異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
14 / 79
第一章 愛

第14話 忍者さんなの?

しおりを挟む
「みんな遅いの~」

 ジャブジャブとお風呂で泳いでいるの。水泳の習い事を少し経験しているから泳ぐのは好きなの。ルナちゃん達は全然来なくてつまらないの。

「アイ、おまたせ」

「遅いの~」

 ルナちゃんとウテナさんがお風呂場に来てくれたの。何を話していたのか気になるの。

「アイゼンさんは何を話していたの?」

「ん? それがね。アイの両親から連絡があってね」

「えっ!? お母さんとお父さんからなの!」

 お母さんとお父さんから連絡があったの! よかったの、やっぱり、ここにいたの!

「そうよ。それでしばらくは来れないみたいだけど、ここから北の方に近いみたいなの。だから、私とお母様と一緒に北国へ行きましょう」

「しばらく会えないの...」

 お母さんたちはまだアイと会えないの。やっぱり、アイの事嫌いになったの?

「お母さんとお父さん、アイの事嫌いになったの...」

「えっ」

 アイは泣いちゃったの、泣いちゃダメなの。だけど、全然止まらないの!

「あらあら、アイはお母さんたちを信じられないの?」

「信じてるの..」

「なら、信じて待ちましょ。一緒に北のおうちに行って、お母さんたちを待つのよ」

「お母さんたちは来てくれるの?」

「ええ、彼女たちはあなたの事が大好きだから必ず来るわ」

「お母様...」

 アイを抱きしめてウテナさんが信じましょうって言ってくれたの。ルナちゃんもアイを真っ直ぐ見てきているの。

「じゃあ、行くの! お母さん達を信じてるの!」

「決まりね。三日後に出発よ。準備は私達が済ませるからアイはルナと遊んでいてね」

「はいなの!」

 ウテナさんが喜んでくれているの。何だか、アイも嬉しいの。

「ルナちゃんどうしたの?」

「...」

 ルナちゃんが浮かない顔をしているの。

「何でもないわ。それよりもほら!」

「えっ、わ~。綺麗なの~」

 ルナちゃんが首を横に振ってから窓を指さしたの。夕日が窓から見えてとっても綺麗なの。

「綺麗でしょ...」

「...綺麗なの」

 夕日に照らされたルナちゃんはとっても綺麗なの。だけど、目には涙が浮かんでいたの。何か悲しい事があったの?

 お風呂の後、パンケーキもどきを食べたの。ちょっとパン寄りの甘い物になってしまったけど、結構おいしかったの。蜂蜜とかがあればもっと良かったけど、そんな高価な物は使えないって言われたの。砂糖も結構お高かったみたいだから仕方ないの。
 





 お母さんたちから連絡があったって聞いたあの日から二日が経ったの。
 この二日間はルナちゃんと町を回って遊んだの。冒険者さんの集まる所とか、カッコいい鎧とかが置いてあるところとか、色々回ったの。全部初めて見るものばっかりだったからとても楽しかったの。

「じゃあ、明日、出発よ。二人共おやすみなさい」

「「おやすみなさ~い」」

 出発の前の日の夜。アイはいつも通り、ルナちゃんと一緒のベッドで寝ることになったの。

「明日が楽しみなの!」

「ふふ、馬車の旅はお尻が痛いから覚悟するのね」

「お尻が痛いのは嫌なの」

 馬車の旅はとても楽しみだけど、お尻が痛くなるのは嫌なの~。お母さんにお尻ぺんぺんされた時みたいになっちゃうかもしれないの。あれはすっごく痛いの。

「じゃあ、おやすみアイ」

「おやすみなの、ルナちゃん」

 ルナちゃんと向かい合って手を握って眠っていくの。握り合った手がとても温かくて、すぐに意識がなくなったの。

「す~っす~」

「綺麗な顔なの」

 なんでか分からないけど、アイは目が覚めちゃったの。アイとルナちゃんの間で、白いクジラさんがピョンピョン跳ねているの。何だか、大変なことが起きているような感じなの。

「何かいるの?」

 赤いお猿さんと黄色のキリンさんが扉の方へ飛んでいったの。精霊さんはお話しできないから分からないの。とにかく、行ってみるの。

「娘を探せ」

「分かっているわ」

 真っ暗な中、声が聞こえてくるの。誰かを探しているみたいなの。

「俺はこっちを探す。お前は二階だ」

「はい」

 真っ黒で顔まで覆ってる服を着た人が階段を上ってきているの。何だか、忍者さんみたいな恰好でカッコイイの!

「お姉さんカッコいいの!」

「だれ! なんで起きているの!」

 ルナちゃんの部屋の前にきた忍者さんの女の人、くノ一さんに声をかけたの。何だかすっごく狼狽えているの。

「まさか、魔法を破る者がアイゼン以外に...」

「お姉さんカッコいいの! そのコスプレ欲しいの」

「コスプ? あなたは誰なの? アイゼンの娘ではないわよね?」

 くノ一さんは首を曲げて、黒いナイフみたいなものを突き付けてきたの。やっぱりカッコいいの。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

処理中です...