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第二章 海へ
第十話 アカメ1
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仕留めたシルバーとミスリルのスパイダーを全部解体して中くらいの蜘蛛はアイテムバッグにしまった。解体屋の服に着替えるとどの部位が食えるのか判別できるのだが、主に胴体の部分が食える部分のようだ。ケツの部分は大部分が内臓で食べられるものではないというのがわかった。元の世界で蜘蛛の食べられる部位を知ることはなかっただろう。更に美味しいなんて知らないで終わっていただろうな~。
「よし、解体は終わった~。俺が調理するぞ!」
解体を終わらせて俺は料理人の服に着替える。ワッツの使っていた焚火にフライパンを乗せてミスリルスパイダーの肉を焼いていく。薄く切った肉と厚く切った肉を作ってみた。見た目では薄い赤の肉なので蜘蛛の肉とは思えないな。解体屋って凄い人達だよな。蜘蛛のまま食えとか言われたら俺は首を横に振る自信がある。
フライパンに乗って焼けていく蜘蛛の肉をひっくり返すと焼けて白くなっていた。その姿は普通の外国産の肉のようで俺の口からは勝手に涎が出てくる。匂いが更に俺の口を潤わせる、完全に牛肉を焼く匂いである。
「ちょっと味見を」
薄く切った方が焼けたので一枚とって口に運ぶ。
「あつ!ウマ!アツウマ!」
熱いんだが口から出したくないという気持ちに負けてしまい舌を火傷してしまった。だけど安心してくれ、この世界にはポーションという飲み物がある、それを飲めば口内炎だろうが舌の火傷だろうが完治してしまうのだ。元の世界でもポーションは売れるだろうな。
「う~ん、うま~い」
「ルキアにも~」
俺が一人で食べてしまうとルキアがズボンの裾を引っ張ってきて口を大きく開けて話した。俺は鯉に餌をあげるかの如くルキアの口に薄く切った肉を放り込んだ。ルキアはもぐもぐと口を動かして両手で頬を抑えて涙目になっていく。
「美味しい~、さっきのと全然違う~」
ワッツが試しに焼いていた肉と雲泥の差だ。確かにワッツのも美味しかった。しかし、塩味しかしなくて、柔らかいだけだった。俺が焼いた肉は塩味に旨味、それに醤油のような濃厚な香りがついている。本物の醤油には負けると思うが使ってもいないのにこの香りがついてくれるのは料理チート様様だな。
「厚切りの肉も焼けたぞ~」
厚切りした肉を皿にのせて一口大に切っていく、サンとトラにもあげるため、もう一枚の皿に盛りつけて渡す。サンとトラも目を輝かせて肉にかぶりついた。
「おお~本当にさっきよりも美味しい。同じ焼いただけなのになんでなんじゃ?」
ワッツにも渡したので同時に食べ始めた。ワッツは驚愕して頬を緩ませた。
確かにワッツと同じように塩を振って焼いただけだからな、疑問に思うのも無理はないよな。しかし、これは説明ができることじゃない、チートなのだから。
「まだまだ食べられるだろ。どんどん焼くぞ~」
まだまだみんな食べたそうだしどんどん焼いていく、作り置きしておいてもいいしな。
しばらく、肉パーティーをしていた。洞窟内で数時間過ごしているので時間の感覚がおかしいのかもしれないな。
焼きまくっていたので洞窟内に肉の匂いが充満しているような気がするな。
「グルァァァァァ!!」
とそう思っていた時、洞窟のもっと奥へと続く穴からけたたましい声が聞こえてきた。その声はまるで地獄から響いてきているかのように感じて、俺は体が震えているのを感じた。
「ワッツ! 今のは?」
「わ、わからんが恐ろしい声じゃ、もしかしたら蜘蛛達の親がいたのかもしれん」
ワッツも震える声で答えた。ミスリルスパイダー達の親というとマザーとかそう言った個体なのか?
「そんな事よりも急いで出るぞ」
「ああ、そうだな」
ワッツが焦りながらもアイテムをしまい出口への通路へと上っていく、ミスリルの取れたここは結構勾配が激しかったから通路まで高さがあるんだ。
ワシャワシャワシャ、奥へと続く穴からそんな音が聞こえてきた。声の主が上がってきているのが伺える。
「急げ!」
ワッツが焦りを見せて叫ぶ。ドワーフのワッツが焦るほどの脅威がすぐそこまで来ている。ルキア達を先に行かせて俺が殿を務める。
「グルァァァァァ!!!」
「ぐっ!」
奥へと続く穴から出てきた声の主、体はミスリルスパイダーと同じくらいの蜘蛛なのだが、咆哮がけたたましくて俺は反射的に耳を抑えて耐えた。
声の主は体が真っ黒で地獄から這い出てきたかのような威圧感があった、真っ赤な目で俺達を見据えている。
「グルルルル」
「あいつは・・・・アカメじゃ」
「アカメ?」
ワッツが奴を見てアカメだと狼狽えている。
「100年ほど前じゃ、ドワーフの街をいくつも壊しまわった化け物じゃ。最近は噂すら聞かないと思っていたらこんなところにいたとは」
ワッツ達、ドワーフを恐怖のどん底に追いやった蜘蛛って事か。
「もしかしたら眠るために儂ら、ドワーフを襲ったのかもしれん。こんな静かな所で眠りについたのも納得できる」
「悠長に言っている場合じゃないぞ!」
悠長に話しているワッツに注意して話す。アカメは今にも襲い掛かってきそうに口からでる牙を横に動かしている。涎がちょっとした水たまりになっていて、紫がかっているから毒なのだろうか?注意するに越したことはないな。
「みんなワッツに続いて逃げろ。ここは俺が抑える」
俺はそう声をかけてオラストロ騎士のフルプレートに着替えた。
「だめ~ルキアも一緒~」
「ガウガウ!」
「キャン!」
「おいおい、お前たち・・」
俺が残ろうと思って言ったのにルキア達は俺とアカメの間に入って身構えた。全く、可愛い奴らだな。
「おい!タツミ」
「ワッツ、先に上がっていてくれ。こいつの肉も旨そうだからな。持って行ってやるよ」
「しかし・・・・わかった。死ぬんじゃないぞ!」
「ああ」
ワッツは涙目で俺達をおいて上っていく。その間もアカメは俺達へと威圧のある視線を向けてきている。同族をよくもといったような恨みの視線だ。
「よし、解体は終わった~。俺が調理するぞ!」
解体を終わらせて俺は料理人の服に着替える。ワッツの使っていた焚火にフライパンを乗せてミスリルスパイダーの肉を焼いていく。薄く切った肉と厚く切った肉を作ってみた。見た目では薄い赤の肉なので蜘蛛の肉とは思えないな。解体屋って凄い人達だよな。蜘蛛のまま食えとか言われたら俺は首を横に振る自信がある。
フライパンに乗って焼けていく蜘蛛の肉をひっくり返すと焼けて白くなっていた。その姿は普通の外国産の肉のようで俺の口からは勝手に涎が出てくる。匂いが更に俺の口を潤わせる、完全に牛肉を焼く匂いである。
「ちょっと味見を」
薄く切った方が焼けたので一枚とって口に運ぶ。
「あつ!ウマ!アツウマ!」
熱いんだが口から出したくないという気持ちに負けてしまい舌を火傷してしまった。だけど安心してくれ、この世界にはポーションという飲み物がある、それを飲めば口内炎だろうが舌の火傷だろうが完治してしまうのだ。元の世界でもポーションは売れるだろうな。
「う~ん、うま~い」
「ルキアにも~」
俺が一人で食べてしまうとルキアがズボンの裾を引っ張ってきて口を大きく開けて話した。俺は鯉に餌をあげるかの如くルキアの口に薄く切った肉を放り込んだ。ルキアはもぐもぐと口を動かして両手で頬を抑えて涙目になっていく。
「美味しい~、さっきのと全然違う~」
ワッツが試しに焼いていた肉と雲泥の差だ。確かにワッツのも美味しかった。しかし、塩味しかしなくて、柔らかいだけだった。俺が焼いた肉は塩味に旨味、それに醤油のような濃厚な香りがついている。本物の醤油には負けると思うが使ってもいないのにこの香りがついてくれるのは料理チート様様だな。
「厚切りの肉も焼けたぞ~」
厚切りした肉を皿にのせて一口大に切っていく、サンとトラにもあげるため、もう一枚の皿に盛りつけて渡す。サンとトラも目を輝かせて肉にかぶりついた。
「おお~本当にさっきよりも美味しい。同じ焼いただけなのになんでなんじゃ?」
ワッツにも渡したので同時に食べ始めた。ワッツは驚愕して頬を緩ませた。
確かにワッツと同じように塩を振って焼いただけだからな、疑問に思うのも無理はないよな。しかし、これは説明ができることじゃない、チートなのだから。
「まだまだ食べられるだろ。どんどん焼くぞ~」
まだまだみんな食べたそうだしどんどん焼いていく、作り置きしておいてもいいしな。
しばらく、肉パーティーをしていた。洞窟内で数時間過ごしているので時間の感覚がおかしいのかもしれないな。
焼きまくっていたので洞窟内に肉の匂いが充満しているような気がするな。
「グルァァァァァ!!」
とそう思っていた時、洞窟のもっと奥へと続く穴からけたたましい声が聞こえてきた。その声はまるで地獄から響いてきているかのように感じて、俺は体が震えているのを感じた。
「ワッツ! 今のは?」
「わ、わからんが恐ろしい声じゃ、もしかしたら蜘蛛達の親がいたのかもしれん」
ワッツも震える声で答えた。ミスリルスパイダー達の親というとマザーとかそう言った個体なのか?
「そんな事よりも急いで出るぞ」
「ああ、そうだな」
ワッツが焦りながらもアイテムをしまい出口への通路へと上っていく、ミスリルの取れたここは結構勾配が激しかったから通路まで高さがあるんだ。
ワシャワシャワシャ、奥へと続く穴からそんな音が聞こえてきた。声の主が上がってきているのが伺える。
「急げ!」
ワッツが焦りを見せて叫ぶ。ドワーフのワッツが焦るほどの脅威がすぐそこまで来ている。ルキア達を先に行かせて俺が殿を務める。
「グルァァァァァ!!!」
「ぐっ!」
奥へと続く穴から出てきた声の主、体はミスリルスパイダーと同じくらいの蜘蛛なのだが、咆哮がけたたましくて俺は反射的に耳を抑えて耐えた。
声の主は体が真っ黒で地獄から這い出てきたかのような威圧感があった、真っ赤な目で俺達を見据えている。
「グルルルル」
「あいつは・・・・アカメじゃ」
「アカメ?」
ワッツが奴を見てアカメだと狼狽えている。
「100年ほど前じゃ、ドワーフの街をいくつも壊しまわった化け物じゃ。最近は噂すら聞かないと思っていたらこんなところにいたとは」
ワッツ達、ドワーフを恐怖のどん底に追いやった蜘蛛って事か。
「もしかしたら眠るために儂ら、ドワーフを襲ったのかもしれん。こんな静かな所で眠りについたのも納得できる」
「悠長に言っている場合じゃないぞ!」
悠長に話しているワッツに注意して話す。アカメは今にも襲い掛かってきそうに口からでる牙を横に動かしている。涎がちょっとした水たまりになっていて、紫がかっているから毒なのだろうか?注意するに越したことはないな。
「みんなワッツに続いて逃げろ。ここは俺が抑える」
俺はそう声をかけてオラストロ騎士のフルプレートに着替えた。
「だめ~ルキアも一緒~」
「ガウガウ!」
「キャン!」
「おいおい、お前たち・・」
俺が残ろうと思って言ったのにルキア達は俺とアカメの間に入って身構えた。全く、可愛い奴らだな。
「おい!タツミ」
「ワッツ、先に上がっていてくれ。こいつの肉も旨そうだからな。持って行ってやるよ」
「しかし・・・・わかった。死ぬんじゃないぞ!」
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