制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
10 / 59
第1章 異世界

第10話 順位報告

しおりを挟む
 マネキンを探索に向かわせて次の日、木の素材が乏しくなってしまたので森を伐採することにした。鉄の斧と石の斧に切らせたのだが切り株をどうしようかとなった。流石の精霊達も切り株にはお手上げだ。

「おお、そうだ。鉄も一日で集まったことだし、鉄の馬マネキンを作りますか」

 大昔は牛とかに引っ張らせたんだよな。鉄の馬マネキンならばパワーも相当な物だろう。
 早速、鉄の馬マネキンを作った。しかし、引かせるロープがない事に気付く。どうしたものかな~。

「ヒヒン?」

「ああ、すまん。作ったはいいけど、あの切り株に巻きつけるロープがないんだよ。折角、切り株をどかしてもらおうと思ったのに」

「...ブルブルブル~」

 鉄の馬マネキンは俺の言葉を聞いて首を振って鳴いた。その後すぐに切り株へと頭をこすり付けている。

「おお、すげえ」

 頭をこすり付けたと思ったら切り株が一瞬で地面からはがれた。頭でかちあげたようだ。なんちゅうパワー。何馬力だって感じだな。

「助かったよ」

「ヒン」

 馬マネキンの頭を撫でてあげると馬マネキンは嬉しそうに頭をこすり付けてきた。痛い、ものっそ痛い。流石は鉄だ。
 馬マネキンに切り株を任せて斧君に木を伐り進んでもらう。オークの洞窟の前まで切り揃えてもらうことにした。拠点を大きくしようと思っていると何やら脳内に声が響いてきた。
 
『あ、あ~。ただいまマイクのテスト中~』

「この声は..」

 テセリウスの声だ。って事はこれが定期順位報告って奴か?

『え~。定期順位報告をいたします。おっとその前にみんなはちょっと待っていておくれ』

「な...」

 テセリウスが目の前に現れた。みんなって言うのはクラスメイト達の事か?

「君には何も説明しなかったでしょ。だから、時間を取ったんだ~。へ~あの状況からここまでもってくるなんてやるね、君」

 テセリウスを前にして、あぶら汗をかく。あの空間だと気付かなかったけど、異様な圧力を纏っているんだよな。強者のプレッシャーって奴かな?

「そんなに身構えないでよ。褒めているんだからね。君の存在の器にした男は家なし金なしの何も持っていない男だった。これからただ死ぬだけの男。そこからここまでやるなんてね~。スキルが凄いのか、君が凄いのか」

 テセリウスは小さな家の扉を触りながら褒めてきた。まあ、精霊のおかげだけどな。

「という事で君に説明する為に時間を設けたんだ。じゃあ、説明するぞ~」

 テセリウスはそう言って地面に座った。座るように促されたので俺もテセリウスの前に座った。

「君達の順位は何で決まるのか。それは領民の数とレベルさ」

「領民...」

 人なんて一人もいないな。

「領民は一人もいないけど、レベルは君が一番だよ。まあ、まだビリだけどね」

 順位報告の前にバラされた。流石に順位に食い込めてはいないみたいだな。

「君の場合は領民を得ないといけないからね。それが大変だろうね。じゃあ、僕は帰るよ。頑張ってね~」

「...」

 なんかテセリウスはフレンドリーだったな。下剋上な状況だから贔屓目で見てくれているって所か? そう考えると腹立つな。
 まあ、いい。それよりも拠点の強化だ。

『では、お待たせしました~。現在の順位発表です!』

 そうだった。まだ順位発表してなかったんだった。どうせビリだけど。

 テセリウスの声と共に目の前にモニターが現れる。

【一位】

 金田一 一

【二位】

 綾崎 姫子

【三位】

 金山 金治



 ずらっとクラスメイト達の名前が書かれていく。三位以下は省略されて名前が書かれるだけだった。クラスは25人いたので俺は25位って事だな。みんな領民が俺のレベル以上にいるってことだよな~。という事はクラスメイトのいる所は村かそれ以上って事だ。ゼロからの俺はかなり不利だな~。

『因みに、一位から三位を知らせるのは、その順位でゴールすることが出来たら願いを叶えてあげられるんだ。三位まで願いで一位は更にもう一個願いを叶えてあげられるよ。じゃあ、みんな頑張って~』

 願いか...このゲームの様な世界に来ただけで叶ってしまっているんだよな。スキルのある生活は俺の夢だったし。あとは魔法が使えるようになったら最高だな。目指せるなら目指してテセリウスをギャフンと言わせてやるか。

「よっし、じゃあ、拠点を強化していきますかね~」

 順位や仕組みがわかってもやる事は一緒、じゃんじゃか作っていくぞー。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

スキル『レベル1固定』は最強チートだけど、俺はステータスウィンドウで無双する

うーぱー
ファンタジー
アーサーはハズレスキル『レベル1固定』を授かったため、家を追放されてしまう。 そして、ショック死してしまう。 その体に転成した主人公は、とりあえず、目の前にいた弟を腹パンざまぁ。 屋敷を逃げ出すのであった――。 ハズレスキル扱いされるが『レベル1固定』は他人のレベルを1に落とせるから、ツヨツヨだった。 スキルを活かしてアーサーは大活躍する……はず。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...