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第二章 海へ
第四十一話 海を渡った先の国
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アルフレドと一緒に小屋に着くとダングルフとシャリフがルキアの様子を聞いてきた。
「ルキアちゃんは大丈夫だったんだな」
「ああ。進化前の熱らしい。そう言うこともあるんだなって感じだ」
ダングルフとシャリフにルキアの事を話すとホッとしたように胸を抑えている。二人もすっかりルキアの可愛さにやられているようだな。
「天使は元気じゃないとな」
シャリフはボソッとつぶやいている。ダングルフよりも熱を持ってしまっていそうだ。要注意人物だな。
「それで、牛の方は大丈夫か?」
「ああ、故郷の村の牛と同じ品種だ。乳の出も悪くない」
牛は小屋の端の柵に入っている。茶色の毛でジャージー牛という奴かな?そう言うのわからないから知らんけど。
「豚は?」
「豚は餌が問題だな。何でも食べるというが何をあげたらいいのか」
雑食で有名だけど食べるもので味が変わるとか言うよな。どんぐりを食べさせると美味しいとかショウガとかあげると柔らかいとか、う~ん涎が出てくる。
「とにかく今回は数を増やす方をやらないと」
「乳牛は一頭でもいいかもしれないけど豚は違うからな」
豚は子供を産んでもらって豚肉に加工する。一般人だった自分ではやれない事をやってもらう。申し訳ないけどな。
「シャリフはこういうの慣れてないから俺がやるさ。金も稼げるようになったらそういう人を雇う。それでいいか?」
「ああ、ルナさんにもそう言っておくよ。お金は余分に持っていないからうまくやってくれよ」
「任せろ」と俺の話に応えたダングルフは中々にできる男のようだ。シャリフは魔物を捌いているので肉にすることは慣れている。しかし、繁殖と言う話になると引き気味なようで気持ち悪がっている。
「豚ってオークみたいだから嫌いなんだよな。食べるのは平気なんだが」
という事らしい。オークって美味しいって噂だけど、そんなに嫌われてるのか?
「あいつら女バッカ狙ってくるからな。狩りやすいんだ。俺は結構、好きだけどな」
「あの目が嫌なんだよ。俺を女だと思って襲ってくるからな」
あ~なるほど、シャリフは体が細くて背も160くらいだからな。顔も綺麗だから女に間違われるんだろう。イケメンなのだからしょうがない。
「じゃあダングルフ任せるよ」
「ああ、衛兵に差し出さないでくれたからな。頑張らせてもらう」
「俺も教わりながらやるよ」
そう言って俺はアルフレドと一緒に小屋を後にする。
「今回は本当にありがとうなアルフレド」
「いえいえ、これも商売ですから。という事で」
「はいはい」
俺はアルフレドに金貨を三枚渡した。
「タツミさん、多いですよ」
「いいんだよ。よくしてくれたお礼さ」
金には余裕があるから渡しておく。こういった交渉は多めに渡すと信頼度が大幅にアップするのだ。損して得取れという奴だな。
「こんなにいいんですか?」
「ああ、動物関係はわからなかったからな。本当に感謝してるよ」
「いえ、そんなに恐縮されると困ります」
アルフレドは両手を顔の前で振った。顔が赤くなっているので照れているのだろう。全く可愛い奴だな。
「これからも孤児院を気遣ってくれると助かる」
「シーラインには何度も来る予定ですから来た時には寄りますけど、その言い草だとタツミさんは旅立つんですか?」
「ああ、俺はこの世界を旅してるからな。その場に留まるつもりはないんだ」
腰を下ろすのはまだまだ先の話になるだろうな。
「じゃあノイシュタットに行くんですね」
「ここから行けるのか?」
「船で渡ってノーズ大陸を一週間も歩けば着きますよ」
わりかし近いな。
「僕は王のやり方に反対して出てきたので帰る事は出来ないんですが、街自体はいい街なのでおすすめですよ」
「そう言ういざこざか。仲良くすればいいのに、家族なんだからさ」
「タツミさんのような父でしたら良かったんですけどね。あの人は家族を家族とも思わない冷血漢ですから」
アルフレドがこれだけ言うのだからそうなんだろうな。優しい奴の言葉は妙に重いよ。
「愚痴は俺の食べ物で飲み込め。あんまり愚痴るとアルフレド自体が愚痴になっちまうぞ」
「やった、実はそれが一番の目的だったり」
アルフレドはそう言って教会へと走っていった。無邪気な彼はまだまだ子供のようだ。
「タツミさん、僕のことはアルって呼んでくださいよ。アルフレドって言われると何だか照れ臭いので」
「そうか?じゃあ、アルもタツミって呼び捨てでいいぞ」
「ほんとですか?じゃあ・・・タツミ!」
「なんだ?」
「タツミタツミ~」
「あんまり喜ぶなよ。恥ずかしいぞ」
嬉しそうに俺の名前を呼ぶアルフレド、こんなにはしゃぐとは思わなかった。喜ばれて嬉しいが流石にはしゃぎ過ぎで恥ずかしい。
カツサンドを余分に作っておいたのでそれを出すと大きく口を開いて食べていくアルフレド。ほんとにこういう所は子供と同じだよな。
夕飯も食べるというので一緒に食べて子供達の面倒も見てくれたアルフレドだったが流石に寝るのは遠慮したようで宿屋に帰っていく。寂しそうな背中だったがしょうがないよな。
「ルキアちゃんは大丈夫だったんだな」
「ああ。進化前の熱らしい。そう言うこともあるんだなって感じだ」
ダングルフとシャリフにルキアの事を話すとホッとしたように胸を抑えている。二人もすっかりルキアの可愛さにやられているようだな。
「天使は元気じゃないとな」
シャリフはボソッとつぶやいている。ダングルフよりも熱を持ってしまっていそうだ。要注意人物だな。
「それで、牛の方は大丈夫か?」
「ああ、故郷の村の牛と同じ品種だ。乳の出も悪くない」
牛は小屋の端の柵に入っている。茶色の毛でジャージー牛という奴かな?そう言うのわからないから知らんけど。
「豚は?」
「豚は餌が問題だな。何でも食べるというが何をあげたらいいのか」
雑食で有名だけど食べるもので味が変わるとか言うよな。どんぐりを食べさせると美味しいとかショウガとかあげると柔らかいとか、う~ん涎が出てくる。
「とにかく今回は数を増やす方をやらないと」
「乳牛は一頭でもいいかもしれないけど豚は違うからな」
豚は子供を産んでもらって豚肉に加工する。一般人だった自分ではやれない事をやってもらう。申し訳ないけどな。
「シャリフはこういうの慣れてないから俺がやるさ。金も稼げるようになったらそういう人を雇う。それでいいか?」
「ああ、ルナさんにもそう言っておくよ。お金は余分に持っていないからうまくやってくれよ」
「任せろ」と俺の話に応えたダングルフは中々にできる男のようだ。シャリフは魔物を捌いているので肉にすることは慣れている。しかし、繁殖と言う話になると引き気味なようで気持ち悪がっている。
「豚ってオークみたいだから嫌いなんだよな。食べるのは平気なんだが」
という事らしい。オークって美味しいって噂だけど、そんなに嫌われてるのか?
「あいつら女バッカ狙ってくるからな。狩りやすいんだ。俺は結構、好きだけどな」
「あの目が嫌なんだよ。俺を女だと思って襲ってくるからな」
あ~なるほど、シャリフは体が細くて背も160くらいだからな。顔も綺麗だから女に間違われるんだろう。イケメンなのだからしょうがない。
「じゃあダングルフ任せるよ」
「ああ、衛兵に差し出さないでくれたからな。頑張らせてもらう」
「俺も教わりながらやるよ」
そう言って俺はアルフレドと一緒に小屋を後にする。
「今回は本当にありがとうなアルフレド」
「いえいえ、これも商売ですから。という事で」
「はいはい」
俺はアルフレドに金貨を三枚渡した。
「タツミさん、多いですよ」
「いいんだよ。よくしてくれたお礼さ」
金には余裕があるから渡しておく。こういった交渉は多めに渡すと信頼度が大幅にアップするのだ。損して得取れという奴だな。
「こんなにいいんですか?」
「ああ、動物関係はわからなかったからな。本当に感謝してるよ」
「いえ、そんなに恐縮されると困ります」
アルフレドは両手を顔の前で振った。顔が赤くなっているので照れているのだろう。全く可愛い奴だな。
「これからも孤児院を気遣ってくれると助かる」
「シーラインには何度も来る予定ですから来た時には寄りますけど、その言い草だとタツミさんは旅立つんですか?」
「ああ、俺はこの世界を旅してるからな。その場に留まるつもりはないんだ」
腰を下ろすのはまだまだ先の話になるだろうな。
「じゃあノイシュタットに行くんですね」
「ここから行けるのか?」
「船で渡ってノーズ大陸を一週間も歩けば着きますよ」
わりかし近いな。
「僕は王のやり方に反対して出てきたので帰る事は出来ないんですが、街自体はいい街なのでおすすめですよ」
「そう言ういざこざか。仲良くすればいいのに、家族なんだからさ」
「タツミさんのような父でしたら良かったんですけどね。あの人は家族を家族とも思わない冷血漢ですから」
アルフレドがこれだけ言うのだからそうなんだろうな。優しい奴の言葉は妙に重いよ。
「愚痴は俺の食べ物で飲み込め。あんまり愚痴るとアルフレド自体が愚痴になっちまうぞ」
「やった、実はそれが一番の目的だったり」
アルフレドはそう言って教会へと走っていった。無邪気な彼はまだまだ子供のようだ。
「タツミさん、僕のことはアルって呼んでくださいよ。アルフレドって言われると何だか照れ臭いので」
「そうか?じゃあ、アルもタツミって呼び捨てでいいぞ」
「ほんとですか?じゃあ・・・タツミ!」
「なんだ?」
「タツミタツミ~」
「あんまり喜ぶなよ。恥ずかしいぞ」
嬉しそうに俺の名前を呼ぶアルフレド、こんなにはしゃぐとは思わなかった。喜ばれて嬉しいが流石にはしゃぎ過ぎで恥ずかしい。
カツサンドを余分に作っておいたのでそれを出すと大きく口を開いて食べていくアルフレド。ほんとにこういう所は子供と同じだよな。
夕飯も食べるというので一緒に食べて子供達の面倒も見てくれたアルフレドだったが流石に寝るのは遠慮したようで宿屋に帰っていく。寂しそうな背中だったがしょうがないよな。
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