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第一章 誕生
第8話 本心
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「は~。本当に白金貨が入ってる。綺麗だな~」
自分の家に帰ってきて皮袋を取り出すとうっとりと白金貨を見つめる。初めて見る白金貨。白く煌めいていて心を奪われてしまう。
「しばらくは大人しく暮らそう。ダンジョンはもうこりごりだし」
お金も手に入ったし、危険なことをする意味はないよね。
お墓の仕事に集中するのもいいかもな。雑草とかも生えてるし、手入れしないと。
そう思って次の日。
お墓を掃除してふとじいちゃんの小屋を見る。
「そういえば、じいちゃんの小屋は掃除してなかったな~。埃とか凄いことになってるだろうな~」
じいちゃんの小屋に入る。人が一人住めるくらいの狭い家。かまどとベッドとタンス、あとは机と椅子があるだけの小屋。
「思った通り、埃が凄いや。じいちゃんが死んじゃってから掃除は数回やったくらいだったっけ」
思いふけて呟く。その時、ふと床に視線を落とした。
「あれ? 軋んでるな~。補修しておいた方がいいかな」
床板がやせ細っていて今にも抜けてしまいそうになってる。人が住まないと家も息をしなくなっちゃうとかいうから、痛んでしまったんだろうな。しかし、危ないな~。
床を手で触って傷み具合を確認する。ミシミシと悲鳴をあげる床、床下が見えてしまってる。
「はぁ~。これはダメだな~。補修しないと……? あれ? 床下に空間がある?」
ため息をついて床下を見る。そこには人が入れるほどの空間があることに気が付いた。よくみるとその床自体外せるようになってる。
「じいちゃんの秘密の部屋か。そういえば、職業が侍で忍者だったんだっけ。上位職と言われるレアな職業なんだよな。レベルをあげてなれるか慣れないかって言う職業だ」
神様から贈られる職業はもらってから育てることが出来る。グナトと言われていた戦士もあと少しで勇者になれたと言われていたように再度教会で神様から選定しなおしてもらえば勇者になれた。今の僕が教会に行ったらどうなるか。想像しただけでも怖いな。
「とにかく、入ってみるか」
想像して身震いしながら気を取り直す。床板を外して中を確認する。梯子がかかっているので降りることにした。
「は~……忍者って本当だったんだな~」
小刀に手裏剣とかいう投げもの、忍者の黒装束まであるよ。
「凄いな~。ん? 手紙?」
小さな木箱にすっぽりとはまる手紙。手に取って開くとじいちゃんが僕に向けて言葉をつづっていた。
「『アレアへ。この手紙を読んでいるころ儂は死んでいるだろう』じいちゃん……」
思わず涙がこぼれる。続きを読もうと思って目を擦る。
「『この部屋に入ったということは気が付いたじゃろう、儂の過去に。そう、儂は忍者だったんじゃ。職業としては侍と忍者の両立をなしたんじゃがな。なかなかに凄い人物だったんじゃぞ』分かってるよそんなの……」
涙で揺れる文字に思わず笑みがこぼれる。武勇伝なんて全然話さなかった癖に手紙だと饒舌なんだから。
「『アレアがどんな職業に就くかわからなかったが儂の孫じゃからな。相当凄いものになっておるだろう』……」
じいちゃんの予想と反してダメな方の職業だったよ。少し落ち込んで読み続ける。
「『ダメでも気に病むことはないぞ。儂の継承者なんじゃ、ある裏技があるからの』それって!? 『気づいておるかもしれんが【墓守の継承者】のスキルじゃ。これは遺体の一部、爪でも持って居れば効果が発揮される。その人物の力が手に入るんじゃ。儂の力を存分に使いなさい』」
じいちゃん、やっぱり知ってたんだ。でもじいちゃんがそんなものを持っていたなんて気づかなかったな。
「『優しいアレアじゃからな。知り合いである儂の力を使うのがやっとじゃろ』ははは、じいちゃんには敵わないや」
帰ってきた時に思ったことを言い当てられてる。思わず笑っちゃった。
「『この部屋の武器や防具は儂が王に使えた時に使っていたものじゃ。自由に使いなさい。儂の力を得たのなら馴染むはずじゃ』武器? 防具?」
周りを見渡す。小刀と手裏剣しか見えないけどな。
「あっ、大きな箱か」
手紙とは反対にあった大きな箱。人が一人入れるくらいの箱だな。
箱を開けるとそこには箱いっぱいの長さの大きな刀と半分くらいの刀、それとチェーンメイルと言われる鎧が入っていた。
「大きな刀だな~。それにこっちはあそこに置いてある小刀よりも大きい。これがじいちゃんが使っていた刀達か。なんか侍になった気分だな」
背中に背負ってやっと持てるような大きな刀。半分の大きさの刀も僕が持っている剣よりも大きめだ。ロングソードと同じくらいの長さがある。
「『大きな刀は【龍光】小さな方は【虎光】どちらも名のある鍛冶師が作ったものじゃ。大事にしておくれ。それとミスリルのチェーンメイル。これは肌着としても着れる優れもんじゃ。衣服の下に着れば透明になり、まるでなにも着ていないかのように見える。暗殺されないように着ていたものじゃな。まあ、儂程となると切りつけられる前に返り討ちにしておったがの』はは、じいちゃんってこんなに武勇伝語るの好きだったのか」
じいちゃんの新たな一面が見れて面白いな。しかし、どれも凄い物っぽい。僕なんかが持っていていいのかな。
「『目立たぬようになど考えるでないぞ。自由に生きるんじゃ。アレアのしたいことをしてゆけよ。幸あらんことを』最後までじいちゃんには驚かされるよ……」
読み終わって更に涙が溢れてくる。じいちゃんは僕の事よくわかってたんだな。改めて愛されていたことが分かった。
「【龍光】【虎光】よろしくね」
刀を抱えて声をかける。返事をするように薄っすらと光る二本の刀、チェーンメイルにも挨拶するとこっちも光って答えてくれる。どれも温かみのある熱を感じた。
「温かい」
二本の刀をマジックバッグにしまってチェーンメイルを着こんだ。ホッと体が温められているように感じる。
「さあ、掃除再開だな」
じいちゃんの小屋とお墓の手入れ。ちゃっちゃと済ませちゃうぞ。
掃除を初めて次の日。あらかた片付いて家でホットミルクに舌鼓。椅子に腰かけて日の上る姿をただ目で追う。平和だな~。
「じいちゃんには悪いけど、やっぱり目立ちたくないよな~。お金も手に入ったし、冒険者も廃業かな~」
僕のやりたいことって隠居生活なんだよな~。今まさに実現できてるわけだし、無駄にダンジョンや冒険者の依頼はしなくていいよな。
ゆったりと日の上る姿と下る姿を見送って眠る。そんな日を三日程過ごした。
「は~平和」
前日と同じように過ごしてる。
思ってみればじいちゃんもこんな毎日を送ってたよな。僕に勉強を教えてくれたりしていたけど、お墓の掃除を終えるとハンモックに寝そべって毎日お茶を飲んでた。僕は椅子に座ってるけどね。
「アレアさ~ん」
「ん? 誰だろ?」
町の方から声が聞こえてくる。この声はリコさんかな?
「アレアさん」
「どうしたのリコさん?」
「あ~、またさんなんて言って。呼び捨てにしてって言ったでしょ」
リコさんがルテナさんとマーヤさんを伴ってやってきた。頬を膨らませて憤りを露わにしてくる。呼び捨ては流石にな~。
「えっと、それで何か用かな?」
「あ~話逸らした……。まあいいけど」
「アレアさん最近見ないなって。それでツィンさんにお願いされて見に来ました」
疑問を口にするとリコさんが頭の上で両手を組んで不貞腐れた。見かねてルテナさんが答えてくれる。
あんなことがあった後だし、お金も普通に暮らせるほどもらったからな~。
「アレアさん、冒険者やめるの?」
「「え?」」
マーヤさんの言葉にリコさんとルテナさんが驚いて見てくる。二人は悲しい顔になっていく。
「そんな。なんでですか?」
「アレアさんみたいな凄い人がなんで?」
悲しい顔で問いかけてくる二人。僕はポリポリと頬を掻いて答える。
「九死に一生を得てね。少し冒険が嫌になったというか。まあ、色々理由つけてはいるけど、隠居したいなって思ってね」
「もったいないですよ。アレアさんみたいな凄い人が隠居なんて」
「ははは、そんなすごくないよ。でも、ありがと」
リコさんの頭をポンポンしてお礼を言う。彼女は恥ずかしそうに俯いてしまった。思わず、頭を触ってしまった。嫌だったかな。
「本人がそういうなら仕方ない。私も頭撫でてほしいです」
「マーヤも」
「え?」
ルテナさんとマーヤさんが僕に頭を向けてくる。驚いて頭に手を置くと嬉しそうにしてくれてる。
僕みたいな人に親しくしてくれる、優しい子達だな。
「とにかく、ツィンさんがたまには顔を見せてほしそうだったので」
「分かったよ。偶にはいくよ。ってほしそうだったって? 頼まれてきたんじゃ?」
「あっ……」
リコさんの言葉に疑問に思って声をあげると口を抑えて狼狽えるリコさん。ルテナさんが頭を抱えてる。
「すみませんアレアさん。実はアレアさんの姿を最近見なかったのでツィンさんに家を聞いて様子を見に来たんです。お願いされたというのは嘘でした」
ルテナさんが申し訳なさそうに説明してくれた。
なんだ、そうだったのか。別に隠さなくてもいいのにな。なんで嘘をついたんだろ?
「「「ごめんなさい」」」
「別に謝らなくていいよ。心配してくれたんだから。でもなんで嘘を?」
三人で謝ってくれた。質問すると三人は顔を見合ってマーヤさんが口を開く。
「調べてきたとか思われたら怖いかなって思って」
ん、そうか。つきまとわれてるみたいな感覚かな? 女の子ならではって感じだな。別に僕はモテないからそうは思わないけどな。
「アレアさんに嫌われたくなくてそれで……」
「え?」
リコさんが付け加える。思わずため息がでてしまう。
「はぁ~。そんなことで嫌わないよ。色々心配させちゃったみたいだね。明日にはギルドに行くことにするよ」
「本当ですか?」
「うん。心配してくれてありがとね」
再度、頭を撫でる。彼女達は嫌がらずに撫でられてくれた。
彼女達が帰るのを見送る。その時、町とは別の方向から男達を引き連れた女性がやってきた。
自分の家に帰ってきて皮袋を取り出すとうっとりと白金貨を見つめる。初めて見る白金貨。白く煌めいていて心を奪われてしまう。
「しばらくは大人しく暮らそう。ダンジョンはもうこりごりだし」
お金も手に入ったし、危険なことをする意味はないよね。
お墓の仕事に集中するのもいいかもな。雑草とかも生えてるし、手入れしないと。
そう思って次の日。
お墓を掃除してふとじいちゃんの小屋を見る。
「そういえば、じいちゃんの小屋は掃除してなかったな~。埃とか凄いことになってるだろうな~」
じいちゃんの小屋に入る。人が一人住めるくらいの狭い家。かまどとベッドとタンス、あとは机と椅子があるだけの小屋。
「思った通り、埃が凄いや。じいちゃんが死んじゃってから掃除は数回やったくらいだったっけ」
思いふけて呟く。その時、ふと床に視線を落とした。
「あれ? 軋んでるな~。補修しておいた方がいいかな」
床板がやせ細っていて今にも抜けてしまいそうになってる。人が住まないと家も息をしなくなっちゃうとかいうから、痛んでしまったんだろうな。しかし、危ないな~。
床を手で触って傷み具合を確認する。ミシミシと悲鳴をあげる床、床下が見えてしまってる。
「はぁ~。これはダメだな~。補修しないと……? あれ? 床下に空間がある?」
ため息をついて床下を見る。そこには人が入れるほどの空間があることに気が付いた。よくみるとその床自体外せるようになってる。
「じいちゃんの秘密の部屋か。そういえば、職業が侍で忍者だったんだっけ。上位職と言われるレアな職業なんだよな。レベルをあげてなれるか慣れないかって言う職業だ」
神様から贈られる職業はもらってから育てることが出来る。グナトと言われていた戦士もあと少しで勇者になれたと言われていたように再度教会で神様から選定しなおしてもらえば勇者になれた。今の僕が教会に行ったらどうなるか。想像しただけでも怖いな。
「とにかく、入ってみるか」
想像して身震いしながら気を取り直す。床板を外して中を確認する。梯子がかかっているので降りることにした。
「は~……忍者って本当だったんだな~」
小刀に手裏剣とかいう投げもの、忍者の黒装束まであるよ。
「凄いな~。ん? 手紙?」
小さな木箱にすっぽりとはまる手紙。手に取って開くとじいちゃんが僕に向けて言葉をつづっていた。
「『アレアへ。この手紙を読んでいるころ儂は死んでいるだろう』じいちゃん……」
思わず涙がこぼれる。続きを読もうと思って目を擦る。
「『この部屋に入ったということは気が付いたじゃろう、儂の過去に。そう、儂は忍者だったんじゃ。職業としては侍と忍者の両立をなしたんじゃがな。なかなかに凄い人物だったんじゃぞ』分かってるよそんなの……」
涙で揺れる文字に思わず笑みがこぼれる。武勇伝なんて全然話さなかった癖に手紙だと饒舌なんだから。
「『アレアがどんな職業に就くかわからなかったが儂の孫じゃからな。相当凄いものになっておるだろう』……」
じいちゃんの予想と反してダメな方の職業だったよ。少し落ち込んで読み続ける。
「『ダメでも気に病むことはないぞ。儂の継承者なんじゃ、ある裏技があるからの』それって!? 『気づいておるかもしれんが【墓守の継承者】のスキルじゃ。これは遺体の一部、爪でも持って居れば効果が発揮される。その人物の力が手に入るんじゃ。儂の力を存分に使いなさい』」
じいちゃん、やっぱり知ってたんだ。でもじいちゃんがそんなものを持っていたなんて気づかなかったな。
「『優しいアレアじゃからな。知り合いである儂の力を使うのがやっとじゃろ』ははは、じいちゃんには敵わないや」
帰ってきた時に思ったことを言い当てられてる。思わず笑っちゃった。
「『この部屋の武器や防具は儂が王に使えた時に使っていたものじゃ。自由に使いなさい。儂の力を得たのなら馴染むはずじゃ』武器? 防具?」
周りを見渡す。小刀と手裏剣しか見えないけどな。
「あっ、大きな箱か」
手紙とは反対にあった大きな箱。人が一人入れるくらいの箱だな。
箱を開けるとそこには箱いっぱいの長さの大きな刀と半分くらいの刀、それとチェーンメイルと言われる鎧が入っていた。
「大きな刀だな~。それにこっちはあそこに置いてある小刀よりも大きい。これがじいちゃんが使っていた刀達か。なんか侍になった気分だな」
背中に背負ってやっと持てるような大きな刀。半分の大きさの刀も僕が持っている剣よりも大きめだ。ロングソードと同じくらいの長さがある。
「『大きな刀は【龍光】小さな方は【虎光】どちらも名のある鍛冶師が作ったものじゃ。大事にしておくれ。それとミスリルのチェーンメイル。これは肌着としても着れる優れもんじゃ。衣服の下に着れば透明になり、まるでなにも着ていないかのように見える。暗殺されないように着ていたものじゃな。まあ、儂程となると切りつけられる前に返り討ちにしておったがの』はは、じいちゃんってこんなに武勇伝語るの好きだったのか」
じいちゃんの新たな一面が見れて面白いな。しかし、どれも凄い物っぽい。僕なんかが持っていていいのかな。
「『目立たぬようになど考えるでないぞ。自由に生きるんじゃ。アレアのしたいことをしてゆけよ。幸あらんことを』最後までじいちゃんには驚かされるよ……」
読み終わって更に涙が溢れてくる。じいちゃんは僕の事よくわかってたんだな。改めて愛されていたことが分かった。
「【龍光】【虎光】よろしくね」
刀を抱えて声をかける。返事をするように薄っすらと光る二本の刀、チェーンメイルにも挨拶するとこっちも光って答えてくれる。どれも温かみのある熱を感じた。
「温かい」
二本の刀をマジックバッグにしまってチェーンメイルを着こんだ。ホッと体が温められているように感じる。
「さあ、掃除再開だな」
じいちゃんの小屋とお墓の手入れ。ちゃっちゃと済ませちゃうぞ。
掃除を初めて次の日。あらかた片付いて家でホットミルクに舌鼓。椅子に腰かけて日の上る姿をただ目で追う。平和だな~。
「じいちゃんには悪いけど、やっぱり目立ちたくないよな~。お金も手に入ったし、冒険者も廃業かな~」
僕のやりたいことって隠居生活なんだよな~。今まさに実現できてるわけだし、無駄にダンジョンや冒険者の依頼はしなくていいよな。
ゆったりと日の上る姿と下る姿を見送って眠る。そんな日を三日程過ごした。
「は~平和」
前日と同じように過ごしてる。
思ってみればじいちゃんもこんな毎日を送ってたよな。僕に勉強を教えてくれたりしていたけど、お墓の掃除を終えるとハンモックに寝そべって毎日お茶を飲んでた。僕は椅子に座ってるけどね。
「アレアさ~ん」
「ん? 誰だろ?」
町の方から声が聞こえてくる。この声はリコさんかな?
「アレアさん」
「どうしたのリコさん?」
「あ~、またさんなんて言って。呼び捨てにしてって言ったでしょ」
リコさんがルテナさんとマーヤさんを伴ってやってきた。頬を膨らませて憤りを露わにしてくる。呼び捨ては流石にな~。
「えっと、それで何か用かな?」
「あ~話逸らした……。まあいいけど」
「アレアさん最近見ないなって。それでツィンさんにお願いされて見に来ました」
疑問を口にするとリコさんが頭の上で両手を組んで不貞腐れた。見かねてルテナさんが答えてくれる。
あんなことがあった後だし、お金も普通に暮らせるほどもらったからな~。
「アレアさん、冒険者やめるの?」
「「え?」」
マーヤさんの言葉にリコさんとルテナさんが驚いて見てくる。二人は悲しい顔になっていく。
「そんな。なんでですか?」
「アレアさんみたいな凄い人がなんで?」
悲しい顔で問いかけてくる二人。僕はポリポリと頬を掻いて答える。
「九死に一生を得てね。少し冒険が嫌になったというか。まあ、色々理由つけてはいるけど、隠居したいなって思ってね」
「もったいないですよ。アレアさんみたいな凄い人が隠居なんて」
「ははは、そんなすごくないよ。でも、ありがと」
リコさんの頭をポンポンしてお礼を言う。彼女は恥ずかしそうに俯いてしまった。思わず、頭を触ってしまった。嫌だったかな。
「本人がそういうなら仕方ない。私も頭撫でてほしいです」
「マーヤも」
「え?」
ルテナさんとマーヤさんが僕に頭を向けてくる。驚いて頭に手を置くと嬉しそうにしてくれてる。
僕みたいな人に親しくしてくれる、優しい子達だな。
「とにかく、ツィンさんがたまには顔を見せてほしそうだったので」
「分かったよ。偶にはいくよ。ってほしそうだったって? 頼まれてきたんじゃ?」
「あっ……」
リコさんの言葉に疑問に思って声をあげると口を抑えて狼狽えるリコさん。ルテナさんが頭を抱えてる。
「すみませんアレアさん。実はアレアさんの姿を最近見なかったのでツィンさんに家を聞いて様子を見に来たんです。お願いされたというのは嘘でした」
ルテナさんが申し訳なさそうに説明してくれた。
なんだ、そうだったのか。別に隠さなくてもいいのにな。なんで嘘をついたんだろ?
「「「ごめんなさい」」」
「別に謝らなくていいよ。心配してくれたんだから。でもなんで嘘を?」
三人で謝ってくれた。質問すると三人は顔を見合ってマーヤさんが口を開く。
「調べてきたとか思われたら怖いかなって思って」
ん、そうか。つきまとわれてるみたいな感覚かな? 女の子ならではって感じだな。別に僕はモテないからそうは思わないけどな。
「アレアさんに嫌われたくなくてそれで……」
「え?」
リコさんが付け加える。思わずため息がでてしまう。
「はぁ~。そんなことで嫌わないよ。色々心配させちゃったみたいだね。明日にはギルドに行くことにするよ」
「本当ですか?」
「うん。心配してくれてありがとね」
再度、頭を撫でる。彼女達は嫌がらずに撫でられてくれた。
彼女達が帰るのを見送る。その時、町とは別の方向から男達を引き連れた女性がやってきた。
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