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第一章 愛
第30話 金庫さん開いたの!
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「金庫だと思うのだけど、扉みたいになっているのに鍵穴がないわね...」
「ないの」
黒い壁って感じだったからアイは金庫だって、分からなかったの。
「マナで開けるのかしら? 開かないわね」
ルナちゃんの手がポアって光ったの。金庫さんは無反応なの。
「それはどうやったの? アイもやりたいの」
「アイなら簡単よ。そうね、コツは人それぞれなんだけど、指をピンッて突っぱねる感じね。神経を集中するのよ」
「やってみるの~」
人差し指を金庫に向けるの、人差し指をじっと見つめて力を入れるの。
「ちょ、ちょっとアイ?」
「集中なの~」
ボシュ!
「なんか出たの...」
「アイ..」
アイの人差し指から光線が出たの~。お父さんが見たら、絶対に喜ぶの。伊達にあの世は見てないのって言うの!
「穴が開いちゃったじゃない...。でたらめねアイは」
黒い金庫さんと壁のつなぎ目くらいに小さな穴が開いちゃったの。穴を覗くと隣の部屋にも同じくらいの穴が開いているの、たぶん、貫いちゃってるの。
「後で修繕してもらわないといけないわね」
「ごめんなさいなの...」
「ううん、私が悪かったわ。ちゃんとマナの使い方を学ばないうちにやらせたのがいけなかったわ。ごめんね」
アイが謝るとルナちゃんが申し訳なさそうに謝ってくれたの。ルナちゃんは優しいの。
「あら? 開いてる?」
「開いたの~」
気づいたら金庫さんが開いてたの~。中には何が入っているの?
「ペンかしら?」
「え~...」
ルナちゃんが中を覗いて呟くの。ペンじゃ面白くないの~。
「アイにも見せてなの~」
「ほらこれよ」
「わ~凄いの~。色んな精霊とかげさんがいるの~」
ルナちゃんが見せてきたペンに七色の精霊とかげさんがいっぱいついていたの。ペンは何だか剣みたいな形なの。
「そんなに精霊がいるのね」
「そうなの。あれ? アイの精霊さんがペンを独占したの。トカゲさんがどっか行っちゃったの」
「えっ?」
どういう事なの? アイの精霊さんはそんな意地悪しないいい子だと思っていたの。何があったの?
「あら? このペン書けないわ」
「うーん。ペンじゃないの?」
「そうみたいね。形は剣みたいだけど、こんなペンくらいじゃ短剣にもならないだろうし。大事なものだから金庫に入っていたと思うんだけど」
「う~ん。変なの~」
ペンだけどお絵描き出来ないの、変なペンなの。
「アイが見つけたからアイにあげる」
「いいの?」
「だって、アイが見つけて、アイが開けたでしょ。だから、これはアイの物よ」
「ありがとうなの。宝物にするの~」
ルナちゃんはペンをアイにくれたの。ペンとしては使えないけど、鎖とかをつけて、バッグとかにつければいいの。
「綺麗なペンなの~。あれ? ルナちゃん!?」
「ん? どうしたのアイ...えっ!?」
アイがペンを持つとペンが光り輝き始めたの。
「どうしたらいいのルナちゃん」
「とにかく離しなさい」
「そうするの! ...離れないの~」
「ちょっと冗談言ってないで」
「冗談じゃないの! 握ってる手が開かないの~」
どんどん光が増しているの。手を離そうとしてるのに手を開くことが出来ないの。なんか変なの~。
「手伝うわ」
「ありがとなの」
「離れないわね」
「頑張るの~」
「アイも頑張りなさいよ」
「頑張ってるの~」
ルナちゃんが離そうと指に力を入れてくれたの。それでも全然取れないの。
「ちょっと、大きくなってる!」
「どういう事なの~」
「早く離さないと! うっ...」
「ルナちゃん!」
ペンが大きくなっているのに気づいてルナちゃんが声をあげたの。声をあげたルナちゃんが膝をついて倒れちゃったの。
「だ、大丈夫。これはマナ枯渇の症状だから...って事はそのペンがマナを吸っているって事...そのペンはなんなの」
ルナちゃんがペンを見て話しているの。アイもペンを見つめるの。精霊さん達がしがみついてマナを送っているように見えるの。
「アイ! 今、助けるから!」
「ルナちゃん! 大丈夫なの。精霊さん達はアイの味方なの、この子達がこのペンにマナを送っているって事はアイの為だと思うの。ルナちゃんはそこで見ててほしいの!」
「アイ!?」
アイの言葉にルナちゃんが声を張り上げると光がひときわ大きくなって部屋中が真っ白になったの。
「ないの」
黒い壁って感じだったからアイは金庫だって、分からなかったの。
「マナで開けるのかしら? 開かないわね」
ルナちゃんの手がポアって光ったの。金庫さんは無反応なの。
「それはどうやったの? アイもやりたいの」
「アイなら簡単よ。そうね、コツは人それぞれなんだけど、指をピンッて突っぱねる感じね。神経を集中するのよ」
「やってみるの~」
人差し指を金庫に向けるの、人差し指をじっと見つめて力を入れるの。
「ちょ、ちょっとアイ?」
「集中なの~」
ボシュ!
「なんか出たの...」
「アイ..」
アイの人差し指から光線が出たの~。お父さんが見たら、絶対に喜ぶの。伊達にあの世は見てないのって言うの!
「穴が開いちゃったじゃない...。でたらめねアイは」
黒い金庫さんと壁のつなぎ目くらいに小さな穴が開いちゃったの。穴を覗くと隣の部屋にも同じくらいの穴が開いているの、たぶん、貫いちゃってるの。
「後で修繕してもらわないといけないわね」
「ごめんなさいなの...」
「ううん、私が悪かったわ。ちゃんとマナの使い方を学ばないうちにやらせたのがいけなかったわ。ごめんね」
アイが謝るとルナちゃんが申し訳なさそうに謝ってくれたの。ルナちゃんは優しいの。
「あら? 開いてる?」
「開いたの~」
気づいたら金庫さんが開いてたの~。中には何が入っているの?
「ペンかしら?」
「え~...」
ルナちゃんが中を覗いて呟くの。ペンじゃ面白くないの~。
「アイにも見せてなの~」
「ほらこれよ」
「わ~凄いの~。色んな精霊とかげさんがいるの~」
ルナちゃんが見せてきたペンに七色の精霊とかげさんがいっぱいついていたの。ペンは何だか剣みたいな形なの。
「そんなに精霊がいるのね」
「そうなの。あれ? アイの精霊さんがペンを独占したの。トカゲさんがどっか行っちゃったの」
「えっ?」
どういう事なの? アイの精霊さんはそんな意地悪しないいい子だと思っていたの。何があったの?
「あら? このペン書けないわ」
「うーん。ペンじゃないの?」
「そうみたいね。形は剣みたいだけど、こんなペンくらいじゃ短剣にもならないだろうし。大事なものだから金庫に入っていたと思うんだけど」
「う~ん。変なの~」
ペンだけどお絵描き出来ないの、変なペンなの。
「アイが見つけたからアイにあげる」
「いいの?」
「だって、アイが見つけて、アイが開けたでしょ。だから、これはアイの物よ」
「ありがとうなの。宝物にするの~」
ルナちゃんはペンをアイにくれたの。ペンとしては使えないけど、鎖とかをつけて、バッグとかにつければいいの。
「綺麗なペンなの~。あれ? ルナちゃん!?」
「ん? どうしたのアイ...えっ!?」
アイがペンを持つとペンが光り輝き始めたの。
「どうしたらいいのルナちゃん」
「とにかく離しなさい」
「そうするの! ...離れないの~」
「ちょっと冗談言ってないで」
「冗談じゃないの! 握ってる手が開かないの~」
どんどん光が増しているの。手を離そうとしてるのに手を開くことが出来ないの。なんか変なの~。
「手伝うわ」
「ありがとなの」
「離れないわね」
「頑張るの~」
「アイも頑張りなさいよ」
「頑張ってるの~」
ルナちゃんが離そうと指に力を入れてくれたの。それでも全然取れないの。
「ちょっと、大きくなってる!」
「どういう事なの~」
「早く離さないと! うっ...」
「ルナちゃん!」
ペンが大きくなっているのに気づいてルナちゃんが声をあげたの。声をあげたルナちゃんが膝をついて倒れちゃったの。
「だ、大丈夫。これはマナ枯渇の症状だから...って事はそのペンがマナを吸っているって事...そのペンはなんなの」
ルナちゃんがペンを見て話しているの。アイもペンを見つめるの。精霊さん達がしがみついてマナを送っているように見えるの。
「アイ! 今、助けるから!」
「ルナちゃん! 大丈夫なの。精霊さん達はアイの味方なの、この子達がこのペンにマナを送っているって事はアイの為だと思うの。ルナちゃんはそこで見ててほしいの!」
「アイ!?」
アイの言葉にルナちゃんが声を張り上げると光がひときわ大きくなって部屋中が真っ白になったの。
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