異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
19 / 79
第一章 愛

第19話 ラルクお兄ちゃん

しおりを挟む
「ラルクお兄ちゃんと一緒に食べるの~」

「うおっ。アイちゃん」

 地面に座っていたラルクお兄ちゃんの足に座ったの。アイはお父さんの足にもよく座ってたの。何だか、懐かしいの。

「ははっ、ラルクが子持ちになったみたいだな」

「妻の前に子供を持つなんてよかったじゃねえか」

「揶揄うんじゃねえよ」

 ラルクお兄ちゃんに座るとお兄ちゃんのお友達がお兄ちゃんを揶揄ってるの。お兄ちゃんは顔を真っ赤にしているの。恥ずかしそうなの。

「アイ、お兄さんたちが困っているわよ。こっちにいらっしゃい」

「ここがいいの。安心するの」

「何を言っているのよ。ごめんなさいね。疲れているのに」

「いえ、俺達は孤児院育ちなんで大丈夫ですよ。それにアイちゃんには何だか兄妹みたいなそんな感じがするんですよね」

 ルナちゃんがアイの手を引っ張ってラルクお兄ちゃんから離そうとしてきたの。アイはラルクお兄ちゃんと一緒に食事したいの。
 ラルクお兄ちゃんもいいって言ってくれてるの、アイも安心するから離れたくないの。

「おいおい、ラルク。お前はオーリーちゃんが好きじゃなかったか?」

「ラルクは幼い子が好きだったんだな~」

「違えよ。そんなんじゃねえんだよ。なんて言うか、お前達に感じるようなそんな感情だよ」

「はっ!?」

「俺達にまで恋心を!?」

「違えって!」

 ラルクお兄ちゃんがいっぱい揶揄われているの。レッグさんとレザーさんは楽しそうなの。

「それならいいのだけど、迷惑だったらすぐに言ってくださいね」

「はい、ありがとうございます、ルナ様」

 ルナちゃんが諦めてくれたの。何だか、寂しそうな顔をしていたから後で頭をなでなでしてあげるの。アイは大人だから子供のルナちゃんをあやすの。アイはいい子なの。

 ラルクお兄ちゃんとシチューみたいな食べ物を食べたの。お兄ちゃん達の冒険の話を聞いて、アイの知らない話ばっかりで面白かったの。ドラゴンさんとか、アニメの世界でとっても面白かったの。アイも魔法が使いたくなったの。

「オーリーちゃんはどんな子なの?」

「おっと、やっぱり、恋のライバルが気になるかな?」

「だから違えよ!」

「はいはい、ラルクは黙ってなって」

「わっぷ!」

 ラルクお兄ちゃんの好きな人の話がなかったから聞いてみたの。レザーお兄ちゃんはラルクお兄ちゃんの口を抑えて、捕まえているの。レッグお兄ちゃんはニヤニヤして話し始めたの。

「赤毛の子でな。大剣を振り回す冒険者なのさ。主に乗合馬車って言う馬車の護衛をしているんだ」

「そうそう、オーリーの仲間が体調崩して代打で俺達のパーティーが呼ばれたんだよ。その時に知り合って、ラルクが好きになっちまったんだ」

「俺はオーリーの仲間のイデアちゃんが好きだけどな」

「俺はフランちゃんだな。毎日、回復魔法で癒してほしいぜ」

 レッグお兄ちゃんとレザーお兄ちゃんがニヤニヤして話しているの。男の人ってみんなこんな感じなの?

「ラルクお兄ちゃんはオーリーちゃんが好きなの?」

「ぷはっ、覚えてろよ二人共...。ああ、好きだよ」

「好きになるってどんな感じなの?」

「えっ...。そうだな~。気が付くと目がオーリーを探していたり、目が合うと自然と笑っちまうんだ」

 ラルクお兄ちゃんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、正直に話してくれたの。アイはまだ、好きな人がいないからわからないけど、何だか羨ましいの。

「でも、気をつけろよお前」

「えっ? 何を?」

「オーリーちゃんを見つめすぎて怖いってフランちゃんが言っていたぜ」

「えっ! 本当か?」

「ああ、イデアちゃんも言ってたぜ。まあ、あっちも満更でもない話をしていたから大丈夫だと思うけどな」

「満更でもないって、オーリーが?」

「レザー、それを言ったら面白くないだろ!」

 お兄ちゃん達がじゃれあいながら話しているの。オーリーちゃんとラルクお兄ちゃんは両想いみたいなの。凄くうれしいの、好きな人と同じ思いなのは凄く良い事なの。

「....よし! これが終わったら俺、オーリーに告白する」

「お~、とうとう言ったか」

「こっちは言って欲しいやら言ってほしくないやらでヤキモキしてたけどな」

「なんだよそれ」

「先越されるのがなんかな~」

「な~」

「お前ら~」

 ラルクお兄ちゃんが二人を追いかけていくの。みんな笑顔で楽しそうなの。精霊さん達も追いかけっこを始めているの、楽しそうなの。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...