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第一章 ジーニアスベル
第17話 誕生 ジーニアスベル
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「よし! これで【ジーニアスベル】だ」
「バブ!」
みんなと村の名前を決めて次の日。
お母さんに抱き上げられて村の入口にやってきた。お父さんに結ばれてつけられる鉄の色をした無骨な手のひらサイズの鐘。木の柵の入口だから少し見栄えは悪いかな。
「早く発展させて城壁を作りたいところだな」
「ふふ、その前に皆さんの食べ物ね」
「おう! じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
鐘をつけ終わってお母さんに行ってきますのキスをするお父さん。村の外に出て街道を王都とは逆の方向に歩いていく。
「さっ。ジーニ。私達は畑ね」
「バブ!」
畑も最初からだから耕すところからだ。腐葉土は森から自分で持ってきて耕しながら混ぜ混ぜお母さんは首を傾げてみているけど、僕のやっていることに間違いがないと思っているみたいで真似してくれてる。
「エリアス様。これでいいのですか?」
「うん。たぶん大丈夫。うちの子って天才だから」
シリカちゃんや近所のおじさんなんかがお母さんに質問してる。親バカな答えだけど、あってるから大丈夫です。
「ジーニ様は本当に不思議な方ですね」
「ふふ、本当にね。偶に消えるしね」
「そうですね。あの時は本当に怖かった」
シリカちゃんとお母さんが笑いあって僕のことを話してる。ペナルティーを食らった時の話だな。二度とあんなことにならないようにしないとな。
あれ以来、Aランクの魔物の試練は避けるようにしてる。マジックバッグの報酬じゃなくて、別のものが報酬であがっているけどやめてる。
報酬がどんなに良くても達成できなければ無意味だからね。
「ただいま」
「お帰りなさいララちゃん」
森の方から歩いてくるララちゃん。今まで洞窟に入ってたのかな?
「ん、お土産。ジーニちゃんに」
「あら? 金?」
「ん。やっぱりいい鉱脈みたい」
ララちゃんが小指程の金を差し出してきた。お母さんが確認すると彼女は微笑んで僕へと手渡してくる。
「ジーニちゃんに似合う」
僕の指にあてがって呟くララちゃん。加工すれば指輪くらいにはなるのかな。
「……私も洞窟に行こうかな」
「シリカ?」
そうしているとシリカちゃんが声をもらす。ララちゃんが首を横に振って彼女の手を取った。
「洞窟は危険。シリカじゃ危ない」
「で、でも」
「……はい、シリカの分」
ララちゃんが忠告する、それでも行きたがるシリカちゃん。たまらずララちゃんが残りの金を手渡した。
「違うんですララさん。私もジーニ様……皆さんの役に立ちたくて」
「……知ってる。金を加工する方法を調べて作って、私が取ってきてあなたが加工する。どう?」
ええ!? シリカちゃんが鍛冶屋? そんなの危ないよ。綺麗なお手手が火傷で凄いことになっちゃう! ぼ、僕は反対だな。
「……分かりました! 頑張ります。大工さんなら何か知ってるかも!」
「……シリカ早い」
僕の考えなんか伝わるはずもなく。シリカちゃんが走り出す。ララちゃんも追いかけて行っちゃった。
「ふふ、逞しいわね。私も頑張らないと」
そんな二人を見てお母さんが畑を耕していく。僕もザックザックと鍬を振り回す。素手でもいいんだけど、やっぱり見た目がね。鍬でも凄い幼児虐待っぽいのに素手だと奴隷って感じだもんな。
「たのも~!」
「ん? 何かしら?」
畑を耕していると村の入口から声が聞こえてきた。入口に誰かいないのかな? そういえば、洞窟に騎士団の人達が取られちゃったから警備の人もいないのか。
「どなたですか?」
僕を抱き上げてお母さんが応対する。村の入口にいたのは黄色い全身鎧を着た人だった。声からすると男の人かな? かなり野太い。
「私はデシウスと申します。わけあって王都からこの方角へとやってきました」
デシウスさんって言うのか。それにしてもその全身鎧は重くないのかな? 旅には不向きじゃ? 目立つし。
「少しこちらで休憩させてもらえないでしょうか。銅貨しかないのですが」
「あ、大丈夫ですよ。よかったらうちに来てください。丁度昼食にしようと思っていた所です」
「食べ物を分けていただければ外でも結構です。少ししたら出ますので」
「そうですか?」
「はい。……大きなお世話かと思いますが初めて会うものを家にあげることは控えたほうがいいと思いますよ。ご婦人はお若くてきれいなのですから」
デシウスさんは分け隔てもないお母さんに忠告してくれた。お世辞まで言ってくれるものだから豪華な食事がデシウスさんに届くのだった。
「エリアスさん。もう食べられません」
「あらあら、じゃあ、デザートね。確か野イチゴが」
「ぐふっ。ヴァンパイアを倒すまではと思っていたが。無念」
「きゃ~、デシウスさん。大丈夫ですか!」
豪華な食事でおなか一杯になったデシウスさんが倒れてしまった。ハラハラしながら見ていたけど、彼がいい人すぎだ。前に出されたものは一切残さず食べてた。それに加えてお母さんのわんこそば無限お代わり状態。手でお椀を抑える前にすでにお椀には食べ物が入っている。お母さんのあのおかわりの速さは、僕しか見えない速度だった。肉が多めっていうのもあってお腹に来たんだろうな。
「バブ!」
「……」
「ジーニありがと」
オロオロしているだけのお母さんだったので僕が彼を担いで家のベッドに運ぶ。思っていたよりも軽いな。全身鎧なのに熊よりもかなり軽い。お母さんくらいの軽さかな。
「バブ!」
みんなと村の名前を決めて次の日。
お母さんに抱き上げられて村の入口にやってきた。お父さんに結ばれてつけられる鉄の色をした無骨な手のひらサイズの鐘。木の柵の入口だから少し見栄えは悪いかな。
「早く発展させて城壁を作りたいところだな」
「ふふ、その前に皆さんの食べ物ね」
「おう! じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
鐘をつけ終わってお母さんに行ってきますのキスをするお父さん。村の外に出て街道を王都とは逆の方向に歩いていく。
「さっ。ジーニ。私達は畑ね」
「バブ!」
畑も最初からだから耕すところからだ。腐葉土は森から自分で持ってきて耕しながら混ぜ混ぜお母さんは首を傾げてみているけど、僕のやっていることに間違いがないと思っているみたいで真似してくれてる。
「エリアス様。これでいいのですか?」
「うん。たぶん大丈夫。うちの子って天才だから」
シリカちゃんや近所のおじさんなんかがお母さんに質問してる。親バカな答えだけど、あってるから大丈夫です。
「ジーニ様は本当に不思議な方ですね」
「ふふ、本当にね。偶に消えるしね」
「そうですね。あの時は本当に怖かった」
シリカちゃんとお母さんが笑いあって僕のことを話してる。ペナルティーを食らった時の話だな。二度とあんなことにならないようにしないとな。
あれ以来、Aランクの魔物の試練は避けるようにしてる。マジックバッグの報酬じゃなくて、別のものが報酬であがっているけどやめてる。
報酬がどんなに良くても達成できなければ無意味だからね。
「ただいま」
「お帰りなさいララちゃん」
森の方から歩いてくるララちゃん。今まで洞窟に入ってたのかな?
「ん、お土産。ジーニちゃんに」
「あら? 金?」
「ん。やっぱりいい鉱脈みたい」
ララちゃんが小指程の金を差し出してきた。お母さんが確認すると彼女は微笑んで僕へと手渡してくる。
「ジーニちゃんに似合う」
僕の指にあてがって呟くララちゃん。加工すれば指輪くらいにはなるのかな。
「……私も洞窟に行こうかな」
「シリカ?」
そうしているとシリカちゃんが声をもらす。ララちゃんが首を横に振って彼女の手を取った。
「洞窟は危険。シリカじゃ危ない」
「で、でも」
「……はい、シリカの分」
ララちゃんが忠告する、それでも行きたがるシリカちゃん。たまらずララちゃんが残りの金を手渡した。
「違うんですララさん。私もジーニ様……皆さんの役に立ちたくて」
「……知ってる。金を加工する方法を調べて作って、私が取ってきてあなたが加工する。どう?」
ええ!? シリカちゃんが鍛冶屋? そんなの危ないよ。綺麗なお手手が火傷で凄いことになっちゃう! ぼ、僕は反対だな。
「……分かりました! 頑張ります。大工さんなら何か知ってるかも!」
「……シリカ早い」
僕の考えなんか伝わるはずもなく。シリカちゃんが走り出す。ララちゃんも追いかけて行っちゃった。
「ふふ、逞しいわね。私も頑張らないと」
そんな二人を見てお母さんが畑を耕していく。僕もザックザックと鍬を振り回す。素手でもいいんだけど、やっぱり見た目がね。鍬でも凄い幼児虐待っぽいのに素手だと奴隷って感じだもんな。
「たのも~!」
「ん? 何かしら?」
畑を耕していると村の入口から声が聞こえてきた。入口に誰かいないのかな? そういえば、洞窟に騎士団の人達が取られちゃったから警備の人もいないのか。
「どなたですか?」
僕を抱き上げてお母さんが応対する。村の入口にいたのは黄色い全身鎧を着た人だった。声からすると男の人かな? かなり野太い。
「私はデシウスと申します。わけあって王都からこの方角へとやってきました」
デシウスさんって言うのか。それにしてもその全身鎧は重くないのかな? 旅には不向きじゃ? 目立つし。
「少しこちらで休憩させてもらえないでしょうか。銅貨しかないのですが」
「あ、大丈夫ですよ。よかったらうちに来てください。丁度昼食にしようと思っていた所です」
「食べ物を分けていただければ外でも結構です。少ししたら出ますので」
「そうですか?」
「はい。……大きなお世話かと思いますが初めて会うものを家にあげることは控えたほうがいいと思いますよ。ご婦人はお若くてきれいなのですから」
デシウスさんは分け隔てもないお母さんに忠告してくれた。お世辞まで言ってくれるものだから豪華な食事がデシウスさんに届くのだった。
「エリアスさん。もう食べられません」
「あらあら、じゃあ、デザートね。確か野イチゴが」
「ぐふっ。ヴァンパイアを倒すまではと思っていたが。無念」
「きゃ~、デシウスさん。大丈夫ですか!」
豪華な食事でおなか一杯になったデシウスさんが倒れてしまった。ハラハラしながら見ていたけど、彼がいい人すぎだ。前に出されたものは一切残さず食べてた。それに加えてお母さんのわんこそば無限お代わり状態。手でお椀を抑える前にすでにお椀には食べ物が入っている。お母さんのあのおかわりの速さは、僕しか見えない速度だった。肉が多めっていうのもあってお腹に来たんだろうな。
「バブ!」
「……」
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