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第二章 海へ
第十一話 アカメ2
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「ぐっ!」
「キシャ~」
ワッツを見送って、俺達はアカメと対峙した。アカメは俺へと飛びついてきてオラストロ騎士のフルプレートにギリギリと前足の尖ったところが火花を散らせた。
フルプレートってこういう時役に立つよな。人間同士だと関節辺りに攻撃されると困るが獣相手ならその心配もないしな。
「サン、牙に気をつけろ。毒があるぞ」
「ガウ」
アカメの顔がドアップで映し出されている中、俺は観察していく。こういった状況でも冷静でいられるのはオラストロ騎士の鎧のおかげかもしれないな。
毒持ちの魔物との戦闘はとにかく毒になるのを防がないと勝てない。こうやって力の押し合いをしてみてわかることだがステータスはほぼ同格といった感じのようだ。という事はルキア達には不利であることが伺える。やはり盾は俺で攻撃は全員に任せる。
「キュルルルルル!キャオ~ン!」
トラが大きく魔力をためて電撃をアカメの横っ腹に放った。蜘蛛特有の多眼の一つがそれを捉えて雷撃の射線に黒い球を召喚して防いでいる。
「何だあれは!強いのはワッツの話で分かってたけど、あんな魔法反則じゃねえか」
サンと同じようにあの多くの目から魔法を放つことが可能だと考えるとこれはやばいぞ。
「キシャ~~!」
「ぐっ!圧をあげてきたな。今までは様子見だったか」
やばい、ここままじゃ、そのまま押しつぶされるぞ。
「ガウ!」
「キシャ~」
片膝をついている俺を助けるようにサンが俺のすぐ横でアカメを押し返す。サンはアカメを押し返しながら火球を当てているがアカメはそれをトラの雷撃の時と同じように黒い球で受けている、この距離で受けれるのか。あの魔法は受けのみでしか使えないのかもしれないな、唯一それだけは救いだ。
アカメはルキアの火球やトラの雷撃をものともしないで俺とサンを押してきている。そのまま押しつぶそうというのだろう。圧倒的な力の差をみせつけたいのかもしれない。
「このままじゃやられる」
このままじゃジリ貧で必ず俺達はやられる。打開策を考えなくてはいけない。
「あっ!そうだ。サン、少しだけ頑張ってくれ」
「ガウ!」
俺はアカメから片手を離して着ぐるみを取り出す。そう!ルキアの着ぐるみが増えているはずなのだ。アカメの着ぐるみが!
「ルキア!これを着てくれ」
「あい!」
思った通り、アカメの着ぐるみが新しく入っていた。俺はそれを召喚してルキアに投げる。ルキアがそれに着替えるとフードの目がアカメを睨みつけた。
「ルキア!何かできそうか?」
「うん!」
ルキアは元気に返事をして、アカメへと手をかざした。
「[ブラックウェーブ]」
ルキアの手から黒い波がアカメへと放たれた。アカメはそれを黒い球で防ごうとするがそれは叶わなかった。同じ闇だか黒魔法だから干渉できないのかもしれないな。
黒波はアカメの多眼をいくつかつぶし、後ろ脚を溶かすと消えていった。
「やった~」
「ルキア偉いぞ!」
ぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶルキア。俺が褒めると更に嬉しそうにしている。
「キシャ~!」
喜んでいる姿に怒ったのかアカメがルキアへと黒い矢のような物を飛ばした。
「ルキア!」
矢はまっすぐとルキアに向かっていた。しかし、その矢は黒い球に吸い込まれていった。
「大丈夫か?」
「うん」
どうやら、ルキアのフードの目が自動で追撃したようだ。しかし、同じ属性魔法では干渉できないのではないのか? 俺の着ぐるみが特殊なのかもしれないな。
まあ、服活用術の最上位の強さというのがあるから着ぐるみもそれに当てはまる可能性もあるからな、その分強いのかもしれない。何を言っても憶測で終わるけどな。
「トラ! 眼の潰れた方から雷撃を当ててくれ。そうすればダメージは負わせられる!」
「キャルルル!」
トラに指示を飛ばすと雷撃を溜めながら回り込んだ。ルキアと同じ方向から同時に魔法を放っていく。アカメが後ろに逃げようとしているのだが俺とサンがそれをさせない。このまま一気に決めるぞ!
「ギアァ~!」
ルキアとトラの魔法の着弾と同時にアカメはけたたましく叫んだ。断末魔のようなそれが洞窟に響いていく。
「終わりか!」
アカメの力が弱々しくなって俺は勝利を意識した。
「サン、掴んでいてくれ。顔を切り落とせば終わりなはずだ」
弱々しくなったアカメに引導を渡す。俺は腰についている剣を構えてアカメの顔を切り落とした。
「これで終わっただろう」
何とか強敵を退けることができて呟いた。しかし、それはフラグでしかなかった。
「なんだ?」
力のなくなったアカメの体がもぞもぞと動き出した。まるで別の生き物が中に入っているようなそんな感じだ。
「みんな逃げるぞ」
戸惑いながらもルキア達にそう言うと俺達は上への通路に上っていく。アカメのもぞもぞという音が聞こえてきてなんともゾワゾワする。
「グルルルアァァァ~~!」
通路についてすぐにでも去ろうと思っていたのだがそれは叶わなかった。
通路への穴に人間の顔と、胴体が蜘蛛のアラクネだろうと思われる魔物が赤い目で俺達を見据えていた。アカメの死体の方から声が聞こえていたはずだった、たぶんこいつがアカメのモゾモゾとしていた物体の正体なのだろう。俺達への恨みの視線がそう言ってきた。
アカメとの二回戦が始まる。
「キシャ~」
ワッツを見送って、俺達はアカメと対峙した。アカメは俺へと飛びついてきてオラストロ騎士のフルプレートにギリギリと前足の尖ったところが火花を散らせた。
フルプレートってこういう時役に立つよな。人間同士だと関節辺りに攻撃されると困るが獣相手ならその心配もないしな。
「サン、牙に気をつけろ。毒があるぞ」
「ガウ」
アカメの顔がドアップで映し出されている中、俺は観察していく。こういった状況でも冷静でいられるのはオラストロ騎士の鎧のおかげかもしれないな。
毒持ちの魔物との戦闘はとにかく毒になるのを防がないと勝てない。こうやって力の押し合いをしてみてわかることだがステータスはほぼ同格といった感じのようだ。という事はルキア達には不利であることが伺える。やはり盾は俺で攻撃は全員に任せる。
「キュルルルルル!キャオ~ン!」
トラが大きく魔力をためて電撃をアカメの横っ腹に放った。蜘蛛特有の多眼の一つがそれを捉えて雷撃の射線に黒い球を召喚して防いでいる。
「何だあれは!強いのはワッツの話で分かってたけど、あんな魔法反則じゃねえか」
サンと同じようにあの多くの目から魔法を放つことが可能だと考えるとこれはやばいぞ。
「キシャ~~!」
「ぐっ!圧をあげてきたな。今までは様子見だったか」
やばい、ここままじゃ、そのまま押しつぶされるぞ。
「ガウ!」
「キシャ~」
片膝をついている俺を助けるようにサンが俺のすぐ横でアカメを押し返す。サンはアカメを押し返しながら火球を当てているがアカメはそれをトラの雷撃の時と同じように黒い球で受けている、この距離で受けれるのか。あの魔法は受けのみでしか使えないのかもしれないな、唯一それだけは救いだ。
アカメはルキアの火球やトラの雷撃をものともしないで俺とサンを押してきている。そのまま押しつぶそうというのだろう。圧倒的な力の差をみせつけたいのかもしれない。
「このままじゃやられる」
このままじゃジリ貧で必ず俺達はやられる。打開策を考えなくてはいけない。
「あっ!そうだ。サン、少しだけ頑張ってくれ」
「ガウ!」
俺はアカメから片手を離して着ぐるみを取り出す。そう!ルキアの着ぐるみが増えているはずなのだ。アカメの着ぐるみが!
「ルキア!これを着てくれ」
「あい!」
思った通り、アカメの着ぐるみが新しく入っていた。俺はそれを召喚してルキアに投げる。ルキアがそれに着替えるとフードの目がアカメを睨みつけた。
「ルキア!何かできそうか?」
「うん!」
ルキアは元気に返事をして、アカメへと手をかざした。
「[ブラックウェーブ]」
ルキアの手から黒い波がアカメへと放たれた。アカメはそれを黒い球で防ごうとするがそれは叶わなかった。同じ闇だか黒魔法だから干渉できないのかもしれないな。
黒波はアカメの多眼をいくつかつぶし、後ろ脚を溶かすと消えていった。
「やった~」
「ルキア偉いぞ!」
ぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶルキア。俺が褒めると更に嬉しそうにしている。
「キシャ~!」
喜んでいる姿に怒ったのかアカメがルキアへと黒い矢のような物を飛ばした。
「ルキア!」
矢はまっすぐとルキアに向かっていた。しかし、その矢は黒い球に吸い込まれていった。
「大丈夫か?」
「うん」
どうやら、ルキアのフードの目が自動で追撃したようだ。しかし、同じ属性魔法では干渉できないのではないのか? 俺の着ぐるみが特殊なのかもしれないな。
まあ、服活用術の最上位の強さというのがあるから着ぐるみもそれに当てはまる可能性もあるからな、その分強いのかもしれない。何を言っても憶測で終わるけどな。
「トラ! 眼の潰れた方から雷撃を当ててくれ。そうすればダメージは負わせられる!」
「キャルルル!」
トラに指示を飛ばすと雷撃を溜めながら回り込んだ。ルキアと同じ方向から同時に魔法を放っていく。アカメが後ろに逃げようとしているのだが俺とサンがそれをさせない。このまま一気に決めるぞ!
「ギアァ~!」
ルキアとトラの魔法の着弾と同時にアカメはけたたましく叫んだ。断末魔のようなそれが洞窟に響いていく。
「終わりか!」
アカメの力が弱々しくなって俺は勝利を意識した。
「サン、掴んでいてくれ。顔を切り落とせば終わりなはずだ」
弱々しくなったアカメに引導を渡す。俺は腰についている剣を構えてアカメの顔を切り落とした。
「これで終わっただろう」
何とか強敵を退けることができて呟いた。しかし、それはフラグでしかなかった。
「なんだ?」
力のなくなったアカメの体がもぞもぞと動き出した。まるで別の生き物が中に入っているようなそんな感じだ。
「みんな逃げるぞ」
戸惑いながらもルキア達にそう言うと俺達は上への通路に上っていく。アカメのもぞもぞという音が聞こえてきてなんともゾワゾワする。
「グルルルアァァァ~~!」
通路についてすぐにでも去ろうと思っていたのだがそれは叶わなかった。
通路への穴に人間の顔と、胴体が蜘蛛のアラクネだろうと思われる魔物が赤い目で俺達を見据えていた。アカメの死体の方から声が聞こえていたはずだった、たぶんこいつがアカメのモゾモゾとしていた物体の正体なのだろう。俺達への恨みの視線がそう言ってきた。
アカメとの二回戦が始まる。
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