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15.僕にも夢ができたんです!
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あの、部隊での魔法の道具の暴走から、十数日経った。部隊は無事に城に着いたらしく、宰相様も無事だったらしい。
砦からは、それまでここを管理していた人たちがいなくなり、しばらくはオフィセイール様と彼の部下の方が護衛としていてくれることになり、僕の監視をしながら砦の管理も手伝ってくれることになった。
それからも、僕は美味しいご飯を食べながら、毎日任務についている。以前の、川辺に現れる光と水が固まって魔獣みたいにも見えるようなものを調べろっていう任務は、川の辺りにもう一度行ってみたら、暴走した魔力で毛が光っている魔獣がいて、魔力を抑える魔法をかけて逃してやった。警備隊のみんなもホッとしていたって、僕のところに報告に来てくれたレオトウェルラレット様が話してくれた。
ラグトジャスと再会しちゃった時はどうなるかと思ったけど、またのんびりした毎日が帰って来てくれて、僕は嬉しい。
今日も、朝から砦の外で焚き火をして、最近修復したフライパンで朝食作り。パンがあるから、チーズをたくさん乗せて焼く! それに、僕が大好きなきのこのスープ!! 最近、料理も上手くなってきた気がするんだ。
えーっと……今日やる任務は…………なんだっけ?
パンを焼きながら、リストを読み返す。
今日は……
大きすぎて旅人を押しつぶしそうな植物を見た気がする、それを山で見て怖かった、最近噂の竜が連れてきた魔物の植物に違いない!! 街が滅ぼされてしまう!! と、街の住人の間で噂になっている、正体を探れ、か……また、わけの分からない任務が来たな……
巨大な魔物が出た! とか、見たこともない魔獣に襲われた!! って、よく王都でも噂になっていたなー……でも、実際はよくある噂話で、街の周辺は結界が張られていて、そんなものが街に入ることはまずない。森でも、そんな巨大な魔物は見たことがない。
植物のような姿の魔物なら、たまにいるけど、この森はしょっちゅう僕がうろついて、魔物がいないか確認している。そんなに強力な魔物は現れていないはず。これは、確かだ。
だとしたら、やっぱり何かを見間違えたのかな?? それとも、もしかしたら、この前の魔法の道具の暴走の影響で、この辺りの植物にそんなことが起こったのかもしれない。あるいは、魔法の暴走による影響が続いているのか……
どんな理由にしろ、放ってはおけない。
今日から調査してみるか……
とにかく、まずは朝ごはんだ!!
今日は、パンがたくさんあるんだ。
砦に新しい人が来てから、食事はこっちで用意するって言われたけど、僕はすっかり、食材を調達して食べる生活が気に入ってしまった。
だってここには美味しいものがたくさんあるし、鉢植えの野菜だって、もうすぐ育つんだ。これを食べるのだって、楽しみにしているし、美味しいものが手に入った時は、最高に気分がいい!
こんなに楽しく暮らせているんだし、僕には、いずれ幽閉が終わったら、冒険者になって自由気ままに暮らすっていう夢があるんだ!! その時のためにも、任務の途中でも美味しいご飯を作れるようになりたいし、武器や道具の手入れ、破れた服の補修もできるようにならなきゃ!
焚き火のそばに、ゆったり座れる椅子を置いて、深く腰掛けてコーヒーを一口。コーヒー豆も、僕が頼んで王都から送ってもらったものだ。
フライパンに乗せたパンを火で炙ってチーズはたくさんのせたし、あつあつでとろとろの朝ごはんだ!
昨日も、たくさんきのこが取れた。それは全部鍋に入れてスープにしている。
この鍋は、砦の奥のいろんな壊れたものが山積みになったところで見つけた、唯一あんまり壊れていないもの。
僕が見つけた時はだいぶ汚れていたけど、時間をかけて磨いたら、なんとか使えそうなものになった。修復の魔法も使って、わざわざ直した鍋だ。ちょっとまだへこんでいたりするけど、僕の愛用の、大切な料理道具のうちの一つ!
いつもは取れたきのこを串に刺して炙る僕だけど、今日は野菜があるから、それも入れてスープだ! 美味しい野草も取れたから、具もたくさん入ってる。食べられるものを見分けられるようになっておいてよかった。そうでなかったら、食べるものがなくて詰んでいたかもしれない。
お腹も空いたし、やっと食事ができると思うと、嬉しくてたまらない。
この前、宰相様がここに来てくれて、美味しい肉の串焼きを食べさせてくれて、僕にはまた一つ目標ができた。
美味いご飯が食べたい!! そのために、スパイスも欲しいし、他の調味料も欲しい!
そのためにも、ここで取れる素材や食材と、必要なものの交換がしたい! どんどんやりたいことが増えていくなあ……
あんまり一気に言うと、絶対にいいって言ってもらえない。交渉って苦手なんだよなー。僕にそんなことができるとも、思えない。
とりあえず、スパイスからだ!!
そして、今よりさらに美味しい焼きキノコを作るんだ!!
そんな風に決意していたら、すぐそばで声がした。
「……何してるんだ? お前……」
驚いて、顔を上げる。
すると、すぐそばにレオトウェルラレット様が立っていた。今日は誰もくる予定じゃなかったのに!!
「お、おはようございます!! レオトウェルラレット様っ……!!」
慌てて立ち上がり、頭を下げて挨拶をする僕。
レオトウェルラレット様は、今し方ここについたのか、美しい公爵家の紋章のあるマントを身につけていた。今日は報告のある日ではないし、彼も王国の魔法使いの部隊の一員として来たわけではなさそう。いつもなら、物資を置いて内容を確認してすぐに帰っていくのに、今日は小さな袋を持って、随分とのんびりした様子だ。
「お前……いつもこんなところで食事しているのか?」
「は、はい……僕のお気に入りの場所なんです! で、でも……な、なんで、ここに……」
「なんでって……頼まれていたもの、持ってきたんだよ」
「え!? も、もうですか!?」
「ああ。お前は幽閉されているが、王国の一部であるここを守る任務にもついてるんだ。必要なものは支給されて当然だろう。それにこれからは、ここの管理もお前に頼むことになるからな……だが、いいのか? 王都の方から、砦の管理と護衛を担う魔法使いを送るって、宰相様が話していたのに……」
「今だって、護衛の方ならいます。それなのに、これ以上なんて、申し訳ないです。王都の方も、あの日の部隊の件もあって、大変でしょうし……僕の方は、ただのんびりやっているだけなので、本当に、気にしないでください」
「……あ、ああ……」
レオトウェルラレット様が頷いてくれて、僕はほっとした。
この砦を支配していた奴らがいなくなって、確かに掃除をする部屋は増えたけど、ここがますます静かになって、僕は嬉しいんだ。あんまり人数が増えたら、僕だって緊張しちゃうし……
砦からは、それまでここを管理していた人たちがいなくなり、しばらくはオフィセイール様と彼の部下の方が護衛としていてくれることになり、僕の監視をしながら砦の管理も手伝ってくれることになった。
それからも、僕は美味しいご飯を食べながら、毎日任務についている。以前の、川辺に現れる光と水が固まって魔獣みたいにも見えるようなものを調べろっていう任務は、川の辺りにもう一度行ってみたら、暴走した魔力で毛が光っている魔獣がいて、魔力を抑える魔法をかけて逃してやった。警備隊のみんなもホッとしていたって、僕のところに報告に来てくれたレオトウェルラレット様が話してくれた。
ラグトジャスと再会しちゃった時はどうなるかと思ったけど、またのんびりした毎日が帰って来てくれて、僕は嬉しい。
今日も、朝から砦の外で焚き火をして、最近修復したフライパンで朝食作り。パンがあるから、チーズをたくさん乗せて焼く! それに、僕が大好きなきのこのスープ!! 最近、料理も上手くなってきた気がするんだ。
えーっと……今日やる任務は…………なんだっけ?
パンを焼きながら、リストを読み返す。
今日は……
大きすぎて旅人を押しつぶしそうな植物を見た気がする、それを山で見て怖かった、最近噂の竜が連れてきた魔物の植物に違いない!! 街が滅ぼされてしまう!! と、街の住人の間で噂になっている、正体を探れ、か……また、わけの分からない任務が来たな……
巨大な魔物が出た! とか、見たこともない魔獣に襲われた!! って、よく王都でも噂になっていたなー……でも、実際はよくある噂話で、街の周辺は結界が張られていて、そんなものが街に入ることはまずない。森でも、そんな巨大な魔物は見たことがない。
植物のような姿の魔物なら、たまにいるけど、この森はしょっちゅう僕がうろついて、魔物がいないか確認している。そんなに強力な魔物は現れていないはず。これは、確かだ。
だとしたら、やっぱり何かを見間違えたのかな?? それとも、もしかしたら、この前の魔法の道具の暴走の影響で、この辺りの植物にそんなことが起こったのかもしれない。あるいは、魔法の暴走による影響が続いているのか……
どんな理由にしろ、放ってはおけない。
今日から調査してみるか……
とにかく、まずは朝ごはんだ!!
今日は、パンがたくさんあるんだ。
砦に新しい人が来てから、食事はこっちで用意するって言われたけど、僕はすっかり、食材を調達して食べる生活が気に入ってしまった。
だってここには美味しいものがたくさんあるし、鉢植えの野菜だって、もうすぐ育つんだ。これを食べるのだって、楽しみにしているし、美味しいものが手に入った時は、最高に気分がいい!
こんなに楽しく暮らせているんだし、僕には、いずれ幽閉が終わったら、冒険者になって自由気ままに暮らすっていう夢があるんだ!! その時のためにも、任務の途中でも美味しいご飯を作れるようになりたいし、武器や道具の手入れ、破れた服の補修もできるようにならなきゃ!
焚き火のそばに、ゆったり座れる椅子を置いて、深く腰掛けてコーヒーを一口。コーヒー豆も、僕が頼んで王都から送ってもらったものだ。
フライパンに乗せたパンを火で炙ってチーズはたくさんのせたし、あつあつでとろとろの朝ごはんだ!
昨日も、たくさんきのこが取れた。それは全部鍋に入れてスープにしている。
この鍋は、砦の奥のいろんな壊れたものが山積みになったところで見つけた、唯一あんまり壊れていないもの。
僕が見つけた時はだいぶ汚れていたけど、時間をかけて磨いたら、なんとか使えそうなものになった。修復の魔法も使って、わざわざ直した鍋だ。ちょっとまだへこんでいたりするけど、僕の愛用の、大切な料理道具のうちの一つ!
いつもは取れたきのこを串に刺して炙る僕だけど、今日は野菜があるから、それも入れてスープだ! 美味しい野草も取れたから、具もたくさん入ってる。食べられるものを見分けられるようになっておいてよかった。そうでなかったら、食べるものがなくて詰んでいたかもしれない。
お腹も空いたし、やっと食事ができると思うと、嬉しくてたまらない。
この前、宰相様がここに来てくれて、美味しい肉の串焼きを食べさせてくれて、僕にはまた一つ目標ができた。
美味いご飯が食べたい!! そのために、スパイスも欲しいし、他の調味料も欲しい!
そのためにも、ここで取れる素材や食材と、必要なものの交換がしたい! どんどんやりたいことが増えていくなあ……
あんまり一気に言うと、絶対にいいって言ってもらえない。交渉って苦手なんだよなー。僕にそんなことができるとも、思えない。
とりあえず、スパイスからだ!!
そして、今よりさらに美味しい焼きキノコを作るんだ!!
そんな風に決意していたら、すぐそばで声がした。
「……何してるんだ? お前……」
驚いて、顔を上げる。
すると、すぐそばにレオトウェルラレット様が立っていた。今日は誰もくる予定じゃなかったのに!!
「お、おはようございます!! レオトウェルラレット様っ……!!」
慌てて立ち上がり、頭を下げて挨拶をする僕。
レオトウェルラレット様は、今し方ここについたのか、美しい公爵家の紋章のあるマントを身につけていた。今日は報告のある日ではないし、彼も王国の魔法使いの部隊の一員として来たわけではなさそう。いつもなら、物資を置いて内容を確認してすぐに帰っていくのに、今日は小さな袋を持って、随分とのんびりした様子だ。
「お前……いつもこんなところで食事しているのか?」
「は、はい……僕のお気に入りの場所なんです! で、でも……な、なんで、ここに……」
「なんでって……頼まれていたもの、持ってきたんだよ」
「え!? も、もうですか!?」
「ああ。お前は幽閉されているが、王国の一部であるここを守る任務にもついてるんだ。必要なものは支給されて当然だろう。それにこれからは、ここの管理もお前に頼むことになるからな……だが、いいのか? 王都の方から、砦の管理と護衛を担う魔法使いを送るって、宰相様が話していたのに……」
「今だって、護衛の方ならいます。それなのに、これ以上なんて、申し訳ないです。王都の方も、あの日の部隊の件もあって、大変でしょうし……僕の方は、ただのんびりやっているだけなので、本当に、気にしないでください」
「……あ、ああ……」
レオトウェルラレット様が頷いてくれて、僕はほっとした。
この砦を支配していた奴らがいなくなって、確かに掃除をする部屋は増えたけど、ここがますます静かになって、僕は嬉しいんだ。あんまり人数が増えたら、僕だって緊張しちゃうし……
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