双葉病院小児病棟

moa

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骨髄検査

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由来side



看「由来ちゃん、おはよう。
そろそろ検査の時間だから行こうか。」



ん……?



あ、私寝ちゃってたんだ。



うぅ……身体がだるい。



私は重い身体を起こし、看護師さんと検査室へ向かった。





ー 検査室 ー



阿「由来ちゃんだね。
今回検査を担当します、阿部です。
よろしくね。」



「…よろしくお願いします……」



阿「はい、じゃあ早速このベッドにうつ伏せになって。」



「あの……痛いですか…?(涙)」



阿「うん、麻酔は痛いよ。
それと髄液吸う時は痛いね。」



「グスッ……痛いの嫌だぁ……(泣)」



阿「嫌でも検査しないと病気か分かんないからやるよ。
ほら、うつ伏せになって。」



怖い……(泣)



私がなかなかうつ伏せになれないでいると、阿部先生に手を引かれて半強制的にうつ伏せにさせられた。



検査室のベッドにうつ伏せになると怖さが一層に増す。



怖くなって逃げたくて抵抗してみたものの看護師さんに押さえられて動けなくなってしまった。



阿「動いたら危ないでしょ。
動くならベルトで固定するからね。」



阿部先生……鬼だ…(泣)



阿「麻酔してくからね。
チクッとするよ。」



「ビクッ)んっ!(泣)」



阿「じゃあ次、深いところ麻酔してくから。
ちょっと痛いよ。」



「あっ、痛いーっ!!(泣)」



そう言われた後すぐに針を奥まで進められ、さっきよりも深いところまでズーンと痛くなって少し動いてしまった。



看「あ、動いたら危ないよ…;;」



阿「……由来ちゃん。
今からする検査は動いたら本当に危ない検査なの。
動くならベルト、しようか。」



えっ、ベルトで固定されるとか嫌だよ。



絶対に嫌だ……(泣)



「ご、ごめんなさい……
もう絶対動かないように頑張るからベルトは付けないで……(泣)」



阿「分かった……でも次は無いよ。」



とにかくベルトで固定されるのは嫌で、必死に謝ってお願いしたら、絶対動かないことを条件に許可してくれた。



阿「じゃあ針入れていくよ。
これは痛くないから。」



え、針入れるのに痛くないの?



見たいけど動いたらベルトされちゃうから見れない…;;



その時、腰が押される感じがあって、阿部先生を見ると力を入れてグリグリしていた。



確かに痛くないけど……針を入れてこんなにグリグリしてるなんて……私の腰どうなっちゃうんだろう;;



看「今骨の中まで針入れてるんだよ。
見たら怖くなっちゃうから見ない方がいいと思うな^^;」



あ…必死に見ようとしてたのバレてた(--;)



腰をグリグリされる圧迫感は怖いけど、痛くないと分かって少し安心してきていたその時だった。



「ビクッ)んっ!!」



ゴリッと音がして腰が砕けるような振動が。



阿「よし、入った。
…じゃあ今から液取るからね。
動かないように。」



びっくりして阿部先生の方をチラッと見てしまった。



阿部先生が持っていたのは針がついてない注射器。



これで液を抜くのか。



でも、大きくない……?



液抜く時痛いんだよね。



咄嗟のことだったが、見てしまったことを後悔した。
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