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第一章 愛
第2話 どこなの?
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お人形さんについていってお外にやってきたの。アイのおうちとは違う、石で出来てるおうちがいっぱい並んでいるの。いつの間にか真っ白なお靴も履いていておかしいの。
お馬さんが車を引っ張っていて、何だか楽しそうなの。アイもあのお馬さんの車に乗ってみたいの。
「お母さんとお父さんいないの...」
お人形さんはお母さんとお父さんに会わせてくれるって言っていたの。周りを見ても全然いないの。
お馬さんの引っ張ってる車が何度も目の前を通っているだけの広場、噴水がアイの後ろで綺麗だけど、お母さんとお父さんはいないの。
「あなた! そこのあなた!」
「なの?」
「そうよ。あなたよ」
噴水を見てるとアイと同じくらいの金色の綺麗な髪の子が声をかけてきてくれたの。綺麗な赤いドレスみたいな服を着ていて、アイに近づいてくるの。
「あなたの服、綺麗ね。どこで仕立てたの? お母さまに頼んで作ってもらいたいのだけど」
「アイの服はお母さんがユニコロで買ってくれたの」
「ユニコロ? そこはどこにあるの?」
「アイのお家の最寄りのエキなの」
「要領を得ないわね。仕方ないわ。案内してちょうだい」
女の子は怒っているの。ぬいぐるみを持っていないのに怒られたの。アイはどうしたらいいの?
「分からないの。気づいたらここにいたの」
「あら? 迷子だったのね。それならうちに来る? そのお洋服を調べさせてくれるならいつまでも居ていいわよ」
「ん~、お母さんが知らない人についていっちゃダメって言っていたからいいの」
女の子が家に招待してくれるって言ってくれたの。だけど、知らない人についていっちゃダメって、お母さんが言っていたから断ったの。本当は行きたいけど、仕方ないの。
「しっかりした親御さんね。じゃあ、自己紹介をしましょ。私はルナ・コンデフォート。あなたは?」
「アイは愛なの...」
「アイちゃんね。これで知らない仲じゃないわよね。じゃあ行きましょ」
「あう、でも、お母さんとお父さんが」
「いないじゃないの。いつまでもここにいたら危ないわよ。行きましょ」
あう、ルナちゃんは強引なの。力いっぱいアイを引っ張るの。あの白い人形さんにはごめんするしかないの。
「わ~、真っ白いお馬さんなの!」
ルナちゃんに引っ張られて歩いてると真っ白いお馬が引っ張る車に乗せてくれるみたいなの。とっても綺麗な真っ白いお馬がキリッとした顔で車の前にいるの。アイの夢が叶ったの! お姫様になったの!
「さあ、どうぞ、お嬢様。お友達も」
「ありがとうオーグナー」
「ありがとうございますなの」
お車に乗る為に横に来ると白いお髭のおじいちゃんがルナちゃんとアイに手を差し出してくれたの。ルナちゃんの真似をして、手を差し出すと車に乗せてくれたの。両脇を持たれたからくすぐったかったの。
「あなた礼儀作法はどこで? 平民にしては色々知っているようね」
「礼儀作法って何なの?」
「...まあ、いいわ。それよりもそのお洋服よね。間近で見るとなおいいわ。とても細かく編んである」
ルナちゃんはアイのお洋服を近づいて見てきているの。まるで、じーじが新聞紙を見ている時みたいでなんだか、おかしいの。
「ふふ」
「何よ。何かおかしい?」
「じーじみたいで可笑しいの」
「じーじ...。ふふ、そうね。お父様みたいなことをしてしまったわ。ごめんなさいね」
ルナちゃんと顔を見合って笑っちゃったの。ルナちゃんはお父さんみたいって言っているの、同じように目を細めてみる癖でもあるのかもしれないの。
ルナちゃんのお馬さんに引かれて車が走っているの。窓から見えるのは石のおうちばかりなの。大きなマンションは一つもなくて、とってもおかしいの。ここにはアイのおうちは無さそうなの。押し入れに戻れないと困るの。
「何処か見覚えがあるかしら?」
「全然違うの...。石で出来た家ばかりなの」
「石以外の家って、木かしら?」
「違うの、セ~メ~ントって言う石ってお父さんが言っていたの」
「セ~メ~ント? って結局石じゃない」
「なの?」
ルナちゃんに怒られちゃったの。でも、お父さんは石って言っていたの、混ぜた石みたいなこと言っていたけど、アイは分からないの。
「しょうがないわね。お父様に頼んで探してもらいましょう。それまでうちにいるといいわ。その間にお洋服を調べて、作らせるわ」
ルナちゃんはそう言ってムフっと微笑んでいるの。何だか、パチス~ロって言うのに行って、勝った時のお父さんみたいなの。
お馬さんが車を引っ張っていて、何だか楽しそうなの。アイもあのお馬さんの車に乗ってみたいの。
「お母さんとお父さんいないの...」
お人形さんはお母さんとお父さんに会わせてくれるって言っていたの。周りを見ても全然いないの。
お馬さんの引っ張ってる車が何度も目の前を通っているだけの広場、噴水がアイの後ろで綺麗だけど、お母さんとお父さんはいないの。
「あなた! そこのあなた!」
「なの?」
「そうよ。あなたよ」
噴水を見てるとアイと同じくらいの金色の綺麗な髪の子が声をかけてきてくれたの。綺麗な赤いドレスみたいな服を着ていて、アイに近づいてくるの。
「あなたの服、綺麗ね。どこで仕立てたの? お母さまに頼んで作ってもらいたいのだけど」
「アイの服はお母さんがユニコロで買ってくれたの」
「ユニコロ? そこはどこにあるの?」
「アイのお家の最寄りのエキなの」
「要領を得ないわね。仕方ないわ。案内してちょうだい」
女の子は怒っているの。ぬいぐるみを持っていないのに怒られたの。アイはどうしたらいいの?
「分からないの。気づいたらここにいたの」
「あら? 迷子だったのね。それならうちに来る? そのお洋服を調べさせてくれるならいつまでも居ていいわよ」
「ん~、お母さんが知らない人についていっちゃダメって言っていたからいいの」
女の子が家に招待してくれるって言ってくれたの。だけど、知らない人についていっちゃダメって、お母さんが言っていたから断ったの。本当は行きたいけど、仕方ないの。
「しっかりした親御さんね。じゃあ、自己紹介をしましょ。私はルナ・コンデフォート。あなたは?」
「アイは愛なの...」
「アイちゃんね。これで知らない仲じゃないわよね。じゃあ行きましょ」
「あう、でも、お母さんとお父さんが」
「いないじゃないの。いつまでもここにいたら危ないわよ。行きましょ」
あう、ルナちゃんは強引なの。力いっぱいアイを引っ張るの。あの白い人形さんにはごめんするしかないの。
「わ~、真っ白いお馬さんなの!」
ルナちゃんに引っ張られて歩いてると真っ白いお馬が引っ張る車に乗せてくれるみたいなの。とっても綺麗な真っ白いお馬がキリッとした顔で車の前にいるの。アイの夢が叶ったの! お姫様になったの!
「さあ、どうぞ、お嬢様。お友達も」
「ありがとうオーグナー」
「ありがとうございますなの」
お車に乗る為に横に来ると白いお髭のおじいちゃんがルナちゃんとアイに手を差し出してくれたの。ルナちゃんの真似をして、手を差し出すと車に乗せてくれたの。両脇を持たれたからくすぐったかったの。
「あなた礼儀作法はどこで? 平民にしては色々知っているようね」
「礼儀作法って何なの?」
「...まあ、いいわ。それよりもそのお洋服よね。間近で見るとなおいいわ。とても細かく編んである」
ルナちゃんはアイのお洋服を近づいて見てきているの。まるで、じーじが新聞紙を見ている時みたいでなんだか、おかしいの。
「ふふ」
「何よ。何かおかしい?」
「じーじみたいで可笑しいの」
「じーじ...。ふふ、そうね。お父様みたいなことをしてしまったわ。ごめんなさいね」
ルナちゃんと顔を見合って笑っちゃったの。ルナちゃんはお父さんみたいって言っているの、同じように目を細めてみる癖でもあるのかもしれないの。
ルナちゃんのお馬さんに引かれて車が走っているの。窓から見えるのは石のおうちばかりなの。大きなマンションは一つもなくて、とってもおかしいの。ここにはアイのおうちは無さそうなの。押し入れに戻れないと困るの。
「何処か見覚えがあるかしら?」
「全然違うの...。石で出来た家ばかりなの」
「石以外の家って、木かしら?」
「違うの、セ~メ~ントって言う石ってお父さんが言っていたの」
「セ~メ~ント? って結局石じゃない」
「なの?」
ルナちゃんに怒られちゃったの。でも、お父さんは石って言っていたの、混ぜた石みたいなこと言っていたけど、アイは分からないの。
「しょうがないわね。お父様に頼んで探してもらいましょう。それまでうちにいるといいわ。その間にお洋服を調べて、作らせるわ」
ルナちゃんはそう言ってムフっと微笑んでいるの。何だか、パチス~ロって言うのに行って、勝った時のお父さんみたいなの。
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