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第1章 成長
第13話 洗濯屋さん
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「魔法で洗濯します。一籠銅貨2枚ですよ~」
「ユマお兄ちゃんの洗濯屋さんだよ~」
「水を触らなくてもいいんだよ~」
朝になると早速ユマ君が動き出す。
双子と一緒に木の板に『洗濯籠一つ銅貨2枚』と書いて町を回るみたい。ユマ君は文字も書ける。実はいいところの子なのかも?
「あんたら詐欺をする気じゃないだろうね?」
「詐欺なんていたしません」
「そうだよ! ユマお兄ちゃんは生活魔法が使えるの」
「凄いでしょ! 私達の服も綺麗になったんだよ!」
一人のおばさんが声をかけてくる。ユマ君と双子の答えを聞いて、彼らの服を見つめると大きく頷いた。
「じゃあ、私が最初にやってもらおうかね~」
「ありがとうございます! すぐに終わります」
おばさんが洗濯籠を彼の前に置く。するとすぐにウォッシュの魔法を唱えて綺麗になっていく。
「はぁ~、これは凄いね~。新品みたいだよ」
「ほつれとかは直せないので」
「そんなのは私らの仕事さね。心配してくれてありがとね。助かったわ、これで買い物の時間がとれた」
おばさんが洗濯を広げて感嘆の声を上げる。ユマ君の親切な言葉におばさんは嬉しそうに微笑む。銅貨2枚を差し出すおばさん、それをユマ君は受け取ると感慨深く強く握った。
「……初めて稼いだお金」
ユマ君は涙を浮かべる。
「ユマお兄ちゃん?」
「泣いてるの?」
双子が心配そうに顔を覗く。ユマ君は涙を拭って首を横に振った。
「嬉しいんだ。魔法を使うと体も軽くなるし」
彼の答えを聞くと双子はニッコリと微笑む。
「……みんな! 見ただろ? 詐欺じゃなかった。みんなも頼みな!」
三人の様子を見ていたおばさんは涙を浮かべて声を上げる。兄弟愛に涙腺が刺激される。私もそう……涙なしには見れないよ。
次々と洗濯物を片付けていく。ユマ君。私達と同じくらい稼いでく。
奥様方はみんな洗濯物に困ってる。この町の規模だとビルが建つほど稼げるんじゃないかな?
「もう大丈夫だな」
「ラッド?」
「あれだけおばさん達に守られてれば誰も手をだせないだろ?」
ラッドと一緒にユマ君についてきた。それはユマ君の体を心配してというのもあったけど、本当は町の悪い人たちから守るためだった。
魔法を使えることを大々的に宣伝することにもなる。彼を利用しようとする人も現れる。それをされないかラッドと一緒に監視していたってわけ。
「行こうぜ。このままじゃユマに負ける」
「ふふ、そうだね。お兄ちゃん」
「お兄ちゃんって……。まあ、負けて居られないよな。俺も魔物を倒してレベル上げねえと」
ラッドはやる気を見せて腰に差したショートソードに触れる。
魔物を倒してレベルを上げる。それができないと1レベルのまま。ラッドも今は1レベル。焦る気持ちはわかる。
「「ジュディーさん。おはようございます」」
「あら、おはようございます。ファムちゃん、ラッド君」
早足で冒険者ギルドにやってくるとジュディーさんに挨拶をする。
彼女は優しく答えてくれる。
私達は早速依頼の貼ってある掲示板を覗く。
「ゴブリン……」
ラッドは緊張しながらゴブリンの依頼が書いてある羊皮紙を取る。
初めての討伐系の依頼。命の取り合い、緊張しないわけがない。
「(ジュディーさん魔石の換金をお願いします)」
「(換金?)」
緊張して依頼書を見つめているラッドを他所に、私はジュディーさんに小声で伝える。
魔石を22個出すと彼女は驚いてる。
「ラッド君に内緒で狩りにいったの? 夜?」
「はい」
「……夜は大人でも危ないのよ?」
ジュディーさんは色々と察して小声で話してくれる。心配してくれる彼女にニッコリと微笑むと大きなため息をつかれる。
「あの子達の為?」
「はい。見過ごせないので」
ジュディーさんの質問に素直に答える。彼女は『私はあなたも心配よ』と言ってくれる。とても優しい人。
でも、私は大丈夫、人生経験豊富だから。狼の胃の中で何日も過ごした人なんて私以外いないものね。
「ギャギャギャ!」
「なっ! この!」
ジュディーさんに銀貨2枚と銅貨20枚の入った革袋を受け取ると、早速ラッドと一緒に近くの森にやってきた。
ゴブリンを見つけると彼は震える体を奮い立たせて剣を振るう。
「あんまり剣の刃でこん棒を受け止めないほうがいいわよ。刃がつぶれちゃう」
「そ、そんなこと言ってもよ!」
包丁で毎日料理を作っていた経験が生きる。買ったばかりの包丁は切れ味が凄かったけど、まな板で刃がつぶれて行っちゃうんだよね。
毎日手入れをしないとダメ。砥石も買ってあげないとな~。
「ギャ!? ……」
「ハァハァ。倒せた?」
ゴブリンの胴体に剣を突き刺してラッドが息を切らせる。何とか倒せたみたい。
「レベルは上がらないのか~」
彼は球の汗をかいてがっかりと肩を落とす。返り血が凄い、私は彼にウォッシュの魔法をかけて綺麗にしてあげた。
「はぁ~、魔法ってすげえな~」
「ラッドも凄いよ」
感心するラッドを私は褒める。彼は血のつながらない兄弟の為に命をかけてる。とても尊敬できる子。地球でこの子以上に強い子は見たことがないわ。
「これで銅貨10枚か……。ウエッ! 解体はあまりしたくないな」
「なれるしかないわよ。私も嫌ではある」
ラッドがゴブリンの魔石を取りながら嗚咽する。
人型の魔物の解体。これほど気持ちの悪いことはないよね。
「よし! 次だ次! 続けて狩るぞ~」
魔石は小指程の石。ポケットに10個は詰められる。毎回換金に戻らなくても大丈夫。
ラッドは気合を入れて森深くまで入っていく。もちろん、私もついて行く。今日はラッドの護衛って感じね。
「ユマお兄ちゃんの洗濯屋さんだよ~」
「水を触らなくてもいいんだよ~」
朝になると早速ユマ君が動き出す。
双子と一緒に木の板に『洗濯籠一つ銅貨2枚』と書いて町を回るみたい。ユマ君は文字も書ける。実はいいところの子なのかも?
「あんたら詐欺をする気じゃないだろうね?」
「詐欺なんていたしません」
「そうだよ! ユマお兄ちゃんは生活魔法が使えるの」
「凄いでしょ! 私達の服も綺麗になったんだよ!」
一人のおばさんが声をかけてくる。ユマ君と双子の答えを聞いて、彼らの服を見つめると大きく頷いた。
「じゃあ、私が最初にやってもらおうかね~」
「ありがとうございます! すぐに終わります」
おばさんが洗濯籠を彼の前に置く。するとすぐにウォッシュの魔法を唱えて綺麗になっていく。
「はぁ~、これは凄いね~。新品みたいだよ」
「ほつれとかは直せないので」
「そんなのは私らの仕事さね。心配してくれてありがとね。助かったわ、これで買い物の時間がとれた」
おばさんが洗濯を広げて感嘆の声を上げる。ユマ君の親切な言葉におばさんは嬉しそうに微笑む。銅貨2枚を差し出すおばさん、それをユマ君は受け取ると感慨深く強く握った。
「……初めて稼いだお金」
ユマ君は涙を浮かべる。
「ユマお兄ちゃん?」
「泣いてるの?」
双子が心配そうに顔を覗く。ユマ君は涙を拭って首を横に振った。
「嬉しいんだ。魔法を使うと体も軽くなるし」
彼の答えを聞くと双子はニッコリと微笑む。
「……みんな! 見ただろ? 詐欺じゃなかった。みんなも頼みな!」
三人の様子を見ていたおばさんは涙を浮かべて声を上げる。兄弟愛に涙腺が刺激される。私もそう……涙なしには見れないよ。
次々と洗濯物を片付けていく。ユマ君。私達と同じくらい稼いでく。
奥様方はみんな洗濯物に困ってる。この町の規模だとビルが建つほど稼げるんじゃないかな?
「もう大丈夫だな」
「ラッド?」
「あれだけおばさん達に守られてれば誰も手をだせないだろ?」
ラッドと一緒にユマ君についてきた。それはユマ君の体を心配してというのもあったけど、本当は町の悪い人たちから守るためだった。
魔法を使えることを大々的に宣伝することにもなる。彼を利用しようとする人も現れる。それをされないかラッドと一緒に監視していたってわけ。
「行こうぜ。このままじゃユマに負ける」
「ふふ、そうだね。お兄ちゃん」
「お兄ちゃんって……。まあ、負けて居られないよな。俺も魔物を倒してレベル上げねえと」
ラッドはやる気を見せて腰に差したショートソードに触れる。
魔物を倒してレベルを上げる。それができないと1レベルのまま。ラッドも今は1レベル。焦る気持ちはわかる。
「「ジュディーさん。おはようございます」」
「あら、おはようございます。ファムちゃん、ラッド君」
早足で冒険者ギルドにやってくるとジュディーさんに挨拶をする。
彼女は優しく答えてくれる。
私達は早速依頼の貼ってある掲示板を覗く。
「ゴブリン……」
ラッドは緊張しながらゴブリンの依頼が書いてある羊皮紙を取る。
初めての討伐系の依頼。命の取り合い、緊張しないわけがない。
「(ジュディーさん魔石の換金をお願いします)」
「(換金?)」
緊張して依頼書を見つめているラッドを他所に、私はジュディーさんに小声で伝える。
魔石を22個出すと彼女は驚いてる。
「ラッド君に内緒で狩りにいったの? 夜?」
「はい」
「……夜は大人でも危ないのよ?」
ジュディーさんは色々と察して小声で話してくれる。心配してくれる彼女にニッコリと微笑むと大きなため息をつかれる。
「あの子達の為?」
「はい。見過ごせないので」
ジュディーさんの質問に素直に答える。彼女は『私はあなたも心配よ』と言ってくれる。とても優しい人。
でも、私は大丈夫、人生経験豊富だから。狼の胃の中で何日も過ごした人なんて私以外いないものね。
「ギャギャギャ!」
「なっ! この!」
ジュディーさんに銀貨2枚と銅貨20枚の入った革袋を受け取ると、早速ラッドと一緒に近くの森にやってきた。
ゴブリンを見つけると彼は震える体を奮い立たせて剣を振るう。
「あんまり剣の刃でこん棒を受け止めないほうがいいわよ。刃がつぶれちゃう」
「そ、そんなこと言ってもよ!」
包丁で毎日料理を作っていた経験が生きる。買ったばかりの包丁は切れ味が凄かったけど、まな板で刃がつぶれて行っちゃうんだよね。
毎日手入れをしないとダメ。砥石も買ってあげないとな~。
「ギャ!? ……」
「ハァハァ。倒せた?」
ゴブリンの胴体に剣を突き刺してラッドが息を切らせる。何とか倒せたみたい。
「レベルは上がらないのか~」
彼は球の汗をかいてがっかりと肩を落とす。返り血が凄い、私は彼にウォッシュの魔法をかけて綺麗にしてあげた。
「はぁ~、魔法ってすげえな~」
「ラッドも凄いよ」
感心するラッドを私は褒める。彼は血のつながらない兄弟の為に命をかけてる。とても尊敬できる子。地球でこの子以上に強い子は見たことがないわ。
「これで銅貨10枚か……。ウエッ! 解体はあまりしたくないな」
「なれるしかないわよ。私も嫌ではある」
ラッドがゴブリンの魔石を取りながら嗚咽する。
人型の魔物の解体。これほど気持ちの悪いことはないよね。
「よし! 次だ次! 続けて狩るぞ~」
魔石は小指程の石。ポケットに10個は詰められる。毎回換金に戻らなくても大丈夫。
ラッドは気合を入れて森深くまで入っていく。もちろん、私もついて行く。今日はラッドの護衛って感じね。
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