていた。自分用のコーヒーを淹れ直すついでに嶋野にもおかわりを促すと、「いえ結構です」とやんわり断られてしまう。あまり長居するつもりはないらしい。それが意外に寂しく、俺は今、俺が思う以上に心細いんだなと漣は思う。
自分から家族を裏切っておいて、何て身勝手な……
「でも……何だって急にそんな話を?」
すると嶋野は、端正な顔に柔らかな笑みを浮かべる。不安な漣の心ごとやんわりと包み込む温かな笑み。
「ええ。我々の存在、およびギフトに関する情報は、国の意思によっても秘匿されているのです。その意味では、今回のトラブルの被害者は、国の施策の被害者であるともいえます」
「それは、だ、だとしても――」
「わかっています。それでも君は、君の罪を誰にも譲らない。……それを承知の上で、僕はこれ以上、君に君自身を責めてほしくないんです」
つまり、国がどうのという話は、嶋野なりの回りくどい気遣いだった、ということか。
ケトルに入れたミネラルウォーターが、こぽこぽと音を立てる。不意に会話が途絶えた部屋は、ここが都心だとは思えないほどに静かだ。
マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れ、沸いたばかりの湯を注ぐ。
「好きなんです、君が」
「は? ――あぢっ!」
顔を上げた弾みで注ぐ湯の狙いが外れ、カップの縁からこぼれる。雑巾が見当たらず、とりあえずサマーセーターの袖でこぼれたお湯を拭き取りながら、いま好きって言われたよな、と、不意に漣は正気に戻る。
「好き……って、俺を?」
「ええ。最初に君のグラフティを目にした時から、僕は、君のアートの虜でした」
「えっ? あ……ああ、そういう……」
よかった、と漣は胸を撫で下ろす。危うくひどい勘違いを犯すところだった。……アートを目にした? ああ、そういえば。
「そ……そうだ! 審美眼、でしたっけ。その、説明してくれる、って」
そう、見たら死ぬはずの絵を見てもなお、死なずに済む理由。
すると嶋野は「ああ、そういえば」と虚を突かれた顔をし「お話しする約束でしたね」と苦笑いをする。
「正しくは審美眼レベルといいます。それを説明するには、まず鑑賞レベルの説明からする必要がありそうですね」
「……鑑賞レベル?」
「はい。端的に言えば、鑑賞の難易度を指す言葉です。アートに宿るギフトの力や、その危険度を数値化したものですね。審美眼レベルとは、この鑑賞レベルに対応するかたちで設けられた能力の基準です。すなわち、どこまでの鑑賞レベルなら耐えられるか、という。ちなみに君の作品群は、正式なアーカイブ登録こそまだですが、一応、鑑賞レベルは5で内定しています」
「つまり……審美眼レベル5以上なら耐えられる、ってことすか」
「ええ。なので5+の僕は問題なく鑑賞できた、というわけです。ちなみにこの鑑賞レベルは、ギフテッドでなくとも訓練や座学によっていくらでも上げることができます」
「そうなんすか!? ……そうなんだ」
さすがに今の言葉は意外だった。つまり……漣のアートに触れるのに、必ずしも命を代償にする必要はないのだ。ギフテッドでなくとも。
漣の脳裏を、ふと、あるイメージがよぎる。たくさんの人々が漣のアートの前に足を止め、あるいは見惚れ、あるいは解釈し、あるいは剥き出しの感情をぶつけるなどする。あるいは共感し、あるいは拒絶し、いずれにせよ何かしらの反応がそこにはある。
本当はずっと、誰かに触れて欲しかった。
誰でもいい。理解などされなくともいい。ただ、アートを通じて誰かと触れ合いたかった。偽りの、よそ行きの海江田漣ではなく、そこに描かれた本物の〝俺〟に触れてほしかった。あの落書きを目にした誰かが、たとえ一人でもいい、そんな漣の姿に気付いてくれたなら。本当の俺はここにいる。俺の表現はここにある。それは決して、美しいものではないかもしれない。むしろ無様で、いじましくて、情けない代物かもしれない。
それでも俺はここにいて、こんな絵を描いて、今を生きている。
だから誰か、どうか。
「海江田くん、君は――」
ふと名を呼ばれ、顔を上げる。カウンター越しに、大粒の双眸がじっと漣を見つめている。……何故だろう、この人に見つめられると、なぜか胸が苦しくなる。
胸の奥に押し込めていたものを、どうしようもなく解き放ちたくなる。
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「っ……、」
ああ、駄目だ。
落書きなど、本当はすべきではなかった。自分の絵が誰かの命を奪っている。その可能性に気づいた時点でカラースプレーを手放すべきだった。……わかっているのに、でも、こんな言葉をかけられたら、良かった、と、それでも思ってしまう。
悔やむことができなくなる。
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ふと目頭が熱くなり、それは、本日二度目の涙となって溢れ出る。
そう、本当は誰も傷つけたくなかった。ただ、触れてほしかったのだ。誰かに届いてほしかった。それだけだった。なのに。
「こんな、っ……ギフト、おれ、っ……欲しく、なかった……っ!」
そんな漣に、嶋野はカウンターを回り込んで歩み寄る。長い腕を伸ばし、漣の肩をそっと抱き寄せた。
「でも皮肉ですね。そのギフトが、僕を君に出会わせた」
耳元で響く嶋野の声が優しく、それがまた漣の涙を誘う。目元を覆う、ひやりとしたスーツの布地に遠慮なくうずもれながら、ああ、俺はずっと分かち合いたかったんだと今更のように漣は思った。人けのない深夜の街角。誰も知らない世界の片隅で一心不乱にスプレーを振りながら、この、心から溢れ出る何かを、誰かと。
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