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第二章 フェイク
第40話 オーク
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リュウさんから過去の話を聞いて二日ほどが経った。いつも通りの日常を過ごしていると、一匹のオークが町に現れた。
「オークだ! オークが現れたぞ~」
町の入口、4メートル程の城壁の上から声を上がる。お父さんと共に城壁上に向かう。
「グッツ! オークはどこに?」
「ジーク。あれだよあれ!」
急いでやってくるとグッツさんが迎えてくれてオークを指さす。そのオークは今まで見てきた魔物らしいものと違って理性のある魔物だった。
馬から降りて跪いているオーク、グッツさんはそれを指さしながら首を横に振っている。
「あれはどういうことだ?」
「さあな。でも、あれじゃこっちからは攻撃しずらいよな」
やれやれといった様子のグッツさんがお父さんの疑問に答えた。確かにあれに攻撃したらどっちが魔物かわからないな。
「人間、話がしたい。ここにジーニアスという御仁はいるか?」
「バブ?」
「ん? どういうことだ?」
オークが僕の名を口にした。僕とお父さんは首を傾げて声をもらす。
「ジーニアス? 何かしたのか?」
「バブ? バブバブ!」
お父さんに聞かれて大きく首を振って答える。オークを倒したことはあるけど、別に話したことはないし……なんだろう?
「フェイクの口からその名が語られた。いないのか?」
オークの声にみんな驚いて顔を見合う。フェイクの名前まで上がって流石にみんなも驚きが隠せない。
「我らオークはやつの下で育てられた。今回、我らのジェネラルがキングになるための餌としてドワーフ達を討伐することとなったがいつもの様子と違うフェイクに疑問を持ったジェネラルが私をここにこさせた」
僕らが静かにオークを見下ろしているとオークが事細かに説明してくれる。僕が一向に出てこないから説明してくれたみたいだ。
「これだけ言っても出さないのか。人間は礼儀がなっていない」
「待て!」
オークが声をもらして帰ろうと馬に乗ろうとした時、お父さんが僕を抱き上げて城壁から飛び降りる。
「お前がジーニアスか?」
「いや違う。俺はジーク。ジーニアスはこの子だ」
「なに!? その赤子が?」
「アイ!」
オークにお父さんが答えるとオークが驚いて僕を見つめてくる。元気よく返事をするとニカっと牙を見せてきた。
「面白い冗談だな。この赤子があのフェイクのお気に入りとはな。特別なスキルを持っているということか?」
「ん? 信じるのか?」
赤ん坊が目的の人物と知ってもオークは普通に笑顔で話してくれる。お父さんは驚いてる。
「驚くことでもない。我らがジェネラルも赤子のころにフェイクに見初められた」
「そ、そうか……」
オークは感慨深く声をもらす。フェイクは色んな魔物と知り合いなのかな? ゴブリンの次はオークか。
「オークを町の中に入れるのは嫌だろう。本題に入ろう。フェイクは何を企んでいる?」
オークは地面に座ると話し始めた。僕とお父さんは顔を見合って一緒に座る。
「ドワーフが何とかと言っていた話しか? 俺達は何も知らないんだが?」
「なに!? それも知らないだと? おかしいな。やつは確かに『ジーニアス様が強くなれる』と言っていたんだが……」
「バブ?」
お父さんの疑問に答えたオークさん。それを聞いて思わず声がもれる。僕を強くする? どういうことだ?
「やつは確かにジーニアスの強さに歓喜していたな。だが、本当に何も知らない。そうだろ? ジーニアス?」
「アイ!」
フェイクと仲がいいわけでもないしな。リュウさんの言っていた話から鑑みると強くすることで何かがあるってことなんだろうけど、それが何かはわからない。
「そうか、ジェネラルには分からなかったと知らせるほかないか。邪魔したな」
「待て……」
オークさんはそういって立ち上がる。だけど、このままいかせるわけには行かない。
オークさんはドワーフを餌にすると言っていた。ってことは闘いがあるってことだ。ゴブリンがジュスペンスを襲ったようなことがあるってことだ。
黙って行かせるわけには行かない。
「知性的なあんたを討ちたくはない」
「……それは恥辱」
「!?」
ガン! オークさんはお父さんの声に答えると両の手で打ち付けてきた。お父さんは剣でそれをガードするが片膝をつく。
「お前、ジェネラルと同じくらい強い。フェイクのお気に入り?」
「いいや、残念なことにな!」
オークさんに答えて切り上げるお父さん。あの巨体を弾き飛ばすと切りかかる。
「見事な手甲だな。ミスリル製か?」
「ジェネラルからの贈り物。お前見る目ある」
切り結びながら笑顔を会話をしあう二人。
なんかいいな。僕も武器をブンブン振り回したいよ。だいたいハイハイからの跳躍で仕留めてしまうから作業感が強いんだよな。
「うははは。ジェネラル以来だな。こんなに楽しいのは」
「そうかい? 俺は強い奴には会いたくないよ」
「ん? 人間つまらない。戦いは楽しい、自分を感じられる」
楽しそうに会話を交わす二人。二人で奏でる戦闘の音、とても軽快な音だけど、すぐに終わりが来てしまう。まあ、終わらせたのは僕なんだけどね。
「バブ!」
「ぐは!?」
「ジーニアス!」
お父さんは少し手加減していたけど、傷つくのは見ていられない。オークさんもいい子みたいだから倒したくない、戦いが止まる程度に抑えておく。
「強い!? ジェネラルも倒されるかも」
「アイアイ!」
オークさんは僕を褒めてくれる。でも、手加減しているとは言え、お父さんといい戦いをするんだから君も中々だぞ。
「契約するのか?」
「!? 我はジェネラルのもの。契約などせんぞ!」
お父さんの言葉にオークさんは憤りを露わにする。まあ、無理に契約することもない。縛り上げればいいだけだからね。
「それはダメじゃ。すぐに契約させよ」
「バブ?」
リュウさんがやってきて声をあげる。
「強制的にも契約することは出来る。名前を決めてやれ」
「バブ?」
双子と契約するときは跪いて二人が光ったら契約できた。オークさんは名前もない子だから、決めれば行けるのか。
「強さを認め、名前を強制できている今なら出来る」
敗北を認めたら強制できるって感じかな? って言うことは僕じゃないとダメってことか。
「我は契約など! そんなことをするなら死んで」
「バブバブ」
否定するオークさん。死なせる前にやっちゃうか。
「【ブーバ】!」
「や、やめてくれ!」
赤ん坊言葉しか言えないのでこれしかないと思った。オークさんの名前はブーバさんに決定。嫌そうな顔をしているブーバには悪いけど、これも平和のためだ。
「オークだ! オークが現れたぞ~」
町の入口、4メートル程の城壁の上から声を上がる。お父さんと共に城壁上に向かう。
「グッツ! オークはどこに?」
「ジーク。あれだよあれ!」
急いでやってくるとグッツさんが迎えてくれてオークを指さす。そのオークは今まで見てきた魔物らしいものと違って理性のある魔物だった。
馬から降りて跪いているオーク、グッツさんはそれを指さしながら首を横に振っている。
「あれはどういうことだ?」
「さあな。でも、あれじゃこっちからは攻撃しずらいよな」
やれやれといった様子のグッツさんがお父さんの疑問に答えた。確かにあれに攻撃したらどっちが魔物かわからないな。
「人間、話がしたい。ここにジーニアスという御仁はいるか?」
「バブ?」
「ん? どういうことだ?」
オークが僕の名を口にした。僕とお父さんは首を傾げて声をもらす。
「ジーニアス? 何かしたのか?」
「バブ? バブバブ!」
お父さんに聞かれて大きく首を振って答える。オークを倒したことはあるけど、別に話したことはないし……なんだろう?
「フェイクの口からその名が語られた。いないのか?」
オークの声にみんな驚いて顔を見合う。フェイクの名前まで上がって流石にみんなも驚きが隠せない。
「我らオークはやつの下で育てられた。今回、我らのジェネラルがキングになるための餌としてドワーフ達を討伐することとなったがいつもの様子と違うフェイクに疑問を持ったジェネラルが私をここにこさせた」
僕らが静かにオークを見下ろしているとオークが事細かに説明してくれる。僕が一向に出てこないから説明してくれたみたいだ。
「これだけ言っても出さないのか。人間は礼儀がなっていない」
「待て!」
オークが声をもらして帰ろうと馬に乗ろうとした時、お父さんが僕を抱き上げて城壁から飛び降りる。
「お前がジーニアスか?」
「いや違う。俺はジーク。ジーニアスはこの子だ」
「なに!? その赤子が?」
「アイ!」
オークにお父さんが答えるとオークが驚いて僕を見つめてくる。元気よく返事をするとニカっと牙を見せてきた。
「面白い冗談だな。この赤子があのフェイクのお気に入りとはな。特別なスキルを持っているということか?」
「ん? 信じるのか?」
赤ん坊が目的の人物と知ってもオークは普通に笑顔で話してくれる。お父さんは驚いてる。
「驚くことでもない。我らがジェネラルも赤子のころにフェイクに見初められた」
「そ、そうか……」
オークは感慨深く声をもらす。フェイクは色んな魔物と知り合いなのかな? ゴブリンの次はオークか。
「オークを町の中に入れるのは嫌だろう。本題に入ろう。フェイクは何を企んでいる?」
オークは地面に座ると話し始めた。僕とお父さんは顔を見合って一緒に座る。
「ドワーフが何とかと言っていた話しか? 俺達は何も知らないんだが?」
「なに!? それも知らないだと? おかしいな。やつは確かに『ジーニアス様が強くなれる』と言っていたんだが……」
「バブ?」
お父さんの疑問に答えたオークさん。それを聞いて思わず声がもれる。僕を強くする? どういうことだ?
「やつは確かにジーニアスの強さに歓喜していたな。だが、本当に何も知らない。そうだろ? ジーニアス?」
「アイ!」
フェイクと仲がいいわけでもないしな。リュウさんの言っていた話から鑑みると強くすることで何かがあるってことなんだろうけど、それが何かはわからない。
「そうか、ジェネラルには分からなかったと知らせるほかないか。邪魔したな」
「待て……」
オークさんはそういって立ち上がる。だけど、このままいかせるわけには行かない。
オークさんはドワーフを餌にすると言っていた。ってことは闘いがあるってことだ。ゴブリンがジュスペンスを襲ったようなことがあるってことだ。
黙って行かせるわけには行かない。
「知性的なあんたを討ちたくはない」
「……それは恥辱」
「!?」
ガン! オークさんはお父さんの声に答えると両の手で打ち付けてきた。お父さんは剣でそれをガードするが片膝をつく。
「お前、ジェネラルと同じくらい強い。フェイクのお気に入り?」
「いいや、残念なことにな!」
オークさんに答えて切り上げるお父さん。あの巨体を弾き飛ばすと切りかかる。
「見事な手甲だな。ミスリル製か?」
「ジェネラルからの贈り物。お前見る目ある」
切り結びながら笑顔を会話をしあう二人。
なんかいいな。僕も武器をブンブン振り回したいよ。だいたいハイハイからの跳躍で仕留めてしまうから作業感が強いんだよな。
「うははは。ジェネラル以来だな。こんなに楽しいのは」
「そうかい? 俺は強い奴には会いたくないよ」
「ん? 人間つまらない。戦いは楽しい、自分を感じられる」
楽しそうに会話を交わす二人。二人で奏でる戦闘の音、とても軽快な音だけど、すぐに終わりが来てしまう。まあ、終わらせたのは僕なんだけどね。
「バブ!」
「ぐは!?」
「ジーニアス!」
お父さんは少し手加減していたけど、傷つくのは見ていられない。オークさんもいい子みたいだから倒したくない、戦いが止まる程度に抑えておく。
「強い!? ジェネラルも倒されるかも」
「アイアイ!」
オークさんは僕を褒めてくれる。でも、手加減しているとは言え、お父さんといい戦いをするんだから君も中々だぞ。
「契約するのか?」
「!? 我はジェネラルのもの。契約などせんぞ!」
お父さんの言葉にオークさんは憤りを露わにする。まあ、無理に契約することもない。縛り上げればいいだけだからね。
「それはダメじゃ。すぐに契約させよ」
「バブ?」
リュウさんがやってきて声をあげる。
「強制的にも契約することは出来る。名前を決めてやれ」
「バブ?」
双子と契約するときは跪いて二人が光ったら契約できた。オークさんは名前もない子だから、決めれば行けるのか。
「強さを認め、名前を強制できている今なら出来る」
敗北を認めたら強制できるって感じかな? って言うことは僕じゃないとダメってことか。
「我は契約など! そんなことをするなら死んで」
「バブバブ」
否定するオークさん。死なせる前にやっちゃうか。
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