双葉病院小児病棟

湊くん

由来side



点滴スタンドを押しながら看護師さんと病室に戻ってきた。



まだ背中変な感じだな……



でも麻酔切れても痛くならないように点滴してるんだから大丈夫だよね？



愛「由来ちゃん、おかえりー(´˘`＊)」



「ただいま…^^」



愛「検査お疲れ様～。」



優しく話しかけてくれる愛華お姉ちゃん。



もう話したいことが沢山で、話してたら次々に言葉が出てきた。



愛華お姉ちゃんは、うんうんって聞いてくれてて。



お姉ちゃんと話してたら少し楽になってきたかも。



それでもまだ話したくて話を聞いてもらっていると、遠くからパタパタと足音が聞こえてきた。



？「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ…お姉ちゃんっ、助けてぇ！」



あれ？



小さな男の子が必死に走ってお姉ちゃんに抱きつきに来ていた。



愛「みーくん、どうしたの？」



湊「先生がね、いじめるのぉ(涙)」



黒「こら、走るな。
湊、ほら部屋戻るぞ。」



湊「やだやだぁ、ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ……お姉ちゃーん(涙)」



うわぁ、この先生眼鏡かけてるけどすごいイケメン。



ていうか、眼鏡が似合いすぎてる。



この男の子愛華お姉ちゃんに懐いてるんだなぁ。



治療が嫌で逃げてきたのかな。



黒「ほら、走って逃げるからゲホゲホなってるでしょ。
楽にしてやるって言ってんのに。」



愛「あらあら、また逃げてきちゃったの？
みーくん、ゲホゲホなってキツイんじゃない？」



湊「ｸﾞｽｯ…キツい……ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ……(泣)」



愛「そうでしょ。
先生が楽にしてくれるってよ、頑張っておいで？
終わったらまたここ来ていいから。」



湊「ｸﾞｽｯ……頑張ったら遊んでくれる……？(涙)」



愛「うん、ちゃんと頑張れたらみーくんの好きなことして遊ぼう(*^^*)」



黒「良かったな。
ほら、吸引するからベッド行くぞ。」



湊「あっあっ…やっぱりやだぁ(泣)」



黒「大人しくしてたらすぐ終わるから。
……あっ、そうだ。
由来ちゃん、後で来るからそれまでちゃんと寝てるように。
安静って言われたでしょ。
おしゃべりも程々に。」



「は…はい。」



……バタバタ嫌がってたけどイケメン先生にヒョイって担がれて行っちゃった。



それに……後で来る……？



私のところに？



愛「今日の当直は黒崎先生かぁ、みーくんどんまい^^;」



「え、どういうこと？」



愛「黒崎先生なら絶対逃れられないだろうからね。
下野先生とかなら、なんとかなったかもしれないけど(笑)」



「……黒崎先生って怖いの……？」



愛「うん、この病院で1番怖いかも(笑)」



え、そんな怖い先生が後で私のところに来るの……？



怖い……



愛「あ、ごめん、後で黒崎先生来るんだったね;;
でも大丈夫だよ、普段は怖くないから(^-^)」



ん？普段は……？



嫌な予感しかしない……;;