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29.やめてくれる?
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「うっ…………やっ……」
組み敷かれたまま、唯一動く頭を動かして逃げようとしたけど、そんな風に微かに逃げたって、殿下はすぐに追いついてきて、僕の頬をぺろっと舐める。
どれだけ拒否したって、舌の先でくすぐられて、ちゅくっといやらしい音が体を麻痺させていく。
なんでこんなことになってるんだ。
拒絶したいのに、もうこのまま殿下のそばにいたくなる。
「……うぁぁっ…………や、やだっ…………もうっ……やっ! っ…………殿下っ……ひっ! やっ……………ひっっ……許してぇっ……こわいよ…………でんかぁっ…………」
小さくなって、ガタガタ震えて言うけど、殿下の声は、あくまで優しかった。
「大丈夫…………傷つけたり、怖いことはしないから。少し、触れるだけ…………」
「……え…………」
「俺がどれだけダスフィレト触れて好きって言いたかったか、分かって欲しいし、ダスフィレトに、自分の力のことだって自覚して欲しい。だけど絶対に、ダスフィレトが怖がるようなことはしないよ…………」
「…………怖がってなんかっ……いないっ……! 僕を舐めるなっ…………」
「ごめん……」
「うるさいっっ!! 謝るなって……言っただろ!」
「でも…………辛い思いをさせただろ?」
「うるさいって言ってるだろ! 殿下の……せいなんかじゃない…………」
「本当は、もっと早く迎えにいきたかった……ごめんね。こんなにかかって……もう、一人で抱えなくていい。俺が、迎えにきたから」
「…………うるさいっ……」
もういいから、黙ってほしい、そうじゃないと、ますます泣き出してしまいそうなんだ。苦しくてたまらない。
涙を我慢するのが、こんなに辛いと思ったのは初めてだ。これだけ我慢しても涙が溢れていくのも。
「ずっと……会いに行けなくてごめん……」
「……うっ…………な、泣いてないからな!」
「うん…………泣いてるけど……」
「泣いてなんかっ……! !!」
強がりを続ける僕の唇にキスをして、殿下は優しく言う。
「もちろん、ダスフィレトが嫌だっていうなら、俺は触れない。あ、でも、ダスフィレト自身の力のことは、全部ダスフィレトが理解するまで話すから」
「…………」
僕が答えないでいると、殿下は微かに僕から離れようとする。僕が触れないでと言ったように思ったのかもしれない。
僕は慌てて言った。
「あっっ…………待って……!」
「ダスフィレト……?」
「…………少しだけ、なら、いい…………」
「え…………?」
「少しだけだぞ! それなら……いい…………あ、でも、少しだぞ! 少しだけ……こ、怖いことしないなら…………あ、あの! ぼ、僕が怖いって言ったらっ…………や、やめて……くれ……る?」
「…………うん」
殿下は頷いて、僕の唇にそっと、キスをしてくれた。
「んっ……ふっ…………んんっ……」
こいつ……この前はもっと強く、遠慮のないキスをしていたくせに…………今のキスは、怖いくらいに優しい。口の中を舌で弄られて、気持ちよくてたまらない。
「んっ…………んっ」
最後に唇を咥えられて、彼の体が離れていく。ぼんやりしながら見上げる僕を、彼は微笑んで見下ろしていた。
「可愛いっ……」
「…………っ! あっ…!
頬にキスをして、舐められて、優しく扱われて、体から力が抜ける。
まだ微かに怖いのに、嬉しくて体が蕩けていくようだ。
こんな風に大切に、くすぐるようにされたのは初めてだ。いつだって乱雑に、どうでもいいものとして扱われて、殴られてばかりだった。だからずっと強い力で自分自身を守ってきたのに。
何度もキスの音が響くたびにビクビク震えて、体がおかしくなりそうだ。
「んっ……んんっ…………ひっ!!」
「……俺…………君があんまりにも軽々とあの部屋の扉を開けちゃったから、びっくりして、城の魔法使いたちと一晩中調べていたんだよ?」
「な、なんで…………そんなこと………………いやっ……!」
「大丈夫。少し触るだけだから……」
殿下は優しく、怯える僕の頬に触れた。手のひらが大きくて、なんだかあったかい。
「俺、あの魔法の性能を確かめたかったんだ」
「え?」
「やっぱり分かってない」
微かに声を上げて笑って、殿下は僕の頬に触れて、その手をゆっくり、首のほうに下ろしていく。
「ひっ…………」
「大丈夫。触れるだけ」
それは、分かってるけど!!
殿下はさっきから、ひどく優しく触れることしかしてない。撫でられているだけで、ドキドキしてきた。触れられて、そのたびに緊張するけど、彼はあくまで優しくて、くすぐっているみたいで、力が抜けていく。
「うっ…………ひんっ……」
「すごいよ」
「え?」
「君の昨日の魔法」
「あっ…………」
魔法か……そうだよな。魔法のことに決まってる! 自分の痴態のことを言われたような気がしてっ……
こんな時こそ、強がりの一言くらい言えばいいのに、さっきから喘いでばっかりじゃないか! 何してるんだ! 僕は!
「結界の魔法の応用だろう?」
「へっ……!? あっ……き、昨日の魔法ですか?? えっと……はい」
は、話に集中できないっ……
組み敷かれたまま、唯一動く頭を動かして逃げようとしたけど、そんな風に微かに逃げたって、殿下はすぐに追いついてきて、僕の頬をぺろっと舐める。
どれだけ拒否したって、舌の先でくすぐられて、ちゅくっといやらしい音が体を麻痺させていく。
なんでこんなことになってるんだ。
拒絶したいのに、もうこのまま殿下のそばにいたくなる。
「……うぁぁっ…………や、やだっ…………もうっ……やっ! っ…………殿下っ……ひっ! やっ……………ひっっ……許してぇっ……こわいよ…………でんかぁっ…………」
小さくなって、ガタガタ震えて言うけど、殿下の声は、あくまで優しかった。
「大丈夫…………傷つけたり、怖いことはしないから。少し、触れるだけ…………」
「……え…………」
「俺がどれだけダスフィレト触れて好きって言いたかったか、分かって欲しいし、ダスフィレトに、自分の力のことだって自覚して欲しい。だけど絶対に、ダスフィレトが怖がるようなことはしないよ…………」
「…………怖がってなんかっ……いないっ……! 僕を舐めるなっ…………」
「ごめん……」
「うるさいっっ!! 謝るなって……言っただろ!」
「でも…………辛い思いをさせただろ?」
「うるさいって言ってるだろ! 殿下の……せいなんかじゃない…………」
「本当は、もっと早く迎えにいきたかった……ごめんね。こんなにかかって……もう、一人で抱えなくていい。俺が、迎えにきたから」
「…………うるさいっ……」
もういいから、黙ってほしい、そうじゃないと、ますます泣き出してしまいそうなんだ。苦しくてたまらない。
涙を我慢するのが、こんなに辛いと思ったのは初めてだ。これだけ我慢しても涙が溢れていくのも。
「ずっと……会いに行けなくてごめん……」
「……うっ…………な、泣いてないからな!」
「うん…………泣いてるけど……」
「泣いてなんかっ……! !!」
強がりを続ける僕の唇にキスをして、殿下は優しく言う。
「もちろん、ダスフィレトが嫌だっていうなら、俺は触れない。あ、でも、ダスフィレト自身の力のことは、全部ダスフィレトが理解するまで話すから」
「…………」
僕が答えないでいると、殿下は微かに僕から離れようとする。僕が触れないでと言ったように思ったのかもしれない。
僕は慌てて言った。
「あっっ…………待って……!」
「ダスフィレト……?」
「…………少しだけ、なら、いい…………」
「え…………?」
「少しだけだぞ! それなら……いい…………あ、でも、少しだぞ! 少しだけ……こ、怖いことしないなら…………あ、あの! ぼ、僕が怖いって言ったらっ…………や、やめて……くれ……る?」
「…………うん」
殿下は頷いて、僕の唇にそっと、キスをしてくれた。
「んっ……ふっ…………んんっ……」
こいつ……この前はもっと強く、遠慮のないキスをしていたくせに…………今のキスは、怖いくらいに優しい。口の中を舌で弄られて、気持ちよくてたまらない。
「んっ…………んっ」
最後に唇を咥えられて、彼の体が離れていく。ぼんやりしながら見上げる僕を、彼は微笑んで見下ろしていた。
「可愛いっ……」
「…………っ! あっ…!
頬にキスをして、舐められて、優しく扱われて、体から力が抜ける。
まだ微かに怖いのに、嬉しくて体が蕩けていくようだ。
こんな風に大切に、くすぐるようにされたのは初めてだ。いつだって乱雑に、どうでもいいものとして扱われて、殴られてばかりだった。だからずっと強い力で自分自身を守ってきたのに。
何度もキスの音が響くたびにビクビク震えて、体がおかしくなりそうだ。
「んっ……んんっ…………ひっ!!」
「……俺…………君があんまりにも軽々とあの部屋の扉を開けちゃったから、びっくりして、城の魔法使いたちと一晩中調べていたんだよ?」
「な、なんで…………そんなこと………………いやっ……!」
「大丈夫。少し触るだけだから……」
殿下は優しく、怯える僕の頬に触れた。手のひらが大きくて、なんだかあったかい。
「俺、あの魔法の性能を確かめたかったんだ」
「え?」
「やっぱり分かってない」
微かに声を上げて笑って、殿下は僕の頬に触れて、その手をゆっくり、首のほうに下ろしていく。
「ひっ…………」
「大丈夫。触れるだけ」
それは、分かってるけど!!
殿下はさっきから、ひどく優しく触れることしかしてない。撫でられているだけで、ドキドキしてきた。触れられて、そのたびに緊張するけど、彼はあくまで優しくて、くすぐっているみたいで、力が抜けていく。
「うっ…………ひんっ……」
「すごいよ」
「え?」
「君の昨日の魔法」
「あっ…………」
魔法か……そうだよな。魔法のことに決まってる! 自分の痴態のことを言われたような気がしてっ……
こんな時こそ、強がりの一言くらい言えばいいのに、さっきから喘いでばっかりじゃないか! 何してるんだ! 僕は!
「結界の魔法の応用だろう?」
「へっ……!? あっ……き、昨日の魔法ですか?? えっと……はい」
は、話に集中できないっ……
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