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王立能力学園・金級ハンター編
161 ゴールド会員のサンタさん(2)
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私を睨んでいるサブチーフは、ゲートル支部のサブチーフと同じで鍛えられた体躯に強面だから元ハンターに違いない。
「会員証の名義はサンタナリアでしょう? どう考えても女性の名前。これでも私、ゲートルの町では結構有名なんだけどな」
どうやらサブチーフは、親の会員証を勝手に持ち出して遊びに来た子供って思ってるみたいだから、追加でアロー公爵家の家紋入り身分証も出してみる。
「サンタナリア・ハーシテ・ファイトアロ 8歳。はあ? こ、これは間違いなくアロー公爵家の身分証。いや、でも・・・なんでゴールド会員なんかに?」
サブチーフは準男爵と書かれたアロー公爵家の家紋入りで、モエナ伯爵のサインが入った身分証を取り出し、私の身分証と見比べて、本物だって渋々認めたけど、それでも納得できないって表情で質問した。
「なんでって、私はトレジャーハンターだから」
「はあ? 嘘を吐くな! いや、嘘は良くないですよ子爵。子爵のハンターなんて聞いたこともないし、8歳の女の子がハンターだなんて、信じられる訳がない」
子爵だと意識してはいるけど、口調も態度も完全に子供だと侮っている。
「本部から通達が来てないんだ。そうねえ、私が何者なのかヒントをあげる。
先ずは、ゲートル支部・魔法使い・光猫」
「ゲートル支部、魔法使い?」と、サブチーフは怪訝そうな表情でシリスに視線を向ける。
「イオナロード・天使さま」
「イオナロード? ん? 天使様?」と言って、何かを思い出そうと首を捻る。
「銀級ハンター・アースドラゴン・・・聞いたことない?」
ちょっとだけ豪華な長椅子で、隣に寝そべっているシリスの頭を撫でながら、私はにっこり笑って問う。
確か王都の本部でチーフ会議とかあった気がするんだけど、私の噂って出回ってないのかなぁ?
他所の支部のハンターも、結構イオナロードに来てたんだけどなぁ。
「魔法使い?・・・天使様? はあ? いや、いやいや・・・いやいやいや、ま、まさかイオナロードの、イオナロードのサンタさん?」
胡散臭い子供を見る細められた瞳が、突然大きく見開き、ちょっと泣きそうな顔になって、恐る恐るサンタさんかって確認してくる。
「ちょ、ちょっと待ってもらっていいですか? チーフを呼んできます」
そう言ったサブチーフは、突然立ち上がって部屋を出ていった。
待つこと3分、バタバタと騒々しい足音がして、サブチーフが50歳くらいのチーフを伴って戻ってきた。
品のいいシャツを着た痩せ型のチーフは、なんだか育ちがよさそうだ。もしかしたら、どこの支部もチーフは貴族なのかもしれない。
「ファイトアロ子爵さま、本日はゴールド会員としてお越しになられたとか。
モエナ支部でチーフをしているリスマイヤーといいます。中位・鑑定士持ちの男爵です。よろしくお願いいたします」
超低姿勢で挨拶するチーフは、たぶん私が大賢者だと知っている。
王宮でアースドラゴン素材で揉めた時、ハンター協会のボルロ協会長に大賢者だってバレたから、情報が回っている気がしたんだよね。
大賢者に無礼を働いたりしたら、王様と学園と商業連合を敵に回すことになると、慎重なボルロ協会長なら考えて予防線を張っているだろう。
「はじめまして、サンタです。
今日は大賢者ではなく、アロー公爵家の子爵として来ています。
ザルツ帝国の手に落ちた、ハッシュ辺境伯領の南ゲートのロードと、此処のロードが中で繋がってる可能性があると聞いたんですが本当でしょうか?」
時間もないし早くゲートに向かいたいから、貴族的な遠回しで上品な話し方じゃなく、単刀直入に自分の訪問目的を告げる。
「それは確認できていません。ただ、本部の地質チームが北に延びる新ロードの距離を測定した結果、ハッシュ辺境伯領の南ゲートの直ぐ近くに到達している可能性が高いと判定したんです。
新ロードの終着点は巨大な岩盤です。突然ロードが途切れているから、発見したハンターたちは、岩盤の先にもロードがあるはずだと主張しています」
チーフは自分のノートを取り出し、モエナ支部のゲート入り口から新ロードの簡易地図を書きながら教えてくれる。
「その巨大な岩盤を貫通させない限り、ハッシュ辺境伯領の南ゲートから新ロードに侵入されることはないけれど、もしも本当にロードが繋がっていて岩盤が破壊されたら、モエナ支部のゲートもザルツ帝国に奪われる可能性があるってことですね」
「はっ?・・・申し訳ありません。その危険性を考えていませんでした」
チーフは驚いた顔で自分の描いた地図を見て、ザルツ帝国に奪われる可能性があることに愕然としている。
「まさかザルツ帝国は、古代都市ロルツを狙っているのか? いや、魔術具狙いか?」
チーフの隣に座っているサブチーフも、ザルツ帝国の戦争の目的の中に、古代都市ロルツが含まれていることを改めて自覚した感じだ。
ハッシュ辺境伯領の南ゲートを占拠され、ハンターが過酷に採掘させられているとの情報に心を痛めていたけど、まさかモエナ支部も狙われているとは思っていなかったと正直に話した。
「私の杞憂に終わればいいんです。でもザルツ帝国は、奪った土地を領都まで押し戻されたのに、かなり離れた場所にある南ゲートを別動隊を使って占拠しました。
我が国は先月、古代魔術具を使って敵を蹴散らし領土を取り戻しました。敵も魔術具の存在を知ったはずです」
「では、奴等の狙いは古代魔術具?」とサブチーフが顔色を変える。
「確かにザルツ帝国の古代都市は【死の谷】のみ。険しい渓谷の地上に古代都市が点在していて、魔術具はほぼ発見されていない」
チーフは直ぐにザルツ帝国の地図を棚から取り出し、私の推論は間違っていないかもしれないと頷く。
「あの国には魔核が豊富にあります。もしも戦争に役立つ魔術具なんて物を発見されると、戦況は益々混迷し民の暮らしは苦しくなるでしょう」
「うむぅ……確かに」と唸って、最悪の未来をチーフは想像する。
「ということで、これから北へ向かう新ゲートに潜ります。顔に大きな傷かある男性と、スキンヘッドで強面の男性2人のパーティーを、ゴールド会員として護衛に指名したいんだけど?」
「えっ、ロードの悪魔の2人ですか?」
「会員証の名義はサンタナリアでしょう? どう考えても女性の名前。これでも私、ゲートルの町では結構有名なんだけどな」
どうやらサブチーフは、親の会員証を勝手に持ち出して遊びに来た子供って思ってるみたいだから、追加でアロー公爵家の家紋入り身分証も出してみる。
「サンタナリア・ハーシテ・ファイトアロ 8歳。はあ? こ、これは間違いなくアロー公爵家の身分証。いや、でも・・・なんでゴールド会員なんかに?」
サブチーフは準男爵と書かれたアロー公爵家の家紋入りで、モエナ伯爵のサインが入った身分証を取り出し、私の身分証と見比べて、本物だって渋々認めたけど、それでも納得できないって表情で質問した。
「なんでって、私はトレジャーハンターだから」
「はあ? 嘘を吐くな! いや、嘘は良くないですよ子爵。子爵のハンターなんて聞いたこともないし、8歳の女の子がハンターだなんて、信じられる訳がない」
子爵だと意識してはいるけど、口調も態度も完全に子供だと侮っている。
「本部から通達が来てないんだ。そうねえ、私が何者なのかヒントをあげる。
先ずは、ゲートル支部・魔法使い・光猫」
「ゲートル支部、魔法使い?」と、サブチーフは怪訝そうな表情でシリスに視線を向ける。
「イオナロード・天使さま」
「イオナロード? ん? 天使様?」と言って、何かを思い出そうと首を捻る。
「銀級ハンター・アースドラゴン・・・聞いたことない?」
ちょっとだけ豪華な長椅子で、隣に寝そべっているシリスの頭を撫でながら、私はにっこり笑って問う。
確か王都の本部でチーフ会議とかあった気がするんだけど、私の噂って出回ってないのかなぁ?
他所の支部のハンターも、結構イオナロードに来てたんだけどなぁ。
「魔法使い?・・・天使様? はあ? いや、いやいや・・・いやいやいや、ま、まさかイオナロードの、イオナロードのサンタさん?」
胡散臭い子供を見る細められた瞳が、突然大きく見開き、ちょっと泣きそうな顔になって、恐る恐るサンタさんかって確認してくる。
「ちょ、ちょっと待ってもらっていいですか? チーフを呼んできます」
そう言ったサブチーフは、突然立ち上がって部屋を出ていった。
待つこと3分、バタバタと騒々しい足音がして、サブチーフが50歳くらいのチーフを伴って戻ってきた。
品のいいシャツを着た痩せ型のチーフは、なんだか育ちがよさそうだ。もしかしたら、どこの支部もチーフは貴族なのかもしれない。
「ファイトアロ子爵さま、本日はゴールド会員としてお越しになられたとか。
モエナ支部でチーフをしているリスマイヤーといいます。中位・鑑定士持ちの男爵です。よろしくお願いいたします」
超低姿勢で挨拶するチーフは、たぶん私が大賢者だと知っている。
王宮でアースドラゴン素材で揉めた時、ハンター協会のボルロ協会長に大賢者だってバレたから、情報が回っている気がしたんだよね。
大賢者に無礼を働いたりしたら、王様と学園と商業連合を敵に回すことになると、慎重なボルロ協会長なら考えて予防線を張っているだろう。
「はじめまして、サンタです。
今日は大賢者ではなく、アロー公爵家の子爵として来ています。
ザルツ帝国の手に落ちた、ハッシュ辺境伯領の南ゲートのロードと、此処のロードが中で繋がってる可能性があると聞いたんですが本当でしょうか?」
時間もないし早くゲートに向かいたいから、貴族的な遠回しで上品な話し方じゃなく、単刀直入に自分の訪問目的を告げる。
「それは確認できていません。ただ、本部の地質チームが北に延びる新ロードの距離を測定した結果、ハッシュ辺境伯領の南ゲートの直ぐ近くに到達している可能性が高いと判定したんです。
新ロードの終着点は巨大な岩盤です。突然ロードが途切れているから、発見したハンターたちは、岩盤の先にもロードがあるはずだと主張しています」
チーフは自分のノートを取り出し、モエナ支部のゲート入り口から新ロードの簡易地図を書きながら教えてくれる。
「その巨大な岩盤を貫通させない限り、ハッシュ辺境伯領の南ゲートから新ロードに侵入されることはないけれど、もしも本当にロードが繋がっていて岩盤が破壊されたら、モエナ支部のゲートもザルツ帝国に奪われる可能性があるってことですね」
「はっ?・・・申し訳ありません。その危険性を考えていませんでした」
チーフは驚いた顔で自分の描いた地図を見て、ザルツ帝国に奪われる可能性があることに愕然としている。
「まさかザルツ帝国は、古代都市ロルツを狙っているのか? いや、魔術具狙いか?」
チーフの隣に座っているサブチーフも、ザルツ帝国の戦争の目的の中に、古代都市ロルツが含まれていることを改めて自覚した感じだ。
ハッシュ辺境伯領の南ゲートを占拠され、ハンターが過酷に採掘させられているとの情報に心を痛めていたけど、まさかモエナ支部も狙われているとは思っていなかったと正直に話した。
「私の杞憂に終わればいいんです。でもザルツ帝国は、奪った土地を領都まで押し戻されたのに、かなり離れた場所にある南ゲートを別動隊を使って占拠しました。
我が国は先月、古代魔術具を使って敵を蹴散らし領土を取り戻しました。敵も魔術具の存在を知ったはずです」
「では、奴等の狙いは古代魔術具?」とサブチーフが顔色を変える。
「確かにザルツ帝国の古代都市は【死の谷】のみ。険しい渓谷の地上に古代都市が点在していて、魔術具はほぼ発見されていない」
チーフは直ぐにザルツ帝国の地図を棚から取り出し、私の推論は間違っていないかもしれないと頷く。
「あの国には魔核が豊富にあります。もしも戦争に役立つ魔術具なんて物を発見されると、戦況は益々混迷し民の暮らしは苦しくなるでしょう」
「うむぅ……確かに」と唸って、最悪の未来をチーフは想像する。
「ということで、これから北へ向かう新ゲートに潜ります。顔に大きな傷かある男性と、スキンヘッドで強面の男性2人のパーティーを、ゴールド会員として護衛に指名したいんだけど?」
「えっ、ロードの悪魔の2人ですか?」
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