異世界転移！ 幼女の女神が世界を救う！？

第一章 愛

第２０話 魔物さんなの

「前方からオークが三匹」

「了解」

「牽制する」

　野営から三日が経ったの。何度目かの魔物さんとの闘いを終えているけど、豚の顔の魔物さんがまた来たの。ラルクお兄ちゃん達はとっても強くて、簡単に倒していっているの。あんな大きな魔物さんに勝てるなんて凄いの！

「よし、終わった」

「解体はわたくしどもが」

「ありがとうございます」

　魔物さんはお肉になったり、色々な物の素材になるらしいの。メイドさんが解体してくれているの。ラルクお兄ちゃん達は剣の手入れとか、弓の矢を作ったりしているの。冒険者さんもメイドさんも凄いの、自分で何でも出来てしまうの、尊敬するの。

「だいぶ、素材も溜まってしまったわね。そうですね、これからは解体せずに穴に埋めていきますか」

「そうね～。村までは何日程かしら？」

「あと一日程です」

「それならそこで少しは減らせるわね」

「そうですね」

　ウテナさんとメイドさんが話しているの。大きな町に着く前にいくつかの村々を回るらしいの。そこで魔物さんの素材を売ったりして、荷物を減らしていきたいみたいなの。貴族のルナちゃん達は馬車で移動する際には村々を渡って、お金やこういった魔物さんの間引きをしないといけないらしいの。それも貴族の嗜みらしいの、貴族さんは色んな決まりがあって大変なの。

「この後、魔物に会わなければいいんだけど」

「そうですね...」

「ウルフの群れが前方から来てます」

「今日は魔物が多いわね」

「そうですわね」

　これはフラグって言うらしいの、お父さんが言っていたの。起きなければいいって言っていると起きるらしいの、お父さんは物知りなの。

「メイド達も帯剣しなさい。あの数は三人では無理よ」

　ウテナさんがそう言っているの。ウルフは狼の魔物さんらしいの。魔物って言うのがよくわからないけど、魔素って言うのが多い動物らしいの。アイも魔素が欲しいの、そうすれば大きくなれるの？

「みんな大丈夫なの？」

「先行します。安心してくださいアイ様」

「レイお姉ちゃん？」

　少し心配しているとレイお姉ちゃんが背中から自分よりも大きな剣を取り出したの。どこに入っていたの？　
　レイお姉ちゃんは剣を取り出すとジャンプで遠くに飛んでいったの。ウルフさんの群れの中に入ると土煙が立ち上がって、ウルフさんの泣き声が聞こえてきたの。

「数匹来ます。俺達だけじゃ無理だと思うのでけがをしないように」

「わかっていますわ」

　ラルクお兄ちゃんの言葉にルナちゃんが答えているの。少しルナちゃんは怒ってるみたいなの？　
　最近アイが、お兄ちゃん達の所にばっかり行ってるから不機嫌なの、寝るときになでなでしてあげてるんだけど治らないの。ルナちゃんは子供だから仕方ないの。

「鬱憤をはらさせてもらうわ！　火の精霊よ　力を貸しなさい！　[ファイア]」

「わ～トカゲさんがいっぱいなの」

　ルナちゃんが両手をウルフさん達に向けているの。手にいっぱい、小さな赤いトカゲさんが集まっていっているの。赤い精霊さんはお猿さんじゃないの？　アイの赤い精霊さんはお猿さんなのに変なの。
　トカゲさんが火に変わっていって、ウルフさんに飛んでいったの。ウルフさんは三匹くらい燃えていくの。アイも魔法使ってみたいの。

「みんな、大丈夫？」

「はい、怪我人が二人で済みました」

　メイドさん達は頑張ったけど、ウルフさん達は凄かったの、鬼気迫る感じだったの。

「すいません。怪我人をだしてしまって」

「大丈夫ですよ。怪我人にはこれを飲ませるので」

「ありがとうございます」

　お兄ちゃん達が申し訳なさそうにしているとウテナさんが飲み物をメイドさんに渡しているの。お父さんが疲れた時に飲むエナジードリンクと同じようなものがあるらしいの、アイもこの世界の事を勉強しているの。賢くなるの。

「アイは大丈夫だった？」

「馬車の中にいたの。精霊さんが守ってくれたの」

　ルナちゃんが心配してくれたの。でも、アイには精霊さんがついているの。精霊さんはそれぞれ違う魔法で馬車を守ってくれたの。頼もしいの。

「七つの精霊は伊達ではないですね」

「レイお姉ちゃんも凄いの。ウルフさんが驚いてたの」

　レイお姉ちゃんが血みどろで戻ってきたの。汚れているのに気にしていない感じなの。

「とりあえず、服を着替えなさい」

「そうね」

「ってここで着替えるのはやめなさい。男の方もいるのだから」

　レイお姉ちゃんがルナちゃんに着替えた方がいいって言われるとその場で服を脱ぎだしたの。大きなお胸が外に出るとラルクお兄ちゃん達が凝視していたの。男の人はお胸が好きだってお母さんが言っていたのは本当みたいなの。