40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
39 / 69
第二章 プチ旅行

第39話 救出

しおりを挟む
「あと少しですよ。頑張ってください」

「ありがとうございます。ハァハァ」

 人質になっていた大人たち。みんな皮と骨だけとなっております。
 一人では歩けないほどの体力。デスハーゲンは残酷なことをしていたんですね。
 ご飯を食べられないことがどれだけきついことか知らないんでしょう。今度会ったら同じことを彼にしてあげたいですね。
 ああ、遠い昔の話です。私は部長から大目玉をくらい飯抜きと言われてお昼から次の日の朝まで一室に閉じ込められていました。
 朝と言っても部長が思い出して開けてもらうまでですからほぼほぼお昼でしたよ。
 一日飯抜きであれだけきついのですから一週間なんて考えるだけで涙が零れてきてしまいます。皆さんの為に流す涙、これで少しでも皆さんの心が現れてくれるなら嬉しいです。

「つきました。安全を確認しますので私が先に行きます。エチルちゃんも一緒に来てください」

「はい!」

 地下への入り口に帰ってきて皆さんに声をかける。デスハーゲンが待ち構えているかもしれません。用心のために私から。

「おお! 戻ってきたか! 掴まれ」

「あ! ガルドさん!」

 地下の入り口を見上げるとガルドさんが手を伸ばしてきていました。
 私はその手を掴んで地上へと這い出る。続いてエチルちゃんも引き上げると周りを確認する。

「ガルドさん。何か異変はありましたか?」

「いや。何もなかったが。なんだ? 村の者たちはいたのか?」

「あ、はい! 皆さん無事でしたが食事をさせてもらっていなかったようで一人で立ち上がることもできない程衰弱しています」

「なに! それは酷いな。よし! すぐに飯の準備に取り掛かろう!」

 ガルドさんは驚いて聞いてくれるとすぐに食事の準備に走っていく。
 私は再度家の中を確認してデスハーゲンがいないことを確認してエチルちゃんを一瞥する。

「エチルちゃんは周囲を警戒してください。私は皆さんを持ち上げて地上に上げます」

「わかった! 敵が来たらすぐに知らせるね!」

 エチルちゃんに声を上げて再度地下に潜る。
 元気な彼女の言葉に勇気づけられます。人を助けることが生きがいになりつつありますね。ルッソ君達の村の人達を助けた時のことが役立っているのかもしれません。
 エチルちゃんは獣人の良さを知らせる天使になっていくでしょう。うん、いいことです。

「あと少しですよ!」

「シゲルさん! 俺が引き上げれば」

「ダメです! 背後から敵が来るかもしれません。ルッソ君とミラちゃんは警戒を解かないでください。大丈夫です。ステータスが上がっていますからこのくらいの人数を上げることくらい楽勝ですよ」

 村の人を背負ってはしごを上る。入り口は人が一人上がれるほどの幅しかありません。最後はその人の力で上がってもらわないといけない。
 元気づけて力を振り絞ってもらう。ルッソ君は優しい子です。私を気遣ってくれていますが今は油断せずに警戒しなくちゃいけない。このまま、私一人で彼らを地上に上げなくては。
 ステータスはこんなに上がっているんです。

ーーーーー

ステータス

 エガワ シゲル

 職業 旅行者

 レベル30

 HP 1100
 MP 1250
 
 STR 320
 DEF 316
 DEX 316
 AGI 324
 INT 410
 MND 410

 スキル

【スキル習得SSS】
【グラム語】
【槍術【極】】
【剣術【極】】
【盾術】
【夜目】
【魔法【極】】
【回復魔法【極】】
【雷魔法【極】】
【風魔法【極】】
【解体術】
【武器製作】
【痛み耐性】
【窮地】
【自然治癒】
【魅了耐性】
【調教】
【共闘】
【支援】
【徒歩】
【蛇殺し】
【王殺し】
【亜人殺し】
【御者の技能】
【関節技】

ーーーーー

 こんなに強くなったのですから根を上げている暇はありませんよ。根性で今まで生きてきたので根性で生き抜きますよ!

「シゲルさん! こっちで引き揚げます」

「あ、リリスさん。ははは、面目ありません」

 汗を流して息も絶え絶えとなると地上から声が上がります。見上げるとそこには女神さまがいました。
 私を元気づけるようにニッコリと微笑んで背中の村人を引っ張り上げてくれる。力強い女神様だ、頼もしいですね。

『荷物持ちを習得しました』

「……遅いですよ」

 女神様のリリスさんが手伝ってくれるようになってやっとスキルが得られました。
 文句を言ってしまいましたがこれは凄いです。なんと手に持つ物に重さがなくなっています。
 片手でひょいとリリスさんのいる地上まで持ち上げられるようになりました。気分はスー〇ーマンですね。気持ちいいです。

「……シゲルさんってなんでも一人でやっちゃうよな~」

「ほんと、もうシゲルさん一人でいいんじゃないかな?」

 楽しんでいるとそんな声がルッソ君とミラちゃんから発せられる。
 いやいや、一人ではやれることは限られますよ……。うん、たぶん。

「はぁ~、なんだか長い間地中にいた気分ですね」

 村人の皆さんを地上に上げて自分達も地上に上がってきた。皆さんはその場に座り込んで疲れている様子。

「またせたな~!」

「父さん! 母さん! みんな! ご飯用意したよ!」

 ガルドさんとベンツ君が一緒に料理を持ってくる。
 子供達もいつの間にか起きてガルドさんの手伝いをしてくれたみたいです。彼らは目に涙をためて働いてくれる。彼らの涙を嬉し涙に変えることが出来た。よかったです。

「ははは、雑魚な人間どもが。喜んでいられるのもこれまでだ!」

「デスハーゲン!」

 皆さんが嬉しそうにスープを口に含み始めるとそんな声が空から降ってくる。
 私達は家から飛び出して空を見上げると黒い羽で空を飛んでいる奴がいた。

「死んでゾンビに変われ! 【デススクリーム】!」

『うわっ!?』

『きゃ!?』

 デスハーゲンが頭が可笑しくなる音を奏で始める。これも魔法でしょうか?
 叫び声のような魔法が奏でられて頭が割れそうになる。まるで部長の歌声のように頭が痛くなります。アイラブユーじゃありませんよ。って現実逃避をしている場合じゃありません。

『即死耐性を習得しました』

「おっと! 相変わらず痒い所に手が届く能力ですね! 私の能力は、即死とは危ない魔法ですね。では反撃と行きましょう【雷の】」

 スキルを得るとただの叫び声に変わる即死魔法。
 皆さんの状態がこれ以上悪化しないように速攻で片付けてしまおうと思い、魔法を唱えようと手をかざす。ですがその時、私の背後から何かが飛び立つ。

「おいたはダメじゃない。新人魔族ちゃん」

 飛び立ったのはメリスさんでした。なんで彼女がここに?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル 14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり 奥さんも少女もいなくなっていた 若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました いや~自炊をしていてよかったです

【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は村田 歩(ムラタアユム) 目を覚ますとそこは石畳の町だった 異世界の中世ヨーロッパの街並み 僕はすぐにステータスを確認できるか声を上げた 案の定この世界はステータスのある世界 村スキルというもの以外は平凡なステータス 終わったと思ったら村スキルがスタートする

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

処理中です...