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本編
46.後日談
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一連の行為が終わって少し落ち着いたエルフリーデとジュードはのんびりとベッドの上でくつろいでいた。エルフリーデを胸元に抱えて後ろから抱き締める格好でジュードは枕を背に上体を起こしている。甘えるようにピッタリとジュードの胸元にくっついて、身体を預けて動かないエルフリーデの身体を撫でながら。ジュードは白いシーツの上に置かれている銀のトレーに乗った、一口サイズに切り分けられている果実に手を伸ばし、それをエルフリーデの口元に運んだ。
そうして運ばれてきたものを勢いよくパクッとジュードの指ごと食べてモグモグ口を動かしていたらジュードに笑われてしまった。
「リー……くすぐったい」
くすくす笑いながらエルフリーデに食べられた指先に突いた果実の汁を舐め取って、それを口に含む仕草が何とも色っぽい。ジュードは行為が終わった後もずっとエルフリーデを愛して甘やかし続けていた。行為に疲れてくったりしているエルフリーデの汗ばんで力の抜けた身体を気遣って、甘すぎて溶けてしまいそうなくらい甘く優しく接してくるジュードに、エルフリーデはそのまま小さな子供のように甘えて安心しきった様子で身体を預けている。
「あの、……ジュードはわたしとずっとこうなりたいって思ってたの? そう言ってたけど……」
「うん、僕も男だからね。ずっとそう思ってた」
ジュードはエルフリーデを抱いている間中、ずっと強くて逞しくて、でも優しくて──そしてものすごく男の人だった……。あんなに綺麗な天使の顔をしているのに。と、エルフリーデは思い出す度に顔から火が出そうになる。あの優しい指先がエルフリーデに触れて、あの胸に抱かれたと思うとどうにも気まずい気分になる。
「じゅ、ジュードがあんなにエッチだとは思わなかった……」
「そう? 男って大概あんなものだと思うけど?」
「…………」
キョトンとした顔でサラッと返された。それも金髪碧眼の天使の容貌で不思議そうな顔をして返されてはこれ以上何も言えない。
「それに僕はもっと他にも色々なこと考えているんだけど?」
「……え?」
「だって12年間もリーに手出し出来なかったんだよ? それも本人が忘れている約束を守っていたぶんの反動がくるってリーは思わないの?」
「ジュードもっとエッチな事したいって思ってるのっ!?」
あれ以上エッチなことって何だ!? とエルフリーデは声を上擦らせてジュードから距離を置こうとして、ガッチリとそのしなやかな腕に掴まれた。
「それはもちろんそう思うよね。僕は男だから」
「…………」
「好きな人をもっと愛したいって思うかな」
「…………」
「それにしてもこの3ヶ月はキツかったな。リーには色々と苦労させられた。あられもない格好してきたと思ったら夜這いを仕掛けられて、挙げ句追い返しても追い返しても懲りずにリーは近寄ってくるし。それも最後の方なんかリーが欲しい欲求を抑えてるうちに感覚が麻痺し過ぎて、自分の感情が訳分からないことになっていたからね。言動がおかしくなっていることは自覚してたけどとにかく最悪だった」
「な、なるほど。そう言われてみると……」
心当たりなら幾つもある。男性と話をしているだけなのにジュードにしては珍しく怒りというか嫉妬を露に、妙に好戦的だったし。その八つ当たりでエルフリーデにキツい言葉を浴びせることになり。果ては女の人との密会(本当は指輪の相談)を目撃されるわでジュードは散々だったと思う。
けれどそれらは本来、完璧王子で通っているジュードらしからぬ失態だった。でもその隙が出来たのはエルフリーデがジュードを誘惑していたせいで欲望と理性の板挟みになっていたから本調子が出なかったということなら納得がいく。
結局のところ結婚前までに手出しさせるつもりが、手出ししてもらえず。けれど結婚後はそんな心配する必要がないくらいジュードが手出ししてくれることが分かり……。ホッとしたのか困るのかよく分からない感情にエルフリーデは戸惑いを感じながらも、結局はその差し出された温かい手を振りほどくことも出来なくて。
こうして今後もずっとジュードに流されていくんだろうなぁと心のどこかで思って納得している自分がいるのも確かだった。けれどそれはけして悪くない感覚で。愛する人と一緒にいられる幸せにエルフリーデは愛しい人の唇に自ら唇を寄せて軽く口づける。するとジュードがエルフリーデの細腰に手を回してそのままベッドの上にゆっくりと組み敷いた。
「リー、愛してる幼い頃からずっと……」
「わたしもジュードのこと誰よりも何よりも愛してる……」
愛を確かめ合うように間近で熱っぽく視線を交わして見つめ合い、唇を交わしながらそうして再びエルフリーデはジュードの腕の中に身を委ねた。
──そして最後に、”花の祭典”とも呼ばれ”幻の花”を巡り剣豪達の間で争われる5年に一度の祭事の別名は――恋人達の憂鬱。
その所以は花の香りを吸い込んでしまった恋人が真実の思いを口にする”幻の花”に由来されており。この祭事は結婚を前提として付き合う恋人達がその日を区切りに別れを切り出す恋人達の試練の日としても有名で。祭事を機に真実の思いを告げられて別れる恋人達が後を絶たない、かっこうの修羅場イベント的なものとして世の恋人達に認識されていることをエルフリーデは知らない。
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ここまでご愛読頂きありがとうございます。本作はこれにて完結となります。
外伝的な(おまけ話?)なものを更新したいなぁと思っておりますが未定です。
続編はどうしようか考え中です。が、ひとまずここで完結とさせて頂きます。
ありがとうございました(。・ω・。)
薄影メガネ
そうして運ばれてきたものを勢いよくパクッとジュードの指ごと食べてモグモグ口を動かしていたらジュードに笑われてしまった。
「リー……くすぐったい」
くすくす笑いながらエルフリーデに食べられた指先に突いた果実の汁を舐め取って、それを口に含む仕草が何とも色っぽい。ジュードは行為が終わった後もずっとエルフリーデを愛して甘やかし続けていた。行為に疲れてくったりしているエルフリーデの汗ばんで力の抜けた身体を気遣って、甘すぎて溶けてしまいそうなくらい甘く優しく接してくるジュードに、エルフリーデはそのまま小さな子供のように甘えて安心しきった様子で身体を預けている。
「あの、……ジュードはわたしとずっとこうなりたいって思ってたの? そう言ってたけど……」
「うん、僕も男だからね。ずっとそう思ってた」
ジュードはエルフリーデを抱いている間中、ずっと強くて逞しくて、でも優しくて──そしてものすごく男の人だった……。あんなに綺麗な天使の顔をしているのに。と、エルフリーデは思い出す度に顔から火が出そうになる。あの優しい指先がエルフリーデに触れて、あの胸に抱かれたと思うとどうにも気まずい気分になる。
「じゅ、ジュードがあんなにエッチだとは思わなかった……」
「そう? 男って大概あんなものだと思うけど?」
「…………」
キョトンとした顔でサラッと返された。それも金髪碧眼の天使の容貌で不思議そうな顔をして返されてはこれ以上何も言えない。
「それに僕はもっと他にも色々なこと考えているんだけど?」
「……え?」
「だって12年間もリーに手出し出来なかったんだよ? それも本人が忘れている約束を守っていたぶんの反動がくるってリーは思わないの?」
「ジュードもっとエッチな事したいって思ってるのっ!?」
あれ以上エッチなことって何だ!? とエルフリーデは声を上擦らせてジュードから距離を置こうとして、ガッチリとそのしなやかな腕に掴まれた。
「それはもちろんそう思うよね。僕は男だから」
「…………」
「好きな人をもっと愛したいって思うかな」
「…………」
「それにしてもこの3ヶ月はキツかったな。リーには色々と苦労させられた。あられもない格好してきたと思ったら夜這いを仕掛けられて、挙げ句追い返しても追い返しても懲りずにリーは近寄ってくるし。それも最後の方なんかリーが欲しい欲求を抑えてるうちに感覚が麻痺し過ぎて、自分の感情が訳分からないことになっていたからね。言動がおかしくなっていることは自覚してたけどとにかく最悪だった」
「な、なるほど。そう言われてみると……」
心当たりなら幾つもある。男性と話をしているだけなのにジュードにしては珍しく怒りというか嫉妬を露に、妙に好戦的だったし。その八つ当たりでエルフリーデにキツい言葉を浴びせることになり。果ては女の人との密会(本当は指輪の相談)を目撃されるわでジュードは散々だったと思う。
けれどそれらは本来、完璧王子で通っているジュードらしからぬ失態だった。でもその隙が出来たのはエルフリーデがジュードを誘惑していたせいで欲望と理性の板挟みになっていたから本調子が出なかったということなら納得がいく。
結局のところ結婚前までに手出しさせるつもりが、手出ししてもらえず。けれど結婚後はそんな心配する必要がないくらいジュードが手出ししてくれることが分かり……。ホッとしたのか困るのかよく分からない感情にエルフリーデは戸惑いを感じながらも、結局はその差し出された温かい手を振りほどくことも出来なくて。
こうして今後もずっとジュードに流されていくんだろうなぁと心のどこかで思って納得している自分がいるのも確かだった。けれどそれはけして悪くない感覚で。愛する人と一緒にいられる幸せにエルフリーデは愛しい人の唇に自ら唇を寄せて軽く口づける。するとジュードがエルフリーデの細腰に手を回してそのままベッドの上にゆっくりと組み敷いた。
「リー、愛してる幼い頃からずっと……」
「わたしもジュードのこと誰よりも何よりも愛してる……」
愛を確かめ合うように間近で熱っぽく視線を交わして見つめ合い、唇を交わしながらそうして再びエルフリーデはジュードの腕の中に身を委ねた。
──そして最後に、”花の祭典”とも呼ばれ”幻の花”を巡り剣豪達の間で争われる5年に一度の祭事の別名は――恋人達の憂鬱。
その所以は花の香りを吸い込んでしまった恋人が真実の思いを口にする”幻の花”に由来されており。この祭事は結婚を前提として付き合う恋人達がその日を区切りに別れを切り出す恋人達の試練の日としても有名で。祭事を機に真実の思いを告げられて別れる恋人達が後を絶たない、かっこうの修羅場イベント的なものとして世の恋人達に認識されていることをエルフリーデは知らない。
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ここまでご愛読頂きありがとうございます。本作はこれにて完結となります。
外伝的な(おまけ話?)なものを更新したいなぁと思っておりますが未定です。
続編はどうしようか考え中です。が、ひとまずここで完結とさせて頂きます。
ありがとうございました(。・ω・。)
薄影メガネ
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