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第一章 愛
第11話 ルナちゃんは甘えん坊さんなの
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「美味しかったの」
「テオの料理はこのウルランブルグ一なのよ」
お食事を済ませて馬車でルナちゃんの家に帰っているの。テオさんの料理はとっても美味しかったの。
「テオさんも精霊さんがついていたの」
「えっ? でも、彼は精霊を使えないはずよ」
「赤いトカゲさんが嬉しそうにテオさんの頭から手元を見て、舌をチロチロさせていたの」
「色々な精霊がいるのね。たぶん、それもインクくらいの適正者では見えないのでしょうね。インクも相当な適正者なのだけど」
ルナちゃんが考え込んじゃったの。ルナちゃんを困らせてばっかなの。
「何だかごめんなの」
「どうしたのアイ?」
「ルナちゃんがいっつも困っているの。ごめんなさいなの」
「アイ..」
謝っても謝り切れないの。
「大丈夫よ。絶対に私が守ってあげる。お父様もお母さまも分かってくれているし、守り切って見せるわ」
ルナちゃんはアイを抱きしめてくれるの。何だか、安心するの。
「今度こそ、守って見せるわ」
ルナちゃんが何か言ってるの、良く聞こえなかったけど、悲しい顔をしているの。
「とにかく、別世界に戻れる方法を見つけないとね」
「お母さんお父さんに会いたいの」
「必ず、アイを両親のもとに届けて見せるわ」
ルナちゃんは手を力強く握っているの。頼もしいの。
「そう言えば、アイがこっちの世界に来た時は押し入れに居たのよね? なんでそんなところに一人でいたの?」
「一人じゃないの、真っ白いお人形さんが一緒にいたの!」
「真っ白いお人形さん? 精霊かしら?」
「分からないの。でも、そのお人形さんが押し入れの奥にいて、大きくなってアイを飲み込んだの。そうしたらこの町の噴水の前にいたの」
「凄い話ね」
ルナちゃんは目を輝かせているの。不思議な話は面白いの。
「そうなのね~。押し入れの奥の精霊...興味深いわ。でも、そもそも、なんで押し入れにいたの?」
「じーじとばーばから隠れる為なの」
「隠れる? お爺さんとお婆さんよね? なんで隠れていたの」
「お母さんお父さんを待つために家にいる事にしたの。だけど、じーじとばーばがダメって言って、じーじとばーばのうちに連れてこうとしてきたの」
「....」
ルナちゃんが顎に手を当てて考え込んじゃったの。
「お母さんお父さんはどこに行ったの?」
「救急車さんに連れていかれたの。みんなは行っちゃったって言っていたの。だから、待っていたの」
「....」
ルナちゃんがアイから顔を背けたの。両手で顔を隠して肩を震わせているの。
「どうしたの? ルナちゃん」
「ううっ、何でもないわ。少しだけ、窓の外を見ていて」
「はいなの..」
女の子は一人でいたい時があるらしいの、お母さんが言っていたの。そう言う時は一人にしてあげるの。でも、早くいつものルナちゃんに戻ってほしいの。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいルナ」
「ただいまなの」
「おかえり、アイ」
ルナちゃんのおうちに戻ってきたの。ルナちゃんはずっと俯いているの。いつものルナちゃんには戻っていなくて悲しいの。
「どうしたのルナ?」
「お母様...」
「あらあら、甘えん坊になってしまったのね。アイゼン様、少し席を外しますね」
「ああ、アイは私とオーグナーに任せなさい」
ルナちゃんはウテナさんに抱かれて二階の部屋に行ったの。男の子みたいにカッコいいルナちゃんでもウテナさんに甘えたい時があるの。
「ルナは何かあったのかな? それよりもアイ、何かやりたい事はあるかい?」
「抱っこして欲しいの!」
「ははは、お安い御用だ」
「わ~なの!」
アイゼンさんに抱っこをお願いしたの。抱き合うように抱っこしてくれて、安心するの。
「アイゼン様、そう言った事は私どもが」
「なに、オーグナー。こんな楽しい事を奪うのか?」
「滅相もございません。ですが腰に悪いので」
「はは、腰は完全に回復している安心せよ。では、アイを風にして進ぜよう!」
「早いの~」
アイゼンさんが抱き上げてヒコウキにしてくれたの。そのまま走り回ってくれたの。とっても楽しいの。
「テオの料理はこのウルランブルグ一なのよ」
お食事を済ませて馬車でルナちゃんの家に帰っているの。テオさんの料理はとっても美味しかったの。
「テオさんも精霊さんがついていたの」
「えっ? でも、彼は精霊を使えないはずよ」
「赤いトカゲさんが嬉しそうにテオさんの頭から手元を見て、舌をチロチロさせていたの」
「色々な精霊がいるのね。たぶん、それもインクくらいの適正者では見えないのでしょうね。インクも相当な適正者なのだけど」
ルナちゃんが考え込んじゃったの。ルナちゃんを困らせてばっかなの。
「何だかごめんなの」
「どうしたのアイ?」
「ルナちゃんがいっつも困っているの。ごめんなさいなの」
「アイ..」
謝っても謝り切れないの。
「大丈夫よ。絶対に私が守ってあげる。お父様もお母さまも分かってくれているし、守り切って見せるわ」
ルナちゃんはアイを抱きしめてくれるの。何だか、安心するの。
「今度こそ、守って見せるわ」
ルナちゃんが何か言ってるの、良く聞こえなかったけど、悲しい顔をしているの。
「とにかく、別世界に戻れる方法を見つけないとね」
「お母さんお父さんに会いたいの」
「必ず、アイを両親のもとに届けて見せるわ」
ルナちゃんは手を力強く握っているの。頼もしいの。
「そう言えば、アイがこっちの世界に来た時は押し入れに居たのよね? なんでそんなところに一人でいたの?」
「一人じゃないの、真っ白いお人形さんが一緒にいたの!」
「真っ白いお人形さん? 精霊かしら?」
「分からないの。でも、そのお人形さんが押し入れの奥にいて、大きくなってアイを飲み込んだの。そうしたらこの町の噴水の前にいたの」
「凄い話ね」
ルナちゃんは目を輝かせているの。不思議な話は面白いの。
「そうなのね~。押し入れの奥の精霊...興味深いわ。でも、そもそも、なんで押し入れにいたの?」
「じーじとばーばから隠れる為なの」
「隠れる? お爺さんとお婆さんよね? なんで隠れていたの」
「お母さんお父さんを待つために家にいる事にしたの。だけど、じーじとばーばがダメって言って、じーじとばーばのうちに連れてこうとしてきたの」
「....」
ルナちゃんが顎に手を当てて考え込んじゃったの。
「お母さんお父さんはどこに行ったの?」
「救急車さんに連れていかれたの。みんなは行っちゃったって言っていたの。だから、待っていたの」
「....」
ルナちゃんがアイから顔を背けたの。両手で顔を隠して肩を震わせているの。
「どうしたの? ルナちゃん」
「ううっ、何でもないわ。少しだけ、窓の外を見ていて」
「はいなの..」
女の子は一人でいたい時があるらしいの、お母さんが言っていたの。そう言う時は一人にしてあげるの。でも、早くいつものルナちゃんに戻ってほしいの。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいルナ」
「ただいまなの」
「おかえり、アイ」
ルナちゃんのおうちに戻ってきたの。ルナちゃんはずっと俯いているの。いつものルナちゃんには戻っていなくて悲しいの。
「どうしたのルナ?」
「お母様...」
「あらあら、甘えん坊になってしまったのね。アイゼン様、少し席を外しますね」
「ああ、アイは私とオーグナーに任せなさい」
ルナちゃんはウテナさんに抱かれて二階の部屋に行ったの。男の子みたいにカッコいいルナちゃんでもウテナさんに甘えたい時があるの。
「ルナは何かあったのかな? それよりもアイ、何かやりたい事はあるかい?」
「抱っこして欲しいの!」
「ははは、お安い御用だ」
「わ~なの!」
アイゼンさんに抱っこをお願いしたの。抱き合うように抱っこしてくれて、安心するの。
「アイゼン様、そう言った事は私どもが」
「なに、オーグナー。こんな楽しい事を奪うのか?」
「滅相もございません。ですが腰に悪いので」
「はは、腰は完全に回復している安心せよ。では、アイを風にして進ぜよう!」
「早いの~」
アイゼンさんが抱き上げてヒコウキにしてくれたの。そのまま走り回ってくれたの。とっても楽しいの。
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