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第二章 支配地
第45話 新たな仲間
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「師匠。冒険者ギルドに行くんですか?」
アスノ君が首を傾げて聞いてくる。アビゲールの依頼を受けて次の日。正式に依頼として受けるために冒険者ギルドに向かう。すでに教会から依頼として僕を指名してくれているらしい。
「にゃ? 久しぶりねランカ君」
「ははは、お久しぶりです」
冒険者ギルドに入って受付に座るとミレドさんが迎えてくれた。
「そういえばランカ君は職業を変えないの? いつまでも大根剣士じゃ強くなれないでしょ?」
「当分はこのままですね」
ミレドさんの質問に答える。まずはレベル99にあげないといけないからな。
「にゃ? ランカ君がそうするってことは何かあるってことね。勉強になるにゃ」
「え? 買いかぶり過ぎですよ。別に何も」
「ふふ、じゃあそう言う事にしておくにゃ」
ミレドさんが僕の話をメモし始める。揶揄うように笑うけどメモをやめない様子。
「そんなことよりも僕指定の依頼が来てるはずなんですけど」
「にゃ? そうなの? じゃあちょっと待ってにゃ」
ミレドさんは奥の部屋へと入っていく。しばらくアスノ君とレッドと雑談しているとミレドさんが帰ってくる。
「あったよ。えっと教会からの依頼。ランク指定はなし? 変な依頼ね」
ミレドさんは綺麗な白い紙の内容を見て呟く。教会の依頼は白い紙なんだな。
「そういえば、ランカ君達はランク上げてないね。何かあげない理由でもあるの?」
「そう言うわけじゃないんですけど、ただやりたいことが山済みだっただけで」
「そっか、ランカ君は忙しいもんね。じゃあこれ、教会からの依頼ね。読んでおいて」
ミレドさんが依頼書を手渡してくる。内容は直訳すると【アビゲールに従え】と書いてある。【護衛】というよりも【部下】になれという感じだろうか。
「なかなかの上から目線な依頼ね」
「師匠に失礼です!」
レッドとアスノ君に内容を見せると怪訝な表情でつぶやく。
「すみません。教会の方々は平民に厳しくて……」
「アビゲールが謝らなくていいよ。知ってるしね」
謝ってくれる彼女はまだ教会に染まっていない。このまま染まらないでくれれば。
「ランカ! なんだかおもしろい話を受けるんだって?」
「ドーシャさん? 面白い話って何ですか、依頼ですよ依頼」
受付でミレドさんと話していると併設されている酒場からドーシャさん達が声をかけてくる。
「すまないなランカ君。最近大きな依頼もなくてドーシャの奴、暇してるんだよ」
「まったく、酒に付き合わされる俺達が可哀そうだ」
ワッカさんとルッカさんがやれやれと首を横に振ってる。その様子を見たドーシャさんは二人の肩を抱きかかえる。
「そのおかげで私の胸に触れられるんだから嬉しいだろ? ほらほら~」
「ワッカはいいかもしれないが俺は妻がいるからどうでもいい」
「おい! 俺にも選ぶ権利が!」
ドーシャさんの声にふたりが抗議の声をあげる。すると二人を抱えるドーシャさんの腕の血管が浮き出て、力が加わっていく。
「いで、いででで」
「ドーシャ! 悪かった!」
「よし許してやる!」
二人の謝罪を受けてすぐに開放するドーシャさん。本当に仲がいいな~。なんだか羨ましいな。男女関係なく仲がいいってかけがえのないものだもんな。
「二人が煩いから話が進まないじゃないか! ランカそれで暇してるから私達も一緒にできない?」
アンデッド騒ぎ以降は平和な地域になっちゃったから暇してるのか。ドーシャさん達がいてくれれば戦力としては安心。だけど、ニールキャニオンの土地はかなり変わってしまってるから驚かせちゃうよな。おまけに会う相手がセリスだし……ドーシャさんと相性悪そうだよな~。
「えっと今回は~」
「ドーシャさんってBランクの冒険者さんですよね。同行してくれるなら心強いです。よろしくお願いします」
断ろうと言葉を選んでいるとアビゲールが彼女に握手を求めてしまう。嬉しそうに握手をする二人。まあ、ドーシャさん達は僕の不思議な力、インベントリとかを知ってくれてるから隠さなくていいんだよな。
改めて思うけど、オルコッドのみんなは僕のことを黙って見てくれてるんだよな。良い人達ばかりだ。
「それでどこに行くんだい?」
「えっと、ニールキャニオンです。少し土地が変わってるんですけど、驚かないでくださいね」
「「「土地が変ってる?」」」
ドーシャさんの質問に答えると三人とも首を傾げていた。土地が変わるなんて想像もできないよな。
「ん? 今日はあの親子はいないのかい?」
「ああ、ノイシュさん達はお買い物ですよ」
ドーシャさんはあたりを見回して話す。お買い物をする為に戻ってきたからね。
「出発は明日かい?」
「そうですね。僕らも生活用品を買おうと思ってるので」
ドーシャさんの質問に答える。僕も普通の服を見てみたい、お金はそこそこ手に入ってるから何とかなるだろう。それでも足りないから果物を卸すけど。そういえば冒険者ギルドで卸せないかな?
「ミレドさん。食べ物って冒険者ギルドで卸せますか?」
「にゃ? 卸せるけど商人ギルドよりは安くなっちゃうよ」
「そうですか良かった。安くていいので買い取ってもらえますか?」
助かる。これで少しはお金に困らない。
「リンゴとブドウとイチゴとモモっと」
「ええ!? ちょ、そんなに種類があるの?」
ぼろぼろと受付の上に果物を出していくと、ミレドさんが驚いて声をあげる。
それでもしっかりと品定めしてくれると、金貨を2枚手渡してきた。
5個ずつしか出していないのに金貨になるとは、この時代背景だと食べ物も馬鹿にできないな。
アスノ君が首を傾げて聞いてくる。アビゲールの依頼を受けて次の日。正式に依頼として受けるために冒険者ギルドに向かう。すでに教会から依頼として僕を指名してくれているらしい。
「にゃ? 久しぶりねランカ君」
「ははは、お久しぶりです」
冒険者ギルドに入って受付に座るとミレドさんが迎えてくれた。
「そういえばランカ君は職業を変えないの? いつまでも大根剣士じゃ強くなれないでしょ?」
「当分はこのままですね」
ミレドさんの質問に答える。まずはレベル99にあげないといけないからな。
「にゃ? ランカ君がそうするってことは何かあるってことね。勉強になるにゃ」
「え? 買いかぶり過ぎですよ。別に何も」
「ふふ、じゃあそう言う事にしておくにゃ」
ミレドさんが僕の話をメモし始める。揶揄うように笑うけどメモをやめない様子。
「そんなことよりも僕指定の依頼が来てるはずなんですけど」
「にゃ? そうなの? じゃあちょっと待ってにゃ」
ミレドさんは奥の部屋へと入っていく。しばらくアスノ君とレッドと雑談しているとミレドさんが帰ってくる。
「あったよ。えっと教会からの依頼。ランク指定はなし? 変な依頼ね」
ミレドさんは綺麗な白い紙の内容を見て呟く。教会の依頼は白い紙なんだな。
「そういえば、ランカ君達はランク上げてないね。何かあげない理由でもあるの?」
「そう言うわけじゃないんですけど、ただやりたいことが山済みだっただけで」
「そっか、ランカ君は忙しいもんね。じゃあこれ、教会からの依頼ね。読んでおいて」
ミレドさんが依頼書を手渡してくる。内容は直訳すると【アビゲールに従え】と書いてある。【護衛】というよりも【部下】になれという感じだろうか。
「なかなかの上から目線な依頼ね」
「師匠に失礼です!」
レッドとアスノ君に内容を見せると怪訝な表情でつぶやく。
「すみません。教会の方々は平民に厳しくて……」
「アビゲールが謝らなくていいよ。知ってるしね」
謝ってくれる彼女はまだ教会に染まっていない。このまま染まらないでくれれば。
「ランカ! なんだかおもしろい話を受けるんだって?」
「ドーシャさん? 面白い話って何ですか、依頼ですよ依頼」
受付でミレドさんと話していると併設されている酒場からドーシャさん達が声をかけてくる。
「すまないなランカ君。最近大きな依頼もなくてドーシャの奴、暇してるんだよ」
「まったく、酒に付き合わされる俺達が可哀そうだ」
ワッカさんとルッカさんがやれやれと首を横に振ってる。その様子を見たドーシャさんは二人の肩を抱きかかえる。
「そのおかげで私の胸に触れられるんだから嬉しいだろ? ほらほら~」
「ワッカはいいかもしれないが俺は妻がいるからどうでもいい」
「おい! 俺にも選ぶ権利が!」
ドーシャさんの声にふたりが抗議の声をあげる。すると二人を抱えるドーシャさんの腕の血管が浮き出て、力が加わっていく。
「いで、いででで」
「ドーシャ! 悪かった!」
「よし許してやる!」
二人の謝罪を受けてすぐに開放するドーシャさん。本当に仲がいいな~。なんだか羨ましいな。男女関係なく仲がいいってかけがえのないものだもんな。
「二人が煩いから話が進まないじゃないか! ランカそれで暇してるから私達も一緒にできない?」
アンデッド騒ぎ以降は平和な地域になっちゃったから暇してるのか。ドーシャさん達がいてくれれば戦力としては安心。だけど、ニールキャニオンの土地はかなり変わってしまってるから驚かせちゃうよな。おまけに会う相手がセリスだし……ドーシャさんと相性悪そうだよな~。
「えっと今回は~」
「ドーシャさんってBランクの冒険者さんですよね。同行してくれるなら心強いです。よろしくお願いします」
断ろうと言葉を選んでいるとアビゲールが彼女に握手を求めてしまう。嬉しそうに握手をする二人。まあ、ドーシャさん達は僕の不思議な力、インベントリとかを知ってくれてるから隠さなくていいんだよな。
改めて思うけど、オルコッドのみんなは僕のことを黙って見てくれてるんだよな。良い人達ばかりだ。
「それでどこに行くんだい?」
「えっと、ニールキャニオンです。少し土地が変わってるんですけど、驚かないでくださいね」
「「「土地が変ってる?」」」
ドーシャさんの質問に答えると三人とも首を傾げていた。土地が変わるなんて想像もできないよな。
「ん? 今日はあの親子はいないのかい?」
「ああ、ノイシュさん達はお買い物ですよ」
ドーシャさんはあたりを見回して話す。お買い物をする為に戻ってきたからね。
「出発は明日かい?」
「そうですね。僕らも生活用品を買おうと思ってるので」
ドーシャさんの質問に答える。僕も普通の服を見てみたい、お金はそこそこ手に入ってるから何とかなるだろう。それでも足りないから果物を卸すけど。そういえば冒険者ギルドで卸せないかな?
「ミレドさん。食べ物って冒険者ギルドで卸せますか?」
「にゃ? 卸せるけど商人ギルドよりは安くなっちゃうよ」
「そうですか良かった。安くていいので買い取ってもらえますか?」
助かる。これで少しはお金に困らない。
「リンゴとブドウとイチゴとモモっと」
「ええ!? ちょ、そんなに種類があるの?」
ぼろぼろと受付の上に果物を出していくと、ミレドさんが驚いて声をあげる。
それでもしっかりと品定めしてくれると、金貨を2枚手渡してきた。
5個ずつしか出していないのに金貨になるとは、この時代背景だと食べ物も馬鹿にできないな。
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