双葉病院小児病棟

moa

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骨髄検査2

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阿部side



橘由来ちゃん、白血病疑いか。



まだ9歳なのにな。



子供のガンは大人に比べて進行が早いことが多い。



見つかった時にはもう手遅れなんてことも少なくは無い。



由来ちゃん、急遽今日入院したみたいだから不安も大きいだろうからゆっくりしてあげたい気持ちもあるが、いくらゆっくりしても痛いものは痛いし、怖いものは怖い。



それにこれからこの検査も何度か経験するかもしれないし、慣れてもらわなきゃいけない。



今の由来ちゃんには早く終わらせてあげることが1番だろうな。



怯えた目でこっちを見てるけど、ここは頑張ってもらうしかない。



せっかく痛い麻酔頑張ったんだから。



俺は注射器のピストンをグッと引いて髄液を採取していった。



由「ビクッ)んーっ、痛いーっ!!(泣)」



看「痛いね、上手だよ。
頑張れー!」



痛くて動いてしまいそうになるのを全身に力を入れて必死に堪えてる由来ちゃん。



うん、ちゃんと頑張れる子じゃん。



検査や治療の必要性をきちんと話してあげたら頑張れる子だろうな。



今は俺が怖くて必死に言うこと聞いてるだけかもしれないけど(笑)



「はーい、終わり。
針抜くよ。」



髄液を採り終え、針を抜いて血が出てこないようにガーゼで患部を押さえた。



由「うぅぅ……グスッ…(泣)」



患「頑張ったね(撫)」



検査が終わって安心したのかグズグズ泣いてる由来ちゃん。



熱のせいもあるかもな。



結構熱かったし、早く熱下げてあげないと辛そう。



どうせこの後絶対安静だし、痛くなるかもしれないから痛み止めの点滴は繋ぐつもりだけど解熱剤は即効性がある筋注か座薬の方がいいな。



えっと、今日の当直は……黒崎先生か。



それなら筋注お願いした方がいいかな。



座薬は誰でもいけるからね。



とりあえず点滴繋ぐか。



「ごめん、痛み止めの点滴持ってきてくれる?」



看「分かりました。」



グズグズ泣いてる由来ちゃんも点滴って言葉聞いてびっくりしたのかピタッと涙が止まった。



なんで!?って顔してるけど後で辛くならないようにするんだけどね。



由「グスッ…点滴いらない……(泣)」



阿「検査の後ってね、麻酔切れたら痛くなるかもしれないから。
熱もあって辛いでしょ?
せめて痛くならないように痛み止めの点滴頑張ろう。」



由「んぅ……(泣)」



嫌そうだけど納得してくれてる様子。



看護師が持って来るまでの間にうつ伏せから仰向けに。



仰向けになったタイミングで看護師が点滴を持ってきた。



看「持ってきました。」



「うん、ありがとう。
じゃあ左手に点滴入れるよ。」



駆血帯を巻き、消毒すると怯えた目で見てる…(笑)



「怖いなら反対向いとき(笑)」



やっぱり怖かったのか反対側を向いたのを確認して針を刺していった。



由「ビクッ)んんっ……(泣)」



少しビクッとしたものの動かずに頑張ってくれてすんなり点滴終了。



偉いじゃん。



ベッドで寝とくように伝えると、頷いて看護師と一緒に病室に戻って行った。



さて、後は黒崎先生に引き継ぎますか。
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