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第一章 愛
第4話 ルナちゃん!
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「これはどう?」
「可愛いの!」
「これは?」
「とっても可愛いの!」
「これも?」
「可愛いの!」
「あなたそれしか言えないの?」
「だって、全部可愛いの。ルナちゃんはどれを着ても可愛いの!」
「....」
お風呂から上がってルナちゃんの部屋に来たの。ずっと引っ張られてたからおててが痛かったけど、何だか嬉しかったの。お姉ちゃんが出来たみたいなの。
ルナちゃんは色んなお洋服を自分に重ねて見せてくれるの。凄く可愛くてキラキラしているの。今まで会った、どんな子よりも可愛いの。
「あなたも可愛いわよ」
「ルナちゃんの方が一兆倍可愛いの!」
「一兆? 何だかよく分からないけれど、凄い自信ね。でも、ありがとう」
アイがよくお父さんに言われたことを言ってみたの。ルナちゃんは分からないみたいだけど、嬉しそうにしているの。
「お嬢様、アイゼンさまがお帰りになりました」
「分かったわ。行くわよ、アイ」
「アイゼン様?」
「お父様よ。アイのご両親を探してもらわないと」
ルナちゃんのお父さんはアイゼンさんって言うの。カッコいい名前なの。
「お父様、ルナです」
「ん? 珍しいな。自分から来てくれるとは、カギは空いているよ入っておいで」
「失礼します」
ルナちゃんに手を引かれて、扉の前に来たの。ルナちゃんのお部屋も二階にあったから隣の隣の扉なの。
ルナちゃんが扉の前で大きめの声で名乗って扉をノックしたの。中からの声にこたえてお辞儀しているの。何だか、大人みたいなの。
「ただいまルナ」
「お帰りなさいお父様」
「ん? その子は?」
「アイよ、お父様。迷子だったのだけど、見ていられなかったから連れてきたの」
「...本当は?」
「..お洋服がとても綺麗だったから声をかけたの」
ルナちゃんが色々話すとニヤニヤしているアイゼンさんがルナちゃんを揶揄っているの。ルナちゃんは少し考えてから声をあげたの。お洋服がとても好きみたいなの、アイのお洋服が役に立ってくれればいいの。
「アイちゃん。ルナとは仲良くしてやっておくれ。貴族の中では一つ頭が出てしまって話し相手がいないのだよ」
「ちょっとお父様」
「ルナちゃんと仲良くするの。もう友達なの!」
「ははは、そうかそうか」
アイゼンさんはまた揶揄っているの。アイは力強く言葉にしたの、ルナちゃんとはお友達なの、ずぶずぶな関係なの。ずぶずぶなんて言ったらお母さんに怒られたの、だけど、面白いから使うの。
「ずぶずぶなの!」
「「ずぶずぶ?」」
言ったら怒られるかなと思ったけど、二人は分かってないみたいなの。お母さんだったら絶対に角が生えているの。
「アイは偶に訳の分からない言葉を使うのね。それで、お父様。アイの両親を探してほしいの」
「ふむ、黒髪の幼女の親か。この町にはいないだろうな」
「やっぱり...」
アイゼンさんとルナちゃんは顔が暗くなっているの。真っ白なお人形さんにアイのお母さんお父さんがいるって言われたけど、やっぱり嘘だったの?
「いないの?」
「ああ、黒髪は珍しいからね。いればすぐにわかるんだよ」
ルナちゃんの馬車に乗ってお外を見ていた時にアイも思ったの、黒い髪の人は一人も居なくて、金とか白とか、緑とか、アイのクレヨン箱みたいだったの。アイのお友達はみんな黒だったのにおかしいの。
「じゃあ、お父様」
「ああ、アイちゃんは私達の国ではない所から来た子という事だよ」
「やっぱり...」
「西方の国には黒髪が多いと聞く、たぶんその国から来たのだろう。アイちゃんはどうやってここに来たんだい? 乗合馬車ならば、調べやすいのだが?」
アイゼンさんが聞いてきたの、だけど、アイは歩いてきたの。ノリアイ馬車なんて知らないの。首を横に振って答えたの、アイゼンさんは首を傾げているの。
「ん? 馬車ではないのかい? じゃあ、まさか、ワイバーンで来たのかい?」
「ワイバーンって何なの?」
「お空を飛べる鳥みたいなものよ。王族や一部の貴族が飼っているの。ワイバーンを卵から育てると従魔に出来るのよ」
....全然わからないの。飛行機なら一回だけ乗った事があるの、だけど、ワイバーンなんて知らないの。
「う~む、ワイバーンではないという事は手詰まりだな。とりあえず、門前を守る衛兵に聞いてみるか」
アイゼンさんが首を傾げながらオーグナーさんを呼び出しているの、オーグナーさんがアイゼンさんの耳打ちを聞いて走っていったの。
「心配は要らない。必ず見つけてあげるからね。親御さんの情報が得られるまでここで暮らすといいよ」
「やった! お父様ならそう言ってくれると思ったわ!」
「はは、私がルナの嫌がることをするはずがないだろ。大切な娘の友達だ。絶対に泣かせないよ」
ルナちゃんがアイゼンさんに抱き着いているの。アイもお父さんに抱きしめてほしいの。何だか悲しくなってきたの。お母さんお父さん、何処にいるの?
「可愛いの!」
「これは?」
「とっても可愛いの!」
「これも?」
「可愛いの!」
「あなたそれしか言えないの?」
「だって、全部可愛いの。ルナちゃんはどれを着ても可愛いの!」
「....」
お風呂から上がってルナちゃんの部屋に来たの。ずっと引っ張られてたからおててが痛かったけど、何だか嬉しかったの。お姉ちゃんが出来たみたいなの。
ルナちゃんは色んなお洋服を自分に重ねて見せてくれるの。凄く可愛くてキラキラしているの。今まで会った、どんな子よりも可愛いの。
「あなたも可愛いわよ」
「ルナちゃんの方が一兆倍可愛いの!」
「一兆? 何だかよく分からないけれど、凄い自信ね。でも、ありがとう」
アイがよくお父さんに言われたことを言ってみたの。ルナちゃんは分からないみたいだけど、嬉しそうにしているの。
「お嬢様、アイゼンさまがお帰りになりました」
「分かったわ。行くわよ、アイ」
「アイゼン様?」
「お父様よ。アイのご両親を探してもらわないと」
ルナちゃんのお父さんはアイゼンさんって言うの。カッコいい名前なの。
「お父様、ルナです」
「ん? 珍しいな。自分から来てくれるとは、カギは空いているよ入っておいで」
「失礼します」
ルナちゃんに手を引かれて、扉の前に来たの。ルナちゃんのお部屋も二階にあったから隣の隣の扉なの。
ルナちゃんが扉の前で大きめの声で名乗って扉をノックしたの。中からの声にこたえてお辞儀しているの。何だか、大人みたいなの。
「ただいまルナ」
「お帰りなさいお父様」
「ん? その子は?」
「アイよ、お父様。迷子だったのだけど、見ていられなかったから連れてきたの」
「...本当は?」
「..お洋服がとても綺麗だったから声をかけたの」
ルナちゃんが色々話すとニヤニヤしているアイゼンさんがルナちゃんを揶揄っているの。ルナちゃんは少し考えてから声をあげたの。お洋服がとても好きみたいなの、アイのお洋服が役に立ってくれればいいの。
「アイちゃん。ルナとは仲良くしてやっておくれ。貴族の中では一つ頭が出てしまって話し相手がいないのだよ」
「ちょっとお父様」
「ルナちゃんと仲良くするの。もう友達なの!」
「ははは、そうかそうか」
アイゼンさんはまた揶揄っているの。アイは力強く言葉にしたの、ルナちゃんとはお友達なの、ずぶずぶな関係なの。ずぶずぶなんて言ったらお母さんに怒られたの、だけど、面白いから使うの。
「ずぶずぶなの!」
「「ずぶずぶ?」」
言ったら怒られるかなと思ったけど、二人は分かってないみたいなの。お母さんだったら絶対に角が生えているの。
「アイは偶に訳の分からない言葉を使うのね。それで、お父様。アイの両親を探してほしいの」
「ふむ、黒髪の幼女の親か。この町にはいないだろうな」
「やっぱり...」
アイゼンさんとルナちゃんは顔が暗くなっているの。真っ白なお人形さんにアイのお母さんお父さんがいるって言われたけど、やっぱり嘘だったの?
「いないの?」
「ああ、黒髪は珍しいからね。いればすぐにわかるんだよ」
ルナちゃんの馬車に乗ってお外を見ていた時にアイも思ったの、黒い髪の人は一人も居なくて、金とか白とか、緑とか、アイのクレヨン箱みたいだったの。アイのお友達はみんな黒だったのにおかしいの。
「じゃあ、お父様」
「ああ、アイちゃんは私達の国ではない所から来た子という事だよ」
「やっぱり...」
「西方の国には黒髪が多いと聞く、たぶんその国から来たのだろう。アイちゃんはどうやってここに来たんだい? 乗合馬車ならば、調べやすいのだが?」
アイゼンさんが聞いてきたの、だけど、アイは歩いてきたの。ノリアイ馬車なんて知らないの。首を横に振って答えたの、アイゼンさんは首を傾げているの。
「ん? 馬車ではないのかい? じゃあ、まさか、ワイバーンで来たのかい?」
「ワイバーンって何なの?」
「お空を飛べる鳥みたいなものよ。王族や一部の貴族が飼っているの。ワイバーンを卵から育てると従魔に出来るのよ」
....全然わからないの。飛行機なら一回だけ乗った事があるの、だけど、ワイバーンなんて知らないの。
「う~む、ワイバーンではないという事は手詰まりだな。とりあえず、門前を守る衛兵に聞いてみるか」
アイゼンさんが首を傾げながらオーグナーさんを呼び出しているの、オーグナーさんがアイゼンさんの耳打ちを聞いて走っていったの。
「心配は要らない。必ず見つけてあげるからね。親御さんの情報が得られるまでここで暮らすといいよ」
「やった! お父様ならそう言ってくれると思ったわ!」
「はは、私がルナの嫌がることをするはずがないだろ。大切な娘の友達だ。絶対に泣かせないよ」
ルナちゃんがアイゼンさんに抱き着いているの。アイもお父さんに抱きしめてほしいの。何だか悲しくなってきたの。お母さんお父さん、何処にいるの?
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