赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
39 / 49
第二章 フェイク

第39話 昔々

しおりを挟む


 ブランド様とトルトさんを見送って僕らは平和に過ごしている。朝起きて畑を耕してシリカちゃん達の仕事を見たり、グッツさんとグレースさんのイチャイチャを見たり。最高であり、平凡である毎日。

 そんな毎日の夜。
 僕は洞窟に行って魔物退治をしたり、リュウさんとヴァンパイア兄弟とゴーレム君を連れて遠出したりして試練を達成してた。魔法書が優秀とわかっていくつか貯めておいてるんだよね~。
 なので試練を達成したからステータスが上がってきた。


 ジーニアス 0歳

 LV62

【体力】520
【魔力】450


【筋力】920

【生命力】350

【命中性】360

【敏捷性】1000

【知力】730

【精神力】530

スキル

【試練受注1】【試練受注2】【試練変更】【試練製作】【詠唱省略】


 レベルはほぼほぼ据え置きなのにステータスだけが上がっていく。秘薬のおかげで僕は体が赤くなったかのように早くなってしまってる。僕を目で追うことは出来ないだろうな。
 
「洞窟はダンジョンだ」

 いつも通りの朝。お父さんが報告してくれる。僕はすでに知っていたけど、正式に洞窟がダンジョンとしてみんなに認知された。
 鉱脈が元に戻って再度取れるようになったらしい。ダンジョンは無限資源だから、国にとってみたら最高だよな~。

「どうするの? ブランド様は知ってるの?」

「いや、確認は取ってなかったから知らないだろう。まだ町としての機能には程遠いからな。宣伝するまでに冒険者ギルドを誘致しないとな」

 お母さんの問いにお父さんが答える。ダンジョンが出来たとなると冒険者が集まってくる。ララちゃん達のような優しい人ばかりではない冒険者。ちゃんとギルドに管理してもらわないとね。

「商人ギルドも誘致しないといけない。冒険者達が魔石を卸す相手が行商人だけとなると売れない状況になる可能性がある。過多ってやつだな」

「バブ~」

 お父さんの説明になるほどと声をあげる。声に反応してお父さんは僕の頭を撫でてくれる。

「ジーニアスも大きくなったら冒険者になるか?」

「バブ!」

「ははは、そうだよな。俺の子だもんな。なるに決まってるな」

 お父さんの問いに元気よく答えると嬉しそうに抱きしめてくれる。お父さんは僕に冒険者になって欲しいのか。

「ジーニは魔法使いの素質があるから後衛かしら?」

「ジーニアスの場合はどちらも行けるからな。一人で戦うことになりそうだな」

「ふふ、確かにそうね」

 お母さんとお父さんが笑いながら僕の未来の話をしてる。ステータス的には一人でも大丈夫かもな~。今も夜の行動はリュウさん達と行動してるけど、戦いは基本一人で戦ってるしね。

「さて、そろそろダンクさんのところに行くかな」

「住居の建設?」

「ああ、宿屋はリュウさんが作ってくれたからいいんだけど、住居はあるにこしたことはないからな。多めに作る予定なんだ」

 お父さんは椅子から立ち上がると外へと出ていく。いっぱい人が来ることになるから家は必要になるんだろうな。
 お父さんが外に行くと、お母さんは僕を抱いて畑へと歩き出す。畑を耕して種は撒き終わった。水を撒いて芽吹くのを待つばかり。因みに小麦を作ってる。魔物の群れに壊される前には風車の製粉機があったんだけど、壊されちゃったから芽吹く前に作る予定。どちらにせよ時間がかかるな~。

 水をまき終わるとリュウさんの宿屋で一休み。お客さんはまだまだ少ないから休憩にピッタリだ。 

「いらっしゃいエリアス。ジーニアス」

「バブ!」

「お邪魔してます」

 宿屋の中には軽く食事のできる食堂がある。席に着くと水の入った木のコップをリュウさんが出してくれて、お母さんがコップを口に運ぶ。

「そろそろフェイクの話をしようか。奴が変わった理由」

「バブ?」

 リュウさんはそういって向かいの席に座る。僕の頬をツンツンすると話しだした。

「トゥルースと言われる不死者がいた。やつはフェイクと仲が良くていつもつるんでいた。人々を育てることをし始めたのは彼女の案ではないかとも言われていた」

 彼女ってことは女性だったのか。トゥルースさんは良い人っぽいな。

「あの日も彼女とフェイクは仲良くドワーフのレベル上げをしていた。いつも通り、フェイクが倒されてレベルが上がっていく。でも、その日は様子がおかしかった」

「……それって」

「うむ、フェイクの再生が遅れていた」

 リュウさんの話にお父さんが声をもらす。彼女の答えを聞くと僕らは顔を見合う。

「不死者も倒せる?」

「うむ。やつのせいで不死者は不死ではないということが分かってしまったというわけじゃ」

 お父さんの問いにリュウさんは答えてくれる。不死者じゃなくて多くの命を持っている人だったってことか。

「その日のドワーフ達からそのことが多くの者達に知られることとなった。トゥルースは責任を感じてフェイクの代わりにレベル上げをするようになり、やつと同じ状態になった」

「まさか……」

「そのまさかじゃよ。その日は人、獣人、エルフ、ドワーフが集まっていた。あのフェイクがおかしかった日から毎日人は増えていったんじゃ。元々狙われていたというわけじゃな」

 リュウさんは淡々と話していく。お母さんの戸惑いの声、思っていた通り悲しい答えが返ってきた。

「フェイクはトゥルースに好意を持っていたのだろう。それなのにあんなことになった。それからやつはしばらく大人しくなっていたな。その後に魔物を従えるようになったんだろう」

 なるほどね。人が嫌いになってしまったってことか。でも、この世界のご先祖様は碌でもない人達だったっぽいな~。
 そういえば、ジュスペンスの先代の王様は貴族至上主義だったみたいだしな。

「……目的は人への復讐?」

「それは儂も分からないがその可能性が高いじゃろう」

 お父さんの疑問にリュウさんが答えて首を横に振った。魔物を強くする理由はそれしかなさそうだけどな。

「それにしては悠長にしている。もしかすると……」

「もしかすると?」

「まあ、今日のところはこのくらいでいいだろう。可能性の話じゃ」

「バブ?」

 リュウさんが首を傾げて声をもらしたけど、お父さんの声には答えてくれなかった。思わず僕も声をあげちゃった。
 それからリュウさんは僕らを外に案内した。何か思うところがあるけど、まだ話してくれないみたい。

「どうしたのかな?」

「何か思うところがありそうだったな」

 お母さんの疑問にお父さんが答える。確かにそんな感じがしたな~。リュウさんはフェイクの目的が分かったみたいだった。

「私達には言えないことかしら?」

「……信用はしてないってことかもな」

「バブ……」

 二人は悲しそうに俯いて話す。僕も思わず下を向いちゃった。ご先祖様達がお馬鹿さんだったせいだな~。ハァ~嫌になっちゃうよ。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

処理中です...