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第二章 学校
第61話 ゴルグィードとインク
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「ここでいいの? ゴルグィード」
「そのようじゃよ、インク」
アイ達が買い物をしている時、ゴルグィード校長は仲間のインクと共に黒き光の集まる砦に到着していた。ゴルグィードと一緒にいるインク、アイに服を見繕ったインクは旧知の友。
エルフであるインクはとても若く見えるがゴルグィードと同い年。
二人は空を飛び、砦を見下ろす。
砦は所々に松明が灯されている。
打ち捨てられたような砦であるが誰かがいるのは明白、二人は用心しながら入り込んでいった。
「!?」
「だれだ……」
「黙っておれ」
石造りの通路を進んでいると黒いローブ姿の二人の魔法使いが警戒して立っていたがインクとゴルグィードの手によって息絶えていく。インクの高速のレイピアの突きとゴルグィードの透明な刃は並大抵の魔法使いでは対処できないだろう。
更に十人ほどの黒き光の魔法使いと思われる者達を屠って地下に進んでいく。表から見える砦はあくまでもおまけだったようだ。
地下へと続く道には松明が点々と設置してあり、怪しさをかもし出している。
「インク、ストップじゃ」
「どうしたんだゴルグィード?」
地下に下っているとゴルグィードが歩みを止めた。インクは首を傾げて疑問を投げかけた。
「どうやら、罠だったようじゃ。引き返すぞ」
「行き止まりか……」
ゴルグィードは歩きながら、地下を調べていた。風魔法と土魔法によるサーチの魔法だ。風魔法でやるだけでも正確な情報が得られるがゴルグィードは更に土魔法を要して正確性を上げていた。
それによる情報では地下には魔法使いが五十人以上配置されていて、入り込んだら生き埋めになるようになっていたようだ。仲間もろとも生き埋めにする算段、それだけゴルグィードの事を強敵だと理解しているのだろう。
二人は大きくため息をついて地上へと歩き始めた。早めに分かっていなかったら大変なことになっていた。二人は安堵してため息をついたのだが、それはすぐに別の理由に切り替わるのだった。
「流石はゴルグィード」
「もうばれたか」
引き返す二人の前に四人の文字付の黒服が現れた。狭い通路に四人、逃げられない。
「フォッフォッフォ、なるほどの~」
「挟み撃ちか」
気が付くと地下へと続く道にも二人の文字付の黒服が現れていた。
「インクはそっちを、儂は四人相手じゃ」
「私がそっちでもいいんですよ。もう、老体なんですから」
「フォッフォッフォ、まだまだ、インクには負けんて」
「言ってなさい。行きますよ!」
砦まで響き渡る苛烈な戦闘音。
それぞれの敵へと魔法を放ち、剣や杖がぶつかり、音を奏でる。
ゴルグィードは四人を押し戻して砦から脱出。空へと飛び出して四人を見下ろした。
「名前を知らないまま始末するのもなんだからの~。自己紹介してもらおうかの」
ゴルグィードは余裕綽々と言いのける。四人は歯ぎしりをして、名乗らずにそれぞれの魔法を放つ。
放ち終わると空を飛びゴルグィードを追うが一人、また一人と撃ち落されていった。
「役立たず共が!」
「フォッフォッフォ、仲間にそんなこと言っちゃいかんぞ」
「仲間だ~? そんなお綺麗なもんじゃねえよ。この世界を壊したくて集まっただけの腐れ縁よ」
「そりゃ残念じゃな。お前たちのようなもんにも補えあう友が居ると思っとったんじゃが」
「死ね、爺」
最後の生き残りの強面の男がゴルグィードへと氷の刃を振り下ろした。ゴルグィードは真っ二つに裂けて霧散していく。
「幻術か! どこだ!」
「ここじゃよ」
「!?」
男は声に反応して氷の刃を横なぎに払った。刃は地面に落ちて、男はその刃を見据えて目を閉じた。
かすり傷すら付けられずに四人の魔法使いは絶命していった。
暴虐の魔法使いは歳をとっても強かった。
「文字ありでこれでは肩慣らしにもならんの~。インクももう終わったじゃろうて」
ゴルグィードは退屈と言わんばかりに大きなため息をついて砦に戻った。
砦に着くと戦闘音が聞こえてくる。予想を覆られたゴルグィードは速度を上げて地下への道へと急ぐ。戦闘音が大きくなってくる。
地下を大きく進んでいくと大きな広間にたどり着いた。
「ゴルグィード!」
「無事じゃったかインク」
インクが無事だった事に安堵したゴルグィード。しかし、おかしい、インクは歴戦の魔法戦士。この程度の魔法使いに後れを取るはずがない。
「奴らは上位の土魔法使いのようです」
地下で土魔法とは厄介な、とゴルグィードはうつむいた。
「我らはあの四人のようにはいかんぞ」
「何を言って居る。終わりじゃよ」
「なに!?」
広間の天井から光が差し込んできた。それは大きく太くなり二人の男へと降り注いでいく。
「な、これは光魔法の[サテライトジャベリン]! こんな深くまでくるはずは! バケモノ……」
予め魔力をためていたゴルグィードの光のやりが地を貫き二人を貫いた。
「ふむ、インクは怠けていたんじゃな。あんな二人にやられるとはの~」
「……お前と違って精霊は一体何だよ。まったく、バケモノと一緒にするな」
「フォッフォッフォ、若いままのエルフにバケモノと言われてしまったわい。とりあえず、六人もの幹部を屠れば奴らも動けんじゃろう」
十人の幹部のうち、六人始末された黒き光。ゴルグィードは安心するのだった。
「おっと、この地下はあやつらのマナで作られておったか」
「崩れだしたな」
地揺れが始まり、地下が崩れだした。二人は光の槍で開いた大きな穴で外へと飛び出した。
こうして、黒き光は大きなダメージを追ったのだったがそれはまた新たな攻撃を誘発するものとなる。
「そのようじゃよ、インク」
アイ達が買い物をしている時、ゴルグィード校長は仲間のインクと共に黒き光の集まる砦に到着していた。ゴルグィードと一緒にいるインク、アイに服を見繕ったインクは旧知の友。
エルフであるインクはとても若く見えるがゴルグィードと同い年。
二人は空を飛び、砦を見下ろす。
砦は所々に松明が灯されている。
打ち捨てられたような砦であるが誰かがいるのは明白、二人は用心しながら入り込んでいった。
「!?」
「だれだ……」
「黙っておれ」
石造りの通路を進んでいると黒いローブ姿の二人の魔法使いが警戒して立っていたがインクとゴルグィードの手によって息絶えていく。インクの高速のレイピアの突きとゴルグィードの透明な刃は並大抵の魔法使いでは対処できないだろう。
更に十人ほどの黒き光の魔法使いと思われる者達を屠って地下に進んでいく。表から見える砦はあくまでもおまけだったようだ。
地下へと続く道には松明が点々と設置してあり、怪しさをかもし出している。
「インク、ストップじゃ」
「どうしたんだゴルグィード?」
地下に下っているとゴルグィードが歩みを止めた。インクは首を傾げて疑問を投げかけた。
「どうやら、罠だったようじゃ。引き返すぞ」
「行き止まりか……」
ゴルグィードは歩きながら、地下を調べていた。風魔法と土魔法によるサーチの魔法だ。風魔法でやるだけでも正確な情報が得られるがゴルグィードは更に土魔法を要して正確性を上げていた。
それによる情報では地下には魔法使いが五十人以上配置されていて、入り込んだら生き埋めになるようになっていたようだ。仲間もろとも生き埋めにする算段、それだけゴルグィードの事を強敵だと理解しているのだろう。
二人は大きくため息をついて地上へと歩き始めた。早めに分かっていなかったら大変なことになっていた。二人は安堵してため息をついたのだが、それはすぐに別の理由に切り替わるのだった。
「流石はゴルグィード」
「もうばれたか」
引き返す二人の前に四人の文字付の黒服が現れた。狭い通路に四人、逃げられない。
「フォッフォッフォ、なるほどの~」
「挟み撃ちか」
気が付くと地下へと続く道にも二人の文字付の黒服が現れていた。
「インクはそっちを、儂は四人相手じゃ」
「私がそっちでもいいんですよ。もう、老体なんですから」
「フォッフォッフォ、まだまだ、インクには負けんて」
「言ってなさい。行きますよ!」
砦まで響き渡る苛烈な戦闘音。
それぞれの敵へと魔法を放ち、剣や杖がぶつかり、音を奏でる。
ゴルグィードは四人を押し戻して砦から脱出。空へと飛び出して四人を見下ろした。
「名前を知らないまま始末するのもなんだからの~。自己紹介してもらおうかの」
ゴルグィードは余裕綽々と言いのける。四人は歯ぎしりをして、名乗らずにそれぞれの魔法を放つ。
放ち終わると空を飛びゴルグィードを追うが一人、また一人と撃ち落されていった。
「役立たず共が!」
「フォッフォッフォ、仲間にそんなこと言っちゃいかんぞ」
「仲間だ~? そんなお綺麗なもんじゃねえよ。この世界を壊したくて集まっただけの腐れ縁よ」
「そりゃ残念じゃな。お前たちのようなもんにも補えあう友が居ると思っとったんじゃが」
「死ね、爺」
最後の生き残りの強面の男がゴルグィードへと氷の刃を振り下ろした。ゴルグィードは真っ二つに裂けて霧散していく。
「幻術か! どこだ!」
「ここじゃよ」
「!?」
男は声に反応して氷の刃を横なぎに払った。刃は地面に落ちて、男はその刃を見据えて目を閉じた。
かすり傷すら付けられずに四人の魔法使いは絶命していった。
暴虐の魔法使いは歳をとっても強かった。
「文字ありでこれでは肩慣らしにもならんの~。インクももう終わったじゃろうて」
ゴルグィードは退屈と言わんばかりに大きなため息をついて砦に戻った。
砦に着くと戦闘音が聞こえてくる。予想を覆られたゴルグィードは速度を上げて地下への道へと急ぐ。戦闘音が大きくなってくる。
地下を大きく進んでいくと大きな広間にたどり着いた。
「ゴルグィード!」
「無事じゃったかインク」
インクが無事だった事に安堵したゴルグィード。しかし、おかしい、インクは歴戦の魔法戦士。この程度の魔法使いに後れを取るはずがない。
「奴らは上位の土魔法使いのようです」
地下で土魔法とは厄介な、とゴルグィードはうつむいた。
「我らはあの四人のようにはいかんぞ」
「何を言って居る。終わりじゃよ」
「なに!?」
広間の天井から光が差し込んできた。それは大きく太くなり二人の男へと降り注いでいく。
「な、これは光魔法の[サテライトジャベリン]! こんな深くまでくるはずは! バケモノ……」
予め魔力をためていたゴルグィードの光のやりが地を貫き二人を貫いた。
「ふむ、インクは怠けていたんじゃな。あんな二人にやられるとはの~」
「……お前と違って精霊は一体何だよ。まったく、バケモノと一緒にするな」
「フォッフォッフォ、若いままのエルフにバケモノと言われてしまったわい。とりあえず、六人もの幹部を屠れば奴らも動けんじゃろう」
十人の幹部のうち、六人始末された黒き光。ゴルグィードは安心するのだった。
「おっと、この地下はあやつらのマナで作られておったか」
「崩れだしたな」
地揺れが始まり、地下が崩れだした。二人は光の槍で開いた大きな穴で外へと飛び出した。
こうして、黒き光は大きなダメージを追ったのだったがそれはまた新たな攻撃を誘発するものとなる。
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