制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
9 / 59
第1章 異世界

第9話 マネキン

しおりを挟む
 オークの洞窟を占領して、次の日。前の日に焼いておいたオーク肉を頬張って、飲み水にスタミナポーションを飲み干す。地下鉱山を建設しているツルハシ君達がオーク洞窟とつながった事を知らせてくれた。地下鉱山には小屋に入りきらない程の鉄鉱石が山になっているよ。これで次の製作レベルへの備えは万全だ。石君達に少しずつ外に出してもらって鉄系の製作物が作れるようになった時に備えていく。小さな家も作ったので小屋と物置小屋をもう一個づつ作っていくかな。

 ピンポン!

「おっ上がったな~」

 鉱山の事を考えながら物置小屋を作るとレベルアップ音がなった。小精霊生成薬をオークとの闘い中にも作っていたのでレベルが14まで上がっていたんだよな。これで15になって製作物が増えているはずだ。

【製作スキル LV 15】

【新】
 
 木の杖
 木の家具一式
 鉄の剣
 鉄の盾
 鉄の斧
 鉄のツルハシ
 鉄のクワ
 鉄のスコップ
 鉄のマネキン
 鉄の馬マネキン
 鉄の壁

 中精霊生成薬
 中マナポーション
 
 おおとうとう家具が作れるようになったぞ~。やっとベッドで寝られる。
 それに中精霊生成薬を作れるようになった。これで大八車を引っ張れる馬力が手に入る。遠出も簡単にできるようになったな。鉄シリーズも解禁されたから戦力の増強も可能だ。
 みんなの体は強固だけど、寿命通りにいきられるとは思えないんだよな。石剣君達も刃こぼれしていたしね。壊れる前に鉄剣君を増産しなくちゃいけないよ。という事で鉄シリーズの精霊達を作っていく。物置小屋と小屋の間に作った地下鉱山への入り口、その前に積まれた鉄鉱石に触れてどんどん製作。剣を20、盾5、ツルハシ10、斧2と製作。クワは木でも石でも関係ないのでそのままだ。種がないので耕す事だけさせているが予定はない。草系統の製作物もないしな。鉄になっても、小精霊生成薬で可能だったのでやっぱり、体積が重要なのだろう。安上がりで強い、これはチートだわ。
 そして、次が本題だ。中精霊生成薬を作る。これは小精霊生成薬を五個で一個作れる。オークの核一個で一個作れる計算だ。スライム井戸のおかげで核はそこそこ溜まっているし、昨日のオーク洞窟を攻めたおかげでまだまだおつりがくる。とりあえず、作っておいた木のマネキンにぶっかける。一番最初の小屋に放置していて夜になると怖かったがこれでその恐怖もなくなるぞ。

「マスター。ありがとうございます」

「おお」

 他の精霊とは違って、命令を求めてこない。体積が大きい事もあって知能が高いのか?

「お前は何ができるんだ?」

「武器を与えてくれれば戦えます。探索ができます。採取ができます。...主に人の出来る事なら何でもできますマスター」

 質問に最初は他の精霊と同じように一個一個答えてくれたが途中で考えたのか省略して答えた。人の出来る事なら何でもできるのか。

「さて、どうするか。あの計画を実行に移すか」

 布製品は何も扱えない製作スキル。なのに布を使う製作が出てきたんだよ。念願だったベッド、これが布を使うんだ。もちろん、枕もそうだよ。家具の多くのゆったり成分を含む物にはもれなく布が入ってくるんだ。泣けるね。
 これを解消するのに布を探さないといけないんだ。って事は布を作らないといけないわけで、という事はその原料か布そのものを手に入れないといけないんだ。結果考え着いたのが人里を探すって事。貿易って奴をやらないとベッドが! 俺のゆったりが得られないんだ。
 なのでマネキン君には人里を探してきて欲しいんだよな~。不眠不休で歩けるんだから俺が行くよりも早いはずだしな。

「マネキン君には人里を探してほしいんだ。できるか?」

「はい、できます」

「自分が傷つくようなことがあったら逃げてもいい。盗賊だと判断したら応戦しなさい。盾君と剣君もつけるからね」

「その大斧も頂いていいでしょうか?」

「ん? ああ、必要ならばそうしなさい」

 マネキン君は自分で考える事も容易みたいだな。オークウォーリアの持っていた斧を指さしてほしいと言ってきたよ。マネキン君は斧が好きなようだな。

「では行ってきます」

「おう! 行ってらっしゃい」

 何だか人と話しているみたいだな。自然と笑顔になってしまうよ。
 人の形をしているってだけで何だかうれしい。

「和んでいる場合じゃないな。次は馬マネキンと鉄マネキンシリーズだ」

 木の馬マネキンと鉄のマネキンを作って全員で人里を探してもらう計画なんだ。この拠点の配送サービスは石君で賄えているから拠点には要らないんだよな。早速、作って木の馬マネキンに中精霊生成薬をぶっかける。

「ヒヒ~ン。ブルブルブル」

 馬のテンプレの泣き声を一つして、頬をすり寄せてくる木馬。サラブレットと思われる大きさの馬で艶めいているぞ。木で出来ているとは思えない重厚感だ。しかし、言葉は分かるのか?

「言葉は分かるか? 何ができる?」

「ヒン! ヒヒヒン!」

「分かっているようだが馬語しか喋れないのか...」

 失敗したな。これなら、木マネキンと一緒に行かせればよかった。石君に通訳を頼むか? 石君が分かってくれればいいけど。

「石君~、一人来てくれるか」

「はい」

 配送サービス中の石君を呼び止める。早速、馬君と話せるかを聞くと大丈夫と言ってくれた。石君を馬君の背に乗せて通訳をさせる。

「私は馬の出来る事なら何でもできます、っと」

「なるほど、人マネキンと用途は同じなのか」

 ようは真似事って事だな。マネキンの類はそう言ったものって事だな。尚更、木マネキンと一緒に行かせればよかったな。しょうがないから鉄マネキンと一緒に木マネキンとは反対方向に向かってもらうか。
 という事で予定は決まった。鉄マネキンを作って一緒に向かってもらおう。鉄の馬マネキンは今度で良いだろう。鉄鉱石も剣君達を作って結構減ったしな。鉄のマネキンを作るのに百使うからたぶん、枯渇するし。マネキンシリーズは地味に家とかよりも素材を使っているんだよな。家よりも詰まっているという事なのかもしれないが、倍以上も使うのはかなり痛い。オークの洞窟との間にも鉄鉱石の鉱脈が見つかったみたいだから、かなり資源は豊富だ。大丈夫何も問題ない。

「行ってまいります」

「おう! 行ってらっしゃい」

 鉄のマネキンを作って中精霊生成薬をぶっかけると木マネキンと同じ感じだった。命令も同様に与えると頷いて大斧を所望してきたよ。武器も潤沢なので大斧を渡すと試しに振り回して感触を楽しんでいた。マネキンはかなり優秀だな。一応、剣君と盾君も添えたので道中の危険はないだろう。木のマネキンでは鉄の重さに耐えられないようなので一緒に歩いて行くみたいだ。あれじゃ、馬の意味がないな。大八車をひかせてもいいんだけど、村とか町にしょっぱな入ろうとしたら絶対に撃退されてしまうだろう。俺達の世界であんなのが来たら間違いなく撃たれるか恐怖で逃げられる。この世界だったら間違いなく剣を振り下ろされるだろう。なので村や町が見つかったら最初の交渉は俺が行かないといけないんだよな。言葉分かるのかが心配だ。

 心配を口にだしながら製作を進めていく。小さな家を増産して、木の家具を揃えていく。布があればソファーとかも作れるのだが、ないのでゆったり感ゼロの家具達です。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った だけど仲間に裏切られてしまった 生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

超能力があれば転生特典なしでも強キャラだった件~帰還し命を救うため、モンスターを倒しまくるぞ~

うみ
ファンタジー
生まれながらにして「転移」「念動力」「自己修復」の異能を持っていた池添は、能力を隠し平凡な人生を歩んでいた。 卒業式の帰り道で命の危機に遭遇した彼は友人を見捨てて異世界に転移してしまう。 自分だけ逃げてしまったことに後悔する池添であったが、迫るモンスターを転移、心臓の血管を断ち切る必殺の一撃で打ち払う。そこで、不思議な声が彼の頭に響く。 なんと、自分の能力で逃げ出したわけじゃなく、この声の主が自分を転移させた原因だと言うのだ。 「あの時、あの場所にいけぞえさーんを帰すことができまーす」 「……ギブアンドテイクといったな。すみよん。お前の求めるものは何だ?」 「すみよんの元まで来てくださーい。そして、破壊してください。暴走を。オネガイ……です」 そんなわけで、友人を救うチャンスを得た池添は今度こそ彼らを救うことを誓う。 そのために能力を鍛えることが必要だと痛感した池添は、能力を自重せず使い、全力全開で進むことを決めた。 異世界で出会った仲間と共にモンスター討伐に明け暮れる日々が始まる。 ※ラストまで書けておりますので完結保証です!全47話予定。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...