82 / 190
サンタさん、魔術師になる
82 魔力学会(3)
しおりを挟む
翌朝、私とアレス君と最速踏破者は一緒に、平服でトレジャーハンター協会本部へと向かった。
本部の建物に入ると、明日から開催される学会の出席者と思われる者たちで、とても賑わっていた。
国内の高位貴族らしき者たちや、他国の学者っぽい人も含め、1階ロビーの展示場は人でいっぱいだ。
私たちは協会長とチーフと一緒に、学会会場である王立能力学園に移動する。
学会は大講堂で行われ、午前は魔力という新しい概念と新しい属性の発見、そしてカラ魔核に魔力充填できるという、世紀の大発見について発表される。
目玉となる魔力属性判別魔術具の展示及び有料体験会は、午後から行われる。
参加希望者が多くて、特別招待者以外は、初日か2日目のどちらかしか参加できない。よって、両日とも内容は同じらしい。
トレジャーハンター協会は体育館で、【簡易空間魔術具】の展示体験を行う。
購入者は国王なので体験は無料だが、仕切りはトレジャーハンター協会である。
ハンター協会の仕切りを条件に、魔術具を王様に売ったとか。
購入を希望した魔術師協会と揉めたけど、私がハンター協会に一任していると突っぱねたそうだ。
会場である体育館では、既にトレジャーハンター協会の職員や、魔術具協会の職員が準備を始めていた。
主役である【簡易空間魔術具】は、保護魔術が掛けられた箱の中に収納され、ステージ上に置いてあった。
その箱の回りに3人、会場の中に4人、会場の出入り口にも3人の王宮警備兵が配置されている。
まあ王様の所有物だから、王宮警備隊が守るのは当然かぁ。
この世に1つしか無いし、複製はほぼ不可能だから盗難は避けたいよね。
「サンタさんとアレス君は、午後からステージ下の控室で待機してもらう。
これまでの検証で、1回魔核充填すると10回は起動を繰り返すことが可能だと分かっているので、念のための待機だ。
余裕を持たせて1日に8回、会場内の客を入れ替えて展示する予定だ。
アレス君は初日を、サンタさんは2日目の担当だ」
今日のハウエン協会長は、にこにこと物腰が柔らかく口調も丁寧だ。
どうやらチーフから、私がハンターを辞め他国に行くと大泣きしたことを聞いたみたい。だからって、私はにこにこなんてしないよ。
「アレス君、仕事内容は1人魔核充填1回だから、間違っても魔力切れで死ぬ可能性のある2回なんてしないでね。契約違反があれば、他国に逃げようね。
私たちは子供……いえ幼児だから簡単に死んじゃうもん」
「そうだねサンタさん。大人は信用できないよね。
ガリア教会関係者とか、他国の偉い人もたくさん来るから、もしもの時は相談するのもアリだね。
ギューメラ王国には、古王国シャングラって中規模遺跡もあるし、隣国ミースラ王国には、小さいけど古王国ハーデ遺跡もあるよね」
私とアレス君は、打ち合わせ通りに他国に行くぞと脅しをかけておく。
「1回という約束は必ず守る。だから魔核充填した人物だと知られないよう気を付けてくれ。
朝早く来て充填したら、行ってみたいと言っていた図書館で過ごしてくれて構わない。学園の許可はとってある。関係者以外は入れないから安全だ」
そう言ってハウエン協会長は、2日間限定の図書館利用許可証をくれた。
……安全って・・・どこが?
翌朝、私とアレス君と最速踏破者は、体育館に予定通り到着した。
初日担当のアレス君が、チーフと王宮警備隊、魔術師協会職員立ち合いの下で、カラ魔核に魔力を充填した。
学会参加者に会わないよう直ぐに移動しましょうと言って、魔術師協会の職員が王立能力学園の図書館へと道案内してくれる。
図書館到着後「ここは学会会場から離れているから安全ですよ」と案内人に言われ、最速踏破者メンバーは招待状を持って学会の様子を見にいった。
私とアレス君は、誰も居ない図書館で読書を楽しむため、リュックからお茶やお菓子を取り出して、直ぐに本を探し始めた。
3人の守護霊も、知識の宝庫を見て好きな本のコーナーに飛んでいく。
私は各国の古代都市の本を探して、広い図書館の奥へと移動する。
本の背表紙を見ていたら、突然頭から何かを被されて視界が真っ暗になった。
えっ?何事?って驚いていたら、被された布の上から猿轡をされ、両手を縛られて大きな袋みたいなものに放り込まれた。
あっという間に誰かに担ぎ上げられ、そのまま何処かへ移動して行く。
『サンタさんに何をするんだ!』って、トキニさんの怒鳴る声がして、『大丈夫かサンタ』ってサーク爺の心配そうな声もする。
『何処から現れたのこの男?』って、パトリシアさんの驚いた声も聞こえる。
ドアを乱暴に開ける音を聞いたアレス君が、「何者だ!」と叫ぶ声がしたけど、私を脇に抱えている者は何も言わず走っていく。
私は足をバタバタさせて抵抗するけど、ボカッて頭を殴られて、気付いたら倉庫のような場所の床の上に転がされていた。
……図書館が安全だと言った協会長、魔術師協会の職員、出てこいや!
誰も居ない薄暗い部屋の中をゆっくりと見回す。
10畳ほどの広さの室内には沢山の棚があり、古い書類や資料が整理され置かれていた。
明りの差し込む小窓は、私では絶対に手が届かない高さにあり鉄格子付きだ。
しかも私は、猿轡をされ手は縛られたままである。
……埃っぽいから、使用頻度の低い学園内の倉庫かな?
……犯人は誰だろう? 目的は何? 私を攫ったってことは、ヒバド伯爵じゃないよね。
う~んと思案していると、足音と話し声が近付いてきた。
『犯人かな? それとも救助者かな?』
『残念だけど、犯人みたいよサンタさん。悔しいわ。実体さえあれば、犯人を叩きのめしてサンタさんを助けられるのに』
パトリシアさんは涙声で悔しいと言いながら、安全のため目覚めていない振りをした方がいいとアドバイスしてくれた。
サーク爺は、付近の様子を偵察に出掛けている。
トキニさんは、1人になったアレス君の様子を見に行った。
ガチャガチャと鍵を開ける音がして、ギギギーと扉を開ける音がする。
「フン、これでこのガキは処罰を受け、ハンター協会のメンツは潰れる。学会終了後、平民地区で解放しろ」
「はい、ご主人様」
……ん? 誰だっけこの声・・・聞き覚えがあるわ。
本部の建物に入ると、明日から開催される学会の出席者と思われる者たちで、とても賑わっていた。
国内の高位貴族らしき者たちや、他国の学者っぽい人も含め、1階ロビーの展示場は人でいっぱいだ。
私たちは協会長とチーフと一緒に、学会会場である王立能力学園に移動する。
学会は大講堂で行われ、午前は魔力という新しい概念と新しい属性の発見、そしてカラ魔核に魔力充填できるという、世紀の大発見について発表される。
目玉となる魔力属性判別魔術具の展示及び有料体験会は、午後から行われる。
参加希望者が多くて、特別招待者以外は、初日か2日目のどちらかしか参加できない。よって、両日とも内容は同じらしい。
トレジャーハンター協会は体育館で、【簡易空間魔術具】の展示体験を行う。
購入者は国王なので体験は無料だが、仕切りはトレジャーハンター協会である。
ハンター協会の仕切りを条件に、魔術具を王様に売ったとか。
購入を希望した魔術師協会と揉めたけど、私がハンター協会に一任していると突っぱねたそうだ。
会場である体育館では、既にトレジャーハンター協会の職員や、魔術具協会の職員が準備を始めていた。
主役である【簡易空間魔術具】は、保護魔術が掛けられた箱の中に収納され、ステージ上に置いてあった。
その箱の回りに3人、会場の中に4人、会場の出入り口にも3人の王宮警備兵が配置されている。
まあ王様の所有物だから、王宮警備隊が守るのは当然かぁ。
この世に1つしか無いし、複製はほぼ不可能だから盗難は避けたいよね。
「サンタさんとアレス君は、午後からステージ下の控室で待機してもらう。
これまでの検証で、1回魔核充填すると10回は起動を繰り返すことが可能だと分かっているので、念のための待機だ。
余裕を持たせて1日に8回、会場内の客を入れ替えて展示する予定だ。
アレス君は初日を、サンタさんは2日目の担当だ」
今日のハウエン協会長は、にこにこと物腰が柔らかく口調も丁寧だ。
どうやらチーフから、私がハンターを辞め他国に行くと大泣きしたことを聞いたみたい。だからって、私はにこにこなんてしないよ。
「アレス君、仕事内容は1人魔核充填1回だから、間違っても魔力切れで死ぬ可能性のある2回なんてしないでね。契約違反があれば、他国に逃げようね。
私たちは子供……いえ幼児だから簡単に死んじゃうもん」
「そうだねサンタさん。大人は信用できないよね。
ガリア教会関係者とか、他国の偉い人もたくさん来るから、もしもの時は相談するのもアリだね。
ギューメラ王国には、古王国シャングラって中規模遺跡もあるし、隣国ミースラ王国には、小さいけど古王国ハーデ遺跡もあるよね」
私とアレス君は、打ち合わせ通りに他国に行くぞと脅しをかけておく。
「1回という約束は必ず守る。だから魔核充填した人物だと知られないよう気を付けてくれ。
朝早く来て充填したら、行ってみたいと言っていた図書館で過ごしてくれて構わない。学園の許可はとってある。関係者以外は入れないから安全だ」
そう言ってハウエン協会長は、2日間限定の図書館利用許可証をくれた。
……安全って・・・どこが?
翌朝、私とアレス君と最速踏破者は、体育館に予定通り到着した。
初日担当のアレス君が、チーフと王宮警備隊、魔術師協会職員立ち合いの下で、カラ魔核に魔力を充填した。
学会参加者に会わないよう直ぐに移動しましょうと言って、魔術師協会の職員が王立能力学園の図書館へと道案内してくれる。
図書館到着後「ここは学会会場から離れているから安全ですよ」と案内人に言われ、最速踏破者メンバーは招待状を持って学会の様子を見にいった。
私とアレス君は、誰も居ない図書館で読書を楽しむため、リュックからお茶やお菓子を取り出して、直ぐに本を探し始めた。
3人の守護霊も、知識の宝庫を見て好きな本のコーナーに飛んでいく。
私は各国の古代都市の本を探して、広い図書館の奥へと移動する。
本の背表紙を見ていたら、突然頭から何かを被されて視界が真っ暗になった。
えっ?何事?って驚いていたら、被された布の上から猿轡をされ、両手を縛られて大きな袋みたいなものに放り込まれた。
あっという間に誰かに担ぎ上げられ、そのまま何処かへ移動して行く。
『サンタさんに何をするんだ!』って、トキニさんの怒鳴る声がして、『大丈夫かサンタ』ってサーク爺の心配そうな声もする。
『何処から現れたのこの男?』って、パトリシアさんの驚いた声も聞こえる。
ドアを乱暴に開ける音を聞いたアレス君が、「何者だ!」と叫ぶ声がしたけど、私を脇に抱えている者は何も言わず走っていく。
私は足をバタバタさせて抵抗するけど、ボカッて頭を殴られて、気付いたら倉庫のような場所の床の上に転がされていた。
……図書館が安全だと言った協会長、魔術師協会の職員、出てこいや!
誰も居ない薄暗い部屋の中をゆっくりと見回す。
10畳ほどの広さの室内には沢山の棚があり、古い書類や資料が整理され置かれていた。
明りの差し込む小窓は、私では絶対に手が届かない高さにあり鉄格子付きだ。
しかも私は、猿轡をされ手は縛られたままである。
……埃っぽいから、使用頻度の低い学園内の倉庫かな?
……犯人は誰だろう? 目的は何? 私を攫ったってことは、ヒバド伯爵じゃないよね。
う~んと思案していると、足音と話し声が近付いてきた。
『犯人かな? それとも救助者かな?』
『残念だけど、犯人みたいよサンタさん。悔しいわ。実体さえあれば、犯人を叩きのめしてサンタさんを助けられるのに』
パトリシアさんは涙声で悔しいと言いながら、安全のため目覚めていない振りをした方がいいとアドバイスしてくれた。
サーク爺は、付近の様子を偵察に出掛けている。
トキニさんは、1人になったアレス君の様子を見に行った。
ガチャガチャと鍵を開ける音がして、ギギギーと扉を開ける音がする。
「フン、これでこのガキは処罰を受け、ハンター協会のメンツは潰れる。学会終了後、平民地区で解放しろ」
「はい、ご主人様」
……ん? 誰だっけこの声・・・聞き覚えがあるわ。
140
あなたにおすすめの小説
スラム街の幼女、魔導書を拾う。
海夏世もみじ
ファンタジー
スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。
それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。
これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。
悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。
第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。
生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。
その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。
「加護縫い」
(縫った布に強力な祝福を込められる)
「嘘のほころびを見抜く力」
(相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする)
を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。
さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。
さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。
しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。
7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。
ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。
★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。
皆様応援よろしくお願いします
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる