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第2章 国
第68話 傍で
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「どうだ! 俺強いだろ? 役に立つだろ?」
ケビンは誇らしげにそう言ってくる。どうにかして私達からの信頼を得たいみたい。でも、ガストンさんとのやり取りを見ていたから信頼できるはずない。
「それがどうしたんですか? ただ邪魔をしただけですよ」
私は冷たく突き放す。こういった輩は冷たくした方がいい。
「ははは、冷たくあしらわれちゃったな」
「私達はあなたのこと嫌い」
「嫌いか……」
ケビンが頭を掻きながら寂しそうにつぶやく。するとレイブンが更に追い打ちをかける。
彼はそれを聞いて申し訳なさそうに俯いた。
「俺には妹がいたんだ。『兄さんなんて嫌い』なんて言われた日に殺された。最後の会話がそれ……後悔しかないよ」
ケビンは天を仰いで後悔を口にする。それが兵士が関わっていることなのかな。でも、その八つ当たりをガストンさんにした。信頼できるはずがない。
「ついてこないでください。次に何かやったら怒ります」
私はそう言って森の奥へと進んでいく。彼は無言で私達を見送る。
「ついてきてないみたいだ」
「やっと伝わった?」
「かもな」
ラッドが背後を何度も振り向く。レイブンと一緒に確認してくれてる。やっとストーカーみたいなことをやめてくれたかな?
「いた! オーク!」
森を進んでいるとオークを見つけた。すぐに武器を構えて飛び出す。
「ブヒッ!?」
「1匹目」
大きめのオークを一瞬で仕留める。ダモクレスじゃなくて普通のロングソードでもステータスのおかげで簡単に倒せる。
「相変わらずファムが凄すぎる」
「ファム様カッコいい」
ラッドとレイブンが褒めてくれる。ケビンは現れてないね。
「今度は俺が!」
「私も!」
再度森を進んでいるとオークが2匹現れた。ラッドとレイブンが同時に飛び出して仕留めていく。二人もレベルが上がってるからオーク程度は簡単に仕留めて見せてくれる。
「なるほど。強いね」
二人がオークを仕留めるとケビンが現れた。話しながらラッドの仕留めたオークの切り口を調べてる彼。ラッドとレイブンに微笑みかけてくる。
「あんたに褒められてもな」
「ん、ファム様に褒められたい」
ラッドとレイブンが私を一瞥してくる。いつも褒めてるんだけど、足りないみたい。今度から毎回褒めてあげよう。私はy褒めて伸ばすタイプなので。
「ファムちゃん……。ほんと似てるよ。俺の妹に」
ケビンはそう言って私の頬に触れようとしてきた。私はその手を取ってにっこりと微笑む。そして、
「いで!? いでででで!? 凄い力!?」
「今度現れたら怒るって言いましたよね?」
私は彼の腕を捻る。抵抗しているけど、私よりは弱いみたい。って私より強い人はいないかもしれないんだよね。ダンジョンを制覇してるのは私だけだから。
私が誰に似ていようが関係ない。それで身を許すほど仲はよくないしね。
「はは、そこまで似てると嬉しくなる。フェアリーファームに入りたい理由。それはファムちゃんを守りたいからなんだ。守れなかった妹の代わり。君を守ることで少しでも自分を救おうと思ってね……。自分勝手すぎるよな」
ケビンの手を離すと彼は理由を話し出した。ほんとに自分勝手だね。
「ファム様はあなたなんかに守られなくても強い」
「ファムを守るのは俺だしな。兄として!」
「ラッドが守られてるくせに」
レイブンとラッドが容赦なく伝えてくれる。私はため息をついて仕留めたオークを掴む。ケビンがいるとインベントリが使えない。最初のころと一緒で引きずっていかないといけない。インベントリも彼を仲間にできない理由。
見知らぬ人を受け入れられるほど、普通の人じゃないからね。
「オークは俺が持つよ。【マジックバッグ】があるんだ!」
「「マジックバッグ?」」
ケビンがそう言って腰につけていたポーチを差し出してくる。ラッドと一緒に首を傾げる。レイブンは知ってるみたいね。
ポーチの淵にオークの死骸が触れると中に入っていく。凄い!?
「友達にもらったものなんだ。凄い珍しいからあんまり見せびらかすなよって言われてる。だけど、君たちには見せれる」
にっこりと微笑むケビン。あなたがいなければインベントリに入れられたんだけどね。
はぁ~、なんで私達に付きまとうのか分かったけど、どうやって諦めさせよう。なんだか面倒になってきたな~。
「なにを見せられてもあなたを仲間にはしません」
「それでいいよ。ファムちゃんの傍にいさせてくれるだけでいい」
私の声にそう答えるケビン。ストーカーは継続か。ラッセルの知らせを期待するしかないかな。
私に妹さんを重ねている。悪い人じゃないんだろうけど、ガストンさんとのやり取りを見ているから信じきれない。
私は普通じゃないから、探られたら敵になるかも。そうなったら家族が危ない。危険な道は避けて通る。家族の為に。ネネさんとトトさんの子供のためにも。
「絶対に仲間にしない」
マジックバッグにすべてのオークをしまってくれるケビンを見つめて呟く。ラッドとレイブンも頷いてくれる。
ケビンは誇らしげにそう言ってくる。どうにかして私達からの信頼を得たいみたい。でも、ガストンさんとのやり取りを見ていたから信頼できるはずない。
「それがどうしたんですか? ただ邪魔をしただけですよ」
私は冷たく突き放す。こういった輩は冷たくした方がいい。
「ははは、冷たくあしらわれちゃったな」
「私達はあなたのこと嫌い」
「嫌いか……」
ケビンが頭を掻きながら寂しそうにつぶやく。するとレイブンが更に追い打ちをかける。
彼はそれを聞いて申し訳なさそうに俯いた。
「俺には妹がいたんだ。『兄さんなんて嫌い』なんて言われた日に殺された。最後の会話がそれ……後悔しかないよ」
ケビンは天を仰いで後悔を口にする。それが兵士が関わっていることなのかな。でも、その八つ当たりをガストンさんにした。信頼できるはずがない。
「ついてこないでください。次に何かやったら怒ります」
私はそう言って森の奥へと進んでいく。彼は無言で私達を見送る。
「ついてきてないみたいだ」
「やっと伝わった?」
「かもな」
ラッドが背後を何度も振り向く。レイブンと一緒に確認してくれてる。やっとストーカーみたいなことをやめてくれたかな?
「いた! オーク!」
森を進んでいるとオークを見つけた。すぐに武器を構えて飛び出す。
「ブヒッ!?」
「1匹目」
大きめのオークを一瞬で仕留める。ダモクレスじゃなくて普通のロングソードでもステータスのおかげで簡単に倒せる。
「相変わらずファムが凄すぎる」
「ファム様カッコいい」
ラッドとレイブンが褒めてくれる。ケビンは現れてないね。
「今度は俺が!」
「私も!」
再度森を進んでいるとオークが2匹現れた。ラッドとレイブンが同時に飛び出して仕留めていく。二人もレベルが上がってるからオーク程度は簡単に仕留めて見せてくれる。
「なるほど。強いね」
二人がオークを仕留めるとケビンが現れた。話しながらラッドの仕留めたオークの切り口を調べてる彼。ラッドとレイブンに微笑みかけてくる。
「あんたに褒められてもな」
「ん、ファム様に褒められたい」
ラッドとレイブンが私を一瞥してくる。いつも褒めてるんだけど、足りないみたい。今度から毎回褒めてあげよう。私はy褒めて伸ばすタイプなので。
「ファムちゃん……。ほんと似てるよ。俺の妹に」
ケビンはそう言って私の頬に触れようとしてきた。私はその手を取ってにっこりと微笑む。そして、
「いで!? いでででで!? 凄い力!?」
「今度現れたら怒るって言いましたよね?」
私は彼の腕を捻る。抵抗しているけど、私よりは弱いみたい。って私より強い人はいないかもしれないんだよね。ダンジョンを制覇してるのは私だけだから。
私が誰に似ていようが関係ない。それで身を許すほど仲はよくないしね。
「はは、そこまで似てると嬉しくなる。フェアリーファームに入りたい理由。それはファムちゃんを守りたいからなんだ。守れなかった妹の代わり。君を守ることで少しでも自分を救おうと思ってね……。自分勝手すぎるよな」
ケビンの手を離すと彼は理由を話し出した。ほんとに自分勝手だね。
「ファム様はあなたなんかに守られなくても強い」
「ファムを守るのは俺だしな。兄として!」
「ラッドが守られてるくせに」
レイブンとラッドが容赦なく伝えてくれる。私はため息をついて仕留めたオークを掴む。ケビンがいるとインベントリが使えない。最初のころと一緒で引きずっていかないといけない。インベントリも彼を仲間にできない理由。
見知らぬ人を受け入れられるほど、普通の人じゃないからね。
「オークは俺が持つよ。【マジックバッグ】があるんだ!」
「「マジックバッグ?」」
ケビンがそう言って腰につけていたポーチを差し出してくる。ラッドと一緒に首を傾げる。レイブンは知ってるみたいね。
ポーチの淵にオークの死骸が触れると中に入っていく。凄い!?
「友達にもらったものなんだ。凄い珍しいからあんまり見せびらかすなよって言われてる。だけど、君たちには見せれる」
にっこりと微笑むケビン。あなたがいなければインベントリに入れられたんだけどね。
はぁ~、なんで私達に付きまとうのか分かったけど、どうやって諦めさせよう。なんだか面倒になってきたな~。
「なにを見せられてもあなたを仲間にはしません」
「それでいいよ。ファムちゃんの傍にいさせてくれるだけでいい」
私の声にそう答えるケビン。ストーカーは継続か。ラッセルの知らせを期待するしかないかな。
私に妹さんを重ねている。悪い人じゃないんだろうけど、ガストンさんとのやり取りを見ているから信じきれない。
私は普通じゃないから、探られたら敵になるかも。そうなったら家族が危ない。危険な道は避けて通る。家族の為に。ネネさんとトトさんの子供のためにも。
「絶対に仲間にしない」
マジックバッグにすべてのオークをしまってくれるケビンを見つめて呟く。ラッドとレイブンも頷いてくれる。
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