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第1章 新たな始まり
第4話 お引越し
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「バブ~」
ごちそうを食べ損ねて次の日。僕はうなだれていた。なぜかというと、魔石がないからだ。
せっかく帰る方法がなんとなくわかったっていうのに、試せない。じれったいな~。早く大人になりた~い。
「ふぅ、今日もゴーレムを仕留めた。最近本当に多いな」
項垂れているとレッグスが帰ってきた。ここら辺の魔物にゴーレムはいなかった。それなのに最近現れるようになった。何だか嫌な予感がするな~。
僕みたいな存在は異物みたいなもの、それが生まれてすぐに魔物が増える。関係がないとは思えない。
「あら? 今日はゴーレムの褒賞はないの?」
「ああ、今日は魔石だ。活性化していないからゴーレムになることはないけど、売れば金になる。これから増える魔物に懸賞金を出していたら町から金がなくなっちまうとか言われたよ」
エミの疑問に答えるレッグス。
なるほど、ゴーレムは多発すると町の領主は判断したってことか。中々優秀な人っぽいな。
って!? ゴーレムの魔石!
「バブバブバブ!」
「おう!? な、どうしたんだアキラ?」
レッグスの足にしがみついてお尻まで登る。お尻をつねると声をあげるレッグス。魔石に手を伸ばすと彼は分かってくれたようで、魔石を手渡してくれる。
「バブバブ!」
「魔石は綺麗だからね。触ってみたいんでしょ」
魔石を手に入れてペシペシと叩く。エミは僕の頭を撫でてくれる。
召喚魔法に使う魔石は不活性化している魔石を使う。まずは活性化させなくちゃいけない。ペシペシと叩いているのはその為。マナ、MPを込めた手のひらでペシペシと叩いてると魔石が緑色に輝く。
「「ええ!?」」
緑色に輝くとエミとレッグスが驚きの声をあげる。召喚魔法は珍しい魔法。属性魔法のように適性もあるから、僕にできるか心配してた。だけど、出来そうだ。
「緑色に輝いてる? 魔物は赤く輝くはず」
レッグスが魔石の輝きを見て呟く。魔物になる時は赤く光る。召喚に使われるときは緑に輝く。人のMPを注いでいるから緑色に輝いているらしい。
「召喚魔法ね。アキラがやっているみたい」
「それは本当か!? ってことはゴーレムが召喚されるのか?」
エミが気が付いて声をあげる。魔石の元となった魔物が召喚されるのは普通の召喚魔法。このままMPを注いでいけばゴーレムが召喚される。この魔石を心臓にして。
「ゴーレムが召喚されたら家が壊れるぞ」
「そ、そうね……。アキラ、召喚しちゃダメよ」
……召喚しようと思ったらレッグスが気になることを言ってきた。今の両親に迷惑をかけるのは良くないよな……。外に出てやろう。
「まって、外でならいいと思っちゃダメよ。召喚魔法が出来る赤ん坊なんて珍しい。人さらいに知られたら毎日恐怖におびえないといけなくなる。あなたを失う恐怖と……」
扉の方向にハイハイしているとエミにそんなことを言われてしまった。赤ん坊が召喚魔法を使える。それはとても魅力的なステータスのようだ。
人攫いか、それは怖いな。誰にも見られない所で召喚魔法を勉強していかないといけないってことか。
「はは、凄いなアキラは。お祝いにその魔石はお前にやるよ。ゴーレムを召喚するときは見せてくれよ」
「バブ!」
レッグスはそう言って頭を撫でてくれる。その様子を見てエミは呆れてため息をついた。
「もう、そう言う問題じゃないでしょ。その魔石も隠しておかないとダメよ。貴族なんかに見られたら問答無用でアキラを寄こせって言ってくるわ。引っ越さないといけないわね」
エミは危機感を持ってるみたいだ。それほど召喚魔法は貴重な物ってことか。引っ越しまでしないといけないとは、少しうかつだった。
でも、町の外に行くってことは召喚魔法が使えるってことだよな。魔法使いたい放題ってこと! 帰る為に色々試せるぞ!
「よし、大体荷積みは終わったな。エミ、アキラ。俺達の故郷へ帰るぞ~」
次の日、荷積みを終えて声をあげるレッグス。エミと一緒に頷いて答える。
僕らはこうして、生まれた町【レグルスエイド】を後にした。
ーーーーーーーーーーー
馬車に揺られること一週間。農場のある村にたどり着いた。ここが二人の故郷?
「はぁ~、やっと着いた」
「荷物が無ければもっと早くつけたんだけどね」
村の中にはいって馬車から荷ほどきを始める。騒がしくなって村の人達が出てきてる。あんまり歓迎されていないような感じがするけど。
「この【ルインズ】で育ったレッグスとエミだ。帰ってきたからよろしくな!」
レッグスが村の人達に声をあげる。すると村の人達は無視するように家に帰っていく。あまり感じはよくないな。
「ん? なんか雰囲気が悪いな」
「元からよそ者には厳しかったからね。私の家に行った方がよさそうね」
レッグスが首を傾げているとエミが提案する。荷ほどきした荷物を村の中央の家にいれようとしていたレッグスだったけれど、それは彼の実家みたい。村の真ん中にあるから悪目立ちするという事でエミの実家に行くことにした。
実家と言っても両親は居ないみたいだな。話では別の町に移り住んでるみたい。家は二人に譲っていたらしい。村の人達に嫌われてるのはそのせいじゃないかな? 一番いい家を手付かずにしていたから。
「よっし! 荷ほどきおしまいだ。はぁ~、埃臭いな~」
「そりゃそうよ。10年も誰もすんでいなかったんだから。補修もしないといけないかもね」
荷ほどきが終わってホッと胸をなでおろすのも束の間。埃臭い家にため息をつくレッグス。エミは早速掃除に取り掛かる。
僕は手伝うこともできない。迷惑かけちゃったな~。
ごちそうを食べ損ねて次の日。僕はうなだれていた。なぜかというと、魔石がないからだ。
せっかく帰る方法がなんとなくわかったっていうのに、試せない。じれったいな~。早く大人になりた~い。
「ふぅ、今日もゴーレムを仕留めた。最近本当に多いな」
項垂れているとレッグスが帰ってきた。ここら辺の魔物にゴーレムはいなかった。それなのに最近現れるようになった。何だか嫌な予感がするな~。
僕みたいな存在は異物みたいなもの、それが生まれてすぐに魔物が増える。関係がないとは思えない。
「あら? 今日はゴーレムの褒賞はないの?」
「ああ、今日は魔石だ。活性化していないからゴーレムになることはないけど、売れば金になる。これから増える魔物に懸賞金を出していたら町から金がなくなっちまうとか言われたよ」
エミの疑問に答えるレッグス。
なるほど、ゴーレムは多発すると町の領主は判断したってことか。中々優秀な人っぽいな。
って!? ゴーレムの魔石!
「バブバブバブ!」
「おう!? な、どうしたんだアキラ?」
レッグスの足にしがみついてお尻まで登る。お尻をつねると声をあげるレッグス。魔石に手を伸ばすと彼は分かってくれたようで、魔石を手渡してくれる。
「バブバブ!」
「魔石は綺麗だからね。触ってみたいんでしょ」
魔石を手に入れてペシペシと叩く。エミは僕の頭を撫でてくれる。
召喚魔法に使う魔石は不活性化している魔石を使う。まずは活性化させなくちゃいけない。ペシペシと叩いているのはその為。マナ、MPを込めた手のひらでペシペシと叩いてると魔石が緑色に輝く。
「「ええ!?」」
緑色に輝くとエミとレッグスが驚きの声をあげる。召喚魔法は珍しい魔法。属性魔法のように適性もあるから、僕にできるか心配してた。だけど、出来そうだ。
「緑色に輝いてる? 魔物は赤く輝くはず」
レッグスが魔石の輝きを見て呟く。魔物になる時は赤く光る。召喚に使われるときは緑に輝く。人のMPを注いでいるから緑色に輝いているらしい。
「召喚魔法ね。アキラがやっているみたい」
「それは本当か!? ってことはゴーレムが召喚されるのか?」
エミが気が付いて声をあげる。魔石の元となった魔物が召喚されるのは普通の召喚魔法。このままMPを注いでいけばゴーレムが召喚される。この魔石を心臓にして。
「ゴーレムが召喚されたら家が壊れるぞ」
「そ、そうね……。アキラ、召喚しちゃダメよ」
……召喚しようと思ったらレッグスが気になることを言ってきた。今の両親に迷惑をかけるのは良くないよな……。外に出てやろう。
「まって、外でならいいと思っちゃダメよ。召喚魔法が出来る赤ん坊なんて珍しい。人さらいに知られたら毎日恐怖におびえないといけなくなる。あなたを失う恐怖と……」
扉の方向にハイハイしているとエミにそんなことを言われてしまった。赤ん坊が召喚魔法を使える。それはとても魅力的なステータスのようだ。
人攫いか、それは怖いな。誰にも見られない所で召喚魔法を勉強していかないといけないってことか。
「はは、凄いなアキラは。お祝いにその魔石はお前にやるよ。ゴーレムを召喚するときは見せてくれよ」
「バブ!」
レッグスはそう言って頭を撫でてくれる。その様子を見てエミは呆れてため息をついた。
「もう、そう言う問題じゃないでしょ。その魔石も隠しておかないとダメよ。貴族なんかに見られたら問答無用でアキラを寄こせって言ってくるわ。引っ越さないといけないわね」
エミは危機感を持ってるみたいだ。それほど召喚魔法は貴重な物ってことか。引っ越しまでしないといけないとは、少しうかつだった。
でも、町の外に行くってことは召喚魔法が使えるってことだよな。魔法使いたい放題ってこと! 帰る為に色々試せるぞ!
「よし、大体荷積みは終わったな。エミ、アキラ。俺達の故郷へ帰るぞ~」
次の日、荷積みを終えて声をあげるレッグス。エミと一緒に頷いて答える。
僕らはこうして、生まれた町【レグルスエイド】を後にした。
ーーーーーーーーーーー
馬車に揺られること一週間。農場のある村にたどり着いた。ここが二人の故郷?
「はぁ~、やっと着いた」
「荷物が無ければもっと早くつけたんだけどね」
村の中にはいって馬車から荷ほどきを始める。騒がしくなって村の人達が出てきてる。あんまり歓迎されていないような感じがするけど。
「この【ルインズ】で育ったレッグスとエミだ。帰ってきたからよろしくな!」
レッグスが村の人達に声をあげる。すると村の人達は無視するように家に帰っていく。あまり感じはよくないな。
「ん? なんか雰囲気が悪いな」
「元からよそ者には厳しかったからね。私の家に行った方がよさそうね」
レッグスが首を傾げているとエミが提案する。荷ほどきした荷物を村の中央の家にいれようとしていたレッグスだったけれど、それは彼の実家みたい。村の真ん中にあるから悪目立ちするという事でエミの実家に行くことにした。
実家と言っても両親は居ないみたいだな。話では別の町に移り住んでるみたい。家は二人に譲っていたらしい。村の人達に嫌われてるのはそのせいじゃないかな? 一番いい家を手付かずにしていたから。
「よっし! 荷ほどきおしまいだ。はぁ~、埃臭いな~」
「そりゃそうよ。10年も誰もすんでいなかったんだから。補修もしないといけないかもね」
荷ほどきが終わってホッと胸をなでおろすのも束の間。埃臭い家にため息をつくレッグス。エミは早速掃除に取り掛かる。
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