8 / 26
黒崎先生
しおりを挟む
黒崎side
なんとか湊の痰の吸引を終えた。
はぁ、よくもまあ懲りずに毎回毎回逃げ出すよな。
肺炎でキツいはずなのに逃げ回る湊見てると早く治して元の生活に帰してあげたいって思う。
5歳って言ったら遊びたい盛りだろ?
毎日痛いこと苦しいことされて病院から出られなくて。
……まぁそれは湊だけじゃないけどな。
あ、そういえば……
ー 1時間前 ー
阿「黒崎先生、今日入院してきた橘由来ちゃんのことなんですけど。」
「あぁ、白血病疑いの子か。」
阿「あれ、知ってたんですか?」
「まぁな。
来てすぐに入院患者のカルテ見て全部把握してるから。」
阿「さすがですね…(笑)
さっきマルクしたんですけど、熱がかなり高かったんで下げた方がいいと思って。」
「そうだな、連日熱が高いままなのは良くない。
上がっていいよ、後しとくから。
筋注だろ?」
阿「はい、お願いします。
では、お疲れ様でした。」
橘由来……9歳か。
まぁ1人でいけるだろ。
とりあえず湊の痰の吸引から行くか。
ー そして現在 ー
もう20時か。
そろそろ由来の筋注しに行くか。
確か愛華と同じ201号室だったよな。
病室に入るとカーテンの向こうから話し声が。
まさかまだ話してたのか?
「安静にって言ったよね?」
由「わっ……ご、ごめんなさい…;;」
愛「黒崎先生、優しくしてあげてよ^^;」
「優しくしてやりたいけど、言いつけ守らない子は優しくできないなぁ。」
愛「私の話に由来ちゃん付き合ってくれてただけだから。」
「へぇー。
じゃあ次の俺が心カテするとき厳しくしても文句言えないよな?」
愛「……いいよ。」
「ははっ、冗談だよ(笑)
分かった、由来に優しくしてやるから心配すんな。」
ったく、愛華心カテ大嫌いのくせにすぐ罪被って強がるんだから。
まぁ、今日由来は初めてだし許してやるか。
大人しくベッドへ戻った由来の元へ行き、周りから見えないようにカーテンを閉める。
「初めまして。
黒崎といいます、今日当直俺だからよろしくね。」
由「はっ…はい!
よろしくお願いします……」
「はい、とりあえず熱測って。」
体温計を渡してベッドの隣の椅子へ腰掛けるとビクッと身体を震わせている由来。
さては愛華に俺のことなんか聞いたな。
明らかにビビってるし。
ピピピピ……
「鳴ったね、貸して。」
んー…39.2℃か。
思ったより高いな。
やっぱ筋注した方が良さそう。
「このまま熱高いままは良くないから、熱下げるための注射するよ。
腕とお尻どっちがいい、決めていいよ。」
いつもならすぐうつ伏せにしてお尻に打つけど女の子だし初めてだろうから選ばせてやろうと思って。
子供の腕は大人に比べて筋肉量が少ないからお尻に打った方が痛みは少ない。
由「痛いの嫌……です……(涙)」
「いや、嫌とかそういう話じゃなくて。
注射するのは絶対。
それを腕かお尻か選んでいいって言ってるの。」
涙ぐんで黙って俯いてしまった。
なんとか湊の痰の吸引を終えた。
はぁ、よくもまあ懲りずに毎回毎回逃げ出すよな。
肺炎でキツいはずなのに逃げ回る湊見てると早く治して元の生活に帰してあげたいって思う。
5歳って言ったら遊びたい盛りだろ?
毎日痛いこと苦しいことされて病院から出られなくて。
……まぁそれは湊だけじゃないけどな。
あ、そういえば……
ー 1時間前 ー
阿「黒崎先生、今日入院してきた橘由来ちゃんのことなんですけど。」
「あぁ、白血病疑いの子か。」
阿「あれ、知ってたんですか?」
「まぁな。
来てすぐに入院患者のカルテ見て全部把握してるから。」
阿「さすがですね…(笑)
さっきマルクしたんですけど、熱がかなり高かったんで下げた方がいいと思って。」
「そうだな、連日熱が高いままなのは良くない。
上がっていいよ、後しとくから。
筋注だろ?」
阿「はい、お願いします。
では、お疲れ様でした。」
橘由来……9歳か。
まぁ1人でいけるだろ。
とりあえず湊の痰の吸引から行くか。
ー そして現在 ー
もう20時か。
そろそろ由来の筋注しに行くか。
確か愛華と同じ201号室だったよな。
病室に入るとカーテンの向こうから話し声が。
まさかまだ話してたのか?
「安静にって言ったよね?」
由「わっ……ご、ごめんなさい…;;」
愛「黒崎先生、優しくしてあげてよ^^;」
「優しくしてやりたいけど、言いつけ守らない子は優しくできないなぁ。」
愛「私の話に由来ちゃん付き合ってくれてただけだから。」
「へぇー。
じゃあ次の俺が心カテするとき厳しくしても文句言えないよな?」
愛「……いいよ。」
「ははっ、冗談だよ(笑)
分かった、由来に優しくしてやるから心配すんな。」
ったく、愛華心カテ大嫌いのくせにすぐ罪被って強がるんだから。
まぁ、今日由来は初めてだし許してやるか。
大人しくベッドへ戻った由来の元へ行き、周りから見えないようにカーテンを閉める。
「初めまして。
黒崎といいます、今日当直俺だからよろしくね。」
由「はっ…はい!
よろしくお願いします……」
「はい、とりあえず熱測って。」
体温計を渡してベッドの隣の椅子へ腰掛けるとビクッと身体を震わせている由来。
さては愛華に俺のことなんか聞いたな。
明らかにビビってるし。
ピピピピ……
「鳴ったね、貸して。」
んー…39.2℃か。
思ったより高いな。
やっぱ筋注した方が良さそう。
「このまま熱高いままは良くないから、熱下げるための注射するよ。
腕とお尻どっちがいい、決めていいよ。」
いつもならすぐうつ伏せにしてお尻に打つけど女の子だし初めてだろうから選ばせてやろうと思って。
子供の腕は大人に比べて筋肉量が少ないからお尻に打った方が痛みは少ない。
由「痛いの嫌……です……(涙)」
「いや、嫌とかそういう話じゃなくて。
注射するのは絶対。
それを腕かお尻か選んでいいって言ってるの。」
涙ぐんで黙って俯いてしまった。
20
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
医者兄と病院脱出の妹(フリー台本)
在
ライト文芸
生まれて初めて大病を患い入院中の妹
退院が決まり、試しの外出と称して病院を抜け出し友達と脱走
行きたかったカフェへ
それが、主治医の兄に見つかり、その後体調急変
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる